2017年12月7日木曜日
花だより セントポーリア シクラメン 根が深い『いじめ』
【平成27年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
根が深い 『いじめ』
「そんなにイヤな子なら、一緒に遊ばなければいいでしょ!」と簡単に解決法を言ってしまいますが、それができるくらいなら悩んだりしないのです。
人は群れる動物です。一匹狼では生きてはいけない。そんな習性から、仲間はずれにされることを嫌います。知性や理性が育っていない子どもの社会では、その傾向が強くなります。何とかそのグループの中で折り合いを付けて関係を築こうとします。そんな子どもがいじめのターゲットになることがあります。いじめを受けてもそれをじっと堪え、逆に友だち関係を築こうとするので、いじめる側は、その行為をいじめとは感じないのです。
また、仲間同士では、いじめの被害者と加害者が逆転することがよくあります。お互い様という感覚になり、さらにエスカレートすることもあります。自分だって、いじめたことがある。いじめられる自分にも非はあると自分を責める子もいます。
「いじめにあったら、すぐ先生や親に相談しなさい。」と言っても、なかなか素直に言う子はいません。
「イヤなら、一緒にいなければいい!」「やられたら、やりかえせばいい!」と安易に言わないことです。そのことでいじめの連鎖を生むからです。
未だにいじめが原因で自らの命を絶つ子がいます。本能の赴くままに行動する子どもは、その解決法を知りません。子どもだけでは、いじめは解決できません。
いじめの連鎖 弱いから、いじめられるわけではありません。いじめの理由はいじめる側の心の中にあります。
「いじめられる子どもは弱い。いじめられたら言い返すくらいの強さが必要。」と言う大人が多くいます。そんなメッセージが多くの子どもに伝わっています。
「弱いからいじめられる、仕返しをしよう、言い返そう。」というメッセージが届いている子どもは、弱い自分が悪いのだと自分を責めてしまうこともあります。逆に、自分が強くならなければならないと仕返しをすることもあります。
自分を責める子が、自らを傷つけることで解決しようとすることもあります。仕返しが一人でできなければ、人数を増やしてすることもあります。また、自分に何もしない相手を自分の不満解消の標的にしてしまうこともあります。つまり、いじめが、自分へのいじめを生みます。仕返しといういじめを生みます。自分より弱い人へのいじめを生みます。いじめが、いじめを作り出すのです。
子どもですから、成長過程の中で、いじめのようなことはよくあります。早い時期に見付けて、適切な指導をすることが、その子のためになります。学校と家庭とが協力しなければ(同じ指導をしなければ)いじめは防げません。いじめアンケートは、人間ドックのようなものです。早期発見・早期治療が大切です。「うちの子は大丈夫だとか、これくらいはいじめじゃない。」と思わないことです。
いじめ防止のテレビ番組があります。 “いじめをノックアウト” Eテレ 金曜朝9:50~10:00 再放送 金曜夜7:50~8:00 土曜朝6:35~6:45
AKB48の高橋みなみさんがMCを務める番組です。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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