2017年8月7日月曜日

花だより カノコユリ 釧路動物園


【平成23年度 網走市立潮見小学校 学校だよりから】
  釧路動物園長の講演から(夏休みの研修報告)
 旭山動物園に比べると影の薄い釧路動物園ですが、アムールトラのタイガとココアで一躍脚光を浴びました。◇動物園は「生死の現場」
開園からずっと釧路動物園の顔となって市民から愛されていたアフリカゾウ「ななこ」が死んでしまい、これで北海道の動物園からゾウがいなくなりました。これからゾウを動物園で飼おうとしたら、群れで飼わなければならないそうで、購入資金と施設設備に莫大な費用がかかります。また、お金をいくら積んでも買えない状況(自然動物保護の立場から)にあります。もう動物園でゾウは見られなくなるかもしれません。ゾウに限らず、自然界の動物を捕まえて売買することはできなくなっています。今は、動物園で飼っている動物を繁殖させるしかないのです。それで動物園同士での「婿入り、嫁入り」が多くなっているのです。
 ◇ホッキョクグマのツヨシは、実はメスだった。
ツヨシはメスだったのはある意味幸運だったのです。来年春には、盛岡の動物園に嫁ぐことになっていますが、ツヨシが生んだ子は、釧路動物園に所有権があるそうです。しかし、動物園での繁殖は、非常に難しいものがあります。育児放棄する親もいて、せっかく赤ちゃんが生まれたとしてもその生存率は非常に低い。タイガとココアも瀕死の状態で生まれてきました。それに四肢奇形と分かり99.9%助からないと誰もが思いました。それでも飼育員がネコ用のミルクを与え、曲がった後ろ足のマッサージを毎日続けました。そうした飼育員の献身的な介護が奇跡を呼んだのです。「本来自然の中で生きている動物を動物園という檻の中で飼っているのだから、私たちは精一杯のことをしなければならない。」と言っていました。
 育児放棄や高齢者の生存不明などの事件が夏休み中にありました。
 園長さんは言っていました。「動物園に来て、懸命に生きている動物の姿、それを支える飼育員の姿を見てください。動物園はこれまで公園課管轄でしたが、今は教育委員会管轄となり、教育機関となっています。動物園は、生きることを学ぶ場なのです。」

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