2018年8月28日火曜日

花だより ゼラニウム 今どきのおじいちゃん、おばあちゃん


 ***今どきのおじいちゃん、おばあちゃん***
 1年生が生活科の時間に老人クラブの方12名を招き「昔の遊び」を教わりました。「すご~い、やるねえ~!おばあちゃん。」お手玉の妙技に驚嘆!
 「もちつき会」をするのにおじいちゃん、おばあちゃんに来てもらって、もちつきの仕方やあんこもちの作り方を教わるという計画を立て案内したところ、「私も“もちつき”をしたことがありません。」という答えが返ってきました。私の母は78歳になります。私の子どものころは、暮れになると朝早くからもちつきをしました。しかし、もちつきは、祖父母がやっていました。母の時代は、すでにもちつき機を使っていました。老人クラブの集まりは、「和服を着たおばあちゃんが民謡を歌う。」というのは10年~20年も前の話です。母は「そんな集まりなら行かない!」と言います。母の趣味は、社交ダンスです。10年後は、おじいちゃん、おばあちゃんが孫と一緒にテレビゲームをする時代が来ると思います。
 87歳になる母が本日急死しました。しばらくブログは休ませてもらいます。

2018年8月27日月曜日

花だより ユウガオ 教育とは

 

  「教育」とは     第3期中央教育審議会会長 鳥 居 泰 彦氏
 明治の学制を始めるに当たり、「education」という言葉をどう翻訳したらよいかをめぐり、明治の元老たちの間にいろいろ意見が出たそうである。
 大久保利通公は、何も知らない子どもたちに知らないことを教える。そういうことにむしろ力点を置いた「教化」という言葉を文部郷の森有礼は「教え育てる」というところに力点が置いて「教育」という言葉、福沢諭吉は、一人一人の子どもの中に内在する能力、いろいろな才能、そういうものを引き出すという意味を込めて「啓発」という言葉を主張した。この3つはいずれも大事なことで、これらを総合したもの(何も知らない子どもたちに知らないことを教えてやる。そして、彼らを育ててやる。さらにその才能を引き出してやる)が、今日我々が言うところの「教育」であろうと思う。
  教育は国の最重要課題であり、長期の国家戦略として「教育」は一番重要視されなけれでなければならない。1983年アメリカの教育改革白書の膨大な報告書の最後に「教育には金がかかる。その金を惜しんでかけなければ、あまりできのよくない人間の山を築くことになる。そうした場合に、あまりできのよくない人間の山(国民)ばかりになってしまった国家を改善するには、はるかにもっと大きな金がかかり、コストがかかる」という言葉で締めくくられている。
 既に教育予算の削減を、教員の給与カットや人確法の破棄等あらゆる手段で削減しようとしている。これから「それを思い止まりなさい。そんなバカなことばかり言っていると国はおかしくなりますよ」ということを申し上げなければいけないので、これからは私にとって大変忙しくなる。


2018年8月26日日曜日

花だより ナツスイセン 心の玉を磨く

 
 《 これからの教師に求めること》           
 教育は百年の大計と言われてきたものの、グローバル化や先行き不透明な時代に合って、スピード感が違ってきているように感じます。
 「間違った道は、行けば行くほど目的地から遠ざかる」と言われます。教育の今後の方向性を誤らないために、これまで以上に議論を重ね家庭・地域・学校が一層信頼関係を築き、これからの時代を担う子どもたちが夢と希望に満ちて生きぬく力を育成していかなければなりません。
 「教師の命は授業である」「教師の命は研修である」「授業は教師の芸術である」「教師の前に人間であれ」「教師は人なり」言い古された言葉ですが、教師には古くて新しい課題として肝に銘じて研鑚することが肝要である。
「凡庸な教師はただしゃべるだけ。よい教師は説明する。優れた教師は範を示す。偉大な教師は子どもの心に火をつける」(アメリカの聖職者 ウィリアム・アーサー)
「人は木の花や葉、枝ぶりの美しさに心を奪われる。これはこれでいいが、木には見えない根があることを忘れてはいけない」(水上 勉)
 教員の働き方改革では、地域、保護者に理解してもらわなければならないことを多くなります。そのためには信頼され尊敬される教師でなければなりません。教師としての人間性、社会性はもとより指導力など、教師としての心の玉をたゆまず磨き続けてほいくことです。
学校のハウスで育ってピーマン

2018年8月25日土曜日

花だより シシウド 少年院で育てる学力


 成績優秀だった子が事件を起こすと大きな記事になるが、
  非行少年のほとんどは、学力の低い子   教育ルネサンス(読売新聞から)
 少年院で育てる「学力つけ世界観是正」
 主に中学生が入院する少年院が、入院者にテストをした結果、小学3年生以下が約3割、4年生以下までで6割近くになった。九九もわからず、漢字の読み書きも満足にできない。「1mが何㎝か知らない」「窓を3分の1開けることができない」『ソ』と『ン』、『シ』と『ツ』の区別が分からない。世界地図で日本の位置が分からない。地球が丸いということが理解できていない子もいる。
 不安定な家庭環境の子どもは、家庭で学習する環境にないこともある。勉強がわからないので小学校でも居場所がなく、中学生になって非行化していく場合が多い。教師に暴力を振るって少年院に来た子は、「中学校に登校しても教室にではなく、仲間のたまり場ばかりに行っていた。授業はわからないから、つまらない。友だちとしゃべっていた方がおもしろかった。でも、今は勉強しないとまずいと思っている。今は本も読めるようになった。」という。「学力は善悪の判断や行動の結果を推測する力の基礎になる。小中学校9年分を1年程度ですべて覚えさせるのは難しい。基礎学力の習得は、少年たちの狭く偏った世界観を是正することに役立っている。

網走「はなテント」

2018年8月24日金曜日

花だより カラスウリ 子どもの風邪


 シリーズ「母の品  多 湖  輝 著
子どもが風邪をひいたとき、学校に行かせる親とそれを非難する親
 風邪をひいたときにするマスクには3つの効果があるそうです。
 一つは、人から風邪をうつされないため 二つ目は、人に風邪をうつさないため 三つ目は、マスクをすることによって「わたしは風邪をひいています。」と回りの人に知らせるためです。
「風邪をひいている子どもを学校に来させるな」と言ってくる親がいます。自分の子に風邪をうつされたくないからです。一方で「子どもは熱があるのですが、私は仕事に行かなければならないので、学校に行かせますからよろしく」と電話を掛けてくるお母さんもいます。“学校で何とか看病して下さい”ということなのでしょうか。でも、電話してくるお母さんは、まだいい方です。熱でふらふらしているのに学校に来る子もいます。電話をして迎えに来てもらおうとしても家族が留守。ということがよくあります。
 みんな自分の立場だけを主張して、責任を人に押しつけてしまっているようです。言えば学校が何とかしてくれるだろうということなでしょうが、それを考えるのは学校ではありません。それぞれの家庭で考えることです。
 子どもたちは、先生も含めて集団生活をしているのですから、風邪をうつしたりうつされたりすることは「おたがいさま」でやむを得ないことです。そうやって免疫力を高め風邪をひきにくい体をつくっていくわけですから、悪いことばかりではありません。みんなおたがいさまなのだと考え、ちょっとだけ相手の立場に立って考えてみることができないでしょうか。

2018年8月23日木曜日

花だより ナデシコ 子どもに我慢を覚えさせる

《イキイキ子育て》
  子どもの言うことを何でも聞くことが親のやさしさとは限らない
  ~子どもに我慢を覚えさせる~                    
 安易にモノを買い与え過ぎると、子どもは欲しいモノを手に入れるために努力したり、我慢したり、工夫したりすることができなくなります。そして、やたらとモノを欲しがり、自分の気持ちを抑えられなくなってしまいます。
 ブランド品や携帯電話など、友だちも持っているからなどといった理由で安易に買い与えないようにしましょう。欲しいと言ったら、なぜそれが必要なのか親子でよく話し合ってください。
 子どものためを思うのなら、お金より、心や愛情を使い、親子の関係を深めましょう。

2018年8月22日水曜日

花だより ノリウツギ 北見工大生

  北見工大生 
  ある日の夜、駅前の駐車場で車に乗ろうとしたら、若者が寄ってきて「すみません。工大生ですが、自転車を盗まれてしまって・・・、工大の近くまで乗せてもらえませんか?」と頼まれた。見たところ真面目そうな若者だったので、帰り道ではないが乗せることにした。
 茨城出身の1年生で入学式に雪が降ってビックリしたことなど車中で話が弾んだ。「冬はマスクをしないと鼻が凍傷になると聞いたのですが本当ですか?」と聞いてきたので、「どうして北見に来たの?」と尋ねると、受けた大学も全て落ちて仕方なく後期試験で受かった北見工大に来たのだという。「この辺では工大に入るのは難しい。」と言うと“網走管内のレベルは低い”とあっさり言われた。夏休み実家に帰らないのは、来年他の大学を受け直すため受験勉強をしているのだと言う。
 オホーツク管内の教育者の一人として、この言葉は、いささかショックだった!
 通知表は、兄弟で比較してはいけない。相対評価ではなく、絶対評価が大切であることを強調している。しかし、我々の教育レベルを他と比較して見ることはほとんどない。決して有名大学に入ることが教育の目的ではないが、確かな学力を身につけさせることは教師としての第一の使命である。学力差は教師力の差と言われても仕方ない。

我が家のベランダ

2018年8月21日火曜日

花だより ノゲシ あなたは北海道をどう思いますか?

 《あなたは、北海道をどう思いますか?》
 地方では、コンビニの前に若者が集まる。夜7時以降、街中で明るいのはコンビニしかない。若い男女が、チャラチャラした恰好で何がおかしいのか大きな笑い声を上げ、楽しそう。暗がりでたむろしているより、健全かもしれません。
 ホテル前の“足湯”に入っているとホテルの宿泊客から「北海道は、どこにでも温泉が湧き出ているのですね?」と声を掛けられた。
「北海道は、涼しいというか?夜は寒いですね?」
「北海道は、どこに行っても鮭とカニが出ますね?」
「北海道は、道路がまっすぐでいくら走っても景色が変わりませんね?」
 “それがよくて北海道に来ているだろう!”と心で思いながら、「せっかく来たのだから、美味しい物いっぱい食べて、雄大な景色を堪能していって下さい。ただし、夜は出歩かない方がいいですよ。斜里の街中も熊が出ますから!」と脅すと「本当ですか?」と本州の観光客は本気にする。
「網走二ツ岩海岸」昔ここにオホーツク水族館があった。夏休みになるとここに来るのが楽しみだった。

2018年8月20日月曜日

花だより センニチソウ 夏休みの思い出「浴衣」


 夏休みの思い出 日本人なら夏は“浴衣(ゆかた)”だけど? 
 女の子が、髪を結い、ちょっと薄化粧をして、浴衣を着るとねぷたや盆踊り、お祭りにはよく似合う。テレビでよく外国人に浴衣を着せているシーンをよく見る。(着物=日本)しかし、着付けのできる日本人は何人いるのだろう?
 夏祭りや花火大会では、浴衣姿の男女を多く見かけた。大変結構なことだが、残念ながら着方がだらしない。今は帯もワンタッチ式で着やすいのだろうが、たぶん自分で着たのではないだろう?親に着せてもらったとしたら寂しい限りだ。特に男子の浴衣姿は最低である。寝間着よりまだ悪い!
 母が「ちょっと来なさい。みっともない着方をしないのよ。男の帯は腰で締めるのよ。」と言いながら着せられたことを思い出す。そんな母は、私が成人したとき着物と浴衣を作ってくれた。必要性は全く感じなかったが、それでも小さい頃からの習慣なのか今でもお盆やお祭りになると着る。
 浴衣を着て、ブランドバックを持って、茶髪、ピアス、ネックレスは、まだ許せても、浴衣を着るならきちんと粋に着て欲しい。「そんなこと思うのは、歳をとった証拠よ。」と妻は言う。  

2018年8月19日日曜日

花だより ナス お盆休み


 心がほっとステーション(斜里朝日小学校編) 
 ①~お盆の来校者
 お盆休み、学校前に1台の札幌ナンバーの車が停まりました。若いカップルが降りてきて校庭のピラミッド(開校10周年記念オブジェ)に向かいました。「これが俺のだ!」と男性が自分のタイルを自慢げに彼女に説明していました。「卒業生ですか?校舎に入ってみますか?」と声をかけたら、喜んで入ってきて、廊下にある写真をなつかしく眺めていました。どうやら婚約をして、その報告に実家に戻ってきたようでした。今度は、子どもに「これは親父のタイルだ」と話に来るそうです。
 ②~クラス会 お盆休みにクラス会をやることが多いのではないでしょうか?
 「50歳になりました。クラス会をやります」という案内が来ました。
 行ってみると男性は、ハゲか白髪頭にメタボの腹回り、憧れだった麗しの君の変わり果てた姿に少しがっかりもしました。話題は、高血圧対策と孫の話。その中で、どうしても名前が出てこない人が一人いました。「あの人、誰だった?」と友人に聞いても、「俺も思い出せないんだ?」という返事。近況報告で一人一人にマイクが回ることになりました。その人の順番になって会場が一瞬静かになりました。
「私は、○○です。」(ああ~、あいつだ!?)「私は今、従業員10名の小さな清掃会社の社長をしています。」(へえ~。あいつが?)「私は中学生のとき、担任の先生から、『お前は、本当に真面目に掃除をするなあ。お前が掃除当番のときは、教室がすごくきれいだ。』そう言われたのがきっかで清掃会社に就職しました。そして、数年前に独立しました。・・・」
 会場には、同じ教員をしている者もいて、「教師の一言って、人生を変えるものなんだなあ!」と責任の重さを改めて感じました。

2018年8月18日土曜日

花だより ヒャクニチソウ 『稲盛流コンパ』のすすめ


  多忙化一辺倒の学校現場でひたすら耐え忍ぶ教師の皆さんへ
     ~『稲盛流コンパ』のすすめ~
                  麗澤大学非常勤講師 寺崎 賢一
 学校現場での、反省・評価は、どうしても単なる形式的な中身のない反省になりがちです。本気でやるならしっかり時間をとってやるべきです。しかし、現場ではそのような時間が全く保障されていません。
 退官したある著名な文部官僚が言いました。「私たちは、あまりにも現場の先生方に無理強いばかりしてきた。そのことをいま、深くお詫びしたい。」と
 日本の教育にとって、今一番必要なことは、教師の待遇を大幅に改善し、教師に人間らしい生活を保障することです。そして、一方で、優秀な人材を教育の場に集めることです。今こそ大きく改善するときです。
 どうすれば教職員の「意志(やる気)」を奮い立たせることができるのか? 
  ~びっくりするほど改善できる『稲盛流コンパ(飲み会)』のすすめ~
 稲盛和夫~京セラの実質的創業者、KDDIの創業者にして日本航空を再生させた人
 さらに全国に1万2千人近い門下生をもつ稲盛塾の塾長
 その彼の会社運営法、企業再生法の肝心かなめの方法こそ、「意志」を喚起するための「コンパ」だったのです。
 『稲盛流コンパ~最大組織をつくる究極の飲み会』
         北方雅人・久保俊介著、日経BP社より
 「飲み会は飲み会でも、大真面目な飲み会。多少羽目を外すことはあっても、上司や会社の陰口をたたく憂さ晴らしの場ではない。経営者が従業員、上司と部下、同僚同士が互いに胸襟を開き、仕事の悩みや働き方、生き方を本音で語り合う。酒を通して一人一人が人間的に成長し、組織を強固な一枚岩にするのが『稲盛流コンパ』だ。」
 「会社を支えてくれる従業員に、社長である自分の感謝の気持ちが足りなかった。これでは人材が育たず、心が離れて辞めるのは当然だ。」
 「会議中、部下は上司になかなか意見が言えないものだが、酒を飲んで話すと、本音が出てくる。下の人にとって、そうした本音を酒を入れずに言うのは勇気がいる。多少くだけた、コンパの雰囲気の中だからこそ意見が出る。」
 「表面的な人間関係で弱々しくつながっている組織では、困難な目標に立ち向かうことはできない。だからこそコンパは必要なのだ。」
 「稲盛流コンパでは、手酌をしてはいけない。周りの器に目を配りながら相手に酒を先につぐ。京セラでは、こうした利他の精神を早くから教え込む。(上司が率先垂範しながら)利他の心を実践すれば、仲間意識が強くなる。」
 このようにして、まず職場の仲間意識が仲良く幸福になれる職場づくりを大切にすべきなのです。コンパをやり続け、営業利益をどん底から見事回復させた会社は多い。
【補 足】 学校では、どうすればいいか?
コンパの前に、管理職と主任級の人たちでコンパのための準備をします。テーマを決め、グループ決めや座席決めを行います。自分の学校では一番何が問題であり、何が優れているかを考えながらテーマを決めます。コンパのときのみんなのお世話は管理職が献身的に行います。          

2018年8月17日金曜日

花だより ノコギリソウ #ハッシュタグ


  今どきは シャープと言わず ハッシュタグ (サラリーマン川柳より)
#【はっしゅたぐ】 ツイッターで、自分と関心ごとが近い人を探すための目印の一つ。
 座間9遺体事件では「殺してあげる」という見知らぬ男の元に、遠方から10~20代の女性たちが「自殺したい」と家出して駆けつけ、殺された。家出は基本的には、親による虐待からの自主避難だが、それゆえに今回の事件ではツイッターが利用された。
 ツイッターでは「#」の後に自分の関心がある言葉を付けてつぶやくと、その言葉に関心のあるユーザーがつぶやきの内容を見ることになる。「#家出」には、現在も中高生による家出希望の書き込みがあり、そうした未成年を探して自分に近づいてくるように「泊めてあげる」と呼応する書き込みもある。
 この「#」からはじまる言葉は、ハッシュタグと呼ばれるが、同じハッシュタグには「1日500円で部屋を貸してあげる」と誘う大人もいれば、「家賃無料」と誘っては風俗店で働かせようとする大人もいる。
 しかし、こうした実態を学校関係者もPTAも知らないままだ。大人が子どもに小さいころから経済的自立のノウハウを教えていれば、知らない相手の家に泊めてもらえる対価を子どもたちがお金以外で払うことはない。
*SNSの隠語的な略語を知らないままだと、校内でいじめが深刻化しても、早期発見は難しい。

2018年8月16日木曜日

花だより ヤナギラン 【書写指導 小4「左右」】

  書写指導 小4「左右」】
オホーツク管内書写書道研究会の会長と事務局長から、「元会長の牧野先生に残念なお知らせです。会主催の小中学生書道展が続けられなくなりました。」と連絡が来たのは、昨年の夏でした。
管内の小学校3年生から中学3年生まで、毎年およそ8千点近い応募があって盛況だった書道展でした。研究会の会員数名で、それをさばき審査をしていましたが、事務量の大変さと会員数の減少、さらに会員の高齢化で、ついに開催できなくなったそうです。とても残念でなりませんでした。
過去の書写研の資料を整理していたら、若松小の4年生が会長賞(最高賞)をとった作品が出てきました。当時、「これは、本当に四年生が書いたの?」と審査員全員が驚き、文句なく満場一致で会長賞が決まった作品です。
過日行われた教員免許更新時講習でもこの作品を取り上げて、習字の授業でもアクティブ・ラーニングができると紹介しました。
 ~実際に実践した「左右」の授業展開~
1 最初に普段書いているように「左右」を書かせます。
2 次に、「この作品は、書道展で最高賞をとった作品です。」と言って黒板に貼って見せます。
3 「子どもたちに違いを見つけなさい。」
「どうして、これが最高賞をとったのか、その理由を見つけない」
と言うと、10個以上見つけて、自慢げに発表します。
*「左」と「右」は、同じような形の漢字に見えますが、
実は、①書き順が違う ②形が違う(左△と右▽)など、よく見ると普段書いていて気が付かないことがたくさんあります。
4 この後に、実際に書かせると、最初に書いた字とは、比べ物にならないほど上手に書きます。
 最近のテレビのクイズ番組を見ていると、漢字の書き問題の正答には、「筆順などは関係ありません。」とテロップが出たり、林修先生は、「漢字の止め、払いなどは厳密に書く必要はありません。学校でもそんな指導はもうしていません。」と言っています。確かにその通りなのですが…。きれいな字を書く人が少なくなりました。
コミュニケーション手段は、手書きの手紙やはがきからスマホなどの普及で、文章や字は選択する時代になりました。「学校の先生は、みんな字が上手!」と言われたのはもう過去の話です。
 そんな時代にあって、まだ学校教育で書写指導が残っているのは、なぜでしょうか?


2018年8月15日水曜日

花だより ヒオウギ 子どもの元気のモト

   子どもの元気のモト
 雨が降ってもなぜか子どもは喜ぶ。水たまりがあるとわざわざ入って、ぴちゃぴちゃさせる。傘は雨よけでなく、遊び道具だ。何かないかと決められた通学路から、わざとはずれて歩く。
 かつて、子どもを元気にする仕掛けがあったのは、学校ではなく、といって家庭でもなく、学校への行き帰りの道や放課後の地域など、大人の目の届かない場所だったのではないだろうか。
 しかし、最近は、GPSを使って子どもが学校帰りに、今どこにいるかの位置情報を親に知らせる機器をランドセルにぶら下げているという。テレビは、その子どもたちが下校する姿を報じていた。それでは、うかうかと道草も寄り道もできない。しかし、犯罪に巻き込まれる恐れのある都会では、仕方のないことなのだろう。
 子どもの体の内側には、本来「元気」のモトがあって、その「元気」を磨く場所が、大人の目から解き放たれた自由な空間、道や空き地、広場や建物の陰だったという気がする。しかし今、子どもの安全が守られる場は唯一学校だけになってしまったのかもしれまない。
 しかし、学校という狭い空間の中で、子どもの「元気」をどう育てるのか。そのカギを握っているのは先生であり、その先生の経営する学級だ。元気は伝染するもので、生き生きと元気いっぱいの人のそばにいると、何となくその人の「元気のモト」のようなもので、こちらの身体や心に移ってくる。ところが、最近の先生は授業以外の雑用に追われ、子どもの仲間になる時間が持てないでいる。先生が元気印でいられるような学校にするためにも、働き方改革に期待したい。

夏の石北大通り公園

2018年8月14日火曜日

花だより オオハンゴウソウ 子どもはなぜ「スマホ・ネット」にはまるのか


 子どもはなぜ「スマホ・ネット」にはまるのか
                       ITジャーナリスト  高橋 暁子
                               月刊「教職研修」7月号
 《目立つ「スマホ依存」問題》
 小学生の場合はYouTubeがやめられないという問題が目立ち、中学生以上の場合はSNSやゲーム依存になっている例が目立ちます。女子生徒の場合はSNS、男子生徒の場合は、ゲーム問題が多い傾向にあります。
 YouTubeは「おすすめ動画」が次々と表示される仕組みになっていて、そもそも見続けさせるようにできています。動画を長時間見続けることで、学習などの他のことができなくなったり、視力の低下や昼夜逆転するなどの危険性が指摘されています。
 スマホゲームは、何かからの逃避行動ではまる子どもも少なくありません。スマホゲームはやればやるほど強くなり、それが実生活より手軽に実現可能だからです。そこでさらに強くなるサービスに課金してしまったり、のめり込んで昼夜逆転して不登校になったりする子どもが出てくるわけです。
 SNSのなかでも、LINEの依存状態となる生徒は多数います。LINEはアプリを起動していなくても、「プッシュ通知」機能で友だちからの連絡の知らせが来るうえ、「既読」機能によってメッセージを読んだことを相手に伝わってしまいます。返事をしないと仲間から嫌われてしまうかもしれないと恐れる子どもは多いはずです。またそれゆえに、やめどきが分からず、延々と続けてしまい、睡眠時間や学習時間が削られてしまいます。
 たとえ禁止しても、YouTubeやLINEなどのSNSは、ゲーム機や学習用タブレットでも設定次第で利用できます。隠れて使ってトラブルに遭った場合、保護者や教員などにも問題を隠して、被害が大きくなることがあります。スマホ・ネットを利用することを前提に、適切な指導を行うべきです。
 《ルール作り》
 利用時間の長さ、夜何時まで利用するかという問題は、保護者に家庭でルールを決めるように指導したうえで、学校でも子どもたち自身が話し合って決めるのがお勧めです。とくにSNSは、友だち同士で長時間利用につながっていることが多いので、一人だけではなかなかやめられません。たとえば、LINEの場合、子どもたち自身が長時間利用に疲弊していることが少なくありません。子どもたち自身で長時間利用や深夜までの利用の問題に気づき、「夜は9時までにしよう」などのルールが決められれば、多くの子どもの睡眠時間や学習時間が守られるでしょう。 (牧野要約)


2018年8月13日月曜日

花だより キキョウ 本気で進める「働き方改革」

  本気で進める「働き方改革」
   中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員 妹尾 昌俊
 ≪“たし算”から“ひき算”の発想≫
 はじめにはっきり申し上げる。学校の働き方改革は待ったなしである。
 現に過労死や過労自殺で亡くなっている教師が後を絶たないし、精神疾患等になる人も増えている。授業準備をする時間がないという教員は9割、生活にゆとりがないという教員も7割という調査もある。これでは、いくら新学習指導要領で高い理念や21世紀に通用する資質や能力の育成を掲げたところで足元がおぼつかない。
 これまで文部科学省は、“○○教育”や“○○指導”を増やしてきた。この背景には社会のニーズも強い。学校教育にあれもこれも求める“たし算”思考である。
 いま中教審の特別部会で検討しているのは、おそらく史上初めてかもしれない“ひき算”の発想だ。では、具体的に教員の負担軽減として、何を行うべきか、個人的な提案として3点である。
(1)環境と勤務条件の整備 
 ・定数の増加、一人当たりの授業時数の削減
(2)教員以外のスタッフとの連携 
 ・月に1~2回しか来ない専門職や週に2~3回の外部指導者では、調整等で逆に負担
  が増える。頻度を高くするか、教頭、教員の業務の一部を代替えするアシスタントを
  付ける。
(3)教員が軽くしてもよい仕事の明示
 ・教育委員会からの調査依頼、文書作成依頼、活用されていない研修レポートの作成等
  を一度中止する。学校外の問題行動は、家庭や警察が対応するように啓発する。
  待ったなしの教員の働き方改革には、大胆な教員自らの意識改革が必要である。

2018年8月11日土曜日

花だより スイカとバナナ 教員免許更新時講習


  《教員免許更新時講習》
 夏休みを利用して教員免許更新時講習が行われている。教員免許も運転免許と同じようになり、講習を受けなければ、教員を続けられなくなった。但し、私より上の人たちは、(生年月日が昭和30年以前)は、永久免許なのだ。
昨年から、北見工大で行われているこの講習の講師を務めている。「国の教育の動向」という講座で硬いイメージなのか、毎年受講生は少ない。今年の受講生は17名でこれでも多い方だという。小学校から高校まで、管内の先生だけでなく神奈川、札幌、帯広の先生もいた。
 受講料プラス旅費をかけての受講である。講師の責任は重い。昨年作成したパワーポイントを見直し、最新の資料提供に努めたつもりだったが、午後からプロジェクターの調子が悪くなり、せっかく作ったパワーポインも水の泡で、昔ながらの大学の講義っぽくなってしまった。
 しかし、受講生は皆さん真面目で最後まで熱心に聞いてくれた。それもそのはず、受講すればいいわけではなく、認定試験が行われるからだ。各25点配転の全部で4問、100点満点中60点以上が合格である。1問目は、「新学習指導要領の改訂のポイントを簡潔に記述しなさい。」、記述式でスペースが限られているのだ、昨年は、裏面にもびっしり書いた受講生がいたので、採点が大変なので、簡潔に書いてくれるように頼んだ。ただし、2~3行でも困る。と言うと、皆さん、きっちりと車が停止線に止まるように書いてくれていた。さすが学校の先生である。
 最後に講座の評価(アンケート)を書いて(マークシート)終了となる。裏返しにして集めたが左側が多く塗られていたので、まずは一安心した。
 遠方からきた高校の先生に「大変ですね。」と声をかけると「部活も休みにして、休暇を取って旅行をするつもりで来ました。」『教員の働き方改革』の話を熱心に聞いていた先生だった。


2018年8月10日金曜日

花だより ヒマワリ LINEで陥りやすい罠


  今どき スマホ・ネット事情
   LINEで陥りやすい罠 ~「無料」「手軽」の裏に潜む代償~
           チェックフィールド株式会社 代表取締役 目代 純平
                         月刊「教職研修」7月号
 今やスマホ所持率はほぼ100%となり、小・中学生においても年々増加傾向にあります。彼らがスマホを持ちたい理由の1位は「LINEを使いたいから」であり、その普及が所持率を上げたと言っても過言ではありません。
 LINEは事実上スマホのメイン機能になっており、もはやネット回線さえつながっていれば世界中どこにいても無料で連絡がとれる時代です。
 つまりスマホがないとLINEでの連絡がとれない、ということに直結し、事実上スマホなしでは友だち同士での連絡がとり合えない時代になってきているのです。
 このように非常に便利に使えるLINEですが、手軽に連絡がとり合える反面、必要以上に他人とつながってしまい。無駄に時間が奪われるという傾向があります。
 たとえばグループトークでは、そのグループに参加した人たちが次々に発言すると、総発言数は「発言数×人数」となり、風呂から上がったらトークが200を超えていた、などというのは最近の子どもたちの間では普通に起こっていることです。
 たわいのない会話であっても、誰かが発言すれば全員に通知されるのであまりにも通知数が多くなり、気になって勉強に集中できないと、訴える子どもが増えてきました。
 LINEはその発言を見たかどうかが「既読」として相手に通知されるので、そのような会話がだらだらとつきあった結果、気がついたら多くの時間を浪費していたということもよくあります。
 私の本業はITコンサルタントですが、その傍ら、これからITを本格的に使ってゆく子どもたちに正しく安全な使い方を教えようと、全国の学校や教育機関を中心に講演活動を行って9年が経ちます。
 講演前に子どもたちに対して行うアンケートで、最近、「いろいろ面倒だから、LINE自体がなければいいのに」といった意見が増えてきたことに驚くとともに、いわゆる「LINE疲れ」が子どもたちに広がっていることを実感しています。
 今後LINEのような無料で手軽に連絡がとり合えるツールはより普及していくことでしょう。しかしながら、その「無料」「手軽」の裏にはとても大きな代償があることを忘れてはなりません。
 われわれ大人は、LINEの用途や利用時間などに関して、今一度立ち止まって子どもたちと一緒に考えるべき時期に来ています。いくら便利とはいえ、これらの道具を使うのは人間であり、主役は人間です。道具に振り回されてはなりません。

2018年8月9日木曜日

花だより 夏の香りゃんせ公園 少年野球


  少年野球大会
 甲子園では夏の全国高校野球100回記念大会で連日熱い高校球児の戦いが繰り広げられています。札幌では、少年野球の全道大会が先週末行われていました。
 全道大会への道を断たれた各地区のチームを救うためでしょうか、全道大会と同じ日程で道東地区(オホーツク、釧路、十勝、根室)少年野球大会・交流会が厚岸町で開催されました。
 少年野球では、大差の試合になることがよくあります。13対1の5回コールド試合で勝った監督さんが試合後に選手子どもたちに話した言葉に感動しました。
 「コールドで勝ったからといって、いい気になるなよ。対戦したチームは素晴らしかった。何点取られても、エラーをしても、大きな声を出して、仲間を励まして、最後まで諦めずに粘り強く戦った。あのチームはこれから強くなるぞ。ああいうチームと戦えたことに感謝しなければならないぞ。」
 学生野球憲章 (昭和21年制定) 
国民が等しく教育を受ける権利をもつことは憲法で保障するところであり、学生野球は、この権利を実現すべき学校教育の一環として位置づけられる。この意味で学生野球は経済的な対価を求めず、心と身体を鍛える場である。
 学生野球は、各校がそれぞれの教育理念に立って行う教育活動の一環として展開されることを基礎として、他校との試合や大会への参加等の交流を通じて、一層普遍的な教育的意味を持つものとなる。学生野球は、地域的組織及び全国規模の組織を結成して、このような交流の枠組みを作り上げてきた。
 「学生たることの自覚を基礎とし、学生たることを忘れては、われわれの学生野球は成り立たない。勤勉と規律は常にわれらと共にあり、怠惰と放縦(勝手気まま)とに対しては不断に警戒されなければならない。元来野球はスポーツとしてそれ自身意味と価値を持つであろう。しかし、学生野球としてはそれに止まらず試合を通じてフェアの精神を体得する事、幸運にも驕(おごら)らず、悲運にも屈せぬ明朗強靭な情意を涵養する事、いかなる艱難(かんなん)をも凌ぎうる強靭な身体を鍛錬する事、これこそが実にわれらの野球を導く理念でなければならない。」
 この憲章は70年も前に制定されたもので、この憲章の下で野球をしてきた人たちが日本中にごまんといるに違いありません。
 コールドで勝ったチームの監督さんもその中の一人です。この大会から、将来甲子園で活躍し、プロを目指す選手が出ることを期待したいですし、また、少年野球の立派な指導者にもなってもらいたいと思います。

 

2018年8月8日水曜日

花だより トロロアオイ 見聞を広める


 ◇見聞を広める!
 ある研究大会のレセプション(酒席)で隣席だった北大教育学部の教授(赴任してまだ2年目)に、酔いが回ったころ「北海道の学力が低い原因は何だとお考えですか?率直な意見をお聞かせください。」と問うたことがあります。すると「いい授業、質の高いものを見る機会が少ないですね。」と言われたのです。ショッキングな内容でしたが、中央から来た教育の専門家には、北海道の教育の現状、教員のレベルは、こう映ったのです。
 全国連合小学校長会研究大会 秋田県校長会(学力全国1位)の提言で授業風景のVTRが流れました。周りにいた北海道の校長から「ほぉ~?」と驚きの声が上がりました。きちんと伸びた挙手、発表のときの姿勢や声の大きさ、音読の姿勢と本の持ち方、指導が行き届いていることが見て取れました。ところが秋田県の校長からは、「驚いたのはそこですか?当たり前のことなのに…。」と逆に驚かれたのです。
 “ところ変われば”です。歴史や風土が違えば、その土地の味噌、醤油、地酒が生まれます。当然、教育観も異なります。比較することで北海道やオホーツクの課題が見えてくるのです。教員は、その職責を遂行するために絶えず研修に努めなければなりません。若いうちに見聞(研究と修養・本物を見る)を広めることです。
◇MRJ国産ジェット旅客機開発に挑む!
 全連小理事会(東京)の講演で、MRJ開発担当者(東大理工学部大学院卒)の貴重な話を聞く機会を得ました。
 なぜ、純国産にこだわるのか? 純国産といえども、スタッフの3割は外国人で、会議は全て英語、部品調達も全て国産ではないのです。日本の高い技術力の結集といううたい文句でスタートしたのですが、航空機開発では、世界から遅れをとっているのです。さらに、マーケティングの遅れは深刻で、決して日本の未来が明るいわけではないのです。しかし、日本はやらなければならない。これを成功させなければ日本の未来はない。それくらいの意気込みでやっている。グローバル社会を見据えた教育の重要性が提唱されているが、すでに日本はグローバル社会の真っ直中にある。英語が話せるのは当たり前、企業は、国際社会で活躍する即戦力の人材を求めているのです。
 この話は、三井物産本社ビルや読売新聞本社ビルが建ち並ぶ、東京丸の内のど真ん中、窓からは皇居が一望できるホテルの最上階の広い会議室で聞いたので、“ここで、この人たちが、この日本を動かしているのだ!”と感じました。

2018年8月7日火曜日

花だより 夏みかん カノコユリ 至誠而不動者未之有也


 「至誠而不動者未之有也」
 10月の全連小山口大会への参加をきっかけに見るようになった幕末の長州を舞台にしたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が、最低の視聴率で終了しました。その理由は、主人公である吉田松陰の妹の美和と再婚相手の揖取素彦(初代群馬県令)が有名な歴史上の人物ではなかったからだと言います。しかし、共感するところが多くありました。美和は生涯にわたり、女子教育の普及に努めた人物です。「新しい日本をつくるためにも、学ぶことは、とても大切なことです。学ぶことで、考えることができるからです。」という言葉が心に残っています。 表題にある語は、その吉田松陰が揖取素彦におくったものです。
 ~自ら至誠の限りを尽くして計画し、あるいは実行したにもかかわらず、いずれも失敗に終わったことを振り返ってきたとき、どうしてもこの「未だよくこの一語を解するに能わず」と思わざるを得ない。孟子の語に偽りがあるのか、それとも自分の至誠の不足によるものなのかを考えずにいられない。(原文解説)~
 退職を間近に控え、我が教員人生を振り返るとき、満足感や達成感など全くありません。学力も体力も最低のままだからです。孟子の語に偽りなく、自分の至誠の不足だということは、十分理解しています。
 これを読んだうちの教頭が「低視聴率と学力低迷と掛けたのですか?」と聞いてきました。視聴率が低いから「花燃ゆ」は“つまらない駄作だったわけではない”と思いたいのです。
◇「花燃ゆ」から学ぶ “志を高く持ち、見聞を広める”
  山口県(長州藩)は、熱き志を胸に幕末の激動の時代を駆け抜けた吉田松陰に代表される維新の志士たちなど、数々の時代の転換期に歴史的な舞台や人物を輩出した地です。吉田松陰は、ペリーが再航したときに密航を企てましたが失敗しました。西洋の先進文明に心を打たれていたのです。わずか29年の生涯でしたが、その思想は、門下生の高杉晋作、伊藤博文や山縣有朋など維新の志士たちに受け継がれ、明治維新を成し遂げたのです。
 平成27年度の全国連合小学校長会研究協議会は、その山口県で10月に開催されました。校長になって、大阪、熊本、埼玉、そして今回の山口と4回の全国大会を経験し、そこでオホーツクとの違いを目の当たりにしました。また、中央研修(つくば)や筑波大附属小研究会などの参加は、教育に対する大きな転換となりましたが、もっと早くにこうした経験をしておけばよかったと悔やんでいます。

2018年8月6日月曜日

花だより カノコユリ ゴウヤ 「徳の人」と「才の人」


 【二人の人間 (論語より)

人間には「徳の人」と「才の人」とがある「徳の人」は大将の器なるべし、「才の人」は補佐役たるべし
NHK大河ドラマ「西郷どん」が放映されていて毎週楽しみに観ていますが、西郷隆盛を「徳の人」、大久保利通は「才の人」とよく例えられます。
 リーダーとしての地位が高ければ高いほど、技量的能力よりも徳の方を要求されます。
 これを学校に例えると、校長と教頭、主幹教諭、教務主任の人事に当てはまります。教頭までは、「才の人」だが、校長には「徳の人」が求められる。但し、はじめから「徳のある人」はそうはいません。「徳を積む」という言葉があるように、校長になるまでの経験が徳となるということであり、校長になってからも不断の修養が肝心だということです。
◇小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクト・マネージャー川口淳一郎教授に学ぶ
河口氏は、奇跡の生還をもたらした秘訣について3点挙げました。
・3億キロの彼方のイトカワから星のかけらを持ってくるという目的・ゴールの明確さ
困難に遭遇しても決してブレない姿勢 
よい意見であれば積極的に採り入れる度量
土光敏夫氏(国鉄民営化・組合交渉)や後藤新平氏(関東大震災後の帝都復興)に学ぶ
 どんな国をつくるかという明確な目標を示せるか、消費税増税など腰砕けをすることなく筋を通せるか、反対派の意見にも耳を傾け、採り入れる度量の大きさが問われる。
英国元首相サッチャー氏に学ぶ
私は確信の政治家です。旧約聖書の預言者たちはこう言いました。「これが私の信仰であり、ビジョンでもある。あなた方もそれを信じるのであれば私についてきなさい。」私も同じことを申し上げますさすが『鉄の女』と呼ばれた人の言葉です。  難しいことだと思いますが、トップには、これくらいの気迫が必要です。また、このような先たちの言葉は、そっくりそのまま『校長のあるべき姿(指導性)』に当てはまります。

2018年8月5日日曜日

花だより クサキョウチクトウ 豪華客船「飛鳥Ⅱ」


 夏休みの思い出 豪華客船「飛鳥Ⅱ」で行くクルージングの旅
50,142トン、全長241m、全幅30m、乗客最大900名、乗組員440名、客室462室、日本最大の豪華客船が網走港に入港し、市民100名限定の船内見学会が開かれた。(応募は1,000を超えた)運良く抽選に当たり、豪華客船と言うこともあり、妻とちょっとおしゃれをして参加しました。近づくと白い壁のような船体に、写真を撮ろうとしても全部が入らない。
 豪華ホテルのロビーのようなカウンター?と言っても、(豪華ホテルを知っているわけではないが)まずエレベーターで11階まで行くと、そこにはプールがあって、隣のグランドスパには大きな展望浴場がある。全室海側窓付、全室バスタブ付き、バルコニーつきキャビン、メインダイニング以外に寿司、グリルなど、食のバリエーションが豊富…。映画館にダンスホール、アスレチックスなど、ショッピング街もあり、ひとつのまちをそのまま詰めたような各種施設の充実ぶりに驚き、「夏休み、こんな船で旅行ができたらいいなあ。」と「料金は?」と聞くと「一泊約5万円と考えていただければ…。ただし、食事など全て込みの料金になっています。」ガイドのお姉さんの説明にただ「へえ~!」とうなずきながら、豪華クルージングをしたつもりで約1時間の船内見学を楽しんできました。

2018年8月4日土曜日

花だより サルスベリ 初任者心得


 教員採用2次試験が行われる。最近は志願者が少ないらしい。
 学校はブラック企業と見られているのだろうか?
 しかし、楽な職場などない。
《初任者心得》 
① 出勤時刻に遅れない。
(8:00出勤 退勤時刻は16:45、教室を見回り、予定をおさえ、教材などをそろえる。)
② 勤務のきまりを守る。
(礼を返し、出勤簿に押印。退勤時の礼。遅刻や欠勤・休暇・早退などの届け出などの遵守、励行して、いやしくも無届けや連絡なしの行動はしない。教頭先生へ連絡する。)
③ 授業を大切にし、チャイムの前に教室に入る。
(職員室でいつまでもお茶を飲んだり、おしゃべりをしたりしない。)
④ いつも子どもと一緒にいる。
(授業時間だけでなく、遊び時間も、給食時間も、清掃時間のときも、子どもと一緒に取り組むことが大切)
⑤ 教師としての態度・心を忘れない。
(言葉遣い、服装、動作など子どもへの示範、手本であることを心する。公式の場(式)はスーツで)
⑥ 仕事優先、職務遂行を念頭に
(私事を優先させないように心がける。)
⑦ 信頼と期待にこたえる。
(児童と保護者の信頼があってこそ成果があがるものです。信頼と期待にこたえる努力と研究が大切です。)
⑧ 机上や身の回りの整理整頓に心がける。
(どんどん物が増えてきます。退勤時には机上をきれいにして帰る習慣をつける。)
⑨ 公の物を大切にし、私物化しない。
(公私の区別をしっかりつける。自宅への持ち帰りは慎重にする。)
⑩ だれにも笑顔、すすんで挨拶
(上司、同僚ばかりでなく、子どもや保護者、来校者にも明るく挨拶する。)
⑪ 人みな師、物みなわが師の心をもって
(人に学ぶ心、子どもにも、物にも学ぶ心が大事です。謙虚な心、ひたむきな究学心を失わないようにする。)
⑫ 何事も感謝の心をもって
(仕事にも、誰にも、物にさえ「ありがたい」という気持ちを持ち続けたいものである。)
 これは教師だからということではなく、社会人として当たり前のことです。


2018年8月3日金曜日

花だより ニチニチソウ 敬語のつかい方


   敬語のつかい方 6年生「国語」の授業参観
 修学旅行前日、6年生の教室を覗くと国語で「敬語の使い方」の授業をしていました。敬語をきちんと勉強したことで修学旅行中の6年生の態度はとても立派だったのは、この授業にあったのかもしれないと思いました。普段の学習の成果は、修学旅行などの行事に現れるといいます。4月からわずかな期間でまとめあげた担任の先生方に敬意を表します。 
 どなたですか⇒どちら様でしょうか
 何の用ですか⇒どのようなご用件でしょうか
 こちらに来てくれませんか⇒こちらにお越しいただけますか
 わかりません、知りません⇒わかりかねます
 いません⇒席をはずしております
 どうですか⇒いかがでしょうか
 繰り返します⇒復唱いたします、繰り返し申し上げます
 ちょっと待ってください⇒少々お待ちいただけますか
 ここに座ってください⇒こちらにお掛けいただけますか
 もう一度来てください⇒もう一度お越しいただけますか
 わかりましたか⇒おわかりいただけましたでしょうか
 電話します⇒お電話をさせていただきます
 見せます⇒お見せします、ご覧に入れます
 教えます⇒ご説明いたします
 私が聞きます⇒私(わたくし)が伺います
 電話の声が小さいです⇒少々お電話が遠いようですが
  人に話しかける時は⇒恐れ入ります
 何かしている人に話しかける時は ⇒お忙しいところ、失礼致します
 わかりました⇒かしこまりました 
 人を待たせるときは⇒少々お待ちください
 謝るときは「すみません」ではなく⇒申し訳ございません
 一般企業では、新入社員研修で正しい敬語の使い方をやるそうですが、教員の場合はありません。例えば、
役職名に「○○部長様」などのように「様」をつけるのも間違いです。基本的に役職名そのものが敬称ですから、その上に「様」をつけるのは二重敬語となってしまいます。「様」をつけた表現をしたい場合は、「部長の○○様」と言いましょう。
これが社会人の常識です。
 教科書では2時間扱いのようですが、敬語を2時間でマスターするのは無理です。ねらいは違うところにあるのでしょう。