2026年2月22日日曜日

花だより TTは「1+1=1」  寒緋桜 黄梅

 

 
 「教育は人なり」言い尽くされた言葉ですが、「教育は金なり」という言葉の方が当てはまるのではないかと思います。
 学校にTTが導入されるとき、「1+1=2ではなく、1+1=1にする。」と言われました。「本来一人の教員がやるべきことができなくなり、チームでそれを補うのがTTの考えだ」というのです。また、「総合的な学習の時間」ができたとき、「教科書のある教科指導すら満足にできない教師に、一からカリキュラムづくりをする高度なことが教師にできるはずがない。また、そんな時間などない」と言った教育評論家もいました。なんと教師は低く見られたものだと反感を持ちましたが、現状は「1+1+1=1」になるくらい深刻です。
 「教育は人なり」と教師の尻を叩くだけで今日の課題は解決しません。国が教育に力を入れるとは、予算をつけることですが、総枠はあまり変わらないので、どこか増えるとどこかが減らされます。そして、問われるのが費用対効果です。例えば「加配によって、学力は上がったのですか?」と問われますが、いやいや教育力とは、道路整備のように目に見えるものではないのです。

2026年2月21日土曜日

花だより その子に合った教育を見つける  アズマイチゲ 流氷観光船オーロラⅡ

 

 

 「子育てが楽しくなる」(PHP研究所)
                 白百合女子大学 教授 田島 信元
 世の中には子育て情報があふれています。「何を信用すればいいの」と迷っている方も多いと思いますが、「実は子育てはそんなに複雑ではなく、むしろシンプルです。」
 子ども自身が持つ「育つ力」が強調されるようになっています。子どもはもともと「自己学習(発達)力」が備わっています。しかし、「育つ力」とは、実は「子どもは一人で育つ」という意味ではありません。大人の「育てる力」があってはじめて「育つ力」が発揮されるものです。
 ≪その子に合ったピッタリの教育 (日本人には日本の教育を)≫
 日本の子育ての常識をアメリカの子どもに当てはめると、子どもはパニックを起こします。逆に、アメリカの子育ての常識を日本の子どもに当てはめると、子どもはとても神経質になってしまいます。つまり、日本とアメリカでは、それぞれの文化的な土壌が違います。日本にピッタリ合った子育てを考えることが、子どもの発達に一番いいことなのです。日米の差だけの話ではありません。同じ日本で、他の家庭でスマートな教育をしているからといって、それをそのまま自分の子どもに当てはめるのは考えものです。うまくいかないばかりか、非常に危険なことです。これは同じ家庭のきょうだい間でもいえることです。まさに目の前のお子さんに「ピッタリ」あてはまる子育ては、お母さんがお子さんとやりとりしながら、自らあみ出していくものなのです。
 ≪ピッタリはどうすればよいのか?「ことば」と表情を大切にすること≫ 
 お母さんが与えている中で最も重要な刺激は「ことば」です。その「ことば」を使って子どもはものごとを考えるようになるのです。
 正しいことば、優しいことばで話しかけることで、子どもは頭や体を動かします。褒めるのも叱るのも、子どもはお母さんのことばを一番頼りにしています。ことばを一番交わすのは、お母さんだからです。そして、お母さんの表情も大事です。子どもは親の表情から本能的に思いを感じるのです。 (牧野要約)

2026年2月20日金曜日

花だより 義務教育の危機  白梅 冬ミカン

 



「義務教育の現状」 
  山崎 正和氏 (大阪大学教授、東亜大学学長、元中央教育審議会会長)
 人材育成への期待が高まっているが、人づくりの基礎となる義務教育の現場が、今危機に直面している事実は意外なほど知られていない。
 経済格差の拡大、家族関係の歪みなどによって、学齢以前の子どもの基礎教育が疎かになっていることが原因である。
 貧困家庭や父子・母子家庭の増加に伴い、いわゆる要保護児童・生徒とそれに準ずる子どもの数は6人に1人に達している。
 そういう家庭では親子の接触の時間が減り、しつけを中心とする家庭教育は不十分にならざるをえない。このことは学校現場に影響を与え、教員は学習を教える前に、まず教室で静かに着席させるために苦心するありさまだ。
 親の所得と学齢を合成したSES(社会経済的背景)という指数がある。これが子どもの学力と強く相関していることは、文部科学省の資料から明らかである。貧困家庭は次の世代をも貧しくすると言われるが、その前にこれを防ごうとする学校教育を難しく、教員の負担を重くしているのが現実である。また現代では注意欠陥・多動性障害の場合も通常の学級に在籍するなど障害児童・生徒も通常の学校で教える傾向が強まっている。これを症状ごとに個別に教える苦労は尋常ではない。
 元来、日本の教員は忙しかったが、こうした社会変化はその多忙を加速し、労働時間の過酷な延長をももたらしている。こうした困難な学校を支援するために、かねて教員には「加配定数」という制度があって、法定の定数外に若干の増員が認められていた。だが、財務省は子どもの減少を理由に、教職員全体を大量に削減する中で、この加配定数の大幅縮小を主張したのである。
 論拠は「費用対効果」だが、教育の効果は道路整備のように目に見えるものではない。学校現場が苦境の中で完全に荒廃していないのは、それ自体が加配定数の効果だと見ることは十分できる。義務教育の本質をさらに深く見直せば、現在の小中学校の実態は、ただ現状を守るという姿勢では終われないことは明らかである。責任は文教行政だけでなく、社会全体に及ぶことだが、現代日本の「高学歴・低学力化」は目を覆うものがあり、分数のたし算ができない大学生がいるという事実も広く知られている。その遠因は明白に義務教育にある。
 義務教育の内容は相当に高く、習得すれば社会人の教養として不足はないのに、それを国民の義務として習得させる制度がない。学制のどこにも落第の関門がなく、質を問わなければ全生徒を受け入れるだけの高校、大学がある。義務教育の充実は国の義務であり、それを習得するのは国民の義務である。両者の義務を果たすためには、ぜひここで制度の不備を正し、学校教育の強制力を強める必要があろう。(要約:牧野) 

2026年2月19日木曜日

花だより 子どもの「レジリエンス」を育む  黄梅 白寒菊

 

 
 「子どものレジリエンス」の研修をしました。(コドモンカレッジ)
 子どものレジリエンス(立ち直る力・しなやかさ)は、ストレスや逆境を乗り越え、再び前を向く力です。これは生まれつきのものではなく、自己肯定感、前向きな思考、信頼できる人間関係(特に親の愛情)によって後天的に鍛えられます。
◎失敗」を経験させる: 命に関わらない失敗であれば、先回りして手を出さず、自力で対処する機会を与える。
◎「プロセス」を具体的に褒める: 結果や能力(「頭が良いね」)ではなく、努力や工夫の過程(「頑張ったね」「工夫したね」)を褒める。
◎安心できる関係を築く: 温かいスキンシップと会話で、「何があっても大丈夫」という安心感を伝える。
◎感情を言葉にする: 落ち込んだ時に「悲しかったね」と感情を代弁し、感情とうまく付き合う方法を教える。
◎ポジティブな側面に目を向ける: 「どうすればできるか?」を一緒に考え、前向きな捉え方を促す。
  「耐える力 「我慢」を教える
 甘やかされ、わがままいっぱいに育った子どもは、何か思い通りにならないことがあると、たちまちパニック状態になります。しかし、世の中は一歩家の外に出ると、むしろ思い通りにならないのが当たり前です。
 誰しも学校、地域、職場と、世間の仕組みや周囲の人々と折り合いをつけながら人間的に成長していくものです。
 家庭は子どもを育み、守ると共に、社会に適応できるように準備する場でもあります。そして、そのために欠かせないのが、耐える力をつけてやることです。
 豊かな時代だからこそ、我慢することを覚えさせる必要があります。それが自分をコントロールする第一歩です。そのためにも、まず大人が慎む姿勢を示さなければなりません。
  毎日の生活に追われ、大事なことを忘れがちです。自分のことしか考えられなくなり、相手のことを推しはかる奥ゆかしさとか謙虚さを思い出させてくれる言葉があります。言われるとなるほどと思うことがたくさんあります。

2026年2月18日水曜日

花だより 教員の働き方改革が進まないのは日本文化が原因 ホトケノ座 ふきのとう

 

 

  ≪教員の働き方改革が進まないのは「日本文化」が原因≫
 欧米文化は「自己中心の文化」です。自分がどれだけ大きくなれるか、強くなれるか、儲かるか、欧米人は、自分ために生きています。それに対して日本人は、小さいときから「人のため」ということを意識しています。「人間」という通り、人と人の間に生きる。日本は「間柄の文化」なのです。冬季オリンピックで活躍したアスリートのインタビューでも、まず支えてくれた人たちへ感謝します。
 「自己中心の文化」は、思ったことを言えばいいし、したいことをすればいい、人の影響を受けるのは自分が未熟だから、という考えです。「間柄の文化」は反対に、常に人に配慮しなければなりません。相手の立場や気持ちに配慮できないことが未熟とされます。
 この「間柄の文化」は日本の教師の働き方にも影響を及ぼしています。目の前の子どもが何か課題を抱えているとき、「勤務時間が過ぎました。私の給料はこの時間までなので帰ります。」とは、日本の教師はなかなか言えません。相手の立場や配慮することが優先され、自分の役割を限定できないのです。欧米では、教師も勤務時間がきっちり決まっていて、それ以外の時間に子どもの相手はしません。日本人が欧米諸国のような「自己中心的の文化」を受け入れようとしても難しいでしょう。


2026年2月17日火曜日

花だより 「愛着障害」の子が増えている アネモネ ジンチョウゲ

 


   愛着障害? 自閉症?
 親子の間のしつけが成り立つためには、愛着関係が成立していることが必要です。
しつけは、子どもの側からすれば、自由が奪われ、強制される行為です。わがまま好き放題だった時期から一転して、親が理不尽な課題をどんどん押し付けると、子どもは、「大好きな親から見放されたくない」と、理不尽を受け入れることになります。それだけ愛情を失ってしまうのが怖いのです。
 幼児施設や学校では、親代わりの他人(教師)が、こうしたしつけに加わります。親子の愛着がしっかりできている子どもは、他人でも愛着関係が成り立ちます。教師に対する従順な態度は、親のしつけの意味がきちんと理解できている子どもに備わっている資質です。
 しかし、幼いころに長期にわたって親から十分な愛情を与えられなかったことで起きる「愛着障害」の子どもが増えています。
 「勘の強い子」や「執着心の強い子」「神経質な子」な子は特に心配です。すぐに不満を口にする子は良いのですが、がまん強くて気性の激しい子で、長期間我慢し続けて挙句、突然怒りを爆発させ、後々まで親に対する恨みを引きずることがあります。成人になってから爆発してしまうと、人生の道を誤ってしまうことになります。
 やっかいなことに愛着障害には「コミュニケーションがとりにくい」「人とのかかわりを持ちにくい」など、自閉症と似た症状もあるので、専門家でも分かりにくいことです。
 自閉症は、親の愛情不足などの環境要因で起こるものではなく、親の接し方を変えても変化があまりありません。しかし、愛着障害の場合は、親の接し方でみるみる変わっていきます。愛着障害は自閉症と違って、親が話をよく聞いてあげたり、丁寧にかかわってあげることで改善されることが多いのです。子どもに気になる症状がある場合や不登校などの問題がある場合は、まず、親子の対話やスキンシップの時間をしっかり持つことが大切です。    

2026年2月16日月曜日

花だより 「暗記」させることが大事 カンボケ 仏の座

 



  暗記させることが大事
 詩などを暗記することによって、子どもは言葉の構造や使い方を覚えます。新しい単語を覚え、他の単語との組み合わせ方を学ぶと、言葉を使うことの楽しさを感じるようになります。
 いったん暗記した単語は記憶の中に定着しているものです。暗唱することは、子どもにとっては「成果」になります。暗唱は子どもの学習能力の証しであり、「覚えて自分のものにすることができた」という自信につながります。
 子どもに暗記させる内容は、ことわざや格言、美しい詩、有名な文章などを選び、なぜそれを選んだかを説明しながら暗記させると効果的です。また、悲しいときに気分を盛り上げるような楽しい内容の歌詞もよいでしょう。
 子どもに暗記させるときは、繰り返しを重視する。何度も繰り返しているうちに覚えられるようになるからです。いったん覚えたものは数週間か数ヶ月毎に繰り返すと、さらに記憶に定着します。
 長くて一度に暗記させるのが難しいようなら、短く区切って少しずつ覚えさせると効果的です。このようにして長い内容を暗記できれば、子どもは達成感を得て、自尊心や自己肯定感を高めることができます。
 なぜ2年生でかけ算九九を覚えるのか? 
 それは脳の発達段階でこの時期が一番いいからです。高学年になると、論理的な思考に変わっていきます。ですから、2年生のときに、かけ算九九を完全にマスターしておかないと、高学年になってから、「まだ覚えていないから、もう一度やり直しをしましょう」と言っても難しいのです。