姿より、心こそ素敵な香りを放つ
容姿の美しさや若さにこだわる、見た目を重視する人がいます。しかし、「三日見む間の桜かな」と詠まれるように「花の命は短いもの」です。容姿は加齢とともに否応なく衰えていきます。
また、自分では「心は若い」と思っていても、年老いてくるとつい説教じみてきて、動くより屁理屈、「最近の若いもんは」と放言したり、「私の若いころは」と自慢話をしてしまうことが増えてきます。ところが周囲に示すことができるのは、容姿や若さなどではなく、その心と言動だけです。
「山椒は小粒でぴりりと辛い」「一寸の虫にも五分の魂」「美しいバラにはとげがある」など、見た目にとらわれてはいけないという格言はたくさんあります。また、仏教には「体は花のように萎れて散っていくが、心はたなびく香りのようにいつまでも残る」という例えがあります。姿より香りに生きる花もあるのです。
和尚さんの言葉より