2017年11月9日木曜日

花だより コウヤボウキ いじめと戦う

 いじめと戦う!=周りの子が「笑わない」こと
 いじめのギャラリーをどうとらえるか
      「いじめと戦おう」ホームページ制作者・地方公務員 玉聞 伸啓
 ~いじめの実態~小・中・高校別のいじめの傾向
 ●小学生は「ばい菌扱い」 ●中学生は「無視や仲間はずれ」 ●高校生は「スマホ絡み」
≪なぜ「ばい菌扱い」が小学校で流行するのか≫
 いじめっ子は、ターゲットにした子の悪口を流してイメージ操作し「こいつは叩かれるべき人間だ」という空気をつくってから、ある意味「みんなを喜ばせるために」いじめる。
 そのいじめの内容としては、小学校では、今も昔も「ばい菌扱い」が多い。これには理由があって、誰かをばい菌扱いすると、鬼ごっこをするのに便利だからです。普通に鬼ごっこをするときは、やりたい人を集めて、じゃんけんで鬼を決めてようやくゲームが始まります。一方で誰かをばい菌扱いすると、その子を触ってから他の子にタッチして「ばい菌が移った!」とやると、とたんに鬼が決まって周囲も逃げ出し、鬼ごっこがはじまります。休み時間をフルに使える。だから、ばい菌扱いが重宝されてしまうのです。
≪逃げ道が少なくなり、悪口が広めやすくなった≫
中学校のいじめは、昔と同様、無視や仲間外れが多い。ただ少子化の影響で、部活動や同学年における人間関係は、昔より濃くなっています。3年間付き合う同級生がほぼ変わらない学校が増えてきて、そこでいじめが起きると逃げ道がないのです。
 高校生のいじめは、スマホ絡みが多い。スマホのカメラで隠し撮り、LINEのグループチャットなどで悪口を言いふらすケース。いつの時代も「悪口を言いやすいツール」が流行るのです。
 昔は、本人にばれないように悪口を流すのに神経を使いましたが、今なら簡単に流せます。その点では、いじめの初期段階と言える特定の子のイメージ操作~悪口を広めることは、以前よりしやすくなったと言えます。
≪笑うギャラリーがいじめを助長する≫
 学校の先生に期待することは、いじめを笑って見ているギャラリーへの働きかけです。いじめの問題では、いじめっ子のリーダーがよくクローズアップされて、いじめをいかにしてやめさせるか、という話になりがちです。しかし、いじめっ子のリーダーだけを注意しても、なかなか抑止力は働きません。むしろカギを握るのは、そのいじめっ子の周りで「自分は手を出していないし、何なら、いじめられている子をちょっと気の毒に思っている」けれど「笑って見ている」ような子どもたちです
 こうした子は、何もしていないつもりなので罪悪感はありません。しかし、そうして笑って見ているギャラリーがいるからこそ、いじめっ子は調子に乗ってますますいじめるし、ギャラリーのさらに外側で眺めている子どもたちもいじめを止められないのです。遠巻きに眺めている子どもたちの目には、笑っているギャラリーも「一緒にいじめている仲間」に映り、大勢の人に立ち向かうのは怖いからです。つまり、いじめが長く続く原因は、笑って見ている子どもたちにある。いじめに加担したくないのなら、止めることはできなくてもいいから「笑うのをやめよう」と、そのことをぜひ伝えてほしい。
~いじめ問題では、これまでも“傍観者”への働きかけが大事だと指摘されてきました。傍観している子が「やめなよ」と言えるような環境を醸成することは言うまでもありません。しかし、それはなかなか難しいものです。「やめなよ」と言い出せなくても、「笑うのをやめればいい」ということでも効果があるのです。~
                                月刊「生徒指導」11月号より

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