2019年6月10日月曜日

花だより ガーベラ ユキノシタ 運動会で何を教える?


 運動会で何を教える? 集団規律・集団行動についての指導を考える
 最近の運動会では、集団規律や集団行動がうるさく言われなくなった?
 年配の先生からは、「これでいいのか?」と疑問が出る。(私もその一人)
 学習指導要領の改訂で、「教育課程の改善(「楽しい体育」)」により平成10年度版からは、体育科の中で「集団としての行動の指導」は削除された。体育の時間で教えていないのだから、できないのは当然!?
 ~個性を大事にする。自由を尊重する。子どもを束縛してはならない。北朝鮮の軍事パレードを連想する。軍国主義的発想という批判~でも、それでいいの?
1 集団規律・集団行動は必要
 個性とか自由とかと言っても、それは集団の活動や日常生活の中で発揮されなければ意味がない。
もしこの点を無視したならば、単なる自己中心的なわがままで迷惑な行為である。
 集団規律・集団行動をなぜ教えるのかと言えば、個性や自由を生かすために、集う楽しさを教える、そのために必要なのである。また、体を通して覚えさせる教育という範疇に属し、それには体育科をおいてあり得ない。
2 集団規律や集団行動は学習の効率を高める
 体育の授業は、「運動」と「学習」が立体的に織り成って進む。そのため他の教科より多様で集中しにくい。だから集団規律・集団行動が特段に必要になる。
3 事故防止につながる
 人間には「集団本能」とか「集団欲」といった生理学的な機能が組み込まれている。したがって集団生活という人間にとっての宿命ともいえる生活様式から少しでも事故を防止し、一人一人の安全を守っていくために欠かすことのできないものである。
4 どう教えるか?
(1)教師自ら示範する 
  教師は指揮したり、管理するのではなく、実行者であり、示範者である。
(2)行動の様式を教える
 ・気をつけの姿勢 ・休めの姿勢 ・腰をおろして休む姿勢 ・方向変換 ・集合
 ・整とん ・番号 ・解散 ・足ぶみ ・かけ足 ・停止 ・立礼 など
(3)全校あげて継続する
  どの先生も、集団規律・集団行動をしっかり守る、そして、継続する。これを抜きに 
 集団規律・集団行動の徹底はありえない。最近、集団生活に馴染めず、反発したり逃避 
 したりする哀れな児童生徒の事例を耳にする。  
  幼児期における集団行動に何らかの欠陥があったからであろう。では、どうしてそう
 なったか、子どもの教育にとって集団活動に馴染ませることがどんなに重要な教育か、
 まずその認識に欠ける学校の存在があったこと。次に教え方が適切ではなかった。とき
 にこれが同じ日本の学校の児童生徒かとわが目を疑うことも珍しくない。しかし、指導
 が充実し、「集う楽しさ」を教えられた児童生徒は、決して哀れな育ち方はしていな
 い。(改訂前の体育科の手引きから)


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