1948年(昭和23)に刊行された文部省編「保育要領~幼児教育の手引~」 1 家族の感情や態度は、子どもの人なりや行動を決定するのに重要な役割をはたすも
のであること
2 幸福で円満な子どもにするには、まず健康に育て上げること
3 子どもは家庭の一員として仕事を分け合い、ともに楽しむこと
4 愛情・権利・責任感は必要性であるが、偏愛は害であること
5 父母の人がら、夫婦生活は子どもへの影響が大であること
6 子どもらしく、その年齢における発育の程度に応じて育てること
7 子どもの個人差を考慮すること
8 成熟の程度及びそれと保育との関係を知ること。成熟には時間を要するというこ
とを知ること
9 それぞれの発達段階における子どもの能力を知ること。新しい能力を使用する機会
としげきを与えること
10 子どもは常に愛情を求めていることを念頭におくこと
11 自分がのけ者にされていると思うときに、子どもは反抗的になったり、ひがんだり
する。
12 大人があまりこまごまと世話をしたり、心配り過ぎないこと。そうするとかえって
悪い習慣がつく。
13 快く睡眠をとるようにしてやること。床につくのは一般にいやがるものである。
14 お手伝いは、子どもが自分で進んで協力したいと思うようにしむけること
15 お手伝いは、感情に走ったり、あまり気を配り過ぎないこと。あまり気を遣い過
ぎるとかえってしなくなる。
16 幸福な満たされた生活をしている子どもは、社会的に承認される行動をとる。
17 悪い行為は、情緒的混乱と子どもの欲求が満たされないところにあること
18 子どもが社会的行動をとるように導く。両親が温かい心持ちで子どもを理解するこ
とで、はじめて自主性が生まれる。子どもに安定感を与え、行動の基準を知らせると
ともに、自分で思うようにやれるだけの自由を与えることが大切である。
19 自分のことは自分でやる独立心を養う。いつまでも監督を受けたり、せかしたりせ
ずに、自分のことや他人のことを自らするようにする。幼小のころから他人に頼らず
にすることは、大きくなってからの独立できるもとである。
20 幼児の遊びは「仕事」でもあり「学習」でもある。
21 粘土・絵具・積木・おもちゃなどは、創造的遊びや模倣遊びのよい材料になる。
22 散歩・絵本・お話・音楽・歌唱等は、子どもの遊びの経験を豊富にする。
23 子どもは自分と同年代の友だちを求める。
24 グループ内で子ども同士が互いに接触して遊ぶことが大切であること
25 集団生活の経験を与えるところに幼稚園や保育所の価値がある。
戦後まもない頃、幼稚園・保育所及び家庭生活に共通の幼児教育の手引として作成されたものです。保護者に向けて、「幼児の特質がどんなものであるかをわきまえ、それに応じた適切な教育や世話」を行うことが示されています。現在の幼児教育と通じるものばかりです。それを直接、保護者に対して説いた「要領」があったことに驚かされます。
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