2019年6月17日月曜日

花だより ウツボグサ 教師の国語力(母語)を磨く


  国語科の指導力向上は、自身の言語生活を高めること
 最近の教師は本を読まない、自分が文章を書くことしない、などとも言われる。「すべての教師は、国語教師である。」「教師は言語環境そのものである。」などと言われています。読書や表現によって自身の言語生活を高める基盤作りを教師なら心がけたいものです。
 学級(学校)母語の育成
「学級母語」とは聞きなれない言葉ですが、「母語」とは子どもが父母のもとで、迎えられ、育つ生活言語体系です。日本語の場合は、日本語が母語であり、国語の前提をなしています。しかし、学級・学校も日常の言語生活の場です。そこには集団生活を円滑にするためのルールや習慣の形成を付加した学級母語があります。
 学級母語は、教師による集団への指示や子どもたちへの言葉がけで形作られます。学級経営の母胎は、言語環境なのです。ですから教師は、自分の言語環境として、言葉かけのチェック・修正に心がけなければなりません。
 ◇こう言っていませんか?◇
「おまえは、いつもよそ見をしているから聞き逃すんだ。」
「ふざけないで最後まで掃除しなさい。」
「声が小さいよ。それじゃ、みんなに聞こえない。」
「また、おまえか。何度言ったらわかるんだ。」
 ◎言い換えするなら◎
「大事な話には、集中するんだよ。」
「自分の仕事が終わって、友だちを手伝えば120点だね。」
「○○さんの口の形を見ながら聞くと、聞き取れますよ。」
「同じ失敗をしないように、一度立ち止まって考えよう。」
*ついつい言ってしまうことがあります。一度立ち止まって言い方を考えてみましょう。
 教師の「書く」には、「文・文章を書く」「文字を書く」の双方が教師に求められます。1年生の担任になって、ひらがなを改めて書く練習をしたという教師も少なくないはずです。(正しいひらがなを書く先生が少なくなりました。)“かな”の指導だけでなく、板書はすべて子どもの手本になります。また、通知表の所見を読む保護者は、その文字や文章で、教師の人となりの印象を持つものです。少なくとも、伝える相手に、何を伝えたいかが分かる文章を書くことは教師の基本です。子どもの作文に入れる評文が、2年生にも6年生にも同じような言葉づかいで書かれている事例も少なくありません。
 学力テストの国語の結果が芳しくありません。国語力は、一長一短に身に付くものではありません。教師の国語力(母語)を磨きましょう。


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