2019年12月29日日曜日

花だより クレーム対応(2) ホオズキ ロウバイ

クレーム対応 続き 
2 「納得」を目指すのではなく「要求を断りあきらめさせる」
 前回の点を踏まえれば、保護者の要求が、学校が法律上すべきことを超えている場合は、学校としてもできる範囲での対応になることを伝えることが必要です。
「学校はすべてを解決しなければならない」とか「教員は時間外も生徒や保護者に対応しなければならない」という考えは成り立たないことを保護者に伝え、理解させる必要があります。
 そのうえで、学校ができる範囲で教育上の配慮をしても保護者が納得しない場合は、それ以上の対応を断ることが必要です。
 学校の現場では、なんとかモンスターペアレントをなだめようと、納得、了解を得るために、場合によっては教員が本来の筋を曲げて対応してしまうということがみられます。しかし、モンスターペアレントの対応では、「納得・了解」をゴールとして目指すべきではなく、「要求を断りあきらめさせる 」ことをゴールにすることが、正しい対応の基本になります。
3 組織として対応する仕組みをつくる
 モンスターペアレントに対する対応で、もう1つ重要なことは、度を越えた要求については組織として対応する環境を作っておくことです。
以下でこの点についてご説明します。
 保護者からのクレーム対応の現場では、以下の点が問題になります。
① 「法律上すべきこと」と「教育上すべきこと」の切り分け・判断
② 「教育上すべきこと」について何をどこまでやるかの判断
③ モンスターペアレントかそれとも保護者の正当な要望かの判断
④ モンスターペアレントの要求を断りあきらめさせるための伝え方、対応方法
 これらの点について、教員個人に判断をまかせてしまうと、モンスターペアレントの要求に応じて誤った判断をしてしまったり、あるいは対応に苦慮して疲弊してしまうといった問題が起こります。
 そのため、学校としては、モンスターペアレントに対して組織として対応するということを職場内で明確にすることがまず必要です。
 実際にモンスターペアレントに対応する窓口は担任や学年主任とすることが適切なことが多いですが、その場合でも職員会議で情報を共有し、対応を決めるなどして、窓口となる教員をサポートする体制が必要です。
また、保護者を説得し納得させられないことは必ずしも教員の力量不足を意味するわけではないということも職場内でメッセージとして伝えることが必要です。
4 弁護士に相談できる環境を作る
 さらに、モンスターペアレントの対応において判断を誤らないためには、判断に迷ったとき、困ったときはいつでも弁護士に相談できる環境を作っておくことが必須です。
法的な判断とクレーム対応に精通した弁護士に相談することで、具体的な場面について対応するべき内容が明確になります。
また、学校のみでは対応できない場合は、弁護士にモンスターペアレントの対応を依頼することも可能です。
 保護者に対して弁護士から説明をすることで、保護者に自分の要求が法律上通らないことを理解させることができるのです。

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