2019年9月30日月曜日

花だより 節目を大切にする サワキキョウ

 “節目を大切にする”◎●◎始業式は「節目」◎●◎
 竹は1 日に1メートル以上も大きくなることもある成長の早い植物です。しかし、ただ上へ上へと伸びたのでは、自分自身を支えきれなくなってしまいます。そこで、自分を支えるために「節目」があるのです。雪が積もった時は、体を「くの字」に曲げて耐え抜き、簡単に折れることはありません。それは「節目」があるからです。同じように、私たちも「節目」があるから成長するのです。更なる成長には「節目」が必要なのです。
学校では、入学式、終業式、始業式、卒業式、他に運動会や学芸会も「節目」です。竹のように大きく成長するためには、「節目」ごとに「目標をはっきりと立てる」ことが必要です。
 先週金曜日の終業式の後、「校長先生、終業式で読んだ人って誰?(通知表「あゆみ」の所見を紹介した)私じゃないよね。あんなにいい子なわけないもん。「B」もいくつかあったし、私がんばるから、今度読んでね!」 と言いにきた子がいました。これも立派な目標になると思います。
《後期始業式 6年生代表の発表から》~前期の振り返りと後期の抱負~
 前期では、「修学旅行」、「お泊まりキャンプ」で集団行動の大切さを改めて学びました。集団行動での規律を守ることをこれからの生活に取り入れていきたいと思います。
後期では、学芸会をがんばります。これが最後の学芸会なので、大成功させたいです。私は器楽をやります。きっと難しいだろうと思っています。それでもがんばってやります。
「わいわい祭り」では、お店をやるのが楽しみです。いろいろな学年と交流を深められるので、学ぶことがたくさんあります。
最後に卒業式のことです。まだ、6年生の後期をむかえるという気持ちにはありません。でも卒業式当日、自分がどんなふうにこの場に立っているかとても楽しみです。
後期には、楽しみにしている学校行事がたくさんあるので、残り少なくなった学校生活を楽しみます。
《家庭にもある節目》 
 正月、ひな祭り、端午の節句、七夕、お盆、お祭り、誕生日、クリスマス、暮れの掃除など、家庭内の行事も大事な節目です。家族内の触れ合いが深まるだけでなく、高齢者など世代の異なるさまざまな人々とのかかわりやつながりができるなど、地域社会へも目が向くきっかけになります。しかも、日本の文化・伝統に親しむとても良い機会でもあります。また、初詣や節分で無病息災を祈ったりすることは、人間の力を超えたものへの畏敬の念を深めるなど宗教的な情緒を育むことにもなります。季節の区切り、年中行事を家族で大切にしたいものです。

2019年9月28日土曜日

花だより 休日にスマホ6時間以上 トレニア ハギ②



~・~高校2年生の2割「休日にスマホ6時間以上」~・~
使用しない・・・・ 0.2%
1時間未満 ・・・・・2.6%
1~2時間未満・・・・9.5%
2~3時間未満 ・・・16.8%
3~4時間未満・・・ 19.9%
4~5時間未満・・・ 15.9%
5~6時間未満・・・10.6%
6時間以上・・・・ 19.0%

不 詳 ・・・・・・5.5%

 使いすぎ!スマホを取り上げろ!とスマホの害だけを強調してはダメ!

 教室以外に居場所を ~ネットが心の支えに~
  「STOP自殺 #しんどい君へ」 読売新聞8月24日(土)
                  ユーチューバー ゆうこすさん(25)
 本名・菅本裕子 モテるためのファッション雑誌などのユーチューブ、ツイッター、インスタグラムといったSNSで発信し、同世代からの支持を集める。総フォロワー数は150万人以上
 中学生の頃は少女マンガが好きで、恋愛もしたくて、かわいくいたいと思っていました。でも、そうした行動が「ぶりっ子」と非難されました。
 当時はクラスメート30人が自分の世界の全て。みんなに嫌われるのは世界を追放されたようでつらくて、悪口を言っている子たちと一緒に居たくなくて。午後から学校に行き、部活動の吹奏楽に参加して帰る日々でした。
 心の支えになったのは、インターネットでした。チャットにはまり、好きな音楽のサイトにコメントもしました。趣味や好みが合う人がたくさんいて、世界が広がったことで居場所ができ、安心しました。
 高校2年でHKT48に入りましたが、辞めた後に事実無根の中傷がネットに書かれました。街行く人が自分を指さしてやゆしているように感じられ、人に会うのも苦痛になり、実家で1年間のニート生活を送りました。
 私は、いまではSNSで発信して人から共感をいただいて活動できていますが、いま本当に悩んでいる子に、「つらい経験が将来プラスになるよ」なんて言えない。
 でも教室以外のどこかに居心地のいい場所が作れれば、世界は明るく見えてきます。ネット上でもいいし、つらいときは病院などの専門機関に相談してほしい。しんどい思いを抱える人は、痛みを知っている。だからこそ、乗り越え、立ち直ることができたら、今の何倍も強く、優しくなれると思います。


2019年9月26日木曜日

花だより ゲーム依存を考えてみた ベンケイソウ


 これからの情報モラル教育『ゲーム依存を考えてみた』
           兵庫県立大学准教授 竹 内 和 雄            
 WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を正式に病気と認定しました。近い将来、オンラインゲームに夢中で生活に支障が出ている人の受診が可能になります。画期的なことですが、「どうしてゲームだけ?」「SNS依存は認定されなかったの?」等の質問もよく受けます。私は医学が専門ではないので断定的なことは書けませんが、あくまで私の私見として書いてみます。
≪いまの「ゲーム依存」は深刻≫
① 家からオンラインで
 忙しい子どもたちの生活スタイルにマッチしています。塾や習い事で忙しいので、子どもたちの多くは、自分の家から隙間時間にゲームにオンラインで参加します。
② 協力して取り組む
 4~5人で協力して課題に取り組みます。強い敵を倒したり、殺し合いの中で敵を倒して生き残ろうとします。しかも、ボイスチャットで話しながら、ワイワイ楽しく難しい課題をみんなで達成していきます。
③ 時間とお金をかけると強くなる
 ユーチューバーの「ゲーム実況」等で、最新情報を仕入れることができます。日々、新しい情報が共有されるので、時間をかけて研究すればするほど有利です。また、ゲームに何度も参加すると経験値が上がり、強くなります。さらに、課金すれば有利なアイテムが獲得でき、強くなれます。少し前までの課金はクレジットカード等が必要でしたが、いまはコンビニなどでプリペイトカードを簡単に購入できます。子どもたちは小遣いやバイト代をそこにつぎ込みます。つまり、時間とお金をかければ誰でも強くなれます。ここが非常に重要で、学校を休んででも強くなりたい子どもが独出します。うかうかしていると敵も情報や新たな武器を得て強くなるので,油断できません。
④ 強い人は尊敬される
 ゲームが強いことは、子どもたちの中ではステータスです。部活や勉強で賞賛を浴びるのは難しいですが、ゲームの場合、時間とお金である程度達成でき、「レベル」等で強さは一目瞭然です。さらに最近は、eスポーツと称した大会等も増え、その世界大会となると高額な賞金が出ます。わかりやすいステータスが用意されています。
≪保護者も応援≫
 私はゲームに夢中で不登校状態の複数の子どもに、長くかかわっています。保護者は「この子の将来はどうなるでしょうか」と深刻に悩んでいますが、ある保護者は、息子さんがゲーム大会で上位入賞(数十万円獲得)したことをきっかけに、「息子を応援することにしました」と言うようになりました。息子さんのゲーム仲間には、自分のプレーをユーチューブ等で配信(ゲーム実況)することで再生回数に応じて報酬を得て、経済的に自立している人もいるそうです。「ゲームで生計を立てられるなら、子どもの夢を応援してみようかと思います」とプロになる後押しをする側に回られました。「アジア大会で正式採用、将来的にはオリンピック種目?」「高校にeスポーツ部ができた」等の報道もされており、社会的に認められつつあると感じている保護者が多いのです。
≪私たちはどう考えれば?≫
 こういう事態に私たち教育関係者はどうとらえたら良いのでしょうか。現状では『ゲームを職業に』と手放しで推奨するのは時期尚早です。しかしだからと言って、こういう動きを全て否定するのも難しくなってきました。ゲームをスポーツとして認めて、プロを目指す「夢」を認めたとしても、昼夜逆転した不登校状態は認めるわけにはいきません。分けて考える必要があります。
 子どもたちには、まず、規則正しい生活、勉強した上で夢を見ることを推奨します。実際、私がかかわっているプロゲーマー志望の中学生は、3年以上不登校状態が続いていますが、最近ジム通いをはじめました。「成功しているゲーマーは、規則正しい生活をして、身体も鍛えている」と目を輝かせながら話し、学校復帰も視野に入れています。
勤勉で研究熱心な日本人に、令和のゲームは適しているのかもしれません。だからこそ、私たち教育関係者は、立ち止まって考える必要がありそうです。
 
能取湖のサンゴ草

2019年9月25日水曜日

花だより 言葉の使い方を教える オトコエシ

 《シリーズ「イキイキ子育て」》 ~言葉の使い方を教える~ 
 子どもは、悪い言葉をすぐ覚え、使います。親が使っている場合、友だちの影響、一番はテレビからかもしれません。親は子どもの間違った言葉づかいを矯正する必要があります。言葉の間違いを犯さない子どもは一人もいません。子どもは単語のさまざまな組み合わせ方を試します。その組み合わせが間違っているのに、誰もそれを指摘して直さないなら、子どもはそれが正しいと誤解して使い続けてしまいます。
 正しい言葉を使うと、学生時代だけでなく生涯にわたって得をします。実際、同僚や取引先との会話で正しい言葉で話していないために、なかなか昇進させてもらえない人がたくさんいるのが実情です。(表向きは違うかもしれませんが)
 言葉が正しく使えないために「低学力」と判断されている子どもがたくさんいます。親は子どもにそういう損をさせないように配慮すべきです。将来、それが原因となって社会に適応できずに苦しむことがあります。子どもは周囲の人やテレビから好ましくない言葉を覚え、特定の言葉の響きに喜びを感じます。しかし、その中には、人を罵倒したり差別したりする不適切な表現が含まれていることがあるので要注意です。そんなとき、親は「そういう言葉を使ってはいけません。」と注意する責任があります。そうしなければ、子どもはそれを受け入れられると思い込んでしまうからです。言葉の使い方が不適切だと周囲から拒絶と批判を招き、自尊心を台無しにしてしまいます。

2019年9月24日火曜日

花だより オホーツクの中核都市北見 シラヤマギク


 お祭り 七夕まつり、ぼんちまつり、ぼんぼんまつり、北見神社秋季祭と続いた北見のおまつり全てを楽しみました。不景気なときに賑やかで活気があるのはいいことです。ところで北見のおまつりは、同じような食べ物やさんの露店が並ぶのが特徴ですが、ちょっとビックリしたのが、地べたに何も敷かずにどっかり座り込んで露店で買った物で飲み食いする人たちです。若者ばかりではありません。女性も家族連れの姿も多くありました。私は転勤族ですので、各市町村のお祭りを見てきましたが、地べたに座り込んで飲み食いする姿をはじめて見ました。 
《オホーツクの中核都市北見》
 北見市は、オホーツクの教育、文化、スポーツ、商業の中心地です。映画館や大型商業施設、大学の他さまざまな文化施設があります。芸文ホールでは、頻繁にコンサートが開催され、スポーツ施設も充実していて管内大会が多く行われます。また、最近はカーリングブームのロコソラーレの活躍で有名になり、全国区となりました。地方の住民からすると憧れの街です。
老舗の名店 駅前に老舗の菓子店があります。朝早くから店先には車の列が絶えません。さほど広くない店内では、年輩の女将が後ろから店員の所作に目を光らせています。おつりのお札は全て新札です。凛とした雰囲気があり、さすが老舗の名店だと感じさせます。 
 文化水準の高さは、歴史と伝統がつくるものだと感心していましたが、おまつりの地べた座りは、ちょっといかがなものかと思いました。

2019年9月23日月曜日

花だより あゆみ(通知表)「7:褒めて、3:注意」 ヒガンバナ

あゆみ(通知表)「7:褒めて、3:注意」
 前期が終了して、通知表を渡しました。
 「“あゆみ”を持って、じいちゃんとばあちゃんのとこに行くんだ。絶対(?)何か買ってくれるから!」 
「休み時間は、男女問わずたくさんの友だちと仲よく過ごしている姿にとても好感が持てます。また、「発表するのが楽しい」と、どの教科も意欲的に学習しています。しかし、授業中に私語が目立ち、度々注意することがありました。私語を慎み、落ち着いて授業に取り組むように指導していきます。」
 こんな所見を見たことがあります。所見は、数値で表せない子どもの様子(がんばったところや良かった点、注意してほしいところ)を文章で表現しています。わずか数行で書き表すのは難しいものです。どの担任も心を込めて書いていますので、文脈から子どもの様子を読み取ってください。
 昔の通知表は、「優・良・可・不可」の4段階でした。その頃は、「可山優三(かやまゆうぞう)がいい」通知表は、「可」が山ほどあって、「優」は3つくらいがいいと言われたそうです。 
 漫才師洋七さんの著書「がばいばあちゃん」には、体育以外オール1の通知表を見たがばいばあちゃんが「心配ない。足したら5になる」と言ったそうです。こんな大らかさが必要ですが、どんなところが良くて、どんなところが足りないのかをきちんと知ることは大切なことです。会社の社長さんや企業を立ち上げる人、各界の成功者は、自己評価がきちんとできる人だそうです。
 家族みんなであゆみ(通知表)を見て、前期を振り返ってみてください。






2019年9月22日日曜日

花だより お彼岸のお説教 ナンバルギセル タマネギ




  ~お彼岸のお説教~
 秋分の日をはさんで前後3日間がお彼岸です。どこの家庭でも仏壇には亡くなられた方の好物やおはぎなどたくさんのお供え物があがります。ところがそのお宅には、薄く切られたリンゴが2切れしかのっていないのです。おばあちゃんに聞くと、りんごは亡くなったおじいちゃんの好物でした。歳をとって歯が弱くなってからは、堅いりんごは食べづらく、いつも食べやすいように薄く切っていたのだと言うのです。生前と同じくりんごを食べやすいように薄く切って、「さあ、召し上がれ」と言わんばかりに爪楊枝をさしてお供えしてあるのです。
 豪華なお供えがたくさん並べられていてもラップにくるんだままのお宅が多い中、質素ではあるが亡くなったおじいちゃんを偲ぶおばあちゃんの優しい気遣いを見て取りました。これが本当の供養なのです。
 学習状況調査の質問紙の結果で、地域の行事に関心がない子が多いことが分かりました。これは子どもの問題ではなく、大人も昔ながらの季節の行事をおろそかにしてきているからではないでしょうか。



2019年9月21日土曜日

花だより “どうしたの?”と聞くと子どもは素直になる ホウウズキ コスモス





 “どうしたの?”と聞くと子どもは素直になる
 先生は生徒に、母親は子どもに“教える”のが普通で“たずねる”という発想があまりありません。でも、わからなかったり迷ったりしたら、子どもにズバッと直接聞いてみる方が案外うまくいくことがあります。子どもは、好奇心と知識欲の塊で、毎日が「ねえねえママ、これなあに?」「どうしてこうなるの?」の連続です。逆に親の方から「これ、なあに?」と聞いてみたらどうでしょう。子どもの想像力や発想力がふくらんで思いがけない言葉が返ってくるかもしれません。
「どうしたの?」は子育てのどんな場面でも使える大切な言葉
 普段仲のよい兄弟なのに、お兄ちゃんが弟を叩いたら、「どうしたの?」「いまね。○○ちゃんがライターで遊んで危ないから、叩いたの!」「そう、ちゃんと弟のことを見てくれていたのね。ありがとう。でも、そういうときは、叩くのではなくて“危ないよ”と教えてあげるといいね。」そうしたら、きっと子どもは「わかった。」と言ってママに抱きついてくるでしょう。
「これなあに?」「どうしたの?」は、子どもの主体性や意欲をかきたてるキーワードです。

2019年9月20日金曜日

花だより 「早くしなさい!」は言わない ヤブラン コスモス


 「早くしなさい!」は言わない。
「もう!早くしなさい!」この言葉をけっこう日常生活の中でよく使っていますよね?
 子どもが保育園や幼稚園、小学校などに通うようになってから、急に子どもをせかすようになります。
 それは母親の心の奥に根付いた集団生活における効率主義的な考え方、競争主義的な価値観がそうさせるのです。
「勉強も生活もちゃんとみんなについていけるようにしなさい。」
「落ちこぼれないようにさせなきゃ。」
「とにかく、何でも早くできたほうがいい。」
 そんな考えが無意識のうちに働いているのです。「もう年長さんなんだから、これくらいできるはず」
「私も忙しいんだから、さっさとしてほしい。」それは見方を変えると、成長してきた 子どもに母親の方が甘えているとも言えます。目先のことだけにとらわれていると、かえって母親の言いなりにしかなれない。言われてないとできない子どもになってしまいます。
 のんびりとした子はダメなのか?
 のんびり屋さんの中にはたくさんの輝きが詰まっていることを焦っているお母さんは、きっと見逃しているのです。一つのことをきちんと一生懸命やる姿、独創性やていねいさを持っていることもあります。早い遅いでは比べられない一人一人の素晴らしい個性があります。子どもは、あらゆることに関心を寄せて、想像を膨らませて楽しみながら、じっくりゆっくり遊びながら心豊かに育っているのです。そのための時間をたっぷり使わせてあげることが大切です。






2019年9月19日木曜日

花だより お母さんのストレス発散法 オミナエシ ススキ 


 やむを得ず育てているなんて思わないこと
 子育てで溜まったストレスを発散するために小さい子を抱えてお母さん同士でカラオケルームに出かけることがあるそうです。夫のいない昼間、ストレスを発散したいという気持ちはよく分かります。ところがカラオケルームは密室です。よどんだ空気の中で大音量で歌を唄う。もしタバコを吸うお母さんがいたら部屋の中に煙が充満します。大きな声で歌を唄ってお母さんのストレスは解消されるかもしれませんが、一緒にいる小さい子は大変です。こんなことを言うと「あんまりうるさいことをいうから、ますます子どもを産んだり、育てたりする気持ちがなくなっちゃう」といわれそうです。
 しかし、母と子は一心同体です。お母さんがストレスを発散したいときは、子どももストレスを溜めているときです。子どもはいえないだけですから、子どもと一緒になってストレスを発散できる方法を見つけることです。子どものストレス発散法は、体を動かして遊ぶことです。
 お母さん自身が発散したいときは、夫に子どもを託して家で留守番をしてもらい、気のあった友人とカラオケに行けばいいのです。子育てを一人で背負い込むには、よほどの覚悟が必要です。夫婦仲や姑、親と仲良くして協力してもらうことです。やむを得ず子育てをしているというマイナス思考では、子どもは育ちません。





2019年9月18日水曜日

花だより ヨソはヨソ、うちはうち! ゲンノショウコ ススキ


 ~家庭の中のルール~
 「がまん」することををいかに育てるか、具体的には生活の中の「ルール」決めて守らせたり。「マナー」を身に着けることです。
 つっぱりと言われる少年少女たちの特徴の一つは、ふだんの生活にやる気を感じさせないことです。「かったるい」「眠い」「シラケる」「関係ない」「どうでもいい」かれらがしばしば発する言葉です。どれも怠惰な感じがします。何かにつけしまりがない。快活さや楽しさのない生活になっています。
 このような生活の中で、「がまん力」が育つはずがありません。日常生活にしまりやめりはりがあることは、小さながまんを積み重ねることになります。
 どんな小さなことでもいいので、日常生活の中にルールを具体的に取り入れることです。家族で決めたことを守るにはそれなりの「がまん」が必要になるからです。
 たとえば冷蔵庫に子どもの好きな飲み物が入っています。それを飲めるのは午後3時と夕食時と決めます。また1回に飲む量はコップに1杯と決めます。そして、決めたらそれを守らせることです。
 冷蔵庫を勝手に開けて好きなだけ飲めるというのでは、子どもは肥満になりやすいし、そのけじめのなさが「がまん力」を育てるのにじゃまになるのです。どんなことでも決められたことを守るのは、小さながまんの積み重ねです。そんなとき子どもは、「こんなルールは、うちだけじゃないの?」と思うこともあるでしょう。そんなときは、こう教えてください。「ヨソはヨソ、うちはうち!」


2019年9月17日火曜日

花だより 家庭のリーダーは親 アキノタムラソウ ツユクサ


・・・家庭のリーダーは親・・・ 
 今は、ファミコン世代が親になり、親子一緒にゲームに夢中になっている家庭もあるようです。親がテレビを観ながら「〇〇ちゃん勉強しなくちゃダメでしょ!」と言っても効き目はありません。がまん力を育てるためには、親もがまんすることが大切です。子どもが勉強しているときは、親はテレビを消すべきです。子どもにお手伝いさせるときは、自分は休んでいるのではなく別な仕事をすることです。
 どんな集団にも秩序があります。秩序を維持するためにはリーダーが必要です。お父さんでもお母さんでもいいから、みんなが困っているときは「そうだ、こうしよう」という方向を示すリーダーになるべきです。
 誰もが横並びのグループは、何か問題が起こると右往左往するばかりでちっとも前に進むことができません。
 家族という集団の中で、親子が横並び(同等)になるべきではありません。趣味や娯楽なら横並びで楽しめます。あるいは食べ物なら平等に分け合うことができます。でも、何から何まで横並びだと、いざ問題が起こったとき子どもは親の言うことを聞かないこともあります。自分と横並びだと思っている親がお説教をしても子どもは聞き流してしまうはずです。
 最近は子どもが「オッハー」と言うと、親も「オッハー」と応える風潮があるようです。子どもが「オッハー」と言っても、親は「おはよう」と言うべきでしょう。毎朝「オッハー」「オッハー」とやっている親が突然「あれはいけません」などと言っても子どもは「何言っているんだ」ということになります。
「おはよう」と答えれば、親は各上になります。家庭内でのリーダーは常に親であることを教える必要があるのです。子どもに勉強しなさいと言いながら、自分はソファで寝そべって週刊誌を読んでいれば友だち関係(横並び)というより格下に見られます、あんな親の言うことを聞いても仕方ないというふうになってしまうのです。これでは子どものがまん力を鍛えるどころではありません。




2019年9月16日月曜日

花だより フヨウ コスモス 親の甘茶が毒になる


 「親の甘茶が毒になる」
 子育てとは、子どもを甘やかすことではありません。子どもの言いなりになることでもありません。甘やかされた子どもは、がまん力を育てることができず、ストレスに弱い、自立心に欠けた子になっています。
 そのような子が将来、成功することはあまりないと思います。そして、いつか自分のこころを鍛えることをしなかった親をうらむこともあるかもしれません。
 このことわざの意味は、甘やかして育てた子どもは将来ろくなものにならないということです。
 友だちのような親子はすてきですが、けじめをつけるところはつけ、つねに親がリーダーであることを子どもにわからせることが大事です。
*友だちのようなお母さんも母親の一つの顔ですが、何かをがまんしている姿を見せるのも母親です。ときにきびしく子どもを突き放すことも必要です。
 これらを時に応じて朗らかに使い分け、演じられるのが素敵なお母さんなのです。もちろんこれはお父さんにも当てはまります。両親はこれらの顔を使い分けるようにしてください。
 甘い顔をしたお母さんの顔しか見せられないようでは、子どもは甘ったれになるばかりで自立心が育ちません。がまん力も育ちません。そして、いつまでも幼児性の抜けない子になってしまいます。



2019年9月13日金曜日

花だより ツリフネソウ ヒョウタン 一瞬で良い変化を起こす カウンセリングの小さな工夫



~自分の指導を見直してみませんか?~
「一瞬で良い変化を起こす」~“カウンセリングの小さな工夫”ベスト50~
        すべての教師とスクールカウンセラーのために  
    学校心理士スーパーバイザー 臨床心理士 公認心理師 半 田 一 郎 
                     (月刊「学校教育相談」7月増刊号)
 本書は、いわば「わが家の手間なし簡単おかずレシピ!ベスト50」というような本です。つまり「煮物は本来、こんなふうに作るものですよ」というレシピではなく、「こうやってつくると、(それなりに)おいしい煮物が簡単にできますよ」という提案です。
 毎日の家で食べる食事が成長と健康を支えています。子どもへの支援も同じです。専門機関のカウンセリングも子どもに役立つのですが、子どもの生活の場である学校の中で行われる支援やカウンセリングこそ、子どもの成長と健康を支えているのです。
≪面接中盤(理解編)≫
 面接では、子ども自身や子どもの置かれた状況を理解することが必要になってきます。
 理解を深めるためには、子どもから話をよく聞くことが基本になります。しかし、子どもの話は、子どもが自分なりにとらえた状況について終始することがほとんどです。こちらが子どもを理解するために必要な情報が、子どもの話から得られるとは限りません。子ども理解のために必要な情報を得ていくための工夫が求められます。
21 本当にイヤなものを理解する
 子どもが直面している問題は、大人の目からは単純に見えるかもしれませんが、大人のとらえた問題と子どもの実感とはかみ合っていないこともあります。本人もよく分かっていないことがあります。子ども本人の感じていることに基づいて、直面している問題を理解していくことが大切です。
 例えば、「算数がイヤだ」という子がいます。ところが正確にとらえると、算数がイヤなのではなく、イライラしてしまうような活動が嫌いだとしたら、対処法は大きく異なります。
22 不思議がってみる
 子どもを支援するときには、子どもの行動や考えの理由を知りたいと思うことがよくあります。理由を聞こうとして、×「どうして○○なの?」と質問することがあると思います。一般に、「どうして○○なの?」という質問では、質問された側が非難されたとか否定されたと受け取られ、子どもからの自然な反応が得られにくいと考えられます。
 こんなときは、◎「どうして○○なんだろうねぇ~…」と不思議がってみることをすすめます。一緒に考える姿勢をつくることが大切です。
23 “そのあと”どうしたかを聞く
 子どもからの相談を聞いていると、出来事のいきさつについて、最後のほうのことは語られないことが非常に多いと感じます。語られていないその先の時間に目を向け、子どもがその時間をどう過ごしたかを聞くことも重要です。
 子どもの話を聞いていくと、表面的には混乱した激しい感情が生じていることがあっても、その背後には、孤独や自己嫌悪、悲哀などの感情が隠れていることが多いものです。子どもが語るエピソードの“そのあと”どんなふうに過ごしたかを聞くことによって、隠れている子どもの姿に触れることができます。その時間の子どもこそ、サポートを必要としていると感じます。
24 細かな内容は( )でくくって受け取る
 子どもによっては、細かなエピソードを途切れずに話してきて、こちらの理解が落ち着かないことがあります。例えば、友人関係のトラブルなどの相談の場合、きわめて込み入った話になることがあり、こちらの理解が追いつかないことがあります。
 こういった場合は、語られている内容を丁寧に理解する必要はありません。話をきちんと聞いて理解することが重要と考える方が多いかもしれません。しかし、事実関係や出来事よりも、話している子ども自身の心の動きが一番大切なのです。出来事や人間関係そのものは、思いどおりにコントロールすることができないからです。中身に深入りせず、子ども自身がどう思うのか、どう感じるのかということを焦点にして話し合っていくことが重要です。
25 否定的な内容は、できるだけ細かく具体的に聞く
 子どもの相談を受けていると、同級生や担任の先生、学校に対して否定的なことを言うことがよくあります。一般的には、人を非難することはよくないので、否定的なことを言うことをやめるように諭します。しかし、指導して否定的なことを言わなくなったとしても、子どもの中にある否定的な気持ちが変わったわけではありません。対処ができることには適切に対処し、できないことについては心の整理を進めていく必要があります。そのためには、言わせないようにさせるのではなく、より具体的に詳しく語るように促すことが重要です。
26 本人がつぶやくような言い方で質問する
 学校を欠席がちになっている子どもの話を聞いていると、「学校のどんなところがイヤなの?」と質問したくなります。そういった場合、こちらの頭の中に生じた疑問をそのまま質問するのではなく子ども自身でつぶやくような言い方で質問することをすすめます
 例えば「こんなところが学校に中で特にイヤだなぁ…、とかってあるかな?」などと、質問ともつかないような雰囲気で投げかけてみます。もし、その言葉を受けて、「エエ~、イヤなところは…」と語り始めたら非常に良い展開です。
 そもそもカウンセリングは、尋問や取り調べではありません。こちらが子どもを理解することよりも、子どもが自分自身で自分を理解していくことが重要です。そのため、情報を集めるために質問するのではなく、子どもが自分を見つめるように促す質問をすることが重要です。
27 どんなときに聞く?
 子どもをめぐって何らかのトラブルが生じたときには、その背景や理由を知りたいと思うものです。しかし、子どもに背景や理由を質問しても、今までに話されたことやすでにわかっていることの繰り返しになってしまい、先に進めなくなってしまうときがあります。
 こういった場合は、例えば「今日は、どんなときに、イヤなことを言ってきたの?」と限定して聞いてみることをすすめます。そうすれば「○○の時間に…」と返ってくるかもしれません。そうすれば「○○の時間の何をしているときにイヤなことを言ってきたの?」とさらに詳しく聞いてみることができます。そこから背景や理由の理解につなげることができます。
28 つながりをつくる
 学校現場で子どもを支援していると、子どもが学校生活の中で困難に直面しているのではなく、家庭生活の中で困難に直面している場合があります。そういった場合、こちらのサポートが子どもの日常生活の中まで届かないと感じることがよくあります。教師やスクールカウンセラーであっても、すべての子どものすべての場面で必要なサポートを行うことはもちろん不可能なことです。しかし、一方で、子どもがサポートされていない場面でこそ、子どもに届くサポートができないだろうか、と感じることがあります。保護者を変えようとするのではなく、子どもをサポートしていくことを工夫しなくてはなりません。
29 「知らない」ということを強調する
 子どもと関係を築いたり内面を理解するために、子どもの好きなアニメや小説やアイドルなどについておしゃべりすることは非常に役立ちます。しかし、ここ数年、さまざまなアニメやアイドルが誕生してきています。子どもの話は、名前すら聞いたことのない作品やアイドルが登場することもよくあります。子どもが興味を持ったり好きになったりする作品はきわめて幅広く、われわれがあらかじめ知識を得ておくには限界があります。
 実は、作品やアイドルを知らないということは、子どもを支援する上ではプラスの面があります。相手が知らないからこそ、子どもは、自分の感じ方を話すことに不安が少なくなります。
 また、アニメやアイドルだけでなく、学校のことについても「知らない」ということを活用することができます。多くの場合、すべての子どもの顔と名前や特徴を把握するのは不可能です。他の先生の授業や部活での出来事や雰囲気なども分からないことが多いと思います。知らないことを強調しつつ、目の前の子どもの感じていることに焦点を当てて話を聞いていくことが大切です。
30 学習した内容を具体的に聞く
 子どもが授業に出て問題を解いたり、宿題の漢字ドリルをやったときに、「えらいねぇ~」などとほめるかもしれません。一般的には、「えらい」などと漠然とほめることよりは、「漢字ドリルをやっているんだねぇ」などの方が、行動を肯定的な雰囲気で指摘するだけで、十分にほめていることになります。
 「ドリルの進み方が速いねぇ」「たくさん書いたね」などと速さや量に注目してほめることがあります。こういったほめ方をしていると、勉強にゆっくり取り組んでいるときや少ない量しか書いていないときには、ほめることができません。適切な勉強法は、子どもそれぞれで異なるはずです。
 それでは、どんなふうにほめるのがよいのでしょうか。
 具体的な学習内容に注目して、そのことについて話すのがよいのではないかと考えます。
 「“検査”っていう字を習っているんだ。ケンっていう字はたくさんあるから、どのケンかわからなくなったりするよね。」などと言葉をかけます。その声のかけ方が温かく肯定的であれば、学習するという体験そのものがプラスの体験として感じられるのではないかと考えます。体験が肯定的に感じられることによって、次の活動が促されます。
 不登校の子どもも同じです。家で勉強したなどと報告があることも多いと思います。そんなときは、具体的に何を勉強したのか、聞いてみることをすすめます。例えば、「漢字」と答えたとします。そうしたら、「一文字でいいから、昨日やった漢字で何か覚えているのはある?」と聞いてみます。一瞬思い出したり、そこから発展して空書きしてみるなどのやりとりが、子どもの漢字練習の体験を共有することにつながると感じます。
48 子どものそばに行く
 子どもの心理的なサポートのためには、大人は子どものそばにいることが重要です。子どもは、身近な大人との関わりの中で身体からの安心感・安全感を体験し、それを基盤として助長していきます。安心感・安全感というものは、基本的に身体的なものなのです。乳幼児は文字通り大人に体ごと抱かれ、心もサポートされます。少しずつ成長するにつれて、身体的な接触は必ずしも必要ではなくなりますが、大人の存在やかかわりを身近に感じることによって、安心・安全を感じるのです。つまり、子どもをサポートするには、「子どものそばに行く」ことが非常に大切です。
大人の都合に基づいて、子どもを動かそうとする働きかけは、子どもの心のそばまで行ったことにはなりません。子どもの心の動きを感じ取り、つかず離れずの距離を保つことが求められます。そして、大人主導ではなく、子どもの動きに合わせて働きかけたり、子どもの動きを引き出すように働きかけたりすることで初めて、子どものそばに行ったことになります。
≪まとめ≫
 子どもを変えようとすると、アドバイスをしたくなります。ときには、アドバイスをしないことも大切です。子どもが自由に反応し、行動し、振る舞えることが重要です。その点から考えても、アドバイスは逆効果の面があります。本書では、可能な限りアドバイスを避けるような工夫を紹介しました。アドバイスを避けつつ、子どもの相互作用を保っていくことをおすすめします。
 繰り返しになりますが、子どもを変えようとする必要はありません。子どもは支援する側との相互作用のある関係の中で自然に育っています。子どものそばにいて、子どもの自由をサポートするようなかかわりを続けることが重要です。



2019年9月11日水曜日

花だより コスモス そばの花 これからの情報モラル教育『ゲーム依存を考えてみた』


 これからの情報モラル教育『ゲーム依存を考えてみた』
          兵庫県立大学准教授 竹内 和雄(月刊「生徒指導」8月号)
 WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を正式に病気と認定しました。近い将来、オンラインゲームに夢中で生活に支障が出ている人の受診が可能になります。画期的なことですが、「どうしてゲームだけ?」「SNS依存は認定されなかったの?」等の質問もよく受けます。私は医学が専門ではないので断定的なことは書けませんが、あくまで私の私見として書いてみます。
 ≪いまの「ゲーム依存」は深刻≫
① 家からオンラインで
 忙しい子どもたちの生活スタイルにマッチしています。塾や習い事で忙しいので、子どもたちの多くは、自分の家から隙間時間にゲームにオンラインで参加します。
② 協力して取り組む
 4~5人で協力して課題に取り組みます。強い敵を倒したり、殺し合いの中で敵を倒して生き残ろうとします。しかも、ボイスチャットで話しながら、ワイワイ楽しく難しい課題をみんなで達成していきます。
③ 時間とお金をかけると強くなる
 ユーチューバーの「ゲーム実況」等で、最新情報を仕入れることができます。日々、新しい情報が共有されるので、時間をかけて研究すればするほど有利です。また、ゲームに何度も参加すると経験値が上がり、強くなります。さらに、課金すれば有利なアイテムが獲得でき、強くなれます。少し前までの課金はクレジットカード等が必要でしたが、いまはコンビニなどでプリペイトカードを簡単に購入できます。子どもたちは小遣いやバイト代をそこにつぎ込みます。つまり、時間とお金をかければ誰でも強くなれます。ここが非常に重要で、学校を休んででも強くなりたい子どもが独出します。うかうかしていると敵も情報や新たな武器を得て強くなるので,油断できません。
④ 強い人は尊敬される
 ゲームが強いことは、子どもたちの中ではステータスです。部活や勉強で賞賛を浴びるのは難しいですが、ゲームの場合、時間とお金である程度達成でき、「レベル」等で強さは一目瞭然です。さらに最近は、eスポーツと称した大会等も増え、その世界大会となると高額な賞金が出ます。わかりやすいステータスが用意されています。
≪保護者も応援≫
 私はゲームに夢中で不登校状態の複数の子どもに、長くかかわっています。保護者は「この子の将来はどうなるでしょうか」と深刻に悩んでいますが、ある保護者は、息子さんがゲーム大会で上位入賞(数十万円獲得)したことをきっかけに、「息子を応援することにしました」と言うようになりました。息子さんのゲーム仲間には、自分のプレーをユーチューブ等で配信(ゲーム実況)することで再生回数に応じて報酬を得て、経済的に自立している人もいるそうです。「ゲームで生計を立てられるなら、子どもの夢を応援してみようかと思います」とプロになる後押しをする側に回られました。「アジア大会で正式採用、将来的にはオリンピック種目?」「高校にeスポーツ部ができた」等の報道もされており、社会的に認められつつあると感じている保護者が多いのです。
≪私たちはどう考えれば?≫
 こういう事態に私たち教育関係者はどうとらえたら良いのでしょうか。現状では『ゲームを職業に』と手放しで推奨するのは時期尚早です。しかしだからと言って、こういう動きを全て否定するのも難しくなってきました。ゲームをスポーツとして認めて、プロを目指す「夢」を認めたとしても、昼夜逆転した不登校状態は認めるわけにはいきません。分けて考える必要があります。
 子どもたちには、まず、規則正しい生活、勉強した上で夢を見ることを推奨します。実際、私がかかわっているプロゲーマー志望の中学生は、3年以上不登校状態が続いていますが、最近ジム通いをはじめました。「成功しているゲーマーは、規則正しい生活をして、身体も鍛えている」と目を輝かせながら話し、学校復帰も視野に入れています。
 勤勉で研究熱心な日本人に、令和のゲームは適しているのかもしれません。だからこそ、私たち教育関係者は、立ち止まって考える必要がありそうです。
 





2019年9月10日火曜日

花だより クズ 教育機会確保法


 「教育機会確保法」について
 正式には「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会 の確保等に関する法律」 平成 28 年 12 月 14 日公布、平成 29 年 2 月 14 日に施行
【基本理念】
1.全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう学校における環境を確保する。
2.不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援 を行う。
3.不登校児童生徒が安心して教育を受けられるよう、学校における環境を整備する。
4.義務教育の段階の普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を尊重しつつ、 年齢又は国籍等にかかわりなく、能力に応じた教育機会を確保するとともに、自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、教育水準の維持向上を図る。
5.国、地方公共団体、民間団体等の密接な連携を図る。
 キーワードは、「多様な学習活動」「相当する教育を十分に受けていない者の意思を尊重」「国、地方公共団体、民間団体等の密接な連携」
 適応指導教室やフリースクール、ホームスクーリングなど学校以外での学習活動を肯定的にとらえ、連携を深めていくことを国の方針とするという内容である。教育機会確保法の先駆けと もなる法案(多様な学び保障法案)が、平成27年に議員連盟により発表された。民間が学校と連携を深めることで、学校から足が遠のいたときの居場所を確保すると同時に、学校とのつながりを持ち、その子どもに必要な支援をより適切に行うということ。これからは、学校以外の民間での多様な学習等の活動が、その子どもにとって必要かつ適正で、 自立に向けた内容であることが重要になってくる。
 *不登校がさらに増えやしないか心配である。






2019年9月8日日曜日

花だより タマスダレ 植松 努の遠望・眺望


 ~植松 努の遠望・眺望~ 知の資本 読書で蓄える 祖母の教え 
 (植松電機専務として電磁石を製造する傍ら、北海道大学と共同で小型ロケットの開発に当たる。芦別市出身)
 植松電機はリサイクル用のマグネットを開発したことで成長を遂げました。私がこの新しい製品を開発することができたのは、祖母のおかげです。
 祖母の実家は樺太で技術職の仕事をしていました。祖母は頑張って働いてお金を貯め、豊かな暮らしをしていたそうですが、樺太は1945年の8月、旧ソ連軍に占領され、祖母は北海道へ戻ることになりました。船に乗る時にはお金や貴重品は持ち込めないことになっていたそうですが、祖母は「子どもたちのために」とお金を隠し持ち、いつ沈められるかもしれない不安な船内で「このお金で北海道に着いたら、おいしいリンゴを箱いっぱい買って食べようね。」と子どもたちを励ましたそうです。
 ところが北海道に着いてリンゴを求めると、リンゴは1個しか買えません。終戦後の猛烈なインフレで貨幣価値が変わってしまったのです。苦労して働いて貯めて、命がけで隠し持ってきた頼みの綱のお金は、価値を失ったのです。そうした経験を持つ祖母は、私に何度も諭しました。
 「お金は価値が変わるからくだらないよ。お金があったら、貯金しないで本を買いなさい。知識は誰にも奪われない。知識は新しいことを生み出すから」
 祖母の影響を受け、本が大好きになりました。部屋にはたくさんの本があります。本は先人たちの命がけの努力の結果を、わずかなお金で手にできます。
 人間は脳と肉体という資本を持って生まれてきます。重要なのは、その資本をいかに増やして伸ばすかです。もらった小遣いを飲んで食べて終わらせてしまうのか?せっかくの時間を「退屈だ、ヒマだ」と言ってだらだら費やすのか?私は本が大好きだったおかげで多くのことを学びました。祖母が教えてくれた「資本」は、誰でも継承できます。自分の能力を信じ、それを伸ばすための投資を惜しまなければ、きっと、人生はもっと豊になると思います。


2019年9月7日土曜日

花だより コルチカム 穏やかなときに指導する

《穏やかなときに指導する》 
 特別支援教育でご講演いただいた丸山先生の話の中で、パニック(興奮)状態のときにいくら言ってもダメ!穏やかなときに指導しなければ効果がないと言われました。
 北進保育園の運動会が本校のグラウンドで開催されました。保育園の先生の動きを見ていて思い出したことがあります。
 若松小学校は、運動会、学芸会などの学校行事は、地域の保育所と合同で行います。ですから、校長は、入園式や卒園式などの保育所の行事によく参加しました。
 卒園式の最中でした。一人の女の子が急に泣き出しました。ベテランの保母さんが、とんでいってその子をぎゅっと抱きました。こんなとき小学校の先生ならどうするでしょう?「どうしたの?何があったの?」と問い正すでしょう。しかし、その保母さんは、「わかったよ。いいよ、いいよ。」と別室に連れて行き、泣き止むまでずっと抱っこしていたのです。そして、泣き止んで落ち着いてから、「何かイヤなことあったの?」と聞いたのです。
 子どもは、よく泣きますが、どうしていいか分からなくなったとき、不安になったときも泣きます。頭も心もめいっぱいのときには、何も受け入れなくなってしまいます。
「どうして言わないの?泣いていたって分からないでしょ!」と言われても、何をどう言ってよいか分からないのです。子どもの心理をよく理解している保母さんは、まずは安心させるために、落ち着くまでぎゅっと抱っこしてあげるのです。
 丸山先生は、「大人の発達障害が心配です。」と校長室で話していました。「学校の先生にも結構いますよ!」と言っていましたが、大人だとぎゅっと抱っこするわけにはいきません。深刻な問題です。

2019年9月6日金曜日

花だより ヨルガオ 期末テスト

◎×△ 期末テスト ◎×△
 朝、中学生とすれ違いました。珍しく制服を着ていましたが、表情が冴えません。
「今日は何か特別な日なの?」と声をかけました。
「今日と明日、期末テストなんです。今日は、国語、社会、理科、英語、音楽、体育、技術家庭、6教科も…。昨日は12時まで、勉強したんだけど、自信ありません。」
横を通った小学生が、「小学校はそんなのなくてよかった!うちの姉ちゃん、さっぱり勉強しないから、母さんに叱られていたよ!」
「あと何年かしたら、中学生なんだから、今からちゃんと勉強しておかないとダメだよ!」
「なったら、なったで、そのとき、考えるよ!」
 高校に入るのも試験、就職するにも試験、資格をとるのも試験、運転免許をとるのも試験、試験(テスト)から逃げることはできないのです。

2019年9月5日木曜日

花だより ヤマゴボウ 開運!なんでも鑑定団


『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京 火曜夜9時) 
 様々な人が持っている「お宝」を陶芸や古美術品・アンティークなど骨董の専門家が鑑定し、値段付けを行うバラエティー番組。意外なものが高価な鑑定結果を得たり、高価だと思われていたものが偽物などで安価になってしまうという意外性や鑑定物に対する蘊蓄(うんちく)がおもしろいのが特徴です。鑑定の結果、埋もれていた芸術家や芸術作品が発見されたこともあります。特に掛け軸は、有名な作者ほど偽物(贋作)が多く、二束三文の値が付きます。
 「偽物ですが、よく描けていますので、床の間に掛けて楽しんで下さい。」と鑑定士に言われても憤慨する人はいません。自分の目利きの無さを反省するのです。
「校長先生、真似るのはダメなんですか?」
 「学ぶ(まなぶ)」は「まねる」から来ていると言われています。書や絵(日本画)は、お手本を写すことから始まります。また、俳句の世界では、一字違うとオリジナルになるといいます。日本人は、元々そういうことには寛容なのかもしれません。しかし、グローバルな社会での商業デザインとなると大きなお金が動くので、そうはいきません。「まねる」のは大いに結構、でもウソをつくことはいけません。
    

2019年9月4日水曜日

花だより レンゲショウマ 学習状況調査


 全国学力・学習状況調査(児童質問紙)より
 学力調査と一緒に学習状況調査(学習時間、学校生活、基本的生活習慣)を質問紙形式で行っています。
 ちょっと気になる?(全国より10ポイント以上下回った項目)
▽難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦しますか  
▽自分には、よいところがあると思いますか
▼1日どれくらいの時間、テレビゲームをしますか*3時間以上が27%(全国17%) 
▼家の人と学校のできごとについて話しますか
▽家で学校の宿題をしますか 
▽学級みんなで協力して何かをやり遂げ、うれしかったことがありますか   
▼今住んでいる地域の行事に参加していますか
▽地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がありますか
▽学校のきまりを守っていますか 
(35項目中9項目が10ポイント以上下回る結果になり、気になりました。)
 自分には良いところがない。難しいことには挑戦しない子が多いことにも驚きました。
ある意味、自分の気持ちや考えを正直に答えているのかもしれませんが?この結果をこれからの指導に生かしていきますが、学校だけではできないこともあります。ご家庭の協力もよろしくお願いします。
 学力点だけでなく、こうした学習状況調査の結果もきちんと分析して、普段の指導に反映していかなければなりません。

2019年9月3日火曜日

花だより ツルボ 保護者とどうつながるか?



 保護者とどうつながるか?
 ~これだけはやめてほしいかかわり方~
 問題行動や不登校、いじめ問題とかかわっていると本人の問題行動の背景に保護者(家庭)に問題があると感じています。保護者にも家庭で取り組んでほしいとことや、保護者自身の在り方を改善してほしいと感じることもよくあります。
 保護者の多くは教師を支援のプロだと思っていますので、方向性を示してほしいと思っています。ですから、話を傾聴し、うなずいたり、ときには「そうだったのですね。」と共感したりしながらも「私もお子さんのために、できることをしていきたいと考えています。例えば、…」というような提案や方向性を話すといいでしょう。
 しかし、保護者との信頼関係が構築されていないのに家庭での支援の連携をお願いすると、保護者によっては「それは学校がやることでしょ!」と拒否反応を起こされてしまったり、さらには保護者自身が変わらないまま、教師への要望のみ増えていったりするケースもよくあります
 ですから、相手を変えるという意識ではなく、自分自身の在り方が問われていると考え、まずは不安を抱える保護者の立場に寄り添う姿勢を示しながら、信頼関係の構築を心がけていただけるとありがたいです。
 子どものために何がベストなのか?と一生懸命かかわる気持ちが伝われば関係は良好になっていくと思います。
 「理で説き 法で押さえ 情で動かす」

2019年9月2日月曜日

花だより ミョウガ ネット社会での学校の危機管理

学校の「危機管理意識」をどう変えるか
                       アドラー心理学実践家 椎名 薫
                        (月刊「生徒指導」8月号)
 いま私たちは、たくさんのデジタル機器に囲まれ、スマートフォンを体の一部のように生活しています。このようなネット社会を踏まえた危機管理を考えることが、今日的課題と言えるでしょう。
 ≪ネット社会での危機管理≫
 ネット社会は情報の画一化をもたらします。誰かの極端な意見、あるいはちょっと口を滑らした失言に敏感に反応し、不謹慎、非常識、無神経だと声が上がり、あっという間に非難・炎上です。その一方で、多くの人たちは自分でものを考えることをせずに、ただちにスマホ画面をタッチして、そこに集まる大多数の意見に影響されます。これは一見、個性的な考えに見えて、みんな同じようなことを言っています。そして、本当に因果関係があるのか、道理にかなっているかなど怪しく思われることがあります。
 一例を挙げれば、いじめの問題がそうです。昨今はいじめ問題イコール学校と教育委員会が「おかしい」という論調が主流です。識者もマスコミも、そこに原因を収斂し非難と糾弾を繰り返します。学校には、「隠ぺい」的体質がある、教室は「密室」だから何が起こっているかわからない…。何か事が起こると「(学校は)○○ってことですか?」と、いまの社会通念を押し付けて事件の解決を求めます。さらに状況がこじれはじめると、「(学校は)逃げる」、そして担任は「辞めろ」とたやすく進退問題にエスカレートします。
 ネット社会の特性として、それぞれが自分の考えをもって行動するのではなく、ある限られたキーワードによって組み立てられたパターンに従っているところがあります。そして、個人の直接的な利害に結びつかなければ無関心なのに「~であるべき」との評論で賑わうのもその特徴です。学校で発生する危機は、オーバーに宣伝され、その火消しに終始しなければならないケースがしばしばあるのではないでしょうか?
 これからの危機管理意識で重要なことは対応の迅速さです。どの学校も「ホウ・レン・ソウ」で対応に当たるでしょうが、そればネット時代のスピードに即応しているでしょうか?いじめ問題で考えるならば、初動対応で後れを取らないことです。また、情報の真偽をよく見極め、的を射た対処を心がけたいものです。
≪だれの責任なのか 誰がリスクを引き受けるか≫
 ネット社会が私たちの日常を次々と変容させているのに、学校は相変わらずアナログ的な教師の「手仕事」による管理及び処理を行っています。キャッシュレス、ペーパーレスの時代なのに、なぜ学校(だけ)は旧態依然なのか?保護者の人たちの大半はそう思っているでしょう。集金は集金袋、家庭との連絡は「おたより帳」、学習内容や持ち物など、毎日数枚のプリントを渡します。プリントの中には、子どもの情報を記入させて回収するものなど、個人情報がそのまま載っています。学校現場ではありふれた光景ですが、これはかなりのリスクを伴っています。現金が教室にあったり、個人情報が身近に置かれていること自体が問題で、何か事が起こったら、そこに遡って危機管理が問われることでしょう。
 情報化社会の中で、一人置いてけぼりにされた感のある学校現場にネットシステムを導入しようと思えば決してできないことではありません。集金は、銀行口座やネット銀行、学校からの連絡はメール配信、個人情報はクラウドシステムへ、そうすれば教師たちの紙ベースの膨大な事務処理は大幅に軽減され、必然的に教育の質がアップするはずです。
 しかしながら、これば言わば机上の空論に近く、学校の特殊性を踏まえて考えれば様々な壁にぶち当たります。一口に集金と言っても、教材費、赤い羽根、緑の羽根などの募金、PTA会費など、勧進元が多方面にわたります。いろいろな経緯があってアバウトに学校・教師に「おまかせ」の状態なのです。まずはその交通整理をしなければネットシステムはかえって災いをもたらします。
 学校は担任を窓口とする仕事が多すぎること、そして職員室という一つの部屋で指導案や成績処理、文書作成、備品営繕、その他の物品管理などなど多種多様な仕事をこなしているということも指摘しておかなければなりません。「学校は遅れている、だからネット導入だ」ではなく、学校、家庭、各関係機関の責任をより明確にし、線引きした上でのネット利用が望まれます。
 ≪新学習指導要領の実施のもとで≫
 新学習指導要領の実施の時期を迎えています。「社会に開かれた教育課程」と銘打ち、カリキュラムをマネジメントして、そこにプログラミング教育、小学校では英語、そして、現代的諸課題への対応、スピードを増しているネット社会の変化に応えるべく多様な内容など、新機軸が目白押しです。
 しかし、一読してため息が出てしまいます。一体これをいつ、どこでやるのか。いまだって子どもたちは、ガチガチに組まれた分刻みの日課表のもと、休み時間も各学校独自の「○○タイム」で実質つぶされることが多いため、一日を終えると高学年はクタクタです。新学習指導要領は「学習内容の削減は行わない」と明言し、内容もより高度になっています。現在の状況にさらに新しい活動が盛り込まれれば、ますます息が詰まってしまいます。
 しかし、そんな姿を知ってか知らずか、ネット上では、アメリカの学習プログラムを見よ、フィンランドメソッドを見習い子ども主体の授業を、などと優れた授業サンプルが提示されています。それは分かりますが、それぞれのお国の事業と学校への期待が違うのです。
 一例を挙げれば、いわゆる学校行事にこれほど準備時間を費やす国はないでしょう。他の国でも運動会や遠足、修学旅行などはありますが、原則として自由参加です。また、いわゆる集団行動という発想そのものが無いのです。教師たちが声をからして訓練する整列や全体行進、さらに組体操を外国の人たちが見たらどう感じるでしょう。
 子どもたちにいま必要なのは、メンタルヘルスであり、ホッとした時間を与える心身の均衡をとることです。ネット社会はどこまでも速い・簡単・便利を追求しますが、その代償として私たちは常に忙しく慌ただしく暮らさなければなりません。したがって、教師は、子どもの学習意欲を鼓舞する一方でストレスマネジメントに心を砕かなければならいでしょう。
 また、学校における最も急務の課題は、学校行事の精選・削減であり、小学校のクラブのような教科・領域に属さないものは、いままでの習慣にとらわれず思い切って止めるべきです。かつて学校の「スリム化」、最近は「断捨離」などと言われますが、まだまだ足踏み状態と言ってよいでしょう。
 新教育課程の中で、こうした取り組みがまさに「子どもたちを守る」という危機管理の基本として考えるべきではないでしょうか。

2019年9月1日日曜日

花だより オシロイバナ 向き合っていますか?

 「向き合う」とは 
         兵庫県尼崎市教育委員会管理部職員課(管理主事) 石 川  一
 「子どもと向き合う時間がとれない」「子どもの悩みに向き合うことが大切」などと、生徒指導の場面での児童生徒とのかかわりを考えたときに頻繁に使われる言葉です。しかし、「向き合う」とは、具体的にどうすることなのでしょうか。
 今日の社会においては効率よく結果を出すことが求められ、問題解決のために手早く正解を得ようとする傾向が見られます。そのせいで、解決が難しいと思われる問題に出合うと、思考停止に陥り、通説や多数意見に飛びついてしまうことが少なくありません。正解と見えるものであっても、こまやかに内容を吟味し、さまざまな場面に当てはめて妥当性を検証することが必要なのです。解決できない(できそうもない)問題から目を背けず、答えの出ない宙ぶらりんの状態の中で粘り強く問い続ける姿勢こそが「向き合う」ということなのでないでしょうか。
 子どもたちは信頼する先生は、一緒に遊んでくれる楽しい先生、何でも分かってくれる先生ばかりではありません。悩んだり、時には弱みを見せたりする先生も、信頼される先生です。自分がどれほどのことができるのか、と自らのありようを愚直に問うことができる教師こそが、子どもと誠実に向き合うことができる教師であると考えます。
 大事なことは、教師自身が児童生徒の行動を見るときの自分の立ち位置に気づくこと(自己覚知)です。問題の原因を本人や家庭に求めるのではなく、子どもと教師は相互に影響し合うという認識に立ち、問題を理解しようとする姿勢が求められます。子どものためにと思って行った行動が期待通りに受け止められなかったときこそ、自分を見つめ直して子どもとの関係に気づき、信頼関係を築こうとする気持ちを持ち続けることが、子どもと「向き合う」ということにほかならないと考えます。