2016年9月25日日曜日

花だより 鬼灯 芸術の秋


【平成20年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》 ~芸術の秋~
  いいものたくさん観よう!聴こう!
 北見には「芸術文化ホール」や「北網圏文化センター」があります。(映画館があるのも北見だけです。) 北見では、いい音楽を聴いたり、いい作品を観ることができます。
 過日、芸文でピアノとソプラノのジョイントコンサートを聴きました。クラシックを聴くと眠たくなる私ですが、ソプラノの生の歌声に感動しました。
 この後、北網圏文化センターに来る道展の移動展を楽しみにしています。ときどき札幌や東京に行くことがありますが、ショーウィンドウのディスプレー一つとっても地方のそれとは違います。娘のいる京都に行くこともあります。和服姿や立ち振る舞い、町並みにも何か洗練された違いを感じます。イタリア人とフランス人のデザインセンスやファッションセンスのよさは歴史と伝統・環境からくるものと言われています。(ローマやパリは街中が芸術作品だらけです。)
 田舎育ちの私には、北見が大変都会に見えます。オホーツク管内の文化の中心地であることは、間違いありません。音楽の各種コンクールは北見で開催されます。スポーツの管内大会も北見で行われます。知床が世界自然遺産に登録されるとき、“地元の人は、それが当たり前のことであり、その素晴らしさに気づいていなかった。”という話を前回書きましたが、北見に住んでいると案外文化の中心地であることに気が付かないかもしれません。
 「質屋の修行(目利き)は、本物にいかに多く触れるか」だそうです。音楽プロデュサーの小室哲哉氏が作曲の道に入るきっかけは、学校の先生に作品を褒められたからだったそうです。子どものころの出会いやきっかけから将来の夢を持ち、芸術家になるケースが多いようです。子どものうちに本物の芸術に触れることは、文化芸術の裾野を広げるためにも学校教育ばかりでなく、家庭教育の中でも大切なことのように思います。スポーツや運動会で活躍の場を得て目を輝かせる子どもがいるのと同じく、文化芸術で感動する子どもたちも大勢います。子ども一人一人の持ち味や個性を引き出すのも大切なことです。急かされてあわただしいときこそ、心のゆとりと質の高い豊かさが大切です。
 「問題行動に対する100回の説教よりも、心から涙する演劇や映画の一場面の方がずっと効果がある。」と言われます。また、感動する心は文化芸術に止まらず、学術や科学技術の分野でも大きな影響力を持っています。新しい発見や工夫が、感動や美意識といった心の動きと関係しているとも言われています。学力向上には、育むべき豊かな心を含むものでなければなりません。
 国際舞台で活躍する著名人がよく言うのは、自国の文化についての知識や経験がいかに大切であるかに気づかされる。文化芸術は国際人の教養であり、国際社会での学力に他ならない。豊かさや品格の伴わない学力は国内でも通用しない。何より文化芸術は人間としての豊かさ、本物の心の豊かさを保障してくれるものです。人間の弱さにつけ込んだバラエティ番組や中身のないゲームソフトなどに子どもの心を委ねてよいはずはありません。まして、いくら成績が良くて化学の知識があっても母親に毒をもるような子どもを育ててはならないのです。芸術の秋、文化の秋です。この機会にちょっと文化に関する催し物に足を運んでみませんか?
 “お金も人手も時間もかけずに教育はよくなることはない”という言葉もあります。


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