2026年10月26日月曜日

花だより 社会人1年で教員免許 ナナカマド モミジ

 

 文科省は教員不足解消策として、社会人が学校現場で働き、給与を得ながら教員免許を1年以内に取得できる教職課程を大学院に創設する方針を固めた。多様な社会経験を持つ人材を学校に呼び込むねらいがある。(読売新聞10月23日)
 現在、教職課程を履修したことのない社会人が大学院で免許を取得するには3年ほどかかるが、1年以内の修了を可能にする。教員免許の取得には56単位以上の単位が必要だが、うち20単位は社会人経験を踏まえて取得済と見なす。新課程で修得する単位は、教科指導や児童・生徒の心理の発達などで10単位程度、教育実習26単位程度となる予定。さらに教員免許は持っていても別な仕事に就いたり、主婦となったペーパーティーチャーの採用も増えているという。
 戦後の教員不足を解消するため、高校卒で代用教員として採用した時代があった。自分が新卒の頃、年配の先生の多くは、そうした先生だった。就職してから、通信教育や養成所に通い免許を取得したと聞いた。その中の一人、中川洋子先生(母と同じ年齢で存命なら94歳になる)と職場を同じにしました。教員生活を全てへき地校で過ごし、複式・低学年のスペシャリストでした。優しい面倒見のいい先生で多くのことを学びました。教育大を出たから、いい教師になれるとは限らないと思いました。
 こども園の先生は、幼稚園教諭と保育士の両方の免許を持っています。ほとんどが専門学校か短大卒です。小中学校の教員と違うのは、幼稚園の先生や保育士に憧れて幼児教育を志す人が圧倒的に多いということです。決して楽な職業ではありません。むしろ学校の先生よりブラックかもしれません。それでも、先生方を見ていると、“本当に子どもが好きなんだなあ~” 天職だと思う先生ばかりです。どんな職業も「生きがい」、「やりがい」がなければ続かないものです。
 特に教員には、適性やセンスが大事だと感じます。“学力が高い人=優秀な教員”とは限りません。現職の校長がよく言うのは、「最近は教員になるのは簡単、辞めるのも簡単。しかし、不適格な教員を辞めさせるのは難しい。社会人経験が豊富だから、いい先生になれるとは限らない。」 採用時、教員としてのやる気や適性・センスを見抜くのは難しいものです。
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2026年10月25日日曜日

花だより 『夢を持つ者は、努力を怠らない』 浅田真央VS金妍児 フジバカマ ホトトギス

 

 
 
 フィギュアスケート界の新星 島田麻央(17歳) トリプルアクセル(3回転半)、4回転ジャンプで2030年オリンピック金メダル有力候補だという。彼女は浅田真央さんに憧れてスケートを始めた。オリンピックの銀盤で浅田真央さんと金メダルをかけたのが韓国の金妍児(キムヨナ)選手でした。彼女は当時の世界最高点を挙げて金メダルを獲得しました。その栄誉を称え母校の門に“夢を持つ者は学ぶことを怠らない”と刻まれた石碑が置かれたそうです。
 1990年にソウル近郊に生まれ、幼いころからスケートを始めました。天才というより“努力の人”だと周囲の人は語ります。小学校の頃、キム選手を指導したコーチは、「とにかく練習量がすごかった。その一言の尽きる」と語っています。浅田真央さんと同年齢で世界を魅了した二人には、フィギアスケート界での生まれながらの因縁があるように見えてなりません。時代はかわって、浅田真央さんに憧れてスケート選手になった少女が活躍するようになりました。
 “オリンピックで重要なのは、勝つことではなく参加することにある”有名な言葉ですが、その後に“人生で大切なことは成功することではなく、努力することである”とあることも忘れてはなりません。
 名古屋で障がい者の祭典パラリンピックアジア大会が開催され、日本選手団は過去最高の186個のメダルを獲得して閉幕しました。大メディアからはあまり取り上げられませんが、まさに努力を怠らない人たちの祭典です。
 『夢を持つ者は、努力を怠らない』教えるプロとしての教師にとって、示唆的な言葉であるように思います。*ウェブバージョンでご覧ください。

2026年10月24日土曜日

花だより 子どものプライドが傷つけられた? ユウゼンギク シオン

      
 中学校の授業についていけない生徒に、先生が小学校の問題を解かせてみました。学力がどのレベルまで達しているのか調べたかったのです。ところが後でこの生徒の親が学校に抗議に来ました。「小学生の問題を解かされて、子どものプライドは傷つけられた。」というのです。この場合は、子どもというより、親のプライドかもしれません。親なら「あら、しっかり見てくれるいい先生ね」と言ってほしかったです。
 勉強に限ったことではありませんが、わからなくなったら立ち止まって考え、わかるところまで引き返してやり直すのが基本です。引き返すのをこわがる小さなプライドなら、一度壊してしまった方がいいと思ってしまいますが、なかなかそうもいきません。
 人間誰でもプライドは持っています。子どもには子どものプライドがあります。しかし、そのプライドは、経験を積み重ねながら強くしっかりとしたものにしていかなければなりません。ときには粉々に打ち壊されて、強くなっていくのがプライドです。学校や先生が悪いと責任を人に押しつけているだけでは、この先もちょっとしたことで傷つけられたと思いこんでしまうようなガラスのプライドになってしまいます。そんなプライドは、強く生きていくためには何の役にも立ちません。
 これも「褒めて育てる教育」の弊害かもしれません。叱られたり、失敗の経験が少ないと、▼打たれ弱くなる ▼褒められないとやる気が出ない ▼困難な挑戦を避けるようになる ▼見返りを求めるようになるのです。
    
秋深い野付牛公園
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2026年10月23日金曜日

花だより 保護者への上から目線を改める クルミ 松茸

  保護者への上から目線を改める ≪保護者に不満を持つ教師≫
 「みんな同じように指導しているのに、『先生はうちの子だけ叱る』と自分の子どものいうことを鵜呑みにして一方的に苦情を言う親がいる。」 確かに保護者の中には、教師の考えを聞こうとせず一方的にクレームを付けたり、教師を困惑させたりする人がいます。
 そういう保護者は、学校の出来事をわが子にとって都合の良いように考えてしまう保護者です。教師の意見よりもわが子の言うことを優先する自己中心的な考え方です。また「成績が伸びないのは教師の指導に問題がある」と、自分の子どものマイナス面を教師のせいだと、それを攻撃的な口調や態度で表現する人もいます。
  ≪教師も自分を見直す≫
 教師も親も同じなのに互いに相手を責めていては何も好転しません。保護者に対して腹立たしく感じることがあっても、まずは一呼吸おくことです。
 保護者の態度を批判する教師がいます。これは相手も同じです。「先生は、期待する教育をしてくれない。」と考える保護者も多いはずでお互いさまです。保護者を変えるのは難しい。まずは教師が変わることです。
 ≪保護者に対して≫  *30代の頃は生意気な教師でした。そのころ先輩や教頭先生から言われたことがありました。
① 教師は教育の専門家、子どもの教育は教師に任せておくべき、保護者はあれこれ口出ししないで黙っていればいいという態度をとっていないか?
② 教師は子どものために仕事をしている。保護者は教師のやっていることに協力するのは当然だとする自己中心的態度をとっていないか?
③ 言葉の語尾を上げて「教えてやっている」と相手を見下ろすように、いかにも偉そうだったり、脅迫的であったり、威張った態度をとっていないか?
 以上のような態度で保護者に接してこなかったか、問い直してみることが大事です。また、トラブルを避けたいという気持ちから、保護者の要求を全て受け入れてしまう態度は、教師として無責任であり、結局は保護者を軽く見ていることになります。
 教師はこのような「上から目線の態度」で接している限り、保護者からの信頼を得ることはできません。無意識のうちに、こうした態度に陥っていないか、教師は自らを問い直すべきです。その上で、保護者と共に自由に意見交換できる対等な協力関係をつくって、教育を進めたいものです。
 子どもが小学校に入学して、自分も保護者になったとき、先輩や教頭先生からの忠告が身に染みてわかりました。

2026年10月22日木曜日

花だより 幼児教育、子育ての本質は変わらない(昭和23年の保育要領)  ショウメイギク サルビア

 

  
  1948年(昭和23)に刊行された文部省編「保育要領~幼児教育の手引~」 
  1 家族の感情や態度は、子どもの人なりや行動を決定するのに重要な役割をはたすも
    のであること
  2 幸福で円満な子どもにするには、まず健康に育て上げること
  3 子どもは家庭の一員として仕事を分け合い、ともに楽しむこと
  4 愛情・権利・責任感は必要性であるが、偏愛は害であること
  5 父母の人がら、夫婦生活は子どもへの影響が大であること
  6 子どもらしく、その年齢における発育の程度に応じて育てること
  7 子どもの個人差を考慮すること
  8 成熟の程度及びそれと保育との関係を知ること。成熟には時間を要するというこ
   とを知ること
  9 それぞれの発達段階における子どもの能力を知ること。新しい能力を使用する機会
   としげきを与えること
 10 子どもは常に愛情を求めていることを念頭におくこと
 11 自分がのけ者にされていると思うときに、子どもは反抗的になったり、ひがんだり
   する。
 12 大人があまりこまごまと世話をしたり、心配り過ぎないこと。そうするとかえって
   悪い習慣がつく。
 13 快く睡眠をとるようにしてやること。床につくのは一般にいやがるものである。
 14 お手伝いは、子どもが自分で進んで協力したいと思うようにしむけること
 15 お手伝いは、感情に走ったり、あまり気を配り過ぎないこと。あまり気を遣い過
   ぎるとかえってしなくなる。
 16 幸福な満たされた生活をしている子どもは、社会的に承認される行動をとる。
 17 悪い行為は、情緒的混乱と子どもの欲求が満たされないところにあること
 18 子どもが社会的行動をとるように導く。両親が温かい心持ちで子どもを理解するこ
   とで、はじめて自主性が生まれる。子どもに安定感を与え、行動の基準を知らせると
   ともに、自分で思うようにやれるだけの自由を与えることが大切である。
 19 自分のことは自分でやる独立心を養う。いつまでも監督を受けたり、せかしたりせ
   ずに、自分のことや他人のことを自らするようにする。幼小のころから他人に頼らず
   にすることは、大きくなってからの独立できるもとである。
 20 幼児の遊びは「仕事」でもあり「学習」でもある。
 21 粘土・絵具・積木・おもちゃなどは、創造的遊びや模倣遊びのよい材料になる。
 22 散歩・絵本・お話・音楽・歌唱等は、子どもの遊びの経験を豊富にする。
 23 子どもは自分と同年代の友だちを求める。
 24 グループ内で子ども同士が互いに接触して遊ぶことが大切であること
 25 集団生活の経験を与えるところに幼稚園や保育所の価値がある。
                          
 戦後まもない頃、幼稚園・保育所及び家庭生活に共通の幼児教育の手引として作成されたものです。保護者に向けて、「幼児の特質がどんなものであるかをわきまえ、それに応じた適切な教育や世話」を行うことが示されています。現在の幼児教育と通じるものばかりです。それを直接、保護者に対して説いた「要領」があったことに驚かされます。

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2026年10月21日水曜日

花だより 新たな教科書「紙中心」(大臣指針) 完全デジタル小4以下認めず ダリア ハゲイトウ

 

 2030年以降の小中高校の教科書で導入されるデジタル教科書について、大臣指針では、新たな教科書は紙中心としデジタル部分は補助的・補完的な扱いにすると位置付けた。完全デジタル教科書は小4以下は認めず、小5以上も英語や美術・音楽など実技系教科などに限定するとした。
 有識者会議で「年齢が低い子は認知機能が発達途上にあり、デジタルの影響が大きい」「紙の活用が学習に効果的」といった指摘があったことが背景にある。このほか、手書きの重要性に配慮して、「書く活動の授業中の確保」を明記。「AIの搭載は、実証研究などを注視しつつ検証する」との言及にとどめた。
 新たな教科書は、30年度から小学校から順次導入される。導入後、学習や健康への影響を検証し、必要に応じて見直すことも盛り込まれたが、デジタル分野の進歩のスピードは凄ましい、特にAIはハンパない。4年後に導入される新しい教科書が、「もう古い」と言われるのではないかと心配である。
 教育には普遍的な部分がある。また、最も保守的なのが教育分野だといわれている、しかし、これからは時代に合わせてスピード感をもって変えていかなければならないと思う。
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2026年10月20日火曜日

花だより あてにならない平均点 ツルウメモドキ ウド ヤマブドウ ホオズキ

 

 期末テストの数学は65点だった。「それってどうなの?」親なら思うでしょう。「平均点は60点だよ」、“それならいいか”と親は一安心。国語は75点だった。「いいじゃないの!」(ところが国語の平均点は70点)
 学校のテスト(成績)だけでは、本当の実力は分からない。順位は学年10位以内だからといって、うちの子はできると思わない方がよい。全国学力・学習状況調査で北海道、特にオホーツク管内は毎回低い。学校でのテストが平均点に近いということは、全国レベルでは平均以下ということになる。有名私立高校の入学説明会(推薦枠)でのこと「一応評定4.25以上とさせていただいていますが、当管内の場合は、4.5以上とさせていただきます。」とあからさまに言われたことがあった。
 比べる相手は同じ学校内で限られているので、学校内の順位や平均点はあまり意味がない。そもそも学校のテストや評定は、指導の区切りをつけるためのもので、他の学校と比べるものではない。受験が近づくと本当の実力を知るために学習塾に通うのもよくわかる。
 学校のテストや通知票は学力の証明書ではないのです。親は見誤ってはなりません。
 中には評価を甘くしてやる気を喚起させようとする先生もいるようですが、きちんと己の実力を知ることも大切です。学校は、こうしたことをきちんと説明する責任があるように思います。