2018年8月10日金曜日

花だより ヒマワリ LINEで陥りやすい罠


  今どき スマホ・ネット事情
   LINEで陥りやすい罠 ~「無料」「手軽」の裏に潜む代償~
           チェックフィールド株式会社 代表取締役 目代 純平
                         月刊「教職研修」7月号
 今やスマホ所持率はほぼ100%となり、小・中学生においても年々増加傾向にあります。彼らがスマホを持ちたい理由の1位は「LINEを使いたいから」であり、その普及が所持率を上げたと言っても過言ではありません。
 LINEは事実上スマホのメイン機能になっており、もはやネット回線さえつながっていれば世界中どこにいても無料で連絡がとれる時代です。
 つまりスマホがないとLINEでの連絡がとれない、ということに直結し、事実上スマホなしでは友だち同士での連絡がとり合えない時代になってきているのです。
 このように非常に便利に使えるLINEですが、手軽に連絡がとり合える反面、必要以上に他人とつながってしまい。無駄に時間が奪われるという傾向があります。
 たとえばグループトークでは、そのグループに参加した人たちが次々に発言すると、総発言数は「発言数×人数」となり、風呂から上がったらトークが200を超えていた、などというのは最近の子どもたちの間では普通に起こっていることです。
 たわいのない会話であっても、誰かが発言すれば全員に通知されるのであまりにも通知数が多くなり、気になって勉強に集中できないと、訴える子どもが増えてきました。
 LINEはその発言を見たかどうかが「既読」として相手に通知されるので、そのような会話がだらだらとつきあった結果、気がついたら多くの時間を浪費していたということもよくあります。
 私の本業はITコンサルタントですが、その傍ら、これからITを本格的に使ってゆく子どもたちに正しく安全な使い方を教えようと、全国の学校や教育機関を中心に講演活動を行って9年が経ちます。
 講演前に子どもたちに対して行うアンケートで、最近、「いろいろ面倒だから、LINE自体がなければいいのに」といった意見が増えてきたことに驚くとともに、いわゆる「LINE疲れ」が子どもたちに広がっていることを実感しています。
 今後LINEのような無料で手軽に連絡がとり合えるツールはより普及していくことでしょう。しかしながら、その「無料」「手軽」の裏にはとても大きな代償があることを忘れてはなりません。
 われわれ大人は、LINEの用途や利用時間などに関して、今一度立ち止まって子どもたちと一緒に考えるべき時期に来ています。いくら便利とはいえ、これらの道具を使うのは人間であり、主役は人間です。道具に振り回されてはなりません。

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