2026年10月23日金曜日

花だより 保護者への上から目線を改める クルミ 松茸

  保護者への上から目線を改める ≪保護者に不満を持つ教師≫
 「みんな同じように指導しているのに、『先生はうちの子だけ叱る』と自分の子どものいうことを鵜呑みにして一方的に苦情を言う親がいる。」 確かに保護者の中には、教師の考えを聞こうとせず一方的にクレームを付けたり、教師を困惑させたりする人がいます。
 そういう保護者は、学校の出来事をわが子にとって都合の良いように考えてしまう保護者です。教師の意見よりもわが子の言うことを優先する自己中心的な考え方です。また「成績が伸びないのは教師の指導に問題がある」と、自分の子どものマイナス面を教師のせいだと、それを攻撃的な口調や態度で表現する人もいます。
  ≪教師も自分を見直す≫
 教師も親も同じなのに互いに相手を責めていては何も好転しません。保護者に対して腹立たしく感じることがあっても、まずは一呼吸おくことです。
 保護者の態度を批判する教師がいます。これは相手も同じです。「先生は、期待する教育をしてくれない。」と考える保護者も多いはずでお互いさまです。保護者を変えるのは難しい。まずは教師が変わることです。
 ≪保護者に対して≫  *30代の頃は生意気な教師でした。そのころ先輩や教頭先生から言われたことがありました。
① 教師は教育の専門家、子どもの教育は教師に任せておくべき、保護者はあれこれ口出ししないで黙っていればいいという態度をとっていないか?
② 教師は子どものために仕事をしている。保護者は教師のやっていることに協力するのは当然だとする自己中心的態度をとっていないか?
③ 言葉の語尾を上げて「教えてやっている」と相手を見下ろすように、いかにも偉そうだったり、脅迫的であったり、威張った態度をとっていないか?
 以上のような態度で保護者に接してこなかったか、問い直してみることが大事です。また、トラブルを避けたいという気持ちから、保護者の要求を全て受け入れてしまう態度は、教師として無責任であり、結局は保護者を軽く見ていることになります。
 教師はこのような「上から目線の態度」で接している限り、保護者からの信頼を得ることはできません。無意識のうちに、こうした態度に陥っていないか、教師は自らを問い直すべきです。その上で、保護者と共に自由に意見交換できる対等な協力関係をつくって、教育を進めたいものです。
 子どもが小学校に入学して、自分も保護者になったとき、先輩や教頭先生からの忠告が身に染みてわかりました。

2026年10月22日木曜日

花だより 幼児教育、子育ての本質は変わらない(昭和23年の保育要領)  ショウメイギク サルビア

 

  
  1948年(昭和23)に刊行された文部省編「保育要領~幼児教育の手引~」 
  1 家族の感情や態度は、子どもの人なりや行動を決定するのに重要な役割をはたすも
    のであること
  2 幸福で円満な子どもにするには、まず健康に育て上げること
  3 子どもは家庭の一員として仕事を分け合い、ともに楽しむこと
  4 愛情・権利・責任感は必要性であるが、偏愛は害であること
  5 父母の人がら、夫婦生活は子どもへの影響が大であること
  6 子どもらしく、その年齢における発育の程度に応じて育てること
  7 子どもの個人差を考慮すること
  8 成熟の程度及びそれと保育との関係を知ること。成熟には時間を要するというこ
   とを知ること
  9 それぞれの発達段階における子どもの能力を知ること。新しい能力を使用する機会
   としげきを与えること
 10 子どもは常に愛情を求めていることを念頭におくこと
 11 自分がのけ者にされていると思うときに、子どもは反抗的になったり、ひがんだり
   する。
 12 大人があまりこまごまと世話をしたり、心配り過ぎないこと。そうするとかえって
   悪い習慣がつく。
 13 快く睡眠をとるようにしてやること。床につくのは一般にいやがるものである。
 14 お手伝いは、子どもが自分で進んで協力したいと思うようにしむけること
 15 お手伝いは、感情に走ったり、あまり気を配り過ぎないこと。あまり気を遣い過
   ぎるとかえってしなくなる。
 16 幸福な満たされた生活をしている子どもは、社会的に承認される行動をとる。
 17 悪い行為は、情緒的混乱と子どもの欲求が満たされないところにあること
 18 子どもが社会的行動をとるように導く。両親が温かい心持ちで子どもを理解するこ
   とで、はじめて自主性が生まれる。子どもに安定感を与え、行動の基準を知らせると
   ともに、自分で思うようにやれるだけの自由を与えることが大切である。
 19 自分のことは自分でやる独立心を養う。いつまでも監督を受けたり、せかしたりせ
   ずに、自分のことや他人のことを自らするようにする。幼小のころから他人に頼らず
   にすることは、大きくなってからの独立できるもとである。
 20 幼児の遊びは「仕事」でもあり「学習」でもある。
 21 粘土・絵具・積木・おもちゃなどは、創造的遊びや模倣遊びのよい材料になる。
 22 散歩・絵本・お話・音楽・歌唱等は、子どもの遊びの経験を豊富にする。
 23 子どもは自分と同年代の友だちを求める。
 24 グループ内で子ども同士が互いに接触して遊ぶことが大切であること
 25 集団生活の経験を与えるところに幼稚園や保育所の価値がある。
                          
 戦後まもない頃、幼稚園・保育所及び家庭生活に共通の幼児教育の手引として作成されたものです。保護者に向けて、「幼児の特質がどんなものであるかをわきまえ、それに応じた適切な教育や世話」を行うことが示されています。現在の幼児教育と通じるものばかりです。それを直接、保護者に対して説いた「要領」があったことに驚かされます。

  *ウェブバージョンでご覧ください。

2026年10月21日水曜日

花だより 新たな教科書「紙中心」(大臣指針) 完全デジタル小4以下認めず ダリア ハゲイトウ

 

 2030年以降の小中高校の教科書で導入されるデジタル教科書について、大臣指針では、新たな教科書は紙中心としデジタル部分は補助的・補完的な扱いにすると位置付けた。完全デジタル教科書は小4以下は認めず、小5以上も英語や美術・音楽など実技系教科などに限定するとした。
 有識者会議で「年齢が低い子は認知機能が発達途上にあり、デジタルの影響が大きい」「紙の活用が学習に効果的」といった指摘があったことが背景にある。このほか、手書きの重要性に配慮して、「書く活動の授業中の確保」を明記。「AIの搭載は、実証研究などを注視しつつ検証する」との言及にとどめた。
 新たな教科書は、30年度から小学校から順次導入される。導入後、学習や健康への影響を検証し、必要に応じて見直すことも盛り込まれたが、デジタル分野の進歩のスピードは凄ましい、特にAIはハンパない。4年後に導入される新しい教科書が、「もう古い」と言われるのではないかと心配である。
 教育には普遍的な部分がある。また、最も保守的なのが教育分野だといわれている、しかし、これからは時代に合わせてスピード感をもって変えていかなければならないと思う。
   *ウェブバージョンでご覧ください。

2026年10月20日火曜日

花だより あてにならない平均点 ツルウメモドキ ウド ヤマブドウ ホオズキ

 

 期末テストの数学は65点だった。「それってどうなの?」親なら思うでしょう。「平均点は60点だよ」、“それならいいか”と親は一安心。国語は75点だった。「いいじゃないの!」(ところが国語の平均点は70点)
 学校のテスト(成績)だけでは、本当の実力は分からない。順位は学年10位以内だからといって、うちの子はできると思わない方がよい。全国学力・学習状況調査で北海道、特にオホーツク管内は毎回低い。学校でのテストが平均点に近いということは、全国レベルでは平均以下ということになる。有名私立高校の入学説明会(推薦枠)でのこと「一応評定4.25以上とさせていただいていますが、当管内の場合は、4.5以上とさせていただきます。」とあからさまに言われたことがあった。
 比べる相手は同じ学校内で限られているので、学校内の順位や平均点はあまり意味がない。そもそも学校のテストや評定は、指導の区切りをつけるためのもので、他の学校と比べるものではない。受験が近づくと本当の実力を知るために学習塾に通うのもよくわかる。
 学校のテストや通知票は学力の証明書ではないのです。親は見誤ってはなりません。
 中には評価を甘くしてやる気を喚起させようとする先生もいるようですが、きちんと己の実力を知ることも大切です。学校は、こうしたことをきちんと説明する責任があるように思います。


2026年10月19日月曜日

花だより  学校の統廃合問題 学校が無くなるのは寂しいけれど… 秋の石北通り遊歩道

 
 少子化と校舎の老朽化に伴い、学校の統廃合が進んでいる
 文科省の公立小学校の適正規模は12~18学級を標準としている。過日、網走潮見小学校を訪ねた。赴任当時(15年前)は児童数600人を超える管内1・2の学校だったが、今は半分以下になっていた。オホーツク管内には12学級以上の学校は数校しかもうない。町には小学校1校、中学校1校の割合が増加している。さらに義務教育学校化が進み、近い将来町には学校が1校だけになるだろう。
 小規模のデメリットは、▽クラス替えができない。▽競い合って学びを高める活動ができない。▽部活動の規模や種類が限定される。などに加え、教員一人で複数の学年を受け持つことから負担が大きいとされているが、あくまでも決めるのは市町村だ。統合には計画策定や校舎の建設など長い時間がかかる。必要に迫られてから考えるのではなく、早めに検討を進めなければならない。
 どの市町村も早くから検討委員会を設置し、保護者や地域住民から意見を聞く。「通学が遠くなる」、「大規模校になれば、教員が子ども一人一人に向き合う時間が減り、いじめや不登校を見逃す」などの心配に加え、母校が無くなる寂しさ、学校行事は地域の行事でもあり、学校がなくなることは、地域の衰退につながるとして、反対の声が根強くある。 「校長は、どう思うか?」と問われるが、現職の校長は立場上、いいともわるいとも答えられない。
  転校生も不安を抱えているが、1カ月も経てば、そんな不安は一掃される。ほとんどの子どもは環境に適応する能力を持っている。そして当管内では、統合しても大規模校になることはない。統廃合した学校で問題が生じたという話を聞いたことがない。そこの学校の先生方や教育委員会の頑張りがあるからだと思う。
 統合を前向きに捉え、将来の子どもたちがよりよい教育環境で過ごせるよう、時代に合った学校を作る発想が必要だと考えます。
        *ウェブバージョンでご覧ください。

2026年10月18日日曜日

花だより 毛筆は一発勝負! 「書」は集中力が大事  イタドリ コスモス アシタバ

  


≪書の心≫ 
 心の邪正(じゃせい)気の強弱 筆画之掩(ひつがくこれおお)うこと能(あたわ)ず
  *世界無形文化遺産登録に値する「書道」*
 文字の練習だけでは よい作品は生まれない
  大きな緊張に耐える心の修養が欠かせない
   これは書家である以上 いつまでも続くことである

                 書家 高木 聖鶴
 鉛筆で書いた文字は、消しゴムで消せる。PCではいろいろなフォントを選べるし何度でもやり直しはきく。しかし、毛筆はそうはいかない。一発勝負なのです。
 自民党総裁選挙で候補者が揃って出席したテレビ番組で、それぞれの思いをフリップに書いてカメラの前に出しました。内容よりも「ああ~、これが次期総理になる人の字か?」と思ったのです。昔の政治家は、皆さん字が上手だったように思いました。
 字の上手い下手と知能とは関係はないそうですが、字にはその人の性格が出るといいます。だから履歴書は自筆で書くことが求められていましたが、なぜか今は違うようです。
 幼児の発達検査に△や□、〇を描く内容がありますが、最近は形をなぞれなかったり、形がとれない子が多くいます。就学時検診の知的検査にひし形(🔶)を描く問題があります。発達段階を見る問題で、ひし形のような先がとがった形は、5歳くらいまでは描けない難問です。ところが4歳児でも上手に描ける子がいます。普段からお絵かきをよくする子です。発達支援検査に来た先生から、「お絵かきが小学校に入ってからのひらがなや漢字の書き取りにつながります。たくさん描かせてください。」と言われました。何でも練習が大事だということです。

2026年10月17日土曜日

花だより 七五三の祝いと「親心」 イチョウ モミジ 

 

 「育てずにはいられない心」、親であれば本能的に持っているのが「親心」?
   散歩の途中、神社の境内で「七五三参り」の家族写真を撮っている場面に出会いました。子どもは勿論、お父さんはスーツ、お母さんは着物姿でした。写真やさんが「笑顔でお願いします」と言う前に、みんなニコニコ顔でした。とってもいい記念写真になったことでしょう。
 ≪親心≫ 本来の意味は、子どもの幸せや安全を願い、慈しむ親の愛情をいいます。転じて、上司や先輩などが、後輩や部下に対して親切心や庇護の気持ちをもって親のように接することとしての意味もあります。
 “親思う心にまさる親心~子が親を慕う気持ち以上に親が子を思う愛情の方が深い~”というたとえです。また“親心知らず~親がどれほど子を思っていても、その気持ちはなかなか子どもには伝わらない~”という言葉もあります。
 不登校児を抱える保護者に「子育てにお悩みであれば、相談機関を紹介しますよ。」と声をかけると「いいえ、子どもの意思を尊重して、子どもときちんと向き合いますから、大丈夫です。」と返えしてくる親が一番心配です。さらに、自分の意に合う答えが返ってくるまで相談機関をはしごする親もいます。それぞれの相談機関で言うことが違うということもありますが、自分に都合の良い回答を期待するからです。
 幼児教育の父、倉橋惣三先生は、「育てずにはいられない心、それが最も貴い育ての心」と言っていますが、具体的に言わないと分からない親がいます。
 「子どもを授かったから親になったのではなく、親は子どもと共に成長しなければならない。その権利を授かった。」とも倉橋先生は言っています。
 『北の国から』はシリーズを通して、五郎が純や蛍に「親心」を行動で示すドラマだと思います。