2022年3月31日木曜日

花だより マイナカード申請してみた カタクリ

 

 近況 マイナカード申請してみた
 政府が2022年度末までに100%の普及を目指すマイナンバーカード。健康保険証などとして使えるほかお得なポイントもつくらしい。ただ私はまだ持っていなかった。
 住んでいる釧路市では2月、申請や交付を一括して受け付けるセンターが、2か所の商業施設で開所した。道内では、札幌に次ぎ、2番目の取り組みだ。2月1日時点の市民の交付率は約4割で、全道平均より上だが全国平均よりは下。そのため、普及のスピードアップを目指したという。
 取材した開所の初日はそのまま帰ったのだが、せっかくなので先日、足を運び申請した。窓口で健康保険証などを見せ、書類に住所氏名や生年月日を書き、最後に顔写真を撮って手続きは終了。印鑑は不要で、10分ほどで終わり、少し拍子抜けした。
 カードの交付は、約1か月後。それまでに、キャッシュカードや診察券などでぱんぱんな財布を整理しておきたい。(読売新聞釧路支局 S・H)
 過日、この記事に目が留まった。教師になって最初の教え子が新聞記者をしている。北見支局に居たときに一度会ったが、中年のおじさんになっていて腹回りが気になった。診察券でぱんぱんなのはよく分かる。
 私は3年前に、マイナカードを作り、確定申告もこれで行っている。申請は、彼の言う通り簡単なので、ぜひ皆さんやってください。

 


2022年3月30日水曜日

花だより 先輩教師から学ぶ(祝満職) ムラサキハナナ

 

 先輩教師から学ぶ心配り
 S先生が、引き継ぎに来た中学校の特別支援担当の先生を校長室に連れて来て紹介してくれました。当たり前のことですが、こういうことが学校現場では、なかなかできていません。
 教育長は、真っ先に職員室に入り、先生方に声をかけてから校長室に来ます。帰りも同じです。必ず職員室に出向き、挨拶をしてから帰られます。玄関がオートロックになりました。出入りの業者さんも、校長室に来て必ず「よろしくお願いします。」と挨拶をします。学校だけでなく、会社回りをしている外交の方にとっては常識的なことですが、教員が他の学校に行ったときは、どうでしょうか?
 他の学校の先生が、わざわざ校長室に来て用件を言うのは億劫なものです。そんなとき、その学校の先生が気をきかせて、校長に取り次いでくれたらありがたいと思うはずです。普段から、気配りのできているS先生らしいさりげない心配りに感心しました。皆さんも見習ってください。S先生は今年の春退職されます。
 今年も定年退職される先生の送別会ができません。「退職」「勇退」の他に「祝満職」という言い方があります。正に職を全うしたことに敬意を表するという意味だと思います。そうした先生と酒を酌み交わし、思い出話を聞く機会がないのは、淋しい限りです。





2022年3月29日火曜日

花だより 別れの季節(2)いい日旅立ち ヒヤシンス

 


 北国の長かった冬もやっと終わりを迎え、雪解けの木々の足下から、ひょっこり顔を出すのが“ふきのとう”です。「春だよ~。」と一番先に芽を出し、食べるとほろ苦く、春を感じさせます。
 3月は別れの季節です。
「校長先生、今年はどの先生が行ってしまうの?」と聞きに来た子がいました。
 ふるさと”必ずしも生まれたところにあらず 
 心通じたところこそ 本当のふるさとである。 
 “母校” 必ずしも卒業した学校にあらず 
 心交わしたところこそ 本当の母校である。
「ちょっと難しい詩だけれども、先生は、同じ学校にずっといられない。何年かしたら、他の学校に行かなければならない。
🎵ああ~、日本のどこかに わたしを待ってる人がいる~🎵という歌があるでしょ!」
「ええ~、そんな歌知らないよ!」
 新しい別れの歌を覚えようと思いました。

2022年3月28日月曜日

花だより 別れの季節(1) チューリップ

 

 
 新聞に教員の人事異動が掲載されると、昔の同僚から、電話が来ました。
「この度の異動で、他管に行くことになりました。行く前に一度お会いしたいと思いましたが、なかなか忙しくて、電話で失礼します。」とのことでした。
 まん延防止等重点措置が解除されましたが、今年も送別会はできません。寂しいかぎりです。
 北国に春を告げる福寿草
 雪解けの隙間の日だまりに福寿草の花が咲く頃となりました。
 福寿草は、春一番に咲く花で金色に輝き、新しい門出を祝うめでたい縁起のよい花とされています。そんな福寿草も鉢に移し暖かい家の中に入れると、どんどんのびてもやしのようになり、花びらもくすんだ色になってしまいます。どこにでも咲いているように思う花ですが、種から花を咲かせるまでにちょうど小学校と同じ6年かかります。雪の下でじっと寒さに耐え、雪解けがはじまる早春に芽を出すのです。寒い厳しい条件だからこそ金色の鮮やかさを増すのです。身の丈わずか数センチの福寿草ですが、温室育ちにはない「強さ」=「美しさ」があります。どこか北国の子どもたちと似たところがあります。
 コロナ禍でも、季節は移り、花は咲きます。新天地での活躍を期待します。
 

2022年3月27日日曜日

花だより 春3月 別れ、旅立ち ソメイヨシノ


 役場の人事異動調書が届きました。
 学校の先生は、異動してもやることに変わりはありませんが、役場の職員は、課がかわると4月1日から全く違う仕事をすることになります。ただ、学校の先生にように引っ越しがないだけいい。と言います。3月で定年退職される課長さんがいます。例年のような送別会はできませんが、29日、ささやかな送る会をすることになりました。
  春3月 別れ、旅立ち
 春のそよ風が どこからか吹き 通いなれた道 彩りを着替える 
 喜びも悲しみも 過ぎ去った季節 新しい道 歩き始める 
 大切な瞬間を いつまでも忘れぬように 
 また 一歩踏み出す 
  学校しか知らない 
 世間では「一番つぶしがきかないのが退職校長だ!」と言われているようです。校長として偉そうにしていましたが、退職したらただの人です。これからは、校長風を吹かせることなく謙虚に「喜びも悲しみも 過ぎ去った季節 微笑みながら 新しい道 一歩踏み出す」と思わなければなりません。

2022年3月26日土曜日

花だより 朝食をとらないと低体温で、頭と体が冬眠状態 フクジュソウ

 

 朝食をとらないと低体温で、頭と体が冬眠状態           
 しっかり食べていない子どもたちの体温は低く、冬眠中の熊のような状態になっている。  
 朝、学校に行きたくない。という原因の一つは、低体温状態で体が起きていないからだ。というのは小沢治夫東海大学教授(発育発達学)です。
 メラトニンという夜ぐっすり眠るためのホルモンが朝になっても出ていると目覚めが悪く、朝食も食べられないし大便も出ません。体温が上がらずボ~ッとしているので、先生の話もきちんと聞くことができない。そんな子は、先生に注意されるとふてくされて勉強ができない。逆に体力や学力が高い子どもは、朝食をしっかり食べている。1日1回大便が出て、よく動く。そして、7時間くらいは寝るということがわかっています。家庭という土台の上に学校生活が乗っかっているのです。
 習慣を変えれば行動が変わり、行動が変われば態度が変わる。態度が変われば心が変わり、人生が変わる。習慣の第一が朝食。しっかり食べれば、気力、体力、そして学力も上がります。
 🤷‍♂️しかし、調査では30代、40代の親の世代の欠食率が高いというショッキングな結果が出ています。朝早く起きて朝食をつくる親が少ないというのです。

2022年3月25日金曜日

花だより 心の向きを変えてみる ソメイヨシノ

 

   しあわせ七変化
  自分が変われば 相手が変わる 相手が変われば 心が変わる
  心が変われば 言葉が変わる  言葉が変われば 態度が変わる
  態度が変われば 習慣が変わる 習慣が変われば 運が変わる
  運が変われば 人生が変わる 今、幸せな人は、そのまんまでいいのです。

 ~心の向きを変えてみる~
 病気をはじめ、家庭不和、仕事上のトラブル・・・と、悩みの種はつきません。そうした状態になったとき、とかく不運を嘆き、相手を責め、周囲を恨んだりしがちなものです。しかし、何かのせいにしている間は、本当の意味で問題が解決することはありません。むしろ自分の心の向きを変えてみることで、解決へと動き出すことを知るべきです。
 これまでの心遣いを振り返り、切り替えることで、困難を却って運命を開くチャンスにすることだってできます。その第一歩は、自分中心の見方をしてこなかったかと反省することから始まります。これが「しあわせ七変化」の意味だそうです。

2022年3月24日木曜日

花だより これでいいのだ! レンギョウ

 


  この春 旅立つ若者へ 贈る言葉
   現実はままならない うまくいかないことばかり 
 毎日ほとんどは、「これでよくないのだ」の連続だ
 自分を責めて 誰かを責めて 何かを責めて 
 そして やっぱり自分を責めて
 だけど 確かめてみる価値はある 
 “これでいいのだ” という言葉の力を信じてみる価値はある
 あなたが もうこれ以上どうにもならないと感じているのなら 
 余計に胸を張る必要はないし、立派になんて 別にならなくたっていい
 あなたは あなたのままでいいのだ
 あなた自身がそう思えば 世界は案外 笑いかけてくれる
 人生は うまくいかないことと つらいことと つまらないことと 
 その間に ゆかいなこと楽しいことがはさまってできているから
 どうか あなたの人生を大切にしてください
                      赤塚不二夫
 1983年、赤塚不二夫さんは潮見小学校に来て4枚の漫画を描いてくれました。この漫画には、赤塚さんの「あなた自身を大切にしてください。」というメッセージが込められています。もしつらいことがあったら、思い出してください。社会に出て、うまくいかないことがあったら、思い出してください。「あなたは、あなたのままでいいのだ。」

2022年3月23日水曜日

花だより 言葉遣いのけじめ ムスカリ

 


 ~子どもと同じ言葉遣いをしない~
 子どもはよく「さようなら」を「バイバイ」といいます。友だち同士でのあいさつだけでなく、親や先生にも使っています。それに応えて「バイバイ」といっていますが、これはどうなのでしょう?あるお母さんは、「『バイバイ』ではなくて、『さようなら』でしょ。」と子どもを嗜めました。
 お母さんの中には「うちは友だちみたいに仲がいいんですよ」と自慢する人もいますが、それは違うと思います。友だちのように子どもと話すのが、子どもと良好な関係を保つ秘訣だというのはお母さんの勘違いです。友だちと母親は違います。
 友だちはたしなめませんが、母親は子どもをたしなめます。間違ったことをしたらその場で「それは違います」と諭すのがお母さんなのです。
 子どもを叱るとうまくコミュニケーションがとれなくなると思っているお母さんが結構たくさんいます。それでついつい優しくしてしまうのです。優しくする方が叱るよりずっと楽だからです。友だちのようなお母さんというのは、実は子どもを叱れないお母さんなのです。お母さんに叱られたことがなく、友だちのように付き合って育った子どもは、いったいどうやって善悪の判断を身に付けていくのでしょうか?
 いくら「人をいじめないようにしましょう」といっても、子どもは何がいじめになるかわかりません。「遊び」か「いじめ」かその境目があいまいなことが多いのです。その場で「それが『いじめ』です。いじめてはいけません。」と叱るのが、子どもにしたら一番わかりやすいのです。 
 子どもは悪いことをして叱られながら善悪の判断をつけていきます。これは友だちではできません。

2022年3月21日月曜日

花だより 幼児施設に預ける親の実態 バイモ

 幼児施設に預ける親の実態  
🤷‍♂️登園が遅い。10時、11時になって登園してくる。朝食も取ってこない。デザート類ばじかり食べている園児が目立つ。じっと座っていられなく、かみついたり、パンチをしたり、乱暴な言葉が目立つが、その母親も子どもを叱るときにはひどい口調である。
🤦‍♂️早寝・早起きや道路を安全に歩くなど、指導には家庭との連携が必要だが、それが難しい。友だちとのトラブルでも加減が分からず、ケガを負わせてしまうことが多い。また、謝れば済むと思っている。相手を思いやる気持ちが薄い。「最初に戻せばいいんでしょ。」という言葉が気になる。ゲームでリセットすればいいという現代の風潮を反映しているのではないか。
🤷‍♀️夜型が多く、遅くまでテレビを見ている。早寝・早起きができない母親は、「自分も食べられないから」といって朝食を用意しない。
🤦‍♀️カバン(子供の持ち物)をチェックしない親、プリントも読まない親が増えている。保育園からのプリント(お知らせ)を読まない親は、学校へ行ったらプリントの量も増えるので、ますます読まないのではないか。
😒堅い文章は読まない母親は、絵文字や顔文字で返事を書いてくる。
😢プリントを読まないので、アドレスを登録してもらい、持ち物などの連絡は、メール送信をしている。園だよりも文字数を少なくシンプルな内容にしている。
🤔最近は、欠席の連絡が担任の携帯にメールで来るようになった。
🤣友だちとのコミュニケーション力の低下で、すぐ泣く、攻撃するなどの行動が目立つ。横のつながりが薄く、友だちが困っていても助けない。最近は、自己主張の激しい子と何も言えない子に分かれているような感じがする。
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 教師に対して不信感を持っている保護者もいるでしょう。反面、教師が〝家庭のしつけまで学校や園任せにしている〟と親を批判していては、お互いの信頼関係を築くどころか、溝は深まるばかりです。
 

2022年3月20日日曜日

花だより 人との関わり 桜

 

 「人との関わり」
職場で学校で地域社会で、誰も皆他人と関わりながら生きている。
人間である以上、中には気の合わない人、苦手な人もいて、ときにはそうした人とも
一緒に作業をしたり、気乗りしない行事や付き合う場に出なければならないときもある。
それは少なからず憂鬱で面倒なことであろう。
しかし、どんなに煩わしくても、他人との関わりを避けることはできない。
それは嫌で仕方ないというのでは、毎日が苦痛になるばかりである。
どうせ避けられないのなら、それをむしろ楽しみに変えるように切り替えるべきだろう。
いろいろな人と出会い、人間関係を結んで、さまざまに関わり合いつつ日々を送る。
これこそ生きている証だと、積極的に受け止めて関わっていこう。
そうすれば鬱陶しいと思っていたことが、案外そうでもなくなり、意外と面白いことに気づいたりする。新たに何かが見えてくるに違いない。
一度切りしかない人生、この日、この時である。
「嫌だ、厄介だ。」と自ら心を暗くしていては、あまりにも勿体ない。
👀ある本に書いてあったものをメモしたものだ。本の題名、作者はもう記憶にない。何か思うところがあって、この文章に目が止まったものだろう。

2022年3月19日土曜日

花だより 6年間の成長記録 フキノトウ

 

小学校6年間の成長記録
 1年生のときの男子の平均身長は116.2㎝でした。それが6年生になって、148.6㎝になり30cm以上も伸びました。体重は22.0㎏から42.1㎏になり20㎏も増えました。
 女子の平均身長は、116.3㎝から151.2㎝と男子より大きくなっています。体重は22.0㎏は、34.9㎏と男子よりスマートです。
 😃12歳で小学校を卒業します。
 生まれてからこれまで、伸びた髪は約140㎝、伸びた爪は約40㎝、呼吸した回数は、約1億6千万回、心臓の鼓動は、6億4千万回だそうです。そして、12年間で学んだことは、たくさんあって数え切れません。

2022年3月18日金曜日

花だより 異年齢集団で活動することの大切さ スミレ

 

 異年齢集団で活動することの大切さ
 学校は、同年齢集団の学級で生活します。しかし、社会に出れば違います。子どもたちのとって、年上・年下の友だちと遊ぶことは、とても大切なことです。
 年の違う集団の中で、子どもたちは人間関係についてたくさんのことを学びます。年少の子はルールを守ることや我慢することの大切さなどを身に付け、年長の子は思いやりの心や集団をリードしたりする責任感を養っていきます。
 部活動や身近な地域のボランティア・文化活動・少年団活動などは、それぞれ年の違う集団の中で子どもたちが切磋琢磨する貴重な機会です。技術を習得するだけではなく、心の成長にもつながります。親はその大切さを理解し、積極的に参加させましょう。しかし、コロナ禍で活動が制限されています。21日でまん延防止等重点措置が全国一斉に解除される見通しですが、コロナ前の活動に戻ることはないでしょう。何か新しい方策を考えなければなりません。




2022年3月17日木曜日

花だより 「考える」という意味 クロッカス

 



 「そんなこと考えたらわかるしょ!」
 「えっ!わからないの?頭悪いんじゃないの?」
 よく見る光景ですが、「考える」という意味を子どもたちは本当に理解しているでしょうか?
 「考える」とは、分からないことに出合ったとき、どうしたらよいか?自分の過去の経験から、似たようなことはなかったか思い出す。また、全く反対のことをなかったか思い出す。それと照らし合わせて判断するのです。考えられるか、考えられないかは、頭の善し悪しではなく、その人の経験の度合い、知識の量で決まります。
 昔は、村で何か困ったことは起きたときは長老に聞きに言ったものなのです。
 親の役目は、子どもにさまざまな経験をさせたり、知識を教えたり、本をたくさん読ませることです。そうすればよく考える子どもになります。
 「考える」とは「自主性」を育てることです。「子どもの自主性を尊重する」とよく言いますが、子どもの自立を助けるのが親であり教師です。
 自主性は育てるもので、はじめから備わっているものではありません。そのところを勘違いして自主性の尊重と言いながら、放任している親が多いのです。
 さまざまな経験や勉強は、学校だけでするものではありません。学校に居る時間と家庭で暮らしている時間、どちらが多いと思いますか?
 人間しか考えることはできないと思っていたら、人間以上のことをAIがやるようになってきました。しかし、AIに頼って考えることをしなくなったら、人間の進歩はありません。

2022年3月16日水曜日

花だより 高学年と低学年とでは褒め方が違う ハルリンドウ

 

 高学年と低学年とでは褒め方が違う
 思春期や反抗期を迎える高学年は、大きく成長するときです。家庭での子どもの様子や反応を見ながら、ほめかたや声かけを見直していくことが、高学年の子どもの「やる気」を引き出す上でとても大切です。
◎もしかして…テストの点数など「結果」だけ見て、ほめていませんか?
 高学年では、子どもの努力や行動に着目する。
 結果だけで判断すると「よく見ていない」「できたからほめられた、できないとダメだ」と感じることもあります。テストでは、見直しができるようになったことをほめるなど、子どもの成長や変化に着目して声かけすることです。
◎もしかして…「やればできる」と上から目線でほめていませんか?
 子どもの気持ちに共感し、喜びの感想を伝える。
 子どもに対して、つい「上から目線」な言い方になっていませんか?こうした言い方に反発しやすいのが高学年です。子どもの「できた」「うれしい!」という気持ちに共感し、率直な感想を伝えることです。
◎もしかして…何度もほめたり、同じことをしつこく言っていませんか?
 一度伝えるだけでOK。子どもの「やる気」を大切にする。
 同じことを何度もほめられたり、注意されたりすると、「うっとおしい」などと感じることもあります。理解力が伸びてきている今からの時期は、子どもの「やる気」を信じて、自主性に任せることも大切です。子どもは日々成長しています。
 👀間もなく進級します。発達段階に合わせた子どもとの接し方を親も勉強しなければなりません。

2022年3月15日火曜日

花だより 地方の高校の卒業式 シダレザクラ 

 

 地方の高校の卒業式 
 控え室から式場に向かう途中、卒業生が廊下に整列している横を通ると来賓に向かって「おはようございます」という元気の良い声が廊下に響きました。今風のブレザーの制服、女子高生のスカートの丈は短くも長くもなく、落ち着いた様子でした。
 式が始まると厳かな中、凛とした立派な態度で式の臨む生徒たちに社会人としてスタートを切る心構えが感じられた感動的な卒業式でした。
 式では、卒業証書授与の他に「皆勤賞・精勤賞」の表彰と介護ヘルパーの資格や危険物取り扱い資格、英語検定、漢字能力検定、数学検定、商業簿記検定、情報処理検定、珠算、電卓検定、ワープロ検定、ビジネスマナー検定など各種検定や資格合格者の表彰も行われました。
 公立の高校でも、入学者を募集するポスターを作ったり、校長先生が各中学校の回って募集活動をする時代です。控え室では、校長先生から「もっと多くの子が地元の高校に入学してほしい。勉強しなくても高校に入れると思ってもらっては困る。」と小中学校の校長に話がありました。
 学事報告には、国公立大学、私立大学、短期大学、専門学校、看護学校、各種学校などの進学内定率、就職(町内)、管内、道内、家業、公務員などの就職内定率の発表もありました。小学校を卒業したら、3年ですぐ高校進学です。6年後は、大学進学や就職など、人生の進路選択が待っています。

2022年3月13日日曜日

花だより 3・11から11年 クサボケ

 

 
 11年前、千年に一度という地震と津波は、未曾有の大災害となりました。被災地では肉親や家を失い、悲しみの中でまだ避難生活を強いられている方がいます。
  11年前、テレビでその惨状をずっと見ていました。「お母さんどこにいるの?」と叫ぶ子どもの声に胸が締め付けられました。全国から自衛隊や警察、消防の皆さん、そして、海外からも救援隊が来て、救助活動が行われました。そうした人たちの勇気と善意、使命感にすがる思いでした。
 自然の猛威は、人類の知恵と想像力を遥かに越えていました。想定外の地震や津波は、英知を結集した原子力発電所の安全神話をも崩壊させました。10mの防波堤も耐震を強化した建物も、天変地異の驚異には、為す術がありませんでした。
 日本は戦後の焼け跡から奇跡的な復興を成し遂げ、平和な国を築きました。今回の震災はこれに匹敵する国難です。眼前の現実を学ばなければ、平穏な生活を断たれた人が浮かばれません。時の総理は国民に向けて「日本人は、必ずやこの国難から立ち上がるはずです。」と力強く訴えました。自然の驚異から日本を守るには、これまで以上の日本人の知恵と想像力と努力が必要です。
 打ちのめされた人たちの心の絆を失ってはなりません。こんなときこそ、つなぐための手が、私たちの心にあると信じています。テレビを見ているだけで何も手助けできないもどかしさを感じていました。しかし、被災者のことを思い、節電や節約などできるだけのことをしなければならない。わがままな行動は自粛すること、我慢すること、そして、しっかり勉強して、人の痛みが分かる大人になることを子どもたちに訴えました。
 完全に復興するためには何十年もかかるでしょう。日本の将来の安全で安心な国づくりの担い手は、今の子どもたちなのです。そのことを肝に銘じてほしいと訴えました。                                         
 被災地で行われた卒業式の様子がテレビで紹介されました。体育館が避難所になっているため家庭科室で、校長先生は作業着のまま卒業生に卒業証書を渡していました。そのとき小学校を卒業した子どもたちは23歳になりました。


2022年3月12日土曜日

花だより 1年生のランドセル 水仙

 

 入学シーズンを迎え、店頭にカラフルなランドセルが並んでいますが、購入時期は、お盆あたりからだそうです。昔は、男子は黒、女子は赤と決まっていましたが、今は、パステルカラーが流行りのようです。
 「もうランドセルは買ったの?」と5歳の女の子に聞きました。
「うん、ピンクで回りは白だよ。クリスマスにじいちゃんが買ってくれたよ。」
「机は、もう一人のおじいちゃんで、お洋服は、おばあちゃんで、お母さんも洋服買ってもらったよ。」
「入学ってお金かかるんだね。何年生までランドセル背負うの?」
「う~ん、3年生くらいまでかな?その後は、リュックを買ってもらうんだ!」
「せっかく素敵なランドセルを買ってくれたんだから、6年生まで使ったらいいんじゃないの?」 「それは、無理!」
 5年生以上になるとランドセルを背負っている子はほとんどいなくなってしまいます。スポンサーのおじいちゃんとしては、もっと長く使ってもらいたいものです。教科書や文房具を痛めることなく収納でき、両手がきいて動きやすいランドセルは機能的で小学生にはぴったりです。
「安心して、古くなったランドセルは、海外で使われているんだって。テレビでやってたよ。」 「???」

花だより 女子生徒の制服(服装)について デイジー

 

 女子生徒の制服(服装)について
 中学校の入学説明会で養護教諭から、女子生徒の服装について話があった。
 「厳冬期に素足の子が多いことから、厚手のタイツを履くように言っているのですが、なかなか言うことを聞きません。女性は下半身を冷やしてはいけません。体調不良を訴える女子高生が急増しているのは、冷えが原因です。お母さんからもよく言ってください。おしゃれより健康です。足は冷やすと皮下脂肪が増えて太くなることをきちんと教えてあげるべきです。」
 これを聞いて思ったのは、中学校では細かい校則がある。茶髪はもちろん厳禁だ。スカートを履かせるのなら、「冬期間はタイツを履くこと」と校則に書けばいい。お洒落に目覚める時期の女子には、都会のファッションに憧れるのだろうか?そもそもスカートをはくことが今の時代に合っているかどうか? スカートを履くことに抵抗感を示す女子もいるはずだ。女子もズボンでいいし、そもそも制服を着ること自体、もう時代遅れではないか?
 オホーツク管内の中学校では、ジャージ登校が普通になっている。制服を着るのは、試験期間中か、行事の時くらいだという。不思議なのは、小学校の卒業式に中学校の制服を着ることだ。「秘密のケンミンSHOW」で取り上げられたら、他県の人は驚くに違いない。

2022年3月11日金曜日

花だより 月曜日は、お母さんといっしょ ユキヤナギ

 


 “月曜日は、お母さんといっしょ”
 朝、お母さんと学校の近くの横断歩道のところまで一緒に来て、「いってらっしゃい!」と女の子に声をかけました。ところがお母さんは、すぐ帰ろうとしません。何度も何度も手を振っているお母さん。女の子は、何度も何度も振り返って、お母さんの姿を確認しているからです。
 その日は月曜日でした。土日、きっとお母さんと楽しい時間を過ごしたんでしょう。大人だって、月曜日は、仕事に行くのが嫌なときがあります。「行きたくない。」と思う気持ちはよく分かります。
 お母さんは実にえらい!!
「何を甘えたこと言ってるの!さっさと支度して行きなさい!」と言うところを、このお母さんは「途中まで、一緒に行ってあげるからね。」と言ったのでしょう。そして、子どもが安心できるように、ずっと見ていたのです。高学年になれば、一緒に行きたくても行けなくなります。これができるのも低学年のうちだけです。この子は、きっと優しい子になります。不登校にはなりません。

2022年3月10日木曜日

花だより 日本人なら忘れてはならない日がある 紅梅

 


 日本人なら忘れてはならない日がある
 「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ということわざがありますが、忘れてはならないことがあります。『3・11東日本大震災』です。この教訓は、日本人なら、8月15日の終戦記念日と同じく忘れてはならないと思います。
 ところで1月17日を覚えていますか?阪神淡路大震災から20年以上経過し、少しずつ記憶が風化しつつあるのではないでしょうか?自然災害は、人間がコントロールできませんが、防災は意識の問題です。
 あの日から11年が経ちました。被災地が完全に復興するまで20年~30年はかかると言われています。福島原子力発電所周辺は、まだ手付かずです。震災のことを知らない子どもたちが増えました。この話をするとネットで調べる若者もいます。復興の担い手になるのは今の子どもたちです。決してこのことを風化させてはいけません。3月11日は、「命の大切さ」や「防災」、そして、コロナや今、ウクライナで起きていることについて、家庭で話し合う日です。

2022年3月9日水曜日

花だより 「働き方改革」教頭先生が大変だ! キランソウ

 

 働き方改革」 教頭先生の仕事は本当に大変だ!
 教員の働き改革で、一番に考えてやらなければならないのは、教頭先生です。教頭の先生の仕事は激務です。毎日12時間を超える勤務時間で、土日も学校に出ることが多い。なり手がいないのも当然です。しかし、誰かがやらないと学校は成り立たないのです。
 校長は、「誰もが通る道だ。教頭時代は、自分が学校を回しているという自負があった。」とやりがいを強調する人もいますが、教頭先生を見ていると、精神論だけでは語られません。事務軽減化のためのICTの導入が進んでいますが、安易さがさらに教頭先生の雑務を増やしています。理不尽な保護者対応に悩んでいる教頭先生も少なくありません。加えて、自分のメンタルヘルスが大事なのに、職員室では、教員のメンタルヘルスに目配りと気配りをし、校長を支えなければなりません。過労死寸前です。そして、今はコロナで飲みに行くこともできません。
 今年の卒業式は、コロナのため来賓の出席を減らすことになり、良かったと思ったら、例年出している来賓まで、今年はコロナのためご出席を断る内容の案内を30通も出した。という教頭さんがいました。教頭先生の口から、「これって本当に必要なのでしょうか?」とは、なかなか言えない。それでなくても年度末は忙しいのですえ。校長や教育委員会が気を利かしてやるべきでしょう。

2022年3月8日火曜日

花だより 人気番組から学ぶ 白梅

 

 人気番組から学ぶ
テレビ番組『相棒』は、なぜ長い人気を保っているのか?
 主役の水谷 豊さんのキャラクターもありますが、共感する場面も多いからではないでしょうか。事件の解決にベテラン刑事と若い刑事が奔走し、それぞれの持ち味を発揮して、経験の違いはあっても、双方を認めつつ、持てる力をかけ算して、解決へと導いていくのが視聴者に受けているように感じます。若手からベテラン教師が同じく学級担任する学校現場にも通じるものがあるのではないでしょうか。
漫画『ONE PIECE』は、なぜ共感を呼ぶのか?
 「お前ができねェことはおれがやる。おれにできねェことをお前がやれ」「おれは助けてもらわねェと、生きてはいけねェ自信がある」というセリフがあります。この漫画が共感を呼ぶのは、個性豊かな仲間と協力しながら、創造的に物事を解決していく姿が鮮やかに見せつけられるからでしょう。チーム学校の核心は、周りにいる仲間と共に学校が物事を創造的に解決してくことにあります。
 「アンパンマン」や「サザエさん」が、なぜ長寿番組になっているか、それには理由があって、教育のヒントがある。

2022年3月7日月曜日

花だより 自制心が大事 コブシ

 

 自制心が大事
 コロンビア大学の有名な実験 「非認知能力 マシュマロ・テスト」
 4歳児を対象に、マシュマロを食べるのを我慢する自制心を測る調査をしました。追跡調査の結果、4歳のときに自制心が働いた子どもは、そうでない子どもと比べて大学適性試験のスコアが高くなるという結果が出ました。さらに将来の賃金にも影響するという調査結果があります。
 日本における研究でも、幼少期の家庭環境をサポートし、十分な教育機会を与える政策は効果があるといわれています。幼児期の適切な「しつけ」は、子どもの将来にまで影響するのです。全国の男女約1万6千人を対象にした別の調査では、「うそをついてはいけない。」などの基本的なしつけを受けた人は、所得が多くなると言う結果が出ています。
「三つ子の魂百まで」とは、よく言ったものです。科学的データが裏付けしています。

2022年3月6日日曜日

花だより 面倒だからする パンジー

 

「置かれた場所で咲きなさい」 
 渡辺 和子(元ノートルダム清心学園理事長)著 1927年北海道生まれ 心に響く著者の言葉は、宗教や世代を超えて多くの人の共感を呼び、100万部を超えるベストセラー
 転勤族の教員は、置かれた場所で咲かなければならないのです。
◇面倒だからする◇ 
 日常生活においては、「面倒だからする」ということを大事にする。例えば、玄関で履物をそろえるか、そろえないか、そろえるのは面倒、だからこそするのです。面倒だと思ったときに、一呼吸置いて「どちらがよいか」を選ぶか考えるのです。「これがより善く生きる力」につながります。
 保護者の方には、「今」子どもを喜ばせることばかりに目を向けるのではなく、「将来」の幸せにつながる価値観を伝えることを大事にしていただきたい。子どもの価値観を伝えるのに言葉はいりません。ご自身が誠実に努力して生きる姿を見せることです。私も時に、学生に「シスターは私たちにおっしゃることを実践されていますか」と問われたら、「努力していますよ。」と答えます。一生の努力かもしれませんが、続けていくつもりです。

2022年3月5日土曜日

花だより 心の向きを変えてみる キブシ

 

 『いい言葉』との出合い
 人は何かに悩んでいるとき、いい言葉に出合う。
 普段、何気なく聞いている歌詞に、ハッとするときがある。
   しあわせ七変化
  自分が変われば 相手が変わる 相手が変われば 心が変わる
  心が変われば 言葉が変わる  言葉が変われば 態度が変わる
  態度が変われば 習慣が変わる 習慣が変われば 運が変わる
  運が変われば 人生が変わる 今、幸せな人は、そのまんまでいいのです。

 ◇◇◇心の向きを変えてみる◇◇◇
 どんなに文明が進歩しても、病気をはじめ、家庭の不和、仕事上のトラブル・・・と、悩みの種はつきません。そうした状態になったとき、とかく私たちは不運を嘆き、相手を責め、周囲を恨んだりしがちなものです。しかし、何かのせいにしている間は、本当の意味で問題が解決することはありません。むしろ自分の心の向きを変えてみることで、解決へと動き出すことを知るべきです。これまでの心遣いを振り返り、切り替えることで、困難を却って運命を開くチャンスにすることだってできます。その第一歩は、自分中心の見方しかしてこなかったかと反省することから始まります。
 なるほど、「しあわせ七変化」の第一歩は、まず自分が変わることか!

2022年3月4日金曜日

花だより なぜ、学校に行かねばならないのか? ムラサキケマン

 

 ~不登校を考える~
 なぜ、学校に行かねばならないのか?
 学校に行く理由を、子どもが納得するレベルで明確に答えることは非常に難しい。
●能力や関心も異なる子どもを、集団にして同じ進み具合で同じ内容を教え込むことに、そもそも不可能性を抱えているのではないか。
●近代化を達成した豊かな社会にあって、学校で勉強したところで輝かしい未来が保障されるわけではないと分かれば、そうした無理のある場所に我慢して毎日通う理由が失われる。
●子どもが学校に行く力ではなく、学校の吸引力自体が衰弱しているのではないか。
●子どもたちを学校につなげ止める力を失いつつあるのではないか。
 本来学校は、子どもたちにとって楽しくてしょうがないところであるはずなのです。
 不登校・登校拒否は、どの子にも起こりうる問題です。その原因は多様化し、様々な要因が複雑に絡み合っています。ネット検索するとものすごい件数がヒットします。教育の専門家や学校現場で取り組んでいますが、不登校児童生徒の数は一向に減りません。残念ながら、明確な対処法はありません。対処療法では解決しない根本的な原因があるのではないかと思います。
 

2022年3月3日木曜日

花だより 喜びの種をまく 桃の花

 


 ~いい言葉との出合い~
 「喜びの種をまく」
 心遣いが種まき 
 耳は聞いて喜ぶ  目は見て喜ぶ 口は人をほめて喜ばせ
 手足は 働きによって 傍々を楽にさせて 喜ばす
 喜びの種は 喜びの実となって 我が身に返ってくる
 自分が消極的であれば 逆境を招く 
 自分が明るく積極的であれば 順境は向こうからやってくる
  idemitsu
 つねに好景気が続くものなり、と考えていたから、今度の不況のようなときに取り乱して右往左往するんだ。ぼくはいつも言う「順境にいて悲観せよ」という言葉がそうだ。
 ところが出光は、今みたいにみんなが意気消沈している不況時代に、将来のために積極的にいろんなことを計画している。これは「逆境において楽観せよ」ということだが、この逆境のときに立てた計画は堅実で間違いない。将来必ず変動が来ることがわかっていても、儲かったときにワ~ッとやりたいのが人間だ。
 そこに人間の矛盾性がある。出光で人間尊重と言っているのも、こうした人間の矛盾性をつつしむ、ということだ。
  

2022年3月2日水曜日

花だより 母親の思いを受け止める タチツボスミレ

 

 特別支援教育 ~母親の思いを受け止める~
「うちの子を若松小学校に入れて下さい。」
 校長として最初に赴任した北見の若松小学校は特認校です。特認校を特別支援の学校だと思い、年に何人かは入学相談に来ました。
 「うちの子は、○○の障がいをかかえています。街の大きな学校に通うときっといじめに合います。若松小学校は、少人数で一人一人を大切にした教育をしてくれると聞きました。校長先生、どうかお願いです。うちの子を入れて下さい。」と泣かれて頼まれると、私も胸が熱くなり、「そうですか、わかりました。」と言ってしまいそうになりました。ところが一校長が決められることではありません。特認校の趣旨が変わってしまうからです。こちらも声を詰まらせながら、特認校の趣旨を説明してお断りしました。
 逆に、我が子の障がいを認めようとしないケースもあります。そうした親を説得することが管理職になってからの私の大きな仕事でした。
 別の学校では、
 「うちの子は、少し言葉が出るのが遅いだけです。」と言いましたが、かなり重度の障がいを抱える児童でした。就学指導委員会は、施設の整った大きな学校の特別支援学級への入級を勧めましたが、保護者は強く地元の普通学級への入学を希望したのです。それから何度も話し合いを重ね、地元の学校に特学を新設することになりました。
 4月からの学習は、担任とその子との闘いでした。そして、半年が過ぎた頃から、少しずつ言葉が話せるようになりました。1年経った参観日、母親が目にいっぱい涙を浮かべながら語りました。
 “農家の嫁の辛さ、嫁と姑の関係、農作業と家事と育児の毎日、「こんな子を産んだあんたが悪い!」と言われ、この子を連れて実家に戻ろうと何度思ったことか、そして、見る夢はいつも同じ。この子が笑顔で、私に『お母さん、あのね・・・』と話しかけてくれる。他の子と一緒に楽しそうに遊んでいる姿。何度も何度も同じ夢を見ましたが、それが少しずつ現実になろうとしています。これまで誰にも話すことができなかったんです。先生、ありがとうございました。”やっと心を開き、学校との信頼関係を築いた瞬間でした。
 私は、大学時代「養護学校2種」の免許を取るために2週間の教育実習の経験があります。重度の障がいを持つ児童が通う学校でした。実習の最終日に「ああ~、これで終わった。大変だったけど、いい勉強になった。」と実習生同士で話していると、指導教官が「君たちは、今日で終わりだけれど、親は一生この子たちと共に生きていくんだ。この子たちが、この教室にいるときだけが、親がホッとする時間なんだ。君たちには、そんな親の気持ち、特に母親の気持ちは、分からないだろうなあ。」と話されたのです。この言葉は、今でも覚えています。
 先週、特別支援教育の会議がリモートで開催されました。メンバーは、管内の幼小中養護学校の代表、障がい者施設、障がい者団体の代表の方々です。障害を抱える子の保護者から、校長先生方は、立派なことをおっしゃいますが、現場でどんなことが行われているかご存じですか…。」と厳しい話がありました。
 教師には、正しい認識とスキルアップ(適切な指導法を身に付ける)が臨まれていますが、根底にある「信頼関係づくり」をまず大切にしなければならないと改めて感じています。「信頼」は「共感」することから始まります。

2022年3月1日火曜日

花だより 桃の節句 タチツボスミレ

 

 節目を大切にする日本人の心
 玄関ホールの立派なおひな様が飾られました。
「園長先生『節分』とか『ひな祭り』の意味を園児に分かりやすくお話ししてください。」と頼まれました。
 日本人は、季節の変わり目を大切にしてきました。
◎人日(じんじつ)/陰暦正月7日「七草がゆ」
◎上巳(じょうし)/陰暦3月3日「桃の節句」
◎端午(たんご)/陰暦5月5日「端午の節句」
◎七夕(たなばた)/陰暦7月7日「七夕祭り」
◎重陽(ちょうよう) /陰暦9月9日「菊の節句」
 9月9日の重陽の節句はなくなりましたが、他の節句は現代まで伝わる行事です。
初節句のひな祭りは、身のけがれを祓う災厄除けの行事です。
 ひな祭りは、平安時代に高貴な生まれの女の子の厄除けと健康祈願のお祝いとしての「桃の節句」が、江戸時代になって庶民の間にも定着して行われるようになったお祝いです。ですから単なるお祭りではなく、お七夜やお宮参りと同じく女の赤ちゃんのすこやかな成長を願う行事、いうなればお雛さまは、子どもに降りかかろうとする災厄を、代わりに引き受けてくれる災厄除けの守り神のようなものです。気持ちの問題ですが、省略せずにきちんとお祝いしてあげたいものです。
「園長先生、おひな様を飾ったら、コロナにかからないの?」と言われました。
 5歳から11歳のワクチン接種が始まりました。「コロナに罹らないようにワクチンを打つことにしました。」「副反応が怖いので打ちません。」どちらも親としての子を思う気持ちは同じです。