2026年3月16日月曜日

花だより 校長室の休み時間 白梅 ゆきやなぎ

 


  女満別空港で教え子の○○君(あだ名はモッチ)のお母さんに会いました。
「牧野先生ですよね。モッチがたった今、東京の大学に行ったところです。会わせたかった、残念です。モッチは先生のことがずっと好きでした。」と言われたのです。モッチを担任したのは3年生の時です。他の子は、休み時間になると背中に乗ってきたり、膝の上に座わりにきたり、足にしがみついたりして「先生、遊ぼう、遊ぼう」とせがむ中で、モッチは遠くから眺めている子でした。担任を外れて転勤してからもずっと年賀状を送ってくる子でした。今はオホーツクの北の町の役場職員をしています。
 「先生、先生」と寄ってくる子は、担任がかわるとすぐに新しい先生に懐きます。そういう子は「小一ギャップ」にはなりません。その方が健全なのです。「園長先生大好き!」と言っていたYSさん、4月に小学校で会ったときは「園長先生!」と飛びつてきましたが、12月に会ったときは「ふん?」という感じでした。しっかり小学1年生になっていたので安心しました。
 校長室にゲームやおもちゃを用意して、休み時間に子どもたちを迎える校長先生がいます。それが「いい校長先生だ」と評価する人もいますが、私は反対です。「校長室は何のためにあるのか?」ということです。校長室のつくりは、他と違って少し豪華になっています。応接セットがあります。調度品が置かれ、歴代の校長の肖像がにらみを利かせているのが校長室です。
 休み時間は、友だちとグラウンドや体育館で遊ぶのが普通です。それが校長室に1人でくる子は学級でなじめない子です。教頭先生に「あの学級は大丈夫か?」と担任を指導するように言います。何か満たされないと他の子と違う行動を取るからです。
 担任が手に負えない悪ガキAが校長室にやって来て、ソファに寝転がるようになりました。校長室の居心地を悪くするために「論語」を読ませることにしました。すると児童館の先生から「校長先生、Aくんに論語を教えているんですか?
『人を外見で判断してはいけない』と論語に書いてあるの知ってる?」と言われたと言うのです。
 Aは母親が再婚して転校していきました。Aから手紙が来て「今度の学校の校長先生は、校長室に行っても論語を読めとは言わない。」とありました。
 手紙と言えば、網走市潮見小学校に赴任した時の3月、斜里中学校から親展の手紙を届きました。中にもう一通、かわいい絵柄の封筒が入っていました。
~牧野校長先生、お久しぶりです。小学校でお世話になった○○です。中学校を卒業するにあたり、お世話になった先生や思い出にある先生に手紙を書くことになり、私は牧野校長先生に手紙を書くことにしました。◇小学生のとき、校長先生は、いつもおもしろい話をしてくれるので、休み時間になるとよく校長室に行っていました。そのことを思い出したからです。斜里中に来てからは、校長室に行くことはありません。それは中学生なので仕方ないことです。◇3月14日が卒業式です。そして、4月からはたぶん高校生です。いろいろなことにチャレンジしていきます。校長先生もがんばってください。~
 思いがけない手紙でした。斜里朝日小学校には2年間だけの在職でした。○○さんは、当時小学5年生で口数の少ない大人しい子という印象でした。その子から4年経って手紙が来るとは思ってもいませんでした。どんなおもしろい話をしたか覚えていませんが、休み時間に校長室に来るのは何かあったのだと思います。“中学校では校長室に行くことはなかった”と書いてあったので安心するのと、立派に成長したことにうれしく思いました。素敵なお嬢さんになっていることでしょう。

2026年3月12日木曜日

花だより 「心の強い子」「がまん強い子」に育てる  キランソウ ムラサキハナナ

 

  「心の強い子」  ~自分の道を切り開ける子に育てる~ 
 子どもの心を強くすることは、挫折しても負けない気持ちの強さを育てるということになります。周囲の安易な空気に流されない心を育てるということです。自分の行くべき方向が見つかったら、迷うことなくその道を進めるということです。そういうへこたれない心の強い子だけがいつか自分の夢を手繰り寄せます。
 人間は打たれ強くなくてもいいのです。打たれ弱かったら、その弱さをカバーする方法を自分で見出せばいいのです。
 とても素晴らしい才能を持ちながら、がまんしてそれを育てることをしないで、安易な方向に流れてしまって結局芽を出せなかった人は数知れません。
 がまん力のない子は、順番を待つことやルールを守ることができず、小学校や幼稚園での集団生活に支障をきたしたり、欲しいものがあったときに、「買って、買って!」とダダをこねたり、自分の思い通りにならなければ、いわゆる「キレる子」になってしまいます。そうならないためにも、幼少期の子どもに「がまん」を教えることです。
 4歳ころから自制心が育ち始めます。頭ごなしに禁止するのではなく、なぜダメなのか説明し、気持ちを切り替えさせる。待てた時は褒め、徐々に我慢すの経験を積み重ねることです。がまん力、そして、心の強さは、親が子どもに与えることのできる素晴らしい贈り物なのです。是非、お子さんをがまん力のある、そして、心の強い子に育ててほしいものです。その子の未来は滔々(とうとう)と開けていくはずです。

2026年3月11日水曜日

花だより 教室での生成AI使用、ほったらからしで大丈夫? ハルリンドウ キランソウ

 

  ~霞が関だより~
     文科省教育課程課長 武藤久慶氏
   教室での生成AI使用、ほったらからしで大丈夫?
 生成AIの進化が止まりません。文科省がガイドラインを策定した当初は年齢制限もあり、個別にアカウントが必要でしたが、現在では検索エンジンが実装され、検索結果の上部にAI要約が自動的に表示されるようになりました。学習者はこれをコピペし、別のAIアプリを活用して見栄えのするスライドを作成することができます。一見きれいなプレゼンですが、子どもが頭を使わなくなるとの批判も出ています。脳の負担が減って効率化できる一方で、過度な依存は記憶力や批判的思考力の低下を招くリスクがあります。
 とはいえ、そこに端末があってAIが使える状態では、学校で少々禁止したからといって子どもは私用端末で簡単に使うことができてしまいます。それではどうすればよいか。私見として断った上でシンプルに2つ申し上げます。
1 AIの賢い使い方を具体的に指導する。例えば、プラウザのAI要約には引用ページへのリンクが付いているので、それを一つ一つたどり、情報源が公的な機関なのか、また、いつの情報なのか、古くないかも確認させる。あるいはAI要約を別のAIに検証させ、その結果を更に分析する活動を取り入れる。こうしたプロセスを経てから、自分が理解でき、納得でき、説明できるものだけを組み込むように指導し、出典を明記するように徹底する。
2 評価を徹底する。学習の途中ではAIを活用し、観点や情報を整理することも許容するが、最終的には子どもが地震の考えとして発表・執筆できるかを評価します。例えば、スライドを読み上げるのを禁じる。ノー原稿で話すようにする。テストモードを活用し、AIなしで書かせる評価する等、AIは、自分が賢くなるための学びの道具であることを明確に指導し、最終的には生徒自身に知識を外部に表現する活動を意図的に取り入れる。ねらいを明確にした上での「指導と評価の一体化」です。そうした根幹を抑えたうえで、細かい工夫を取り入れることが肝要です。
 デジタル学習基盤は学びのインフラですが、物事には必ず正負の両面があります。今後はデジタルのメリットとともに、マイナスの事例も積極的に発信し、デジタルを賢く使って、リアルな学びの充実につなげたい。

2026年3月10日火曜日

花だより 円滑な学級経営の土台「クラス替え」  スイセン クサボケ

 


 
  円滑な学級経営の土台「クラス替え」 
 クラス分けで重要なのは、偏りのない学級編成です。学力レベルをそろえるために学習評定などをもとに均等化を図る必要があります。
 小中学校の学級編成は「義務教育標準法」に基づいて行われます。法律が制定された昭和33年、1学級の児童生徒数は「上限50人」と定められ、以後「45人」、「40人」と少人数化が進み、令和7年にはすべての小学校で「35人学級」が実現しました。中学校でも順次少人数化が進められています。
 「標準法」制定以前は50人以上が“すし詰め”状態でした。同じクラスに所属しながら席が離れた相手とは口をきく機会も少ないまま卒業というケースも珍しくありません。
 35人学級(実際には1教室に30人前後)となった今は、子どものたちの距離は縮まり、グループを組んでの話し合いができ、担任も一人一人に目配りができる状態になることが望ましい。
 教室の様子を戦後80年の幅で見ると、児童生徒、座席の配置、教師との距離は大きく様が割りました。
 年に1回、学級をリセット 担任も変わる
 「クラス替え」は、以前は“持ち上がり”も含め「2年に1度」が一般的でした。最近は「年に一度」が一般的でした。最近は「年に1度」実施する学校が増えています。
 このため、4月に新しい学年に入るとクラスメートの多くが入れ替わり、担任の先生も代わり新学年がスタートすることになります。
 リセットのメリットは、学級の雰囲気は一変し,フレッシュな気持ちで学習ができる。新しい友だちができる。前のクラスではできなかった役割や経験ができる。苦手な相手とは離れることができる。
 反面、新たな人間関係になじめずストレスがたまり、前のクラス仲よしグループが休み時間に集まるといった光景が見られ、新たな環境が定着するのはGW明けともいわれている。
 ところがクラス替えができるのは都市部の学校だけで、少子化により、地方では学年2学級、1学級の学校がほとんどで、幼稚園(こども園)から中学校まで人間関係が変わらないのです。
       『日本教育』 2・3月号 「がっこうはじめてものがたり」から
 

2026年3月9日月曜日

花だより 裁量的な時間、使途を整理 「学習枠」「研修枠」を設ける

 


 教育をめぐる動き 文科省・中教審教育課程部会
  裁量的な時間、使途を整理 「学習枠」「研修枠」を設ける
 文科省は1月、中教審教育課程部会の総則・評価特別部会を開き、次期学習指導要領で導入する小・中学校の教育課程を柔軟に編成できる「調整授業時数制度」の具体案を示した。
 各教科の標準授業時数については、学校全体で調整できる上限幅や対象範囲を明示し、削減した時数を「裁量的な時間」として再配分する制度設計を打ち出した。
 内訳は「学習枠」と「研究・研修等枠」に整理した。学校ごとの判断で学習内容や指導体制を組み立てやすくすることで、児童・生徒の実態に応じた教育課程の実現を制度的に後押した。教科ごとに定められた標準授業時数を一定の範囲で下回ることを認め、その分の時数を別の教科への上乗せや、学校独自の教育活動に充てることができるようにする。
 現行制度では小6で最大85コマ、中3で76コマが上限だったが、これらを上回る調整幅を検討する。(月刊「日本教育」 2・3月号より)
 これを学校現場をどう受け止めるか?学校裁量と言いながら、これまで様々な制約を受けてきた。

2026年3月8日日曜日

花だより 「手書き離れ」に危機感 ねこやなぎ 紅梅

 

 AI(人工知能)を始めようとする教育現場でのさらなる活用は、2030年度以降の学習指導要領を検討する中教審でも議論が進んでいる。
 2月に開かれた英語分野の部会ではAIが英会話の練習や英作文の添削などに利用できるとして、指導要領にデジタル活用を明記する際に「AI活用は有効」と示す方針を確認した。
 他の教科でもデジタル活用が検討されている。別の部会では、小学2年の国語でローマ字入力の「タイピング」を体験する学習を導入する案が示された。「文字を書くこと」の学種の一環という位置づけだという。
 しかし、現場には「手書き離れ」への危機感がある。端末導入前と比べて漢字の書けない子どもが増えたので、国語で意識的に手書きを増やしている。なぜなら、手書きには、脳全体特に記憶や思考に関わる部分を活性化させ、記憶の定着率や集中力やを高める科学的な効果があり、手と指の複雑な動きと紙との触感が脳に強い刺激を与え、ストレスの軽減や思考の客観視や目標の向上にもつながる。手書きは学習の基本だからだ。 
 中教審は夏ごろに審議の方向性を示す予定だという。(読売新聞3月5日)

2026年3月7日土曜日

花だより 手をつなぐことの意味 辛夷(こぶし)

  


 2月の園内研修は、1年間の保育の成果について交流しました。
 0歳ひよこ組の担任から「お友だちと手をつなぐことができるようになりました。」と報告がありました。手をつなぐのは、園では当たり前のことだと思うでしょうが、1歳児にはとてもハードルが高いのです。集団生活の中で、毎日毎日の繰り返しの中でできるようになるのです。家庭ではできないことです。
 ひよこ組の保育室からゆうぎ室まで数メートルしかありません。入園当時は、先生が抱っこしていました。それが段ボールのマイカーに乗って引っ張られてゆうぎ室まで来ていました。それが今では、お友だちと手をつないで歩いて行けるまでに成長しました。特に乳幼児は、大人と手をつなぐことはできても、お友だちと手をつなぐことには抵抗感があります。手をつないで歩けないと散歩に行けません。避難訓練などの集団行動ができません。手をつなぐとは自分の安全を守るために必要なことなのです。これは、こども園の集団生活の中で身につくことです。しかし、その指導は簡単ではありません。
 手をつなぐと、◎相手との一体感や愛情を感じられる ◎ストレスが軽減される ◎安心感を獲得する ◎信頼関係が向上する ◎痛みが緩和される ◎脳波の同調といった様々な効果があります。これらの効果は、「幸せホルモン」の分泌が促進されると科学的に示されています。
 最近、妻と手をつなぐことが多くなりました。その理由は、冬道は滑りやすく転ばないようにするためです。