2019年4月17日水曜日
花だより ハナビシソウ ミヤコワスレ 日本の教育の下流化を問う
「教育展望」 4月号より 教育調査研究所
特集 日本の教育の下流化を問う
学力をめぐる「顕教」と「密教」の顛末
竹 内 洋(関西大学・京都大学名誉教授)
日本の学力が世界のトップクラスだったころは、今のフィンランドと同じように、学力中位以下層の頑張りによるものだった。1980年頃までの学力国際比較の実証的研究は、日本の生徒の学力平均が最も高く、分散(得点の散らばりの度合い)が最も小さいことを指摘していた。
1970年代半ば、日本の学校のフィールドワークをしたアメリカの人類学者トーマス・ローレンは、著者『日本の学校』の中でこう言っていた。「日本の初・中等教育の偉大な成果は、素晴らしいエリートを養成したことにあるのではない。トップの生徒に関する限り、欧米諸国の方が優れている。日本の功績は、むしろ一般の人々の能力水準を高めたことにある。」 そして、日本では一般の人々の学力が高いだけでなく、行動が「立派」であって、この面でも平均水準が高いとしている。一般人の頑張りと学力の高さが実直な中間層を育てるのに貢献していると喝破(事実を見抜いてはっきり言う)していたのである。
日本の経済の高度成長は、大企業を支える下請けの中小企業の質の高さによったものであった。日本の資本主義は、西欧先進国のような「エリート」が主導する資本主義ではなく、中間指導者やヒラが頑張る資本主義が特色であり、強みだった。つまり現場の指導者やヒラの優れた力が大きかった。職場の神様とか職場の生き字引といわれたノン・エリートが逆にエリートや指導者を支えていたと言ってもよい。実直で頑張る中間層は、実直で頑張る学力中間層と相即していたのである。
問題はモチベーション 社会の変化と少子化により高校・大学の進学率が上がったこと(誰でも高校、大学に入れる)で、中位以下層のモチベーションが下がってしまったのが問題である。学力格差は将来の幸福とは関係ないという意識が大きく広がった結果、勉強ノンエリートは「顕教(たてまえ)」となり、勉強エリートが「密教(ほんね)」となり、受け取り型の差異によって、かつての学力の「正規分布」型は、山型ではなく、二極化した「ふたこぶラクダ」型となった。(以上 牧野要約)
勉強って何だろう? “精神論、根性論で子どもの心は動きません”(ベネッセコーポレーションの新聞広告より)
考えれば考えるほど答えの出ない、私たちにとって永遠のテーマです。しかし最近、勉強について、一つ思うことがあります。それは、この国の勉強が精神論や根性論で語られることがあまりに多すぎた、ということ。
勉強とは、自分の持ちうる知識や技能を活用しながら、思考し,判断し、表現すること。自らの力で見通しを立て、問題を解決すること。根性論では、子どものやる気に火をつけることはできません。知識の詰め込みが、問題を解く力を向上させることもありません。大切なのは、子どもが「一人でやり抜いた!」という実感を獲得すること。その手応えがまた、次なる勉強へのモチベーションにつながることを私たちは知っています。
それでは、子どもたちの能動的な学びを実現するために、進研ゼミは一体何ができるのか?子どもたちの日常や学習への意欲を脳科学や心理学レベルから研究するうち、見えてきたのは「学習レディネス=勉強に対する子どもたちの経験」の圧倒的な不足でした。どう勉強していいかわからない。勉強することそのものに慣れていない。まずはこの問題から、何とかしなければなりません。(牧野要約)
これを読むと学習塾の方が説得力があるように思えてしまいます。
現実 高栄中と北中からお迎えテスト(第1回学力テスト、小6の学習内容)4教科(400点満点)の結果が送られてきました。両校とも平均点は200点に届かない状況です。両校の校長は、「教え甲斐のある子どもたちです。」と言っていました。北小のここ数年の学力テストの得点の散らばりは、中位層が少なく、下位層と上位層に分かれます。さらに年々上位層が少なくなり平均点を下げる結果となっています。精神論ではないと言うけれど…。
歓迎会の2次会で意気投合 「なめるんじゃねぇ~」
隣席のK先生に、酔っていましたので少し乱暴な口調だったと思いますが、「俺は悔しい。オホーツクに生まれ、オホーツクで育ち、オホーツクで教員になったが、もうすぐ退職だ。それが全国最低レベルとバカにされ、俺の教員人生は何だったんだ!」
「それには教員、自分も共感します。」とK先生と意気投合、どんなカクテルを何杯飲んだかよく覚えていません。翌日めずらしく二日酔いになり、普段飲まないので、妻が「何かあったの?」と心配しました。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿