2017年11月30日木曜日

花だより ハマカタバミ 校長の職務


校長の職務 
  田んぼの肥やしは人の足音  教員の肥やしは校長の足音  
  毎日、毎日、丹念に田んぼを見回り、しっかり管理すること 
 教育とは適材適所たらしむること
 一人一人の能力を引き出し、それを十分に発揮することのできる分野、あるいは仕事に打ち込めるようにすること。その方法として適時適授、すなわち、経過する時に応じてタイミングを失うことなく、師弟の間には、互いに授け、授けられるとう関係が成り立たなければならない。
 ビジョンと必要な人材が見えてくると実は気がつかなかった自校の教職員の別な一面、新しい一面が見えてくる。どこの学校にも、いろいろな個性を持った教職員はいるが、それを校長がよく把握し、それぞれの能力に応じて適時適授を忘れることなく、適材適所たらしむることこそ円滑な学校運営につながる。  井出源四郎著より




2017年11月29日水曜日

花だより イチョウ テレビやゲームは使いよう


【平成26年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
  ~テレビやゲームは使いよう~
 テレビやテレビゲーム、ビデオにばかりにのめり込むと人間関係をつくる力や他人を思いやる心が育たない、仮想と現実の区別がつかなくなるなど、子どもの健全な心の成長に影を落としかねません。特に、暴力的な場面や露骨な性描写が盛り込まれたものは、親の判断で子どもに見せないようにし、それを家庭のルールにしましょう。例えば、ゲームソフトを選ぶときには、ゲームの内容によって対象年齢を表示するマーク(*)があるので参考にしてください。その一方で、子どもに良いと思われる番組を一緒に見るなどして、その内容を話題に子どもとのコミュニケーションを深めましょう。ところが見せたくない番組ほど子どもは見たがります。しかし、多くの情報を得るのにテレビやネットは、現代では欠かせないアイテムです。 
 *対象年齢マーク~CEROが行っている家庭用ゲームソフトの年齢別格付けにより対象年齢をテレビゲームソフトに表示しています。過激な暴力表現・性描写・反社会的な内容がどの程度含まれているかなどについて審査し、対象年齢を決定しています。
《子どもに見せたくない番組》  *全国PTA連合会調べ
 ①ロンドンハーツ  ②志村けんのバカ殿様  ③めちゃ×2 イケてるッ! 
 ④とんねるずのみなさんのおかげ!  ⑤クレヨンしんちゃん
《子どもに見せたい番組》
 ①世界一受けたい授業  ②天才志村どうぶつ園  ③クイズバラエティーQさま!
 ④サザエさん  ⑤ザ!鉄腕!DASH!!

2017年11月28日火曜日

花だより キチジョウソウ アクティブラーニング


【平成26年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
 “アクティブ・ラーニング” 自分で考えて行動することが大事
 10年、20年後どんな社会になっているか、先が見通せない、予測のつかない時代になると言われています。そんな時代に生きる子どもたちには、これまでの先生から一方的に教わる受け身の学習ではなく、自ら主体的に学ぶ(アクティブ・ラーニング)学習が必要です。これは学校の勉強だけでなく、スポーツでも同じです。言われたことだけをやっていては、上達しません。自分で考えることが大事です。
 急激な社会の変化に伴い、15年後がどうなっているか予想が付かない。ロボットが人間に代わって仕事をするようになり、おそらく8割は、今はない新しい職業に就くと言われています。
 「将来何になりたいですか?」と聞くと、女の子なら、以前は看護婦、スチュワーデス(キャビンアテンダント)、美容師が定番でした。一昔前は、お嫁さん、専業主婦もありましたが、もうあり得ません。芸能界にあこがれて、AKBに入りたいというなら理解できますが、意外にも吉本興業に入ってお笑い芸人になりたいという女子が増えているというのには驚きます。しかし、芸人はロボットにはできないでしょうから、アリかもしれません。


2017年11月27日月曜日

花だより アゼトウナ 花燃ゆ


【平成27年度 北見市立北小学校 校長室だよりから】
 全国小学校長会研究協議会(山口大会)に参加して (10月22・23日)
 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(井上真央主演)の舞台になっている長州(山口県山口市)に全国から2600人の小学校の校長が集まった大会に参加してきました。日本の教育が抱えている課題など、難しい内容を2日間にわたり、講話を聞いたり、意見交換をしたりしてきました。
 難しい話は別にして、分科会のグループ討議のとき、千葉県船橋市、鹿児島県奄美大島の校長先生と一緒になり、休み時間にこんな話をしました。
「船橋市と言えば、ふなっしーが有名ですよね?」
「公認キャラを申請したけれど、断られたようで、船橋市には、別に公認キャラクターがいるのですが、知名度はまったくない!公認されなくてよかったんですよ。今は超売れっ子で市の長者番付では、1位じゃないですか?ある梨農家の庭先に着ぐるみが干してあったという話がありますよ。」と裏情報をもらいました。
「奄美大島といえば、カラオケバトルで有名な歌手の城 南海(きずき みなみ)さんの出身地ですよね?」
「奄美は、とにかく何かあると、泡盛と島唄と踊りなんです。小学校の「総合」でもやっています。歌の上手い人は、たくさんいます。三線もほとんどの人が弾けますよ。島唄は沖縄だと思っている人が多いようですが、奄美が本場ですから…。」と奄美の自慢話がしばらく続きました。
「帰るとすぐ学芸会なんです。」
「えっ!学芸会ですか?うちの方では、音楽発表会とか学習発表会はやっていますけどね。もう学芸会はやっていません。秋は運動会ですね。」
日本は広いです。ところ変われば…です。北海道では当たり前のことが、他の地域では珍しいということがたくさんありました。朝、登校する子どもたちの集団に出会いました。小学生は制服を着ていて、先頭は交通安全の旗を持った6年生です。山口県では、集団で登下校していました。
『おいでませ山口』 幕末、日本を大きく動かす歴史舞台となった山口県には、志を胸に懸命に生き抜いた先人たちの熱いエネルギーが今もなお息づいている感じがしました。“志を立ててもって万事の源となす” 自分のことより、天下国家を大事にして、松下村塾を主宰し、幕末・維新に活躍した多数の志士達(久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋など)を輩出した吉田松陰は、わずか30年の生涯でしたが、その感化力は、世界史上でも類がなく、不世出の教育者として知られています。
 私は間もなく60歳の還暦を迎えます。吉田松陰の倍生きていますが、この差は何かな?と反省した旅でした。山口は連日25℃を超える暑さでした。北見に戻るとこの寒さです。堪えました。
 


2017年11月25日土曜日

花だより カエデ 校長心得 校長五訓


~校長心得~
命(命令)を下すと忖度の違い?
自分がこうしたいと思うことを人に命じて、その命のままに自在に人が動くということは、事を運ぶうえにおいて、きわめて大事なことである。しかし、命になれて、いつのまにか命がなければ人が動かないということになっては大変である。組織は成り立たない。 
組織が硬直すると、進歩も発展も生まれない。たとえ命がなくても、以心伝心、命ずる人の意を汲んで(忖度?)、それぞれの人が適時適確にすすんで事を運んでゆく柔軟な姿のなかにこそ、かぎりない発展性が生まれてくる。 
 そのためには、命を下す前に、まず人の言うことに耳を傾けることである。まず聞くことである。聞いた上で問うことである。そして、そこに我が思い異なるところがあれば、その気づかざる点を気づかせ、思い至らざる点の理非(道理にかなっていること、いないこと)を説く。そうした納得の上に立って、断固、命を下さねばならない。命を受ける人に納得があるということは、その人の知恵がそれだけ高まったということである。わけのわからぬままに命に従わせていたのでは硬直する。命を下すということは、ほんとうにそんな容易なことではないのである。 (松下幸之助の言葉を参考に) 

2017年11月24日金曜日

花だより ネリネ 最高の我が家 幸せ七変化


【平成26年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
《心がホットステーション》  
 「最高のわが家」   
                  福島県 中学1年生の作文
 「お前の家、ボロだなあ!」氷の刃のような冷たく鋭い言葉。私は、この場から早く去りたいと思いました。忘れもしません小5の夏の日のことでした。逃げるように走って帰り、玄関を開けるなり、「お母さん、新しい家、建てよう。」と母にせがみました。
母は私を父の仏壇の前に座らせました。父は私が小2のとき病気でなくなりました。母と私と弟2人と2歳の妹を残して…。
「あなたが家を建てたいなら、お父さんの生命保険のお金で建ててもいいと思う。でも、この家は、お父さんとお母さんと4人の子どもたちといっしょに住んでいた家だから、どんなに古くても大切にしたい。お母さんには忘れられない思い出がいっぱいつまっているから。」母は涙ぐんでいます。(略)
 私はもう少しで忘れるところでした。他の人にとってはボロな家かもしれませんが、私の家族にとっては、父と出会える最高の家なのです。男の子の言ったあの言葉は、ちっぽけなものになり、私の胸から消えていきました。「お父さんの命のお金を、みんなの教育資金に使いたいの。そうすれば、一人一人にお父さんの命がわけられたことになるでしょう。」と言いながら母は、4冊の貯金通帳を私に見せてくれました。私たち兄弟一人一人の名前が書かれた通帳でした。
 今日も、父との思い出のいっぱい詰まった古い家に、母の夕飯づくりを手伝う弟や妹たちの声が響き渡ります。あれ買って、これ買ってとわがままいう子がいたら、この作文を読んで聞かせてみてはいかがでしょうか?


2017年11月23日木曜日

花だより ピラカンサ いい夫婦の日 


【平成20年度 斜里町立朝日小学校 学校だよりから】
 11月22日は、「いい夫婦の日」
 今さら「愛しているよ」とは言えないけれど「ありがとう」と言える仲
 経済産業省は11月22日を「いい夫婦の日」と制定し、ゆとりある生活や生きていくことの意味を夫婦という単位から見つめようと毎年、理想の夫婦を選ぶ「パートナー・オブ・ザ・イヤー〇〇」や「いい夫婦川柳コンテスト」など様々な企画を進めています。
 今年の理想の夫婦に選ばれたのは、オリンピック陸上400mリレーで銅メダルをとった朝原宣治選手と奥さんで元シンクロ選手だった奥野史子さんご夫婦です。夫婦円満秘訣は、「思いやりを持ち、お互いの長所・短所を理解し、尊敬しあうこと」だそうです。
 いい夫婦川柳大賞は、「医者よりも 看護師よりも あなたの手」
最近では、日本映画製作所連盟など4団体からなる「映画館に行こう!」実行委員会が、夫婦のどちらかが50歳以上であれば夫婦2人で2000円で映画が見られる「夫婦50割引きキャンペーン」を行うなど、少子高齢化対策の一環として、夫婦で過ごす時間を見直し、お互いに尊敬し感謝しあえる関係づくりに様々な取り組みがされています。
 そこで「いい夫婦の日」に観るお薦めの映画が「まぼろしの邪馬台国」だというので、11月22日に北見まで映画を観に行ってきました。
 昭和40年代の日本に邪馬台国ブームをもたらした目の不自由な文学者宮崎康平と彼を支えた妻和子の絆を描いた感動ドラマ。主演の和子を演じたのは吉永小百合さんです。
 60歳を過ぎているとは思えない美しさに驚いた妻は、目を真っ赤にして言いました。「どうして彼女は、若くて、きれいで、気品があるの?あんな奥さん本当にいるのかしら?」
 いい夫婦の日川柳の入選作に「大丈夫 賞味切れても 熟年期」というのがありました。
今さら、「愛しているよ」とは言えないけれど、いつまでも「ありがとう」と言える仲でありたいものです。


2017年11月21日火曜日

花だより リュウノウギク 校長の日々 


  《毎日が怖い!校長の日々》
 ある新任校長が、「校長になったら、ああしよう、こうしようと思っていたのですが、はっきり言って怖いですね。」と言った。 
 校長はなぜ怖いか。毎朝、子どもたちが学校に来る。次の日も、また次の日も、それが繰り返される。毎日の無事を日常と呼ぶのだが、ならば、日常とは奇跡の連続である。 
 なぜ怖いか。学校には様々な事柄や事態に対応しなければならない。子どもたちの様子、教職員の状況、保護者への説明、外部との関わり、教育委員会とのやりとり、膨大な校務のトップに校長がいる。学校経営の最高責任者であり、最終責任者である。つまり、後ろには誰もいない。もちろん設置者である教育委員会はあるが、学校内のすべての責任が校長にある。仕事はチームで進めても、最後の責任はひとりで負う。孤独な日々である。 
 なぜ怖いか。自分をさらけ出さなければならない場面が多い。式はもとより多くの機会に子どもたちや保護者に何を話すか、どんな文章を書くか。これは誰にも頼めない。当然、様々な判断も自分でしなければならない。自分自身の進退についてもそうである。自分ひとりでしなければならない。足が震えるけれど、そこから逃げることはできない。 
 みんなが校長を見ている。校長が、子どもたちや教員を守っているか。務めを果たしているか。多くの視線を感じる。これで怖くない人はいないだろう。 
 校長の適性とは、周りに助けてもらえるかどうかということのようだ。しかし、心ある周りの人たちも、その場にいない校長を支えることはできない。だから、支えてもらわなければならない者は、怖さに耐え、何とか力を振り絞って、その場にひとりで立ち続けていなければならない。 
 現場は、いま、そこにしかない。お手本はあっても、いつもその通りいくとは限らない。自分で考えるしかない。ブレない学校経営のしっかりした軸を持っていなければならないのだ。



2017年11月20日月曜日

花だより イワレンゲ 道徳教育 嶋野先生


  道徳教育 人間としての「目」を育てる   
 「ヒトの目に感性の働きが加わると、はじめて人間の目になる」と言われている。4億年という長い時間をかけてヒトの目になり、その上に優しさやいたわりなど、人間味を加えた目、つまり、人間性を持つ目ができて初めて「人間」と言えるのである。
  子どもたちは様々な環境の中で生まれ、育てられ、人間になっていく。しかし、この一人一人の子どもたちを取り巻く成長過程のその時々が、決して美しく、温かい環境ばかりではない。学校教育の中では、教科はもちろん、様々な学びを通して、自分の身の回りの人々の優しさや思いやり、自然の美しさや崇高さなどを見る「目」を持った人間に育って欲しいと心から思う。
  目は耳からの540倍の情報量が得られるという。目が情報獲得の窓であり、また、大脳と眼球は密接な関係にあることから創造力を育てると言われる所以である。
  子どもたちには、「何を見るか、真実は何か、これを見て何を感じるか、どのような価値を持つか」など、道徳教育には、目を育てる(心を育てる)教育が求められている。
 同時に、教師は子どもたちへの包容力を持ちつつ、濁りのない素直な目で見つめたい。そして、教育に関わる人間の「目」を大切にし、感性を常に磨き続けなければならない。
                        村瀬千樫(元北海道教育大学教授) 要約 牧野

2017年11月19日日曜日

花だより ムラサキシキブ ネットトラブル対策 ぼくにできるかな?


 ネットトラブル・スマホの是非に思う 
  みんながみんな悪いわけじゃない?
 最近は、「ライン」の他に「カカオトーク」というアプリが人気だそうです。ラインよりさらに簡単便利なアプリだそうですが、スマホがさらに進化して、5年後どころか来年にも、また新しいアプリが開発されて爆発的に普及するかもしれません。この辺りが先行き不透明な時代と言われる所以です。
 ネットトラブルやスマホ対策の特効薬的な具体策は残念ながらありません。
 一番心配しているのは、スマホと縁の少ない我々世代(年寄)です。スマホ時代の親は、それほど危険視していないということです。
もう親から子へ教える昔のような「自転車教授法」は通用する時代ではなくなっています。自転車の性能も周りの道路環境も昔とは全く違うからです。
私たちの時代はテレビでした。当時は「1時間以上テレビを見たらバカになる。」と言われました。テレビゲームやファミコンがブームのときも同じようなことが言われました。
 ただその中で注目したいのは、子どもの中には、そうした流行りを冷静に見て節度ある使い方をしている子どもの方が多いということです。やや楽観的かもしれませんが、子どもを信頼して、スマホの接し方を見守ってはどうかと思います。
いつの時代も子どもたちは、大人が心配するより冷静なのかもしれません。ただし、どんな子どもたちかと言えば、家庭がしっかりしているということです。


2017年11月18日土曜日

花だより ウメバチソウ 睡眠負債 幸せ七変化


 《シリーズ「イキイキ子育て」》
 「睡眠負債」
 医療や健康に関するテレビ番組が多くなりました。これも高齢化の影響なのでしょうか?我が家でも観ていて、妻は健康によいという食材を率先して購入しています。
 その健康番組で今話題になっているのが「睡眠」です。毎日、数時間ずつ寝不足が積み重なっていき、それがある基準を超えると重篤な疾患にかかるリスクが高まるというものです。寝だめは意味がないと聞きますが、休みの日にはいつもより多く寝てしまいます。むしろ少しぐらいならそうしたいものです。ところが、寝だめは何ら効果はなく、そうした日に2時間以上多く寝てしまう人は「睡眠負債」を抱えているそうです。人によっては最適な睡眠時間は違いますが、ある調べでは日本人の平均睡眠時間は7.5時間です。これを目安に自身の負債を調べてみてはいかがでしょうか?
 睡眠負債は子どもの方が深刻
 寝る子は育つ 睡眠が変われば子どもが変わる!
 睡眠の短時間化、ゲーム漬けの生活で昼夜逆転、寝不足による学校不適応、睡眠障害などが急増している。食育の次は睡眠教育(眠育)と言われています。
 

2017年11月17日金曜日

花だより イソギク 若者文化事典 好かれるために


   ネットトラブル 批判ばかりしないで子どもたちの実態を知る
  若者文化事典   フリーライター 今 一生
                月刊「生徒指導」10・11月号
病み垢【やみあか】 ツイッターで精神病者を自称するアカウント
 ツイッターで複数のアカウントを持ち、ハンドルネームを変えるのは、今の10代の若者にとって当たり前の作法です。日常的につきあっている友達や家族にも言えない話題は、ふだん使っているアカウントでは言いにくい。精神科の病院に通院していたり、リストカットなどの自傷行為をしているなどの話題は、つぶやけないのです。
そこで「病み垢」と称し、リストカットの傷の写真を公開したり、精神科で処方された薬を過剰摂取したことを書き、現在の自分のつらさを受け止めてもらえそうな人にだけ伝えようとするわけです。
 もっとも、世の中には精神科にお世話になっている人を「基地外」と気味悪がったり、病院を詐称するネットユーザーを嫌う向きもあり、病み垢のアカウントをつくっては消し、新たに別なアカウントを設ける人もいます。
このようにアカウントを消しては新設するユーザーの増加が浮かび上がらせているのは、日常的なつらさを受け止めてくれる人間関係がオフライン(リアル)の世界にもネット上にも乏しく、孤立しているが現実だからです。
 これはスクールカウンセラーがいくら導入されても、同世代・同級生に自分の境遇を理解されていない現実の反映です。同時に、教職員の多忙さによって身近な大人との関係も深まらず、生徒自身が自分の家庭における問題を誰にも打ち明けられない現実が横たわっているともいえます。
タヒる【たひる】「死ぬ」の俗語
 以前、匿名掲示板「2ちゃんねる」で「死ね」と書く一部のユーザーが見られた。しかし、「死」の文字面ゆえに殺人予告と受け取られて警察へ通報される恐れから、最近は「タヒね(死ね)」という書き方が隠語として使われはじめた。
 そこから転じて「タヒる」は「死ぬ」を意味するようになったが、実際に使われるニュアンスは「死ぬほど大変」「死ぬほどあせっている」という意味だったり、ゲーム中に自分が使っていたキャラクターが死んでしまったときに「タヒちゃった(死んじゃった)」という具合に使われている。
PicsArt(ぴくすあーと) 世界で4億人が利用している写真の加工・編集アプリ
 約3000種類の*エフェクトが可能なため、イラスト作成、文字入れ、文字消し、自撮り加工、切り取り、*コラージュなどの画像加工がこれ一つで全てできるため、女子中高校生の必須アイテムとして流行している。
 さらにインスタグラムやLINEとも連携でき、プラットホーム上では、自分が作った作品や素材を配付したり、会話もできるため同世代の女子同士のコミュニティーも楽しめる。
 とにかく微妙な加工を楽しみたいこだわり派の女子に受け、1日何時間もスマホ画面を見て暮らすのが、現代の青春の一つの側面なっている。遅かれ早かれ、スマホ界のアーティストとして尊敬される次世代が、こうした文化から生まれる予感すらある。
 *エフェクト=映像や動画に特殊効果を与える。映像や音声を加工すること
 *コラージュ=バラバラな素材を組み合わせる。境界をなくすこと

2017年11月15日水曜日

花だより ミゾソバ 褒めて伸ばす弊害 耐える力

 《シリーズ「イキイキ子育て」》
 ~子どもに言ってははいけない言葉かけ~
 「褒めて伸ばす」の弊害?
 前にあげた2点は、子育てでもよく言われ、お母さんたちも注意を心がけていることだと思います。しかし見逃されがちなのが、子どもをけなすのでなく、「褒めない」ということの影響です。たとえば、妹の前で姉を褒めると、妹には直接にはネガティブなことも何も言っていないので、親はこれをOKと思ってしまいがちです。
しかし実際には、妹は自分がけなされたと受け止めるのです。親が意図しない言外のメッセージを受け取ってしまう、これが盲点です。
 姉と妹と二人で親戚の家に行って、「あら~、お姉ちゃんすっかりきれいになって~」と言われたとします。親戚は「褒めたつもり」なので、まったく悪気はないのです。しかし、妹にしてみたら、「きれいになったと言われない=自分はきれいじゃない」というメッセージを受け取ります。だから、先ほどのように「お姉ちゃんに比べてあなたは……」と言われたのと同じ心理状態になるのです。
 最近「褒めて伸ばす」という教育法が注目されている一方で、子どもは、傷ついているのです。人間は、差に敏感な生き物なのです。きょうだいならばなおさら、何事も平等にしてあげなければいけません。片方だけを褒めるときは、一人だけのときにしたり、「ちょっとこっちにおいで」と手招きして耳打ちするなどの配慮をすべきです。
  親は何を意識して子どもに話しかけるべきか?
 子どもは大人のメッセージを敏感に察知するのです。では、大人は何を意識して子どもに話しかけるべきなのか。
・こどもは、「親が思っている自分像」をそのまま「自分像」として受け止める
・いくら頭にきても子どもの存在を否定するようなことを言わない
・兄弟や友達と比べるのは、仲を悪くする元凶。親は自分のことが嫌いなんだと思ってしまうため、自分に自信を失ってしまう
・ひどいことを言いそうなときには、「完璧なママ」を目指していないか考えてみる
・そんなとき、必ずまわりにサポートを求めること
・褒めているつもりで、「褒められない子」を作らない
・褒めるときは、その子一人だけ、ほかにいる前では褒めない
 「子どもは敏感なのだ」とかつての自分の子ども時代を思い出しながら、「自分が言われたらいやな事は言わない」「自分が言われたらうれしいことで、声をかけてあげる」を原則にする程度でも、十分な心がけかもしれません。
親と子も人間関係。お互いに気持ちよく信頼関係を結べるような会話をしたいものです。

2017年11月14日火曜日

花だより ダルマギク 比較しない 君は君


 《シリーズ「イキイキ子育て」》
 子ども同士を比較するような言葉かけをしない
 親がうっかり言ってしまいがちなのが、「お姉ちゃん(お兄ちゃん)に比べてあなたは……」、「〇〇ちゃんはできるのに……」などと、子ども同士で比較して評価する言葉です。比較された子どもは、どういう心境になり、どのような行動に出るかといえば、
「お母さん(お父さん)は、お兄ちゃんだけが好きなんだ。私のことは好きじゃないんだ。」
 このように思ってしまった子どもは悲劇です。下手をすると、一生この気持ちを引きずることもあるのです。小さいうちほど、「親からの評価=自分の評価」になってしまいがちなのが子どもです。つまり、「自分は親に好かれていない=自分は生きる資格がない」と飛躍してしまい、自分を大切にできなくなったり(自尊心の低下)、自分はやればできるんだ!という気持ちが無くなったり(自己効力感の低下)してしまうのです。また、その比較された対象、例えば兄弟に意識的・無意識的にも関わらず「敵意」を持つようになります。
子ども同士を比べてしまうとき、それを言う親は、学校での成績であるとか、友人関係や行儀など、いつも子どもを評価しているのです。「評価」をあせる親が、真面目さのあまりつい厳しいことを言ってしまって、取り返しがつかなくなる、子どもに対する言葉の暴力を止められない、そういうお母さんは少なくありません。
 自分では子どもにひどいことを言うのを止めようと思っていても止められない、このようなお母さんは、意外にも「理想の子育て」を追いすぎている場合があります。例えば、
・子どもに絶対怒らない ・いつも笑顔 ・いつも一緒に遊んであげる
・いつも手作りのお菓子を作ってあげる ・いつも褒めてあげている
 子どもに虐待をしてしまうお母さんは、意外にも「良いママ像」に苦しんでいる場合があります。そして、ひどいことを言ってしまい子どもの寝顔をみながら自己嫌悪に陥ったりするのです。ドラマのようないいお母さん、いい子どもなんて、そうはいません。子育ては、教科書通りにはなかなかいかないものなのです。それから周囲の助けを得ることです。夫が忙しいならば、実家、近所のママ友達、児童館、民生委員、保育園など、自分だけで子どもを抱えず周りに甘えることです。これが「ソーシャルサポート」(社会援助)です。

2017年11月13日月曜日

花だより ヒマラヤスギ 育ての心 


 《シリーズ「イキイキ子育て」》
 子ども自身の存在を否定するような言葉かけをしない
「あなたがいなければ」という、その子の存在を全否定する言葉は絶対タブーです。
同じように、親は何気なく言っているつもりなのかもしれませんが、「あなたは男の子なんだから」などの言葉かけも深く傷が残ってしまうことがあります。努力ではどうしようもないことを言われ、子どもはやはり自分を否定されたと感じてしまのです。
 子どもの存在を否定するような言葉は、なぜいけないのか。そして、それを聞いた子どもはどのように感じ、どのような影響を受けるのか。
  子どもは親から非常に大きな影響を受けます。存在を否定するような言葉は、「心理的虐待」です。叩いたり蹴ったりはしていないものの、「暴力」の一種なのです。
 子どもは、親が思っていることをそのまま受け止めます。つまり周りから見てどんなに勉強ができても、親が「勉強ができない子」と思っていれば「自分はできない子」と思うのです。同じように親が「悪い子」と思っていれば「悪い子」と自分も思ってしまい、自分に自信が無く、できるという感覚を持てない子になってしまいます。

2017年11月12日日曜日

花だより ヤクシソウ 料理の基本技術を教える


 【平成25年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
 子どもが育つ!簡単で大切な50の方法 ジャン・ダーガッツ 著  
 ~料理の基本技術を教える~ 
子どもの生涯にわたって役立つ能力が一つあるとすれば何でしょうか?ゲームで完全制覇する能力でも、素敵な服を着こなす能力でもありません。それは自分の食事をつくる能力です。料理の基本的なことを知っていると自信がつき、それは子どもの自立を促すことになります。
 子どもはどんな技術を知っておく必要があるでしょうか?
○缶切りを使って缶詰を開ける。 ○レトルトパックをあたためる。 
○冷凍野菜を解凍して調理する。 ○調理済みの食品を電子レンジにかける。
○レシピの読み方を覚える。 ○ジューサー、ミキサー、トースターの使い方を覚える。     
○野菜や果物、肉、魚の鮮度を調べる。 ○果物や野菜の皮のむき方を覚える。 
○お皿を並べ、食卓の準備をする。
 以上の項目は、どれもいたって簡単ですから、親が見本を示せば、子どもはすぐに学ぶことができます。子どもが小麦粉を床にこぼしたり、卵料理を失敗したりしても、目くじらを立てる必要はありません。何度でもやらせてみて学ばせればいいのです。
 慣れてきたら、得意料理が作れるように励ましましょう。さらに、洗濯やアイロンかけ、掃除の仕方などは、家庭生活の基本です。こうしたことを教えるのが家庭教育です。
 ~雪の便りを聞く時節になりました。小学生の頃、この時期になると自転車をきちんと整備してしまっておくようにと親から言われたことを思い出します。当時、自転車は高価でした。父から油をさす箇所などを教わりながら、ピカピカに磨いて物置の奥にしまったものです。他にも車のタイヤ交換や庭木の冬囲いなど手伝わされました。こんな経験をさせるのも大切なことかもしれません。~
 “学問に王道無し” (学力を手っ取り早く上げる特効薬はない)
 漢字を100回書いたからといって学力がすぐ上がるものではありません。学力は毎日の積み上げが大切です。全国平均並は決して高いハードルではありません。今より少しの努力で達成できる目標です。同じ日本で同じ教育を受けていて、基礎学力に大きな差があってはならないと思います。学校でもこの結果を受けて、毎日の授業に役立てていきます。  


2017年11月11日土曜日

花だより ミズヒキ 教室はまちがうところだ


教室はまちがうところだ

 蒔田(まきた) 晋司(しんじ)

教室はまちがうところだ
みんなどしどし手をあげて
まちがった意見を言おうじゃないか
まちがった答えを言おうじゃないか
まちがうことをおそれちゃいけない
まちがったものを わらっちゃいけない
まちがった意見をまちがった答えを
ああじゃないか こうじゃないかと
みんなで出しあい言いあうなかで
ほんとのものを見つけていくのだ
そうしたみんなで伸びていくのだ
いつも正しくまちがいのない
答えをしなくちゃならんと思って
そういうとこだと思っているから
まちがうことがこわくてこわくて
手をあげないで 小さくなって
だまりこくって時間がすぎる
しかたがないから 先生だけが
勝手にしゃべって 生徒は うわのそら
それじゃあちっとも
伸びてはいけない
神様でさえまちがう世の中
ましてこれから人間になろうと
しているぼくらがまちがったって
なにがおかしい あたりまえじゃないか
うつむきうつむき
そうっとあげた手 はじめてあげた手
先生がさした
どきりと胸が大きく鳴って
どっきどっきと 体が燃えて
立ったとたんに忘れてしまった
なんだかぼそぼそしゃべったけれども
なにを言ったかちんぷんかんぷん
私はことりとすわってしまった
体がすうっと すずしくなって
ああ言やあよかった こう言やあよかった
あとでいいこと浮かんでくるのに
それでいいのだ いくどもいくども
おんなじことを くりかえすうちに
それからだんだんどきりとやんで
言いたいことが
言えてくるのだ
はじめからうまいこと言えるはずないんだ
はじめから答えがあたるはずないんだ
なんどもなんども言ってるうちに
まちがううちに
言いたいことの半分くらいは
どうやらこうやら言えてくるのだ
そうしてたまには答えも あたる
まちがいだらけの ぼくらの教室
おそれちゃいけない
わらっちゃいけない
安心して 手をあげろ
安心して まちがえや
まちがったって わらったり
ばかにしたり おこったり
そんなものはおりゃあせん
まちがったって だれかがよ
なおしてくれるし 教えてくれる
困ったときには 先生が
ない知恵しぼって 教えるで
そんな教室 作ろうやあ
おまえへんだと 言われたって
あんたちがうと 言われたって
そう思うだからしょうがない

2017年11月10日金曜日

花だより ガマ 耐える力



【2013年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
 《シリーズ「イキイキ子育て」》
 子どもが育つ!簡単で大切な50の方法  
                ジャン・ダーガッツ 著 
  ~子どもの学校での活動に興味を示す~
 授業参観には、できる限り行くようにしましょう。その機会を利用して先生と話し、学校での様子をうかがうことはとても大切なことです。主な理由は3つあります。
 まず、年に2~3回くらいしかない機会を逃すことは、特別な事情がない限り避けなければなりません。前もってわかっているのですから、それに合わせて予定を組んでおくことです。
 次に、子どもが家の外にいる時間の大半を過ごしている場所を共有することができます。子どもがいつもどんな環境で学んでいるかを知っておくことは親の努めです。
 さらに、授業参観は、子どもが家庭以外の場所で自分が活動している姿を親に見せる絶好の機会です。子どもとしては、自分の日頃の学習の成果を親に見てもらいたいという思いがあります。子どもが活躍している姿を親に見て貰って自分を認めてほしいのです。
 保護者面談(学級懇談会)にも残るように最大の努力をしましょう。学校と先生と話すことで、子どもに関する重要な事実を知り、もしも問題があれば早期にその芽を摘み取るだけでなく、子どもの学校生活と知的成長に興味を抱いていることを本人に知らせることができます。要するに、子どもに対し、「一生懸命学習に励んで立派な成長をおさめてほしい」というメッセージを伝えることができます。
 一般に、親が学校に関心を示すと、子どもは学習意欲を伸ばします。たいていの場合は、親が学校に意識を向けると、子どもは勉学に励んで、よい成績をおさめようと努力するものです。

2017年11月9日木曜日

花だより コウヤボウキ いじめと戦う

 いじめと戦う!=周りの子が「笑わない」こと
 いじめのギャラリーをどうとらえるか
      「いじめと戦おう」ホームページ制作者・地方公務員 玉聞 伸啓
 ~いじめの実態~小・中・高校別のいじめの傾向
 ●小学生は「ばい菌扱い」 ●中学生は「無視や仲間はずれ」 ●高校生は「スマホ絡み」
≪なぜ「ばい菌扱い」が小学校で流行するのか≫
 いじめっ子は、ターゲットにした子の悪口を流してイメージ操作し「こいつは叩かれるべき人間だ」という空気をつくってから、ある意味「みんなを喜ばせるために」いじめる。
 そのいじめの内容としては、小学校では、今も昔も「ばい菌扱い」が多い。これには理由があって、誰かをばい菌扱いすると、鬼ごっこをするのに便利だからです。普通に鬼ごっこをするときは、やりたい人を集めて、じゃんけんで鬼を決めてようやくゲームが始まります。一方で誰かをばい菌扱いすると、その子を触ってから他の子にタッチして「ばい菌が移った!」とやると、とたんに鬼が決まって周囲も逃げ出し、鬼ごっこがはじまります。休み時間をフルに使える。だから、ばい菌扱いが重宝されてしまうのです。
≪逃げ道が少なくなり、悪口が広めやすくなった≫
中学校のいじめは、昔と同様、無視や仲間外れが多い。ただ少子化の影響で、部活動や同学年における人間関係は、昔より濃くなっています。3年間付き合う同級生がほぼ変わらない学校が増えてきて、そこでいじめが起きると逃げ道がないのです。
 高校生のいじめは、スマホ絡みが多い。スマホのカメラで隠し撮り、LINEのグループチャットなどで悪口を言いふらすケース。いつの時代も「悪口を言いやすいツール」が流行るのです。
 昔は、本人にばれないように悪口を流すのに神経を使いましたが、今なら簡単に流せます。その点では、いじめの初期段階と言える特定の子のイメージ操作~悪口を広めることは、以前よりしやすくなったと言えます。
≪笑うギャラリーがいじめを助長する≫
 学校の先生に期待することは、いじめを笑って見ているギャラリーへの働きかけです。いじめの問題では、いじめっ子のリーダーがよくクローズアップされて、いじめをいかにしてやめさせるか、という話になりがちです。しかし、いじめっ子のリーダーだけを注意しても、なかなか抑止力は働きません。むしろカギを握るのは、そのいじめっ子の周りで「自分は手を出していないし、何なら、いじめられている子をちょっと気の毒に思っている」けれど「笑って見ている」ような子どもたちです
 こうした子は、何もしていないつもりなので罪悪感はありません。しかし、そうして笑って見ているギャラリーがいるからこそ、いじめっ子は調子に乗ってますますいじめるし、ギャラリーのさらに外側で眺めている子どもたちもいじめを止められないのです。遠巻きに眺めている子どもたちの目には、笑っているギャラリーも「一緒にいじめている仲間」に映り、大勢の人に立ち向かうのは怖いからです。つまり、いじめが長く続く原因は、笑って見ている子どもたちにある。いじめに加担したくないのなら、止めることはできなくてもいいから「笑うのをやめよう」と、そのことをぜひ伝えてほしい。
~いじめ問題では、これまでも“傍観者”への働きかけが大事だと指摘されてきました。傍観している子が「やめなよ」と言えるような環境を醸成することは言うまでもありません。しかし、それはなかなか難しいものです。「やめなよ」と言い出せなくても、「笑うのをやめればいい」ということでも効果があるのです。~
                                月刊「生徒指導」11月号より

2017年11月8日水曜日

花だより ダイモンジソウ 元気な脳


【2013年 北見市立北小学校 学校だよりから】
「北海道だから学力が低い」なんて、言われたくない!
~北海道だからという理由で子どもたちの学力が低いと思われたなら、私たち北海道人にとってこれほど悔しいことはありません。北海道の未来を担うのは子どもたちだからこそ、その子どもたちがどう言われ、どう思われるかに私たち大人が無関心であってはなりません。子どもたちに「生きる力」を育んでいくのは真の教育であり、導いていく私たち大人の責任にあります。~
 これは新聞に入っていた大手学習塾のチラシの見出しです。
 北海道教育委員会からも「ほっかいどう学力・体力向上運動」のリーフレットを作成し、学力と体力の向上を呼びかけています。学力向上には学習塾に通うことが手っ取り早い方法かもしれませんが、生活リズムを整えることでも学力向上に効果があります。こちらはお金がかかりません。試してみませんか?
 《時間の目安を決めて、子どもの生活リズムを整える!》 
◎子どもたちが夢や目標を実現し、将来自立して生きていくためには、子どもたちが主体的に適切な時間配分について考え、規則正しい生活習慣を身に付けることが大切です。そのためには、目標とする「時間の目安」を示すことが効果的です。
◎道教委では、各種データや他県の取組などを研究し、このたび、独自に時間の目安を設定しました。本リーフレットを参考に子どもと話し合い、学習や運動、読書などの目安を設定することを勧めます。
 寝る子は育つ!《睡眠時間》 
 必要な睡眠時間は個人差がありますが、6年生の目安はだいたい8時間です。日曜日などに普段と同じ時刻に目が覚めないような人は、毎日の睡眠時間が足りていません。子どもにとって睡眠はとても大事なことなのです。
 ~脳と睡眠の働き~ 
●夜更かしすると、体を強くたくましく成長させるための成長ホルモンがたくさん出なくなってしまいます。
●夜更かしして睡眠時間が減ることで、とても大切なレム睡眠という浅いねむりの回数が減ってしまいます。このレム睡眠の間に、脳は昼間に勉強したことや経験したことを復習して、記憶として書き込んでいます。レム睡眠の回数が減ると、せっかく勉強したことが記憶に残らなくなってしまうのです。
●睡眠時間が減ると、脳に記憶を書き込むために働く海馬(かいば)という部分が大きく発達しません。
●ねむりのリズムを整え、脳がレム睡眠の間に、勉強したことをしっかり記憶するためには、夜は部屋を暗くしたり、音楽やテレビを消したり、携帯電話の電源を切ったりして、寝ないといけません。そうしないと寝る前までにした努力が無駄になってしまいます。
●夜は「何時に寝る」と自分でルールを決め、しっかりとそれを守ることが重要です。そうすると、夜更かしをしたときよりも、起きている時間をむだなく使うことができるようになります。その結果、さまざまな能力や成績も上がり、自分の夢に近づくことができます。
    ◇東北大学教授、医学博士 川島隆太「元気な脳が君たちの未来をひらく」より◇
*夜遅く、コンビニや居酒屋にいる親子を見たことがあります。以ての外です。これは児童虐待です。

2017年11月7日火曜日

花だより シラタマホシクサ 秋田県の秘密

【2012年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
~なぜ?学力が高い 秋田県の秘密~
◇▼◎■秋田県のPTA活動のスローガン 秋田わか杉っ子 学びの10か条◇▼◎
1 早ね早おき朝ごはんに家庭学習 規則正しい生活がスタートライン
2 学校の話題ではずむ一家団らん 笑いが脳を活性化
3 読書で拓く心と世界 めくるページ、広がる想像力
4 話して書いて伝え合う国語 国語力は学びの基本
5 難問・難題にも挑戦する算数・数学 あきらめずやりきることで能力アップ
6 新発見の連続、広がる総合的な学習の時間 総合の時間は脳のビタミン
7 きまり、ルールは守ってあたりまえ 落ち着いた教室で高まる集中力
8 いつも気をつけている言葉遣い 相手意識でみがく活用力
9 説明は筋道立てて伝わるように 整理する工夫が脳のトレーニング
10 学んだことは生活で学校ですぐ活用 活用できて本当の生きる力

2017年11月6日月曜日

花だより ノコンギク 孫が幸せに育つために



「孫が幸せに育つために」
 あたりまえのこと? 本州から引っ越してきた人の不思議
~“日曜日(休みの日)に、午前中から、息子の友だちが遊びに来るのに驚きました。”どこの家庭でも、休みの午前中はゆっくりしたいでしょう。お昼を済ませてから、遊びに行かせるのが常識と思っていました。それに息子が「〇〇ちゃんの家、お父さんもお母さんもいないから、遊びに来ないかと言われているんだけど、いってもいい。」と聞くので、「家の人がいないのに、行ってはいけません!」と言うと「そんなこと言うのウチだけだよ!」こうなんです。それに遊びに来た子が、勝手に冷蔵庫を開けたことがあったんです。息子に「あんたは、そんなことしてないわよね。よその家に上がるときは、ちゃんとあいさつをして、靴をそろえてあがっているの?ちゃんとしないとお母さんが笑われるんだから…。」こう言うのは、私も親からそうやって教えられてきたからだと思うのですが、北海道の家って、どこもそうなんですか?”~と言われました。
 おそば屋さんで会ったおばあちゃんの話
 家族連れが隣の小上がりの席に座りました。若夫婦と子どもたちは、さっそくメニューを見て、何にするか相談していました。最後に上がってきたおばあちゃんが、みんなの靴をきれいにそろえていました。所作というのは、何度も何度も繰り返しているうちに自然と身に付くものです。考えてやることではありません。この家族は、おばあちゃんが靴をそろえていたことに気づく様子はありませんでした。
 選挙にやって来たおばあちゃんの話
 校長はよく投票会場の立会人をします。何百人もの様子をずっと座って見ていて気づいたことがあります。お年寄りの多くは、会場に入ると礼をして、私たち立会人の前を通るとき、「お疲れ様です。」と頭を下げられます。お年寄りには、日本人の礼節を重んじる心がしっかり身に付いているように思いました。学芸会のご褒美に何か買ってあげるのもいいでしょうが、おじいちゃん、おばあちゃんの役目は、こうした礼儀を教えてあげることではないかと思います。よろしくお願いします。

2017年11月5日日曜日

花だより 初冬の斜里岳 学芸会


【2013年11月 北見市立北小学校 学校だよりから】
~○~ 学芸会の挨拶から ~○~ 
 本日は、北小学校の学芸会に足を運んでいただきましたことに心より感謝を申し上げます。学芸会は、運動会と違って天気を心配しなくていいので、少し気が楽ですが、台風の影響が出るのではないかと心配しました。ところが、今日は、朝から青空も見えています。足元がよくなってホッとしているところです。
 さて、「おもてなしは、精いっぱいの演技です。」という1年生のあいさつで始まった学芸会ですが、これまでいかがでしたでしょうか?
 1週間前、女の子が楽譜を持ってやってきました。見ると楽譜はボロボロで、中にはいっぱい書き込みがしてありました。休み時間も家に帰ってからも練習したそうです。
 この子に限らず、北小の子どもたちは、今日まで一生懸命練習を重ねてきました。しかし、うまくできるか、失敗しないか、出来はどうか、とても心配していました。
演技の出来映えは、終わったときの拍手の大きさで分かります。強要するのもおかしいですが、頑張った子どもたちに、どうか割れんばかりの拍手をよろしくお願いします。
また、「おじいちゃん、おばあちゃんも見に来るんだよ。」ととても楽しみにしていた1年生の子がいました。お孫さんの学芸会を楽しみにしていたのではないでしょうか?
一階のホールでは、習字や絵の作品展をしています。こちらを是非観ていただいて、帰りましたら、今日の学芸会、あそこがよかったね。絵も上手に描けていたね。と家族団らんの中で話題にしていただければ、学芸会を倍も十倍も楽しめるのではないかと思います。

斜里岳 天都山からの眺め

2017年11月4日土曜日

花だより 菊(3) 「頑張れ」と言わない


 「頑張れ」と言わない 
≪教師が一番使う言葉が「頑張れ」≫
 ~こんなときに使いませんか?~
 A 朝から廊下ですれちがった子に「おはよう!頑張ってる?」
 B 帰りの会で「今日もよく頑張ったね。明日も頑張ろう!」
 C 問題行動の指導後「次から頑張りなさい。」
 D 試合や発表を控えた子どもたちに「頑張ってください!」
 E 子どもから相談を受けたとき「負けずに頑張るんだよ。」
「頑張れ」は当り障りのない便利な言葉である半面、抽象的で曖昧な言葉でもあります。分かってはいてもついつい使ってしまいます。
≪何を頑張ればいいのか≫
いじめを受けている子に「負けずに頑張れ」と教師が迫れば、その子をますます追い込むことになりかねません。言葉をかけるなら「頑張れ」ではなく「助けを求めてもいいんだよ。私は君の味方だよ。」ではないでしょうか。
では、前述のA~Eの例ではどう話すべきでしょうか。
 A 「おはよう!ずいぶん寒くなったね。寒いのは平気?」「元気がないように見えるけど具合悪い の?」など、その子に応じた声かけができれば良いと思います。
 B 「今日も一日お疲れさま。気をつけて帰ってくださいね。」
 C 「君が話した今後の決意を応援しているよ。」その子の反省や決意を受け止め、後押ししてやりた いものです。
 D 「練習の成果が発揮できるように祈っています。」
 E 「つらかったね。」「大変な思いをしてきたんだね。」などの共感的な言葉かけが良いではないでしょうか。ここは教師の人間性や教育に対する理念が表れるところでしょう。
≪指導言葉を磨く≫ 
 スポーツのコーチが選手を指導するときは技術面をチェックして、改善・矯正に向けた助言をするものです。「頑張れ」とハッパをかけるだけのコーチはいないはずです。
 教師の仕事も同じです。子どもと接する全ての場面で「頑張れ」を使わないように心掛けると必然的に適切な言葉を探すようになります。
 優れた教師はいろいろな会話の言葉や指導の言葉を持っているものです。「頑張れを禁句にする。」とは「頑張れと言わずに子どもの良さを引き出す。そう心掛けることで教師の指導力も高まっていく。」と、そんなふうに家本先生の言葉を解釈しています。
                        (月刊「児童心理」11月号より)

2017年11月3日金曜日

花だより キク スマホしすぎで成績低下


 スマホしすぎで成績低下? 「電子機器の長時間利用が脳の働きを混乱させる」
  ほぼ勉強しない生徒より成績低下!
 調査を担当した東北大の川島隆太教授は、ニンテンドーDSで爆発的ヒットを記録した脳活性化ソフト『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』(脳を鍛える大人のDSトレーニング、脳トレ)を監修したことでも有名です。
 同教授によれば、電子機器の長時間利用が脳の働きを混乱させ集中力が低下するため、「使用は1日1時間以内を意識してほしい。」と言っています。
 調査は、仙台市立中学校に通う約2万4千人を対象に実施。1日あたりの勉強時間が同じ生徒でも、スマホの利用時間が長い生徒ほどテストの成績が低い傾向にあることが分かったという。
 家庭で2時間以上勉強する生徒の数学の平均点を調べたところ、スマホの利用時間が1時間未満と答えた生徒の平均点は75点、まったくスマホを使わないと答えた生徒の平均点は74.7点だった一方で、3時間以上利用すると答えた生徒の平均点は61.2点だった。とくに、4時間以上利用すると答えた生徒の平均点は57.7点で、家庭での勉強時間が30分未満の生徒の平均点62.6点を下回った。
 この傾向は、ゲーム機やPCも同様で、国語や理科、社会でも同じ傾向だった。もしかすると、『脳トレ』をプレイした結果、かえって脳の働きが混乱して成績が低下してしまった中学生プレイヤーもいたのかもしれない。

2017年11月2日木曜日

花だより ビート 斜里の甜菜工場 スマホ時代の子どもたち


 月刊「児童心理」特集~スマホ時代の子どもたち~ 2016年7月号
 ~編集後記~
 「スマホ時代の子どもたち」の特集テーマは、何年か前から編集会議の席上に提出されていたが、その都度まだ時期が早いのではと見送ってきたのだった。実は2008年10月号臨時増刊号で「ケイタイ、ネットの闇~子どもの成長への栄養を考える~」を組んだことがある。しかし、意気込んだ割には反響がイマイチだった。小学校の教員からは、「ケイタイもネットも家庭教育の問題で学校現場では関心ありませんから」と言われ、内心「そうじゃないはずなのに」と不満に思った記憶がある。
 しかし、10年近くの間に世は様変わりした。電車の座席では、乗客の7~8割が一心にスマホを触っている。ベビーカーを押して乗ってきた母親は吊革につかまりながら、面前スマホをしている。子どもは所在無げである。クリニックの待合室に病気の子どもを連れてきた母親が、スマホに目をやっている姿を嘆く医師の声も聞く。
 これだけ時代は変わってきたのだからと、思い切って今回「スマホ時代の子どもたち」のテーマを取り上げることにした。おそらく今後スマホユーザーが低年齢化していくことが避けられない状況の下で、そうした趨勢(すうせい)を危惧するだけでなく、「スマホに損なわれない子どもを育てる」のコーナーを最後に設けて、この魅力的ツールとうまく共存していける逞しい子どもを育てようとする、難しい今後の教育課題についても論じていただいた。8年前の失敗の挽回ができたかどうか、読者の方々のご賢察を待ちたいと思います。
  ソサイエティ(social)・仲間・社会 
 福澤諭吉先生の書物には“社会”という言葉は一つも出てこない。社会は英語で“ソサイエティ”であるが、先生はそれを“仲間”と訳していた。“ソサイエティ”はラテン語でソシウス(仲間)を語源とする。ラテン語を十分理解していた先生には「ソサイエティ」=「仲間」だった。今の日本では、このソシウスという仲間意識が薄い。社会とはメリットやデメリットを共有する者同士で作るものではない。相手を思いやる仲間意識が良き社会に他ならない。[social]を辞書で調べてみると、「社会」の他に、「社交的な、懇親の、交際上手な、打ち解けた」とある。
  SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)は、人と人との現実の関係をインターネットを使って補助するコミュニケーションのことで、SNSの場合は、匿名ではなく、参加者個人を明確にすることになっている。それはそれでいいのだが、インターネットを介さないと、相手を思いやる仲間意識が築けない社会に来るとは、福澤諭吉先生も思いもよらなかったでしょう。
 


2017年11月1日水曜日

花だより 菊 北見菊まつり ライントラブル


 子どもたちのLINEトラブルについて、LINE運営会社の対応は  
                LINE株式会社政策企画室・室長 江口 清貴
 行った先々の学校で子どもたちからよく言われるのは、「先生にもLINEを教えてあげて」ということなんですね。要は、子どもたちは、自分たちは、自分たちに起きることをきちんとわかってくれる相談相手を求めているんですよ。だから、私たちはよく先生方に、「子どもたちと話し合った上でのLINEやネットの制限ならいいのですが、一方的な禁止を言い渡すことはしないでください。」とお願いしています。一方的に禁止されても、使う子は使い続け、うしろめたさがあるのでトラブルが起きても先生には相談できず、問題が地下にもぐって重症化してしまうからです。
 どんなに健全な環境を整えても、集団があるかぎりトラブルが発生します。問題を重症化させないためには、子どもたちが先生や身近な大人を信頼して相談できる、ということが一番重要だと思っています。