2017年8月31日木曜日

花だより ホウセンカ 家庭を育てる

~平成12年の作品~

【平成24年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
《シリーズ「イキイキ子育て」》 
  「母 の 品 格」 多 湖  輝 著
 子供を育てることは、家庭を育てることと 核家族が主流になって、さまざまな個性を持った家族ができてきました。
暮らしぶりも千差万別。朝食はトーストとミルクという家庭もあれば、ご飯と味噌汁という家庭もあります。それぞれが自由に冷蔵庫から勝手なものを出して食べるビュッフェスタイルのような家庭まであります。
 暮らしぶりがさまざまだから、それぞれの家庭の生活スタイルに合わせて、いろいろな個性が生まれてきています。家庭の生活スタイルは文化ですから、その文化の中で“自分流”を貫く人もたくさん出てきます。
 言葉を換えれば、みんなバラバラになってしまって、手本となるような暮らしぶりや生き方がなくなってしまったということになるのかもしれません。
 若い人から「オンリー・ワン」という言葉が出てきます。要するに、自分の個性を生かした生き方をしたいということなのだと思います。見習うべき手本がないから、自分を磨いて「オンリー・ワン」を際だたせていくしかないということでしょう。ただしこの考え方は、大変危険です。
 崩壊している日本の家庭が、突拍子もない「オンリー・ワン」の考え方を生み出しているのは間違いないからです。「うちの子の髪を金髪に染めてなぜ悪い。誰に迷惑をかけているわけではない。」こういう育て方だって、「オンリー・ワン」の人間を育てる育て方といえばいえます。しかし、そういう危うさをもっている家庭を再生させられるのも、また家庭でしかありません。
 突拍子もないことを主張して、自分の生き方を際だたせようとすることは、みっともないことだと子供に教えられるのも家庭なのです。
 親が子供に教えられるのは、「散らかしたものは自分で片付けなさい。」というきわめて常識的なことです。
でも、そういう常識を身につけた人間にこそ本物の「オンリー・ワン」をめざす資格が備わっています。

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