2024年2月29日木曜日

花だより  「大きなかぶ」の「かぶ」は赤 ワカサギ フキノトウ 

 


 こども園の発表会、2歳児が「大きなかぶ」を演じました。ロシア民話「大きなかぶ」は、昔から小学校1年生の国語の教科書に掲載されています。本家ロシアの絵本では、かぶの色は赤です。日本では、かぶは白というイメージが強く、絵本のかぶは白くなりました。ところが今回の教科書改訂で、ある出版社は、かぶの色を原作通りの赤にしました。
「大きなかぶ」は、学芸会での演目にもよくなっている定番中の定番のお話です。それだけ教育価値があるということです。文章表現が分かりやすく、繰り返しが多く、リズム感があること、家族が協力するだけでなく、普段は不仲の犬と猫とネズミが協力して大きなかぶに立ち向かうこと。これが民衆が立ち上がり、帝政ロシアを倒し、社会革命で社会主義国家ソビエト連邦を樹立した歴史観に通じるものです。その民話を生んだロシアがウクライナに侵攻して多くの犠牲者が出ています。「何だかなあ?」と思いながら観ていました。
 日本ではかぶの色は白と思っていますが、ロシアでは赤なのです。国によって価値観や倫理観、正義感が全く違うということを日本人は理解しなければならないということです。



2024年2月28日水曜日

花だより ちゃんとしなさい 冬みかん 白寒菊

 

 こども園の先生が一番使う言葉 「ちゃんとしなさい」
  ついつい使ってしまう言葉ですが、この意味を子どもたちはちゃんと理解しているだろうか? 大人でも、この言葉の意味を正しく理解し、説明するのは難しい。スマホですぐ調べるところですが、子どもはできません。
【ちゃんと】~「すべきことをきちんと行うさま」「基準にかなって整っているさま」と出てきます。こういう意味だと説明しても、さらに子どもは???となるでしょう。
 後片付けができないとき、姿勢が悪いとき、話を聞いていないとき、あいさつをしないとき、乱雑になったときなどに先生から「ちゃんとしなさい」が出てきます。「ちゃんと片付けをしなさい」「ちゃんと話を聞きなさい」「ちゃんとあいさつをしなさい」これだとまだ具体的でわかりやすいでしょう。子どもたちは、そう言われたら、今、自分がやっていることは悪いこと、ダメなんだと思うはずです。悪いときだけでなく「ちゃんと〇〇ができてよかったね」と言ってあげると、子どもは納得して次からちゃんとやるようになるでしょう。 
 子どもに分かってもらうためには、まず先生がちゃんとしなければいけない。
  

2024年2月27日火曜日

花だより 子どもに悪影響を与えてしまう親の悪習慣  ジンチョウゲ

 

 子どもに悪影響を与えてしまう親の悪習慣
                    上野 緑子(幼児教育ガイド)
 親の生活習慣は様々な形で子どもに影響を与えます。もちろん、いい影響もありますが、子どもは親の鏡と言います。親が子どもに与える性格や生活習慣への悪影響について考え、自分の生活を振り返ってみましょう。
 親の行動がモラルの低下を引き起こす
 例えば、スーパーマーケットなどで、子どもが商品を不必要に触ったり、誤って商品を破損した場合、親が見て見ぬふりをしたり、注意をせず黙認してしまったりすることが子どものモラルを低下させています。親が子どもの手本となる行動をとることは当然のことであり、また、子どもの行動にも責任を持って対処しなければなりません。
 両親の喧嘩は子どもを不安に
 両親が喧嘩しているのを見ると、子どもは自分のせいではないかと悩んだり、親の大声に怯えたりします。自分は親に捨てられるのではないかと思うこともありますので、子どもの前での喧嘩は避けるべきです。
 また、母親は子どもに父親のことを悪く言うのは絶対にいけません。子どもが父親のことをどう思うかというのは、母親の態度に大きく左右されます。子どもに父親のことを悪く言ったり、夫に対してバカにした態度をとったりすると、子どもも父親のことを悪く思ったり、バカにした態度をとるようになります。そうではなく、母親は父親のいいところを、父親は母親のいいところを子どもに聞かせてあげてください。そうすることで、父親、母親に対する信頼感は強くなり、いい親子関係を築くことにつながります。

2024年2月26日月曜日

花だより 家族団らんの食卓を大切にする クロッカス フリージア


 ホームドラマといえば、家族で食卓を囲む光景が映し出されるのが決まりごとのようになっています。食卓は、一家団らんの象徴なのです。しかし、保育園に子どもを預ける親の中には、「今朝は寝坊をしてしまって、私も子どもも朝ご飯を食べていません。わたしは我慢しますから、すみませんがこれを子どもに食べさせて下さい。」と途中コンビニで買ってきたおにぎりを先生に預け、あわただしく走っていくのだとか。大切な食事が隅の方に追いやられ、仕事や友だちつき合いなど、もろもろの要素が入り込んでしまっています。お母さんもお父さんも忙しいのはよく分かっています。
 でも、忙しいからこそ、食事を生活の真ん中において時間をやりくりすることが大事です。せめて20分でも子どもと一緒に落ち着いて食事をするところから1日をスタートさせたいものです。そのためにどうするかを逆算して、起きる時刻を決め、寝る時刻を決めるのです。さらにお父さんの協力も必要です。放っておけば家族団欒からかけ離れた生活を余儀なくされるポジションにいるのがお父さんです。家族団らんの食卓を大切にすることを夫婦で話し合ってみてください。

2024年2月25日日曜日

花だより ストレスコントロール 寒緋桜 黄梅

 


 「みんな なかよし」
 小学校の低学年の教室によく掲示してある言葉です。しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。
 お利口さんほどストレスが多い 
 高学年になるとお母さんにべったりくっついて甘えることはできない。友だちのいやがることをしてはいけない。先生の言うことは、きちんと聞かなければならない。親の期待に応えなければならない。いつも良い子でなければならない。と思えば思うほど子どもにストレスは、たまっていきます。本来子どもは、休み時間汗びっしょりになって遊んだり、家に帰っても暗くなるまで外で遊んで、きょうだいげんかをしたりしてストレスを発散するものなのです。
 ストレスコントロール
 ストレスコントロールとは、お酒を飲んだりしてストレスから逃げることではありません。人生をより充実させて生きていくために、ストレスを自分が成長するための糧として主体的に取り入れていく姿勢が大切です。ストレスと上手に向き合い、ストレスへの耐性を強化しながら、さらに上のレベルを目指していくことがストレスコントロールです。ストレス発散で他人に迷惑をかけてはいけません。ストレスで犯罪を犯したり、薬物に手を出すことは許されません。ストレスのない快適な環境をつくる努力をするより、ストレスに耐える心を育てることが大切なのです。



2024年2月24日土曜日

花だより 心理学から考える「働き方改革」 アネモネ

 

   心理学から考える「働き方改革」
              NPO人間科学研究所代表 榎本 博明
 働き方改革の審議の中では、学校の「ブラック」批判に応えるかたちで、教師という仕事の「やりがい」も明記すべきという意見がありました。ところが「やりがい」を強調しすぎると、かえって「働き方」がおかしくなります。
 ≪仕事の「やりがい」と落とし穴≫
 日本には「お金のため」という考え方に抵抗を感じる人が多いです。「お金のために働く」と言う人はいやらしく感じるし、最初から「お金はいくらいただけるのですか?」と聞きにくい風潮があります。他国でしたら、お金の確認や交渉は当たり前です。仕事は「お金のため」にするのが当然なのです。
 そこで日本で強調されるのが「やりがい」です。「何かのためになること」「自分が役立てること」が示されると、日本人は納得して仕事に打ち込むことができるのです。
 学校でも子どもたちに「お金を稼ぐこと」を正面から教える機会はありません。その代わりに教えるのは、使命感を持つことの大事さであり、自分が成長することの尊さです。そのため今の若い人たちは、強い「成長志向」を持っています。
 ではその「成長志向」が何に結びついているかというと、若者の離職・転職の多さです。「今の仕事では成長できない。」と感じると、すぐに辞めてしまう。あるいは「自分が成長できる仕事は何か」にこだわるあまり、職に就くこと自体のハードルが上がってしまうのです。仕事が「お金のため」と割り切れれば、だいぶ楽になります。

2024年2月23日金曜日

花だより 嫁姑戦争は昔の話 ミツマタ アズマイチゲ

 



 嫁姑戦争は昔の話
 核家族化が進み、姑と一緒に暮らすお嫁さんは少ないどころか、今の姑の年代もそうした経験がなくなっています。今や孫のために何でも言うこと聞くスポンサーです。
 炊事、洗濯、掃除、育児を好き好んで進んでやるお嫁さんはいないでしょう。しかし、昔は手を抜こうものなら、姑から叱責され、嫌味を言われるので仕方なくやっていたに違いありません。だから家事を覚えたし、親は嫁に行っても恥ずかしくないように育てたのです。
 今の時代、お嫁さんにとっては、非常に楽な家庭生活になりました。食事はチンしてできるし、掃除はお掃除ロボットに任せて、洗濯は全自動で乾燥までしてくれる。優しい旦那は家事を分担してくれる。
 それでは「育児」はどうでしょうか? 0歳から保育所に預け、年ごろになったら、〇〇教室や習い事、学習塾に通わせる。自分の時間を持ちたい。仕事を続けたい。女性活躍時代には、これが当たり前となりました。ところが子どもをどう育てたらいいか悩んでいる母親が多いといいます。子育てについて、誰からも教わっていないからです。そうした母親は、「子育て教室」に通うそうです。それでも教室に通う母親は、まだいい方で放っておかれる子どもは堪ったものではありません。

流氷観光船「オーロラⅡ」

2024年2月22日木曜日

花だより 子どもの変化を見逃さない ニオイスミレ

 

 冬のこの時期はストレスが溜まって危ない!!
 外遊びができなくなって、テレビゲームの時間が増えたり、裏サイトへのアクセスなどの問題が発生したりする可能性があります。
 子どもからのサインを見逃すことのないよう担任はこんなことに注意して子どもたちを見ています。
○言葉遣いが何となくおかしい。
○表情がなくなった。(笑顔がなくなった)
○仕事に丁寧さがなくなった。
○あいさつの声が小さくなった。
○視線を合わせようとしない。
○服装や髪型が変わった。
○登校時刻が遅くなった。
○投げやりな態度が見られるようになった。
○いつもよりはしゃぐようになった。
○保健室に行くなど教室から離れたがる
○休み時間一人でいる。
○文字が乱れる。
○いつもと違う友達といる。
○持ち物(色ペンやキーホルダーなど)が増えた。どれも心の乱れと関係するものです。
 心当たりがあったら、それとなく話しかけることで子どもは安心するものです。(早期だとこれだけで解決します。)心の病気も大手術をしないように早期発見・早期治療です。

2024年2月21日水曜日

花だより わがままを許さない子育て キンセンカ

 

  「心の強い子」は成績も伸びる 多胡 輝著(心理学者)
 わがままとがまん力  
 甘ったれとは、どんな甘えでも親が満たしてくれるのを知っている子です。甘えと同時に厳しさを学ばなかった子は、人間関係でもわがままいっぱいにふるまう傾向があります。人を人とは思わないというより、まだ自分と他人の区別がつきにくいのです。
 家では誰もが自分の言うとおりにしてくれる。だから周りもきっとそうだと思ってしまいます。これでは本当の意味の人間関係を築けないし、本当の友だちもできません。人は自分とは違うんだということを理解することで、その子の中に社会性が育っていくのです。それが育たなければ人間関係において、わがまま放題にふるまうので本当の友だちができにくいということにもなります。
 楽しいことがあれば一緒に笑い、悲しんでくれるのが友だちです。その人が本当にいい人生を送っているかどうかは、よき友だちの多さを見ればわかります。友だちというのは利用し合う関係ではありません。困ったときには心底応援してくれ、喜怒哀楽をともにでき、人生の節目節目で、お互いの成功を喜び合える関係です。
 他人を他人と思えず、誰もが自分とは違った人格を持っていることに気づかないわがままな子は、本当の友だちを得ることができません。それはその子の人生にとって大きなマイナスになります。他人には甘えが通用しないということ。そういうことも親は子どもに教えていってほしいと思います。
 そのためには自己主張ばかりせず、いつも友だちと50対50(フイフティフイフティ)の関係を構築することです。砂場でシャベルの取り合いをしていたら、親が平等に使うことを教えることです。そういうことで子どもは他人と自分とは違うということに気づきます。わがままが通らないことを学びます。そこにもがまん力と心の強さを育てるきっかけがあるのです。(牧野要約)

2024年2月20日火曜日

花だより 植物の育て方に学ぶ アサビ

 

 ~鉢は大きければいいというものではない~ 
「鉢が大きければ、根を張ろうとしない。根が張らないと葉や茎は大きくならない。すると花も咲かない。今は冬で植物も休んでいる時期、水は2週間に一度くらいで十分。過保護にするのは良くないですよ。水さえやっていれば元気に育つと思っていたら大間違い。植物の種類によっても育て方が違います。」
 知人からいただいたクンシランがわが家にあります。その知人から言われたことです。大事に育てて大輪の花を咲かせたいと思っています。
 それにしても「子育て」と相通じるところがあるように思いました。勉強になりました。

2024年2月19日月曜日

花だより 慎み深く生きる スズナ

 

 ~慎み深いとは~
 肥大した欲望が、個人を、人々を押しつぶしかねない今日の世相です。
 感情をコントロールできない短絡的な行動(最近の悲惨な事件)に唖然とするばかりです。今は「慎み」という言葉は、死語になってしまったのではないでしょうか。
 「慎み」とは、感情の高ぶりをこらえることであり、他人の思わくを気づかうことです。慎みは、心のゆとりから生まれてくるものです。目の前のことだけでなく、先を考える余裕、自分のことだけでなく、周りの人のことを考えるゆとりから出てくるものです。
 慎みある生き方が、結局のところ一番確かな、長続きする道だということを忘れてはなりません。豊かな時代だからこそ、子どもには、我慢することを覚えさせる必要があります。それが自分をコントロールする第一歩です。そのためにも、先ず大人が慎む姿勢をしめさなければなりません。
 これは、ある葬儀のお寺さんのお説教です。何か「慎み深く生きなさい」と言っているなあと思いながら聞いていて、帰ったからネットと調べて改めて「なるほどなあ~」とありがたく心に留めました。

2024年2月18日日曜日

花だより 危機回避と自己責任 レンテンローズ

 

~危険回避~
 おとなたちは子どもを危険からできるだけ遠ざけようとします。落ちたらいけないと池に柵を巡らせたり、けがをするからと遊具器具を撤去したり…。
 “転ばぬ先の杖”はもちろん大切ですが、あれもこれも危ないと、事前に危険の芽を摘むことが、危険を察知して回避する能力や注意力を鈍らせ、逆に事故を招いていることもあるのではないでしょうか?
 世の中にはいたるところに危険が潜んでいます。その全てを事前に取り除くことは不可能ですが、おとながなすべきことは、危険の芽を摘むことではなく、世の中の現実の姿を教えこむことです。
 自らの安全は、自らの責任で守るものです。そんな当たり前のことをおとなから子どもまで誰もが忘れてしまい、安閑と日を過ごしているのではないでしょうか。そして、事故が起こると、他に責任を転嫁する。そうした姿がいたるところで最近見られるようになりました。“自己責任”この言葉を改めて心に刻みたいものです。 (全国PTA連合だより)

2024年2月17日土曜日

花だより 担任が嫌い! 山茱萸(サンシュユ)

            

 「担任の先生が嫌いだ」
            葛飾区教育委員会事務局指導室指導主事 木村 文彦
 好き嫌いは、誰にでもある。大人にも子どもにもある。内閣府の『平成25年度 小学生・中学生の意識に関する調査』によると、「先生との関係がうまくいっているか」との問いに否定的に回答している割合は6.5%である。また、文科省の『平成29年度 全国学力・学習状況調査』によると、「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」との問いに否定的に回答している割合は14%である。
 さらに、内閣府が平成13年度に行った『第2回青少年の生活と意識に関する基本調査』によると、「あなたは、今の学校生活で、何か困ったことや嫌なことはありますか」との問いに、「嫌いな先生がいる」と回答している割合は10%という結果が出ている。
 いずれも、先生に対する否定的な意識を持つ子どもが存在しているということを表している。どこかの学級ではなく、すべての学級に当てはまる結果であると受け止めてなければならない。
 ≪子どもが「嫌いな先生」とは≫
 子どもにとって、先生を嫌いになる理由は様々である。成育歴の中で大人不信になり、先生が嫌いな子どもがいる。叱られたことがきっかけで、先生が嫌いになる子どもがいる。期待していたとおりに先生が反応してくれなかったから、授業が分からないから、厳しすぎるから、えこひいきするから…、子どもたちは自分たちの感じる様々なことを理由に、先生を嫌いになる。
 先生を嫌いになるのは、子どもの一方的な理由かもしれない。しかし、私たちは先生を好きだと感じている子どもも、嫌いだと感じている子どもも、すべての子どもたちを大きく包み込み成長を願い続ける「先生」というやりがいのある仕事をしている。
 子どもが先生を好きだろうが、嫌いだろうが、先生の仕事は、子どもの健やかな成長を願い、教え育むことである。
「育む」の語源は「羽くくむ」であるという。「くくむ」は「包む」の古語。親鳥が羽でひなを包み込む姿に由来するという。どのような子どもであれ親鳥が羽でひなを包み込むように、先生が子どもを包み込み、安心感の中で、子ども自身が自分の可能性を開いていくことができるようにしていきたい。先生こそが、子どもにとって最大の環境であることを信じ、目の前の状況に翻弄されず、恐れず、子どもたちの未来を開くために努力していきたい。                                               
                                  (牧野:要約)

2024年2月16日金曜日

花だより 「子どもの傷つきやすい こころの守り方」 カンボケ

 

 子どもの自己肯定感を上げるには「褒める」ことが大事だと言われています。
 何かやると「すごい!」「えらい!」「がんばったね!」と褒めることがよくありますが、こういった大人の期待に応えるだけの褒め言葉を繰り返していると、かえって子どもの自己肯定感を下げることになります。
 では、どうやって褒めたらいいのでしょうか?
 「子どもから受けたよい影響をそのまま言葉にする」
 子どもがお手伝いをしてくれたら、「本当に助かったよ。うれしいなあ~。ありがとう!」と子どもに言ってあげるのです。抽象的な褒め言葉は、子どもには伝わりにくいのです。
 児童精神科の看護師が伝える
  「子どもの傷つきやすい こころの守り方」(ベストセラー本)より
~子育てには悩みがつきものです。親の言動で無意識に子どもの心を傷つけていることがあります~
 メンタルの強い子を育てるためには「お寿司最高かよ(おすしさいこうかよ)!」
 「おびやかさない」「すぐに助言しない」「𠮟責しない」「最後まで話を聞く」「子どもの意向を軽視しない」「疑わずにいったん信じる」「感情を否定しない」「余計な一言を言わない」

2024年2月15日木曜日

花だより 「いじめ」黒塗りの報告書 福寿草 ネコヤナギ

 


 札幌中1自殺の調査報告書は再公表され黒ぶり部分がの大部分が公表された。さらに校長と担任を処分した。残念ながら「いじめ」による自殺者が後と絶たない。学校の「いじめ」防止対策には限界あるのではないかと思ってしまう。
 「いじめ」は漫才に似ている

 「落語家や漫才師を殺すのに鉄砲や刃物はいらない。笑わずに黙って寝てればいい。」という言葉があります。いじめも同じで、いじめっ子のリーダーだけを注意しても、なかなか抑止力にはなりません。カギを握るのは、いじめっ子の周りで笑っている子どもたち(傍観者)なのです。
 ネットの誹謗中傷も同じで、フォロアー数が多いと調子に乗ってやってしまう。開く行為が「笑う」行為だとすると、「そうした書き込みを開いて、返信するのは止めよう」という指導が大事です。

 こんな学校の対応で、いじめを受け、追い込められる子どもたちを救えるだろうか。専門家が集まる第三者委員会でも、「いじめと自殺を結び付けることは断定できない。」と結論付けるケースもある。また、その公表も加害者や関係者を守るためか、黒塗りにされて何が何だか分からない。
 校長や教員は、教員資格は持っているが、弁護士のような法律の専門家ではない、心理学者でもないし、精神科医でもない。どうしても学級のみんな、学校全体を守ることに走ってしまう傾向がある。自分も校長として最善手を導き出せるか全く自信がない。
 今回黒塗りが公開されたことで、報告書の在り方が見直しされるだろうし、いじめ対策がさらに強化されるだろう。
 いじめを受けた被害者は、加害者を訴える。「悪ふざけではない」と学校以外で判断する。こうした考えも必要なのではないか。決して学校教育を放棄することではない。子どもの命を守ることが、教員の第一の使命である。亡くなった中1女子生徒がかわいそうでならない。

2024年2月11日日曜日

花だより 小中授業5分短縮 フキノトウ

 

 2月10日の読売新聞の朝刊1面「小中授業5分短縮」~学校の裁量時間拡大~
 文科省は、授業時間を5分短縮し、短縮分を各学校が自由に使えるようにすることなど、次期学習指導要領への反映に向け、中央教育審議会に諮問する見通しだという。一方、年間の授業時数は変えないで、5分短縮で生まれる85時間程度を学校裁量時間として、学校現場の創意工夫を促す狙いがある。思考力育成を目指した探究活動や、基礎学力定着のためのドリル学習など各学校が実情に応じて指導に生かすことを期待している。
 これまでも学校の自由裁量を求める声はあったし、実際に授業時間の弾力的運用は認められていたが、なかなかそれができなかった。自由裁量というのは、教師や学校に高い能力(学校力)が求められるからだ。ねらいとは反対に、地域差や学校差が生まれないか心配だ。さらに終わりのチャイムが鳴っても、なかなか授業が終わらない先生がいる。これが生徒の一番の不満である。「40分」「45分」を基本とした授業の進め方を含め、学校現場に変化が求められている。これには賛成だが、ハレーションは必ず起きる。校長の経営手腕が試される。

2024年2月10日土曜日

花だより 手書きvsデジタル 仏の座

 



 手書きvsデジタル   もう手書きの時代ではないのか?
 ≪手書きの方がいい≫
 手書きという触覚的な動きは、キーボードで文字を打つよりも脳を刺激する。文字を書くことで脳の複数の領域を同時に活性化するため、学んだことを深いレベルに脳に刻み込める。その結果、手書きは指先をタップするよりも頭の中に情報を長く保存できる。ということで小学生の学習には、ノートに手書きがいい。(プリンストン大学の研究成果)
 ≪手書きのデメリット≫
 手書きのデメリットは、コピー&ペーストができない。誤字脱字をしやすい、数字などの転記ミスも生じやすい、また筆跡に書き手の癖(字が汚い)が出て、読み手が理解できなかったり、読み間違えたりすることも起こりやすい。
 今の時代、手書きとデジタルを上手に使い分けることが大事ですが、加えて生成AIの進化でさらに使い分けが難しくなりました。それでも、学校から鉛筆とノートはなくならないでしょう。そこで大事なのは、きちんと書写指導やノート指導をすることです。

2024年2月9日金曜日

花だより 早寝の効果 科学で説明 ハコベ

 

 子どもの学力を上げたいなら、基本となる規則正しい日常生活が送ればいい。必要なのは「高慢な教育論」ではなく「早寝、早起き、三食しっかり食べて、親の手伝いをする」このことの徹底です。
《早寝の効果 科学で説明》
 睡眠は、脳のニューロン(神経細胞)の発達に必要。脳が働くには朝食でエネルギーをとらなくてはならない。外遊びで寒暖の刺激に皮膚をさらすことで脳も元気になる。読書は脳の前頭前野を活性化させる。ところが保護者の了解を得て、脳波検査をしたところ脳波の一部が認知症の高齢者に似ている「ゲーム脳」とやや似た兆候を示した「半ゲーム脳」の児童が半数以上いた。「ゲーム脳」とは、「長時間ゲームをやり続けると前頭前野の機能低下が日常的になり、脳が機能低下を起こす状態」そうなるとニューロンが働かず、注意力散漫で持続力がなく、暴力的な子どもになってしまうというのです。
 この恐ろしい「ゲーム脳」から子どもたちを守るためには、ゲームは1日1時間以内まで、夜は9時に寝て、朝は6時半に起きる。朝食をしっかり食べる。これでゲーム脳を防ぐことができる!! 

2024年2月8日木曜日

花だより 魅力ある教師 ゴギョウ

 


子どもは尊敬する人からしか学ぼうとしない!
 STVテレビ「どさんこワイド」でおなじみ料理研究家の星澤幸子先生は、小学校の調理実習のとき、担任の先生に「あなた料理が上手ね!」と褒められたことがきっかけで料理の道に進みました。学校の先生の影響力と責任を感じずにはいられません。
◇◇◇保護者の率直な声◇◇◇
*○○先生でよかった。
*○○先生が言うのだから、だいじょうぶ・・・ 
*○○先生は、厳しかったけれども、いつも私たちのことを考えてくれていた。
*○○先生のお陰で積極的になって、小さい頃から夢だった警察官になれました。
*○○先生にあこがれて、うちの子は学校の先生になりました。
 “魅力ある教師”とは、教育に対する情熱と子どもへの深い愛情を持ち、子ども一人一人に寄り添った指導ができる教師です。そして、子どもや家庭・地域から信頼される教師です。
 どんなに時代は変わっても「教育は人なり」といって教師個人の資質によるところが大きいものです。
 

2024年2月7日水曜日

花だより 素敵な電話対応 セリ

 



「こども園の〇〇です」
「折り返しのお電話ありがとうございます。」
「お忙しいところ恐れ入ります。今、お時間大丈夫ですか。実は、〇〇ちゃんなんですが…。」
 ある先生が電話に出たときのことです。普段よりさらに優しいトーンで電話に出ました。「これは保護者に好印象を与えるなあ~」と感心しました。
 電話対応は「園の代表として話をしている」という意識が重要です。かけてきた人にとって、電話対応をする人は「園で最初に話す人」であり、その人の印象がそのまま園の第一印象になるからです。
~基本マニュアル~
 1 3コール以内に受話器を取る
 2 電話に出るときは「もしもし」ではない、園名、名前をはっきり伝える
 3 正しい敬語で話す(「了解しました」ではなく「承知しました」)
 4 相手の言っている内容を復唱する
 5 聞き取れなかったときは必ず確認する
 6 取り次ぐときには保留にする
 7 相手が電話を切ってから、受話器を静かに置く
 「学校の先生は、電話応対も知らない」と言われたことがありました。勤め先の新人研修で電話応対を徹底して指導された保護者さんもいます。最低限のマナーは身に付けておくべきでしょう。自分は、それができていなので電話には出ないようにしています。
 「今、電話に出た人は? 感じいいねえ~。」と言われたことがあります。「素敵な人ですよ」と応えました。 

2024年2月6日火曜日

花だより 生成AI時代の国語教育 スズシロ

 


 スマホを制限すれば読解力が上がるわけではない?
  読解力向上の担い手は学校
 読解力のある子とない子の差が広がっているように感じます。
 世の中は読みやすい文章ばかりではありません。役所の手続きの文章やマニュアルも読めないと社会生活に困ります。読解力向上には、語彙力と文章の構造を理解しながら読むことが必要なのです。
 登場人物の心情を考えさせる国語の授業があります。これは文章に書かれていないことも含め、想像力を豊かにして読む方法です。説明文を読み取る手法とは異なります。説明文は単語や文節、段落の関係性を図を描くように丁寧に読まないといけない。学校現場でそうした指導が求められています。
 書く指導も重要です。読書感想文は、ただ書けと言われてもなかなか書けないものです。内容を要約し、自分の考えを論理的に伝える技術を教えるべきです。論理的に書く、論理的な読み方ができるように、学校ではまず実用的な国語力を育成することが必要です。
 生成AIの時代だからこそ、読解力を育てる活動は学校こそが担うべきです。それを意識した授業が必要で、教員の指導力が問われます。

2024年2月5日月曜日

花だより 「個別最適な学び」「協働的な学び」と幼児教育 ナズナ

 

  幼小連携を進めるには、小学校ではどんな教育をしようとしているか理解することが大事です。義務教育で今さかんに言われているのは、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実です。

 文科省は、新学習指導要領に基づいた児童生徒の資質・能力の育成に向けて、ICTを最大限活用し、これまで以上に「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげるとともに、カリキュラム・マネジメントの取組を一層進めるとしています。
簡単に言えば、幼児教育をお手本にするということです。「指導の個別化」は、一定の目標を全ての児童生徒が達成することを目指し、個々の児童生徒に応じて異なる方法で学習を進めることです。その中で児童生徒自身が自らの特徴やどのように学習を進めることが効果的であるかを学んでいくことです。
 「学習の個性化」は、個々の児童生徒の興味・関心等に応じた異なる目標に向けて、学習を深め、広げることを意味し、その中で児童生徒自身が自らどのような方法で学習を進めていったら良いかを考えていくことです。
 「指導の個別化」と「学習の個性化」 を学習者視点から整理した概念が「個別最適な学び」で、これを教師視点から整理した概念が「個に応じた指導」です。「個に応じた指導」に当たっては、「指導の個別化」と「学習の個性化」という二つの側面を踏まえるとともに、ICTの活用も含め、児童生徒が主体的に学習を進められるよう、それぞれの児童生徒が自分にふさわしい学習方法を模索する態度を育てることが大切です。
 つまり、こども園(幼児教育)でやっていることそのものだと思います。

2024年2月4日日曜日

花だより 類義語に隠されている子どもの本心 セツブンソウ

                            
 子どもがよく使う「類義語」の裏に隠されている本心とは?

「イヤだ」~イヤじゃない、不安だ、助けて、怖い、イライラする、疲れている、
      そばにいて、甘えたい、困っている、話したい
「めんどうくさい」~怖い、悩んでいる、ムカつく、そばにて、自信がない、
          がんばりを認めて、不安だ、自分はダメだ、困っている
「もういい」~助けて、見捨てないで、怖い、がんばりを認めて、不安だ、自分はダメ、
       ダメな自分を認めて、嫌いにならないで
「死にたい」~死にたくない、話したい、認めてほしい、助けて、一人にしないで、
       ムカつく、自分が嫌だ、寂しい、甘えたい
*子どもの本心は、言葉とは反対に「不安だ」「認めてほしい」という気持ちの表れなのです。親や先生はその気持ちを汲み取ってあげることです。
冬のオホーツク海と知床連山


 


2024年2月3日土曜日

花だより 人は理論で動かない ミカン

 


 能登半島地震から1ヶ月、今なお断水が続き住民は不便な生活を強いられています。行政は町外への集団避難を進めていますが、不便でも家の近くにいたい。また、復興を進めるためにコンパクトシティでインフラ整備や住民サービスの効率化を図ろうとしますが、これがうまくいかない。「一所懸命」の住民感情を打ち破るのは容易なことではないようです。
 人の行動選択は論理的な根拠に基づいて決めているか?それとも,感情で決めているか?
「理で解き 法で押さえ 情で動かす」という言葉があります。
「理屈で説得しよう」と努力しますが、これが間違いのもとです。なぜなら、人は「理屈」では動かないからです。人を動かしているのは99.9999%「感情」なのです。
 政治も会社経営も、相手の「理性」に訴えることよりも、相手の「潜在意識」に働きかけることによって、「この人は信頼できる」「この人を応援したい」「この人の力になりたい」という「感情」を持ってもらうことが大切です。その「感情」さえもってもらえれば、自然と相手はこちらの意図を汲んで動いてくれます。この「潜在意識に働きかけて、相手を動かす力」を「影響力」といいます。
 マイナンバーカードの普及も、行政サービスの向上のためには欠かせないものですが、未だ完全普及に至っていません。今の政治不信の状況では、難しいことです。しかし、AIの時代に感情に任せて行動していて本当にいいのだろうか?と思ってしまいます。

 

2024年2月2日金曜日

花だより 教科と生活・総合の違い、まだ フウキギク

 

《教科と生活・総合の違い》
 不登校児童生徒が増えたことで、学校教育の限界だという人がいますが、今、日本の教育は、大きく変わろうとしています。受け身の授業から、「主体的・対話的で深い学び」により、「何ができるようになるか」を明確化することを主眼に置いた教育に変わってきています。その中心が生活や総合の時間なのですが、現場での理解は十分ではありません。
 例えば、算数「面積を求める学習」の場合:正方形→長方形→平行四辺形→三角形→台形→ひし形→円と教科型系統的な学習プロセスを踏んで学習していきます。これは典型的な「習得」「活用」「探求」型です。
 これに対し、生活・総合では、「円の面積はどうすれば求められるのだろう?」から始まる。課題を見つけ、自分なりの方法で解決していくのです。これまでの知識や経験をもとに切って貼り合わせて(体験・活動)、平行四辺形や三角形に変化させることで面積が求められることを理解していきます。さらにこうした考えをもとに扇形の面積はどうすれば求められるか、とか体積は?と発展させるのです。学習は、やりたいと思ったこと「なぜ?どうして?」から始まる場合もあるし、やっているうちに見つかることもあります。  
 これを図に表すことが難しいのは、基本は「習得」→「活用」→「探求」であっても、「探求」→「活用」→「習得」である場合もあるし、また、双方向でもあるし、繰り返されたりするからです。また、一人一人が持っているイメージもそれぞれ違うので平面に書き表すのは非常に難しい。生活科は、子どもの「やる気」を喚起します。それが生活科や総合学習なのです。生活科や総合が楽しいと感じれば、不登校も減るはずです。

2024年2月1日木曜日

花だより 教師に必要な3つの力 ハナナ

 

  教師に必要な3つの力
  知識と情熱だけで教育が成功するのは若い時だけ、教師には「指導」「人格」「管
 理」の3つの力が必要です。
 【指導の力】
  指導の力とは、子どものやる気を引き出す力
   凡庸な教師は、ただしゃべるだけ
   良い教師は、説明する
   優れた教師は、範を示す
   偉大な教師は、子どもの心に火をつける

 【人格の力】
   「子どもは、尊敬する人からしか学ぼうとしない」
   人格の力を培うには、子どもをよく観て褒める 
   「真~正しいこと 善~良いこと 美~美しいこと」を見つけて褒める。
   事実や根拠なしのほめるは「おだてる」です。
 【管理の力】
  管理の力とは、子どもの生命を守る力
  「学習管理、時間管理、健康管理、危機管理」、これらは毎日行われている。
  教師によるこうした管理が成立した上で、指導の力や人格の力が子どもへのプラスの
  影響力として発揮できる。