オホーツク管内書写書道研究会の会長と事務局長から、「元会長の牧野先生に残念なお知らせです。会主催の小中学生書道展が続けられなくなりました。」と連絡が来たのは、昨年の夏でした。
管内の小学校3年生から中学3年生まで、毎年およそ8千点近い応募があって盛況だった書道展でした。研究会の会員数名で、それをさばき審査をしていましたが、事務量の大変さと会員数の減少、さらに会員の高齢化で、ついに開催できなくなったそうです。とても残念でなりませんでした。
過去の書写研の資料を整理していたら、若松小の4年生が会長賞(最高賞)をとった作品が出てきました。当時、「これは、本当に四年生が書いたの?」と審査員全員が驚き、文句なく満場一致で会長賞が決まった作品です。
過日行われた教員免許更新時講習でもこの作品を取り上げて、習字の授業でもアクティブ・ラーニングができると紹介しました。
~実際に実践した「左右」の授業展開~
1 最初に普段書いているように「左右」を書かせます。
2 次に、「この作品は、書道展で最高賞をとった作品です。」と言って黒板に貼って見せます。
3 「子どもたちに違いを見つけなさい。」
「どうして、これが最高賞をとったのか、その理由を見つけない」
と言うと、10個以上見つけて、自慢げに発表します。
*「左」と「右」は、同じような形の漢字に見えますが、
実は、①書き順が違う ②形が違う(左△と右▽)など、よく見ると普段書いていて気が付かないことがたくさんあります。
4 この後に、実際に書かせると、最初に書いた字とは、比べ物にならないほど上手に書きます。
最近のテレビのクイズ番組を見ていると、漢字の書き問題の正答には、「筆順などは関係ありません。」とテロップが出たり、林修先生は、「漢字の止め、払いなどは厳密に書く必要はありません。学校でもそんな指導はもうしていません。」と言っています。確かにその通りなのですが…。きれいな字を書く人が少なくなりました。
コミュニケーション手段は、手書きの手紙やはがきからスマホなどの普及で、文章や字は選択する時代になりました。「学校の先生は、みんな字が上手!」と言われたのはもう過去の話です。
そんな時代にあって、まだ学校教育で書写指導が残っているのは、なぜでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿