2017年11月15日水曜日

花だより ミゾソバ 褒めて伸ばす弊害 耐える力

 《シリーズ「イキイキ子育て」》
 ~子どもに言ってははいけない言葉かけ~
 「褒めて伸ばす」の弊害?
 前にあげた2点は、子育てでもよく言われ、お母さんたちも注意を心がけていることだと思います。しかし見逃されがちなのが、子どもをけなすのでなく、「褒めない」ということの影響です。たとえば、妹の前で姉を褒めると、妹には直接にはネガティブなことも何も言っていないので、親はこれをOKと思ってしまいがちです。
しかし実際には、妹は自分がけなされたと受け止めるのです。親が意図しない言外のメッセージを受け取ってしまう、これが盲点です。
 姉と妹と二人で親戚の家に行って、「あら~、お姉ちゃんすっかりきれいになって~」と言われたとします。親戚は「褒めたつもり」なので、まったく悪気はないのです。しかし、妹にしてみたら、「きれいになったと言われない=自分はきれいじゃない」というメッセージを受け取ります。だから、先ほどのように「お姉ちゃんに比べてあなたは……」と言われたのと同じ心理状態になるのです。
 最近「褒めて伸ばす」という教育法が注目されている一方で、子どもは、傷ついているのです。人間は、差に敏感な生き物なのです。きょうだいならばなおさら、何事も平等にしてあげなければいけません。片方だけを褒めるときは、一人だけのときにしたり、「ちょっとこっちにおいで」と手招きして耳打ちするなどの配慮をすべきです。
  親は何を意識して子どもに話しかけるべきか?
 子どもは大人のメッセージを敏感に察知するのです。では、大人は何を意識して子どもに話しかけるべきなのか。
・こどもは、「親が思っている自分像」をそのまま「自分像」として受け止める
・いくら頭にきても子どもの存在を否定するようなことを言わない
・兄弟や友達と比べるのは、仲を悪くする元凶。親は自分のことが嫌いなんだと思ってしまうため、自分に自信を失ってしまう
・ひどいことを言いそうなときには、「完璧なママ」を目指していないか考えてみる
・そんなとき、必ずまわりにサポートを求めること
・褒めているつもりで、「褒められない子」を作らない
・褒めるときは、その子一人だけ、ほかにいる前では褒めない
 「子どもは敏感なのだ」とかつての自分の子ども時代を思い出しながら、「自分が言われたらいやな事は言わない」「自分が言われたらうれしいことで、声をかけてあげる」を原則にする程度でも、十分な心がけかもしれません。
親と子も人間関係。お互いに気持ちよく信頼関係を結べるような会話をしたいものです。

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