「正坐のすすめ」
昭和大学名誉教授 森 義明 (整形外科教授:専門は膝・リュウマチとリハビリテーション)
最近、正坐ができなくなっている人が多い。また、正坐をする機会も少なくなった。
お寺でお坊さんの説法を背筋を伸ばし、正坐をして聞いている金髪の若い女性を見た。その傍らでGパン姿の日本の若い女性が両膝を伸ばして聞いていた。
正坐は日本特有の座り方である。特に正坐は、茶道などの習い事、柔道などの武道、日本舞踊などの芸道や礼儀作法も含めて、日本の伝統文化と言われるものはどれも正坐抜きには考えらない。
敗戦後、アメリカ文化が怒濤のように押し寄せ、衣・食・住や生活習慣にいたるまで欧米化された。日本人でありながら、日本本来の良さを認めず、欧米のものを批判することなく受け入れる習性が顕著にみられる。そのために消えようとしている大事な生活習慣の一つが「正坐」である。
正坐は、膝に悪い、がに股になる、下肢が短くなるなどと最先端の知識のように振りまく無責任な多数の指導者がいた。それには根拠のないことが多く、逆に膝だけでなく、姿勢、呼吸、それに身体的にも、精神的にも有益な面が多くあり、また作法にも大切であることが忘れられている。
しかし、欧米人に、このような正坐の作法は理解されない。彼らには人前でしゃがむ、坐ることは、屈辱の姿勢であるからで、もともと価値観が異なっている。
これから先、生活習慣が欧米化し、正坐をすることが少なくなれば、長い間培われた日本の誇れる伝統文化というものが消滅してしまうのではないかと懸念する。
私たちは、幼児の頃から正坐を礼儀として教えられ、親に叱られる時には、正坐をさせられ、心がしまる思いをした。生活習慣の中で「正坐」の大切さを見直し、日本の正坐の文化との関わりを、次の世代へと伝えていきたい。
*膝の専門家は、こう言っています。
最近、正坐ができなくなっている人が多い。また、正坐をする機会も少なくなった。
お寺でお坊さんの説法を背筋を伸ばし、正坐をして聞いている金髪の若い女性を見た。その傍らでGパン姿の日本の若い女性が両膝を伸ばして聞いていた。
正坐は日本特有の座り方である。特に正坐は、茶道などの習い事、柔道などの武道、日本舞踊などの芸道や礼儀作法も含めて、日本の伝統文化と言われるものはどれも正坐抜きには考えらない。
敗戦後、アメリカ文化が怒濤のように押し寄せ、衣・食・住や生活習慣にいたるまで欧米化された。日本人でありながら、日本本来の良さを認めず、欧米のものを批判することなく受け入れる習性が顕著にみられる。そのために消えようとしている大事な生活習慣の一つが「正坐」である。
正坐は、膝に悪い、がに股になる、下肢が短くなるなどと最先端の知識のように振りまく無責任な多数の指導者がいた。それには根拠のないことが多く、逆に膝だけでなく、姿勢、呼吸、それに身体的にも、精神的にも有益な面が多くあり、また作法にも大切であることが忘れられている。
しかし、欧米人に、このような正坐の作法は理解されない。彼らには人前でしゃがむ、坐ることは、屈辱の姿勢であるからで、もともと価値観が異なっている。
これから先、生活習慣が欧米化し、正坐をすることが少なくなれば、長い間培われた日本の誇れる伝統文化というものが消滅してしまうのではないかと懸念する。
私たちは、幼児の頃から正坐を礼儀として教えられ、親に叱られる時には、正坐をさせられ、心がしまる思いをした。生活習慣の中で「正坐」の大切さを見直し、日本の正坐の文化との関わりを、次の世代へと伝えていきたい。
*膝の専門家は、こう言っています。
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