2018年11月30日金曜日

花だより ハナカタバミ 五郎丸ポーズ


 五郎丸ポーズをやれば願いが叶う? 
「校長先生、五郎丸ポーズをして『クリスマスプレゼントは、ゲームソフトにしてください!』と願ったら、必ず叶うって本当ですか?」
 勘違いしているんじゃないの?
「どうして五郎丸選手は、キックをする前にあのポーズをするのでしょうか?」
  :::「ルーティン」::: 
 ルーティン(routine)とは、決められた一連の動き、決められた一連の動作。これを何かに取り組む際に毎回すると物事に集中できて望み通りの結果を出すことができるのです。
 五郎丸選手以外のスポーツ選手では、イチロー選手のバッターボックスでの構えやお相撲さんの仕切りなど、みんな目標があって、それを果たすためにルーティン(決まったポーズ)をしています。
 私たちもこれを活用して、必要な行動を「習慣化」するためのルーティンの行動をすればいいのです。
 習慣には3つの要素があるそうです。①トリガー ②行動 ③報酬です。
トリガーは行動を自動的に呼び起こすためのきっかけ。行動は難しく考えずに言葉通り行動。報酬はこの習慣を何度も繰り返したいと思えるような自分へのご褒美です。この流れを繰り返し習慣化することが大切です。
 繰り返し、習慣化することは、すでに皆さんもやっています。朝、決まった時刻に起きて、朝ごはんを食べて、歯を磨いて、決まった時刻に家を出て、学校では決まった日課表通りに勉強して、帰ってきて、家庭学習をして、決まった時間だけゲームをして、決まった時刻に寝ること(規則正しい生活)です。このうち一つでも狂うと生活リズムが乱れ、物事に集中できなくなってしまいます。このところ遅刻が増えています。寒くなって布団から出るのが億劫になっているのではないでしょうか?生活リズムをきちんと守るのは五郎丸ポーズのルーティンと同じです。きちんと生活している子のところに、サンタさんはやってくるでしょう?

2018年11月29日木曜日

花だより イチョウ 全校朝会の校長先生は、なんか恐い?


  全校朝会の校長先生は、なんか恐い? 
  4年生の女子が校長室に来て言いました!
「校長先生、普段は優しい声なのに、どうして全校朝会になると恐い声になるんですか?普段通り優しい感じでおもしろい話をして欲しい。」と言われました。
 全校朝会は、全校児童が一堂に集まるものです。お話を聞くだけでなく、整列、姿勢、礼儀など集団行動、集団規律を学ぶ場でもあります。校長の話も“3つの「あ」を大切”に関すること、命に係わることや交通安全、いじめ、道徳やマナーに関することが中心なので、真顔で話す内容ばかりです。
 そうか? 全校朝会の校長先生の話はつまらない!と言われないように、たまにはおもしろい話でもしないといけないなあ!と反省しました。

2018年11月28日水曜日

花だより キチジョウソウ さわやかに・さりげなく・さいごまで


  “3つの「さ」を大切に”
   ~ さわやかに・さりげなく・さいごまで ~
 土曜日、学校に来ると駐車場に高級車が停まっています。土曜警備(土曜日の午前中勤務)の〇〇さんの車です。退職後、魚釣りや菜園づくりなど自由気ままに悠々自適な生活をしていたそうですが、シルバー人材センターから、「学校警備の仕事をしてみませんか?」と誘われ、子どもたちのために何か役に立ててればと思って引き受けたと言っていました。
 休みの日、中庭の草取りをしていると、「校長さんが、休みなのに出てきて草取りをするんですか?私がやっておきますから…。」職員室前の観葉植物の水やりをしていると、「校長さん、この“金のなる木”は、剪定しないとダメだね。任せてもらえるのならやっておきますよ!」と言ってくれました。
 秋になると中庭は、桜、カエデ、イチョウの落ち葉でいっぱいになりますが、土曜日毎に〇〇さんがきれいに掃除をしてくれています。
 高く伸びたサボテンが、冬を越して元気がなくなり、茶色になって枯れてきたので、捨てようか?と思っていたら、「校長さん、いやいやまだ大丈夫だ!」と言って、家から立派な鉢を持ってきて、支柱を立て、肥料を足して甦らせてくれました。
 夏休みのことでした。校長室に天井まで届きそうな青年の木(ユッカ)がありました。大きくなりすぎてバランスが悪く、倒れそうになるので切ろうとしたら、「校長さん、植物には『生きる力』があって、切ってもちゃんと世話をしたら、新しい芽が出てくるかもしれない。」と言われて、ハウスの中に入れて、水をやっていましたが、一向に新芽は出てきません。それでも辛抱強く水やりを続けていました。すると9月の末になって新芽が出てきました。10月も末になり、気温が下がってくると、ハウスから校舎の中(日当たりの良い、暖かい場所)に移しました。それから芽がぐんぐん伸び出しました。植物の『生きる力』は大したものです。
 全校朝会でこの話をしました。「みんなが大きく成長するためには、何が大事ですか?」と問うと「栄養のあるモノを食べることです。」と答えた子がいました。「その通りです。それと、植物と違って人が大きく成長するために必要なのは、ご飯を食べるだけでなく、学校で勉強することです。」と話しました。
 〇〇さんは、学校が休みの土曜日の勤務です。ほとんどの人は〇〇さんのことを知りません。ボランティアで大切なことは、人の為に尽くす、報酬を求めない、継続して行う、(さわやかに、さりげなく、さいごまで)と言われています。〇〇さんを見ていると、この通りの人だなあ!と思います。皆さんの知らないところで、北小を支えてくれている人がいます。

2018年11月27日火曜日

花だより アゼトウナ 知っているようで知らない「教科書」について


 知っているようで知らない「教科書」について  
      タダでもらっているけど、本当はいくら?
 義務教育の教科書は無償給与されているのは皆さんご存じだと思います。これは昭和38年度に始まった制度で50年以上の歴史があります。
 北海道は「教育出版」という会社の教科書が多く使われていますが、他にも数社あって日本中で同じ教科書を使っているわけではありません。各市町村教育委員会が選定しますが、オホーツク管内は、同じ教科書を使われています。例えば、東京から転入してきた児童には、教科書が違うので新たに用意します。
 教科書にも定価がありますが、一般の商品と異なり、各社が独自に設定することはできません。その年の国の予算に応じて、文科大臣が認可する制度になっています。
 平成27年度の小学校国語教科書6年生用は648円です。平成26年度の小学1年生の入学時に給与された教科書は国語・書写・算数・生活・図工の6点で合計2,128円です。
 教科書のページ数は増えています。学習指導要領の内容が増えたことや言語活動の充実で「はどめ規定」がなくなったこと、わかりやすさや学びやすさを追求して記述が工夫されたことなどにより、数年前の教科書に比べて、小学校で約34%増となっています。
 情報化が進展し、教科書の他にデジタル教材の活用が進んでいます。現在、デジタル教科書の位置づけに関して検討が行われています。紙面だけでなく、音声や動画等の様々なコンテンツを含んだ場合、主たる教材として扱うことをどう考えるか、採択や供給をどう考えるか、費用負担をどうするかなど難しい問題があります。ノートを持たずにタブレットで勉強する時代が来るかもしれません。

2018年11月26日月曜日

花だより サフラン 菊池亜美さんの講演会 紅葉


 北見出身のタレント 菊池亜美さんの講演会 
 本日のスペシャルゲスト菊池亜美さんの登場です。会場になった高栄中学校の体育館の扉が開くと歓声があがり、菊池亜美さんが手を振りながら、颯爽と登場しました。バレーボールをやっていたというだけあって、すらっと背が高く。細くて長い足、パッチりとした目、さすが芸能人、オーラがありました。
「校長先生、サインもらってきて!写真撮ってきて!」と頼まれましたが、所属事務所側から、写真撮影はNG、サインは高栄中用に一枚のみというお達しでした。ただし、講演の様子は、本人のツイッターに掲載されています。
《生徒からの質問に答える》
Q:どうしておバカキャラで売っているんですか?
「自分からおバカだと言ったことはありません。皆さん、そう思っているのですか?
こう見えて中学校時代はけっこうできたんですよ!ねえ、先生、そうでしょ!」
「そうですね。できた方ですね。」
「芸能界では、学歴はなくても頭のいい人ばっかりなんですよ。皆さんも勉強はしっかりしておいた方がいいですよ。」
Q:芸能界に入るために、どんな努力をしたんですか?
「中学生の頃から、芸能人になりたくて、週末、夏休み、冬休むにオーデションを受け続けました。」
「何度も、何度も落ちました。でも、周囲は、みんな『芸能人なんか、なれっこない!』と反対しましたが、私は諦めませんでした。何度落ちても受け続けました。」
「夢を実現するためには、努力することです。」
「やっとオーデションに受かって、高2から東京に出て芸能事務所に入りました。でも、1年半は、ほとんど仕事はありませんでした。きれいな子、かわいい子、歌の上手い子、踊りの上手な子はたくさんいました。」
「仕事がなくても、毎日事務所に行き、スタッフの人に挨拶をし、事務所の掃除をしました。それで名前を覚えてもらって少しずつ仕事がもらえるようになりました。」
Q:中学生時代、辛かったことは何ですか?
「雑誌に出たとき、先輩に呼び出されて『生意気!』みたいなこと言われたけれど、その時もきっぱり『私は芸能界に入りたいんです。』と言ったんです。私のことが好きと言ってくれる人もいるけれど、嫌い!と思っている人もいる。それはそれでいいと思っています。
Q:これからの夢は何ですか?
「芸能界は、一時売れてもすぐ廃れてしまう人がたくさんいます。わたしはせっかく芸能界に入ることができたので細く長くやっていけるように頑張っていきたいと思っています。」
Q:菊池亜美さんは、どうしてそんなにきれいなんですか?
「いやあ!ありがとう。あなたもなかなかのイケメンだよ!もてるんじゃない?」
質問に対して即答です。場を盛り上げることも心得ています。頭の回転の速い人だと感じました。そして、夢を叶えるために惜しまない努力を重ねたことを知りました。


2018年11月25日日曜日

花だより カエデ 家庭にある「5つの力」


 家庭は「5つの力」を持っている                     
1 愛の力
  家庭は親から子に愛情が注がれる場所です。ただし、子どもの言うことを何でも聞き
 世話を焼くことではありません。また、勉強や遊び、友だち関係まで、親がこうしなさ
 いと強制することでもありません。過保護や過干渉は、子どもの自立を妨げます。
  いつも家庭に会話があり、笑いがある。誰かにいいことがあれば、みんなで喜び、悲 
 しみも全員で共有する。こんな日常が子どもの安定した心理状況を育てます。
2 経済の力
  衣食住全ての面で子どもの生活が保障され、学校にも通える。家庭はこうした「健康 
 で文化的な最低限度の生活」を子どもに提供する場所です。そのために親は働いてお金 
 を稼ぎます。家庭は経済の力を持つ場所だということです。
3 しつけの力
  教室で筆記用具を机上に散乱させている生徒を注意したら「誰にも迷惑かけてない」
 と反論されたことがあります。今、こうした子が増えています。「清潔で整理された状
 態は快い」という感覚はしつけの中で育つものです。
  自分の健康管理や公共マナー、他者との交わり方など、しつけの領域は多様です。そ
 うした礼儀作法や規範を教えて身につけてさせる場所が家庭です。
4 文化の力
  文化とは、音楽や美術に親しみ、時にはスポーツを楽しむといった高尚なものだけで
 はありません。親子の触れ合いこそが「家庭の文化」です。最も簡単な文化活動は、家
 族の団らんであり会話です。日常の出来事に対する喜怒哀楽のやりとりです。子どもは
 親との会話を通して物事のとらえ方や未知の世界を知り、自分の価値観をつくっていき
 ます。
5 人格の力
  親に叩かれて育った子は、他者に対しても暴力的に接しがちです。負の面だけでな
 く、親の肯定的な言動も子どもの性格や行動に良い影響を与えます。子どもは親をまね
 て育ちます。子どもは育ってほしいようには育たない。育てたように育つのです。
 「人格の力」と言っても気負うことはありません。いつも地道に働いている。親同士が
 仲良く、互いに労わり合う飾らない姿を示せばいいのです。
                      (全国教育文化研究所 重水 健介)
 ここにあげられていることは、ごく普通のことです。しかし、これができていない家庭が増えてきているのです。

11月24日 美幌峠からの斜里岳

2018年11月24日土曜日

花だより ヒガンバナ YOUは何しに日本へ

 所作を磨くと心も体も人生も輝く
                     禅と所作の基本より  枡野 俊明   

   美しい人をつくる所作の基本の中に
・ 便利さや効率ばかり追い求めると美しさから離れる
・ あいさつの力を知る
・ 感謝は感じたときにすぐ伝える
・ もてなしとは もてなす側ともてなしを受ける側 両方の力量が問われる

 とあります。
 世の中便利になって、見知らぬ土地に行ってもスマホがあれば、目的地に最短で行くことができるので、昔のように通りすがりの人に尋ねることは少なくなりました。
 テレビ東京の人気番組に「YOUは何しに日本へ」という番組があります。その土地の人と触れ合いながら、自転車で日本を回る外国人に密着取材する内容がありました。もちろんスマホでルートは検索できるのですが、わざわざカタコトの日本語で話しかけ、道を尋ねたり、名物や名所を聞いたり、そうした日本人との触れ合いが旅の最大の思い出になると言っていました。尋ねるためには、丁寧なあいさつが必要ですし、丁寧に感謝を表すお礼も必要です。そうされると多くの日本人は、親身に対応します。視聴者は、そうした場面を見て感動します。
 もう一つ、テレ東の番組に「出川哲郎の充電させてもらえませんか」があります。旅先の心優しき人にお願いしながら、1回の充電で20㎞しか走らない電動バイクで旅する人情すがりの旅番組です。
 出川といえば、頼りない、無知、トークはよくかむ?というイメージでしたが、なぜか老若男女を問わず絶大の人気を誇ります。その理由は、この番組を見ているとよくわかりました。
  美しい人をつくる所作の基本
    心を整えるためにまず自らの所作を整えることから入る
・ 良い所作は良い縁をもたらす
・ イライラしている人に美しい所作の人はいない
・ 便利さや効率ばかり追い求めると美しさから離れる
・ 日常の全ての動作を疎かにすると心が乱れる
・ 手の所作は心のあらわれ ゆっくり季節を感じながら歩く
・ 過去のことを悔やまない 将来のことを不安に思わない
・ あいさつの力を知る
・ 感謝は感じたときにすぐ伝える
・ もてなしとは もてなす側ともたなされる側 両方の力量が問われる
・ 分け隔てをせず どんな人にも敬意を持って接する

  *他にもありますが、2つの番組から、感じたことです。

2018年11月23日金曜日

花だより リンドウ 「指導が入る」とは?


「指導が入る」とは?
      尼崎市教育委員会学校教育部学校教育課生徒指導担当係長 西村 純一 
               (月刊「生徒指導」10月号より 牧野要約)
*しどう【指導】 ある目的に向かって教え導くこと(『広辞苑』第5版岩波書店)
 ~学校では「指導する」とは言わないで、「指導が入る」と言う?~
 生徒指導の先生がよく使うのが、「指導が入った」「指導が入る」という言葉です。通常の会話では、単に「指導する」と言いますが、あえて「指導が入る」と言うには意味があります。
【エピソード】
 担任の若い先生は、生徒指導担当のベテランの先生から、「先生のクラスのA君は、授業中の態度が悪いので注意をしておきました。先生からも改めて指導を入れておいてください。」と言われ、A君を呼んで丁寧に注意をしました。その後で、「指導しておきました。」と報告すると、「指導は入ったかい?」と尋ねられ、「はい。大丈夫だと思います。」と答えました。すると生徒指導担当のベテラン先生は、怪訝な顔をしました。若い先生には、その表情の意味するところが分かりませんでした。
 ≪指導が「入る」とは?≫
 「指導が入る」というのは、教師が指導をした結果、児童生徒が十分な反省をし、教師にとって望ましい行動変容がみられることを含意する言葉なのです。
 「指導が入った」とは、どういう状態を指すのでしょうか。
 指導する目的は、児童生徒を本人や周りが困っている状態から、本人も周囲も望ましいと考える方向へと導くことです。その際、教師からの強い指導(威嚇的な叱責等)によって、児童生徒が怯えやその場しのぎのために、一時的に行動を改善させた(見えるようにした)場合には、「指導が入った」とは言いません。指導とは、児童生徒自身の気づきを促し、自ら適切に判断し、行動する力を育むことだと考えられているからです。したがって、児童生徒が指導内容をしっかりと理解し受け入れ、自ら反省し行動を改め場合に、はじめて、「指導が入った」と言うのです。
 ≪「指導が入る」ためには≫
 問題行動を起こした児童生徒が、納得・反省という意味で指導を受け入れることが「指導が入る」ことです。
 「指導が入る」ことをイメージでたとえると、受け入れる側の児童生徒が自身の心のコップを上に向けることです。そのコップに指導によって水(説諭)が注がれ、水が溜まっていくことで自分の心の中で反省することが可能になります。心のコップが下を向いたままで指導すると、水ははじかれ周りに飛び散ります。これではいくら丁寧に話をしても指導は入りません。叱る指導を受け入れられるかどうかは、教師と児童生徒との信頼関係によるところが大きいのです。
  

2018年11月22日木曜日

花だより ピラカンサ うざい?



 《「うざい」》
 人と人との関係をわずらわしく思う若者たちが増えています。若い人たちがよく使う「うざい」という言葉が若い人たちのそういう気持ちをよく表しているようです。
「うざい」とは「うざったい」が縮まった言葉で、「わずらわしい」、「面倒くさい」といった形容詞です。なぜ、若者たちは人間関係でそんなにも「わずらわしい」を連発しているのでしょうか。
 人と人の関係は、昔の方がもっとわずらわしかったと思います。子どものやることに口を出す大人はたくさんいました。先生も恐かったし、父親も恐かった。個人のプライバシーを守るという考え方がありませんでしたから、人間関係のわずらわしさを逃れて一人になるということができませんでした。人間関係は今よりずっと濃密でしたが、それでわずらわしさを感じることはありませんでした。もしかしたら、濃密な人間関係にある種の免疫ができあがっていて、わずらわしさを感じなくなっていたのかもしれません。
 そろそろ忘年会シーズンですが、上司と酒を飲みたがらない若者が増えているそうです。とりあえずビールではなく、自分の飲みたいお酒を頼む。お酌はしない。お酒自体飲まない。飲むなら気のあった友人同士で飲みたい。これも全て「うざい」=「わずらわしい」と思うのでしょうか?困ったものです。

2018年11月21日水曜日

花だより リュウノウギク あいさつされました。 冬蜜柑

《心がホッとステーション》
 初めて子どもからあいさつされました。 
  ~あいさつで人を大切に~ 
 近所に住む方から学校に電話がありました。
~10年来、学校周辺をウォーキングしています。こちらから子どもたちに声をかけても、返事が返ってくることはありませんでした。ところが最近、2年生くらいの子でしょうか、「おはようございます。」とあいさつされるようになったのです。先日は、高学年の女子が、後ろからわざわざ寄って来てあいさつしてくれました。うれしかったですね。~ 地域の方からの電話だとすぐ苦情?と思ってしまいます。こんな電話をいただくと本当に心がホッとステーションになります。
 “3つの「あ」を大切に”が着実に浸透してきていることをうれしく思います。この輪がさらに広がるように願っています。24日(水)朝「校長先生 おはようございます。あっ、帽子が変わってる?」と言われました。帽子も秋から冬仕様に変わりました。

みかんを食べると免疫力が高まり、風邪をひかないそうです。一日3個が目安です。

2018年11月20日火曜日

花だより イワレンゲ 小檜山 博


小檜山 博氏の講演会】
作家小檜山 博は、1937年(昭和12年)北海道滝上町雄柏の炭焼小屋で生まれました。
 両親は、会津から北海道滝上町の奥、中雄柏へ入植した貧しい農民です。この両親の歴史は作品「光る大雪」にくわしく書かれています。
 雄柏中学校(全校生が10数人)へ入学した博少年は、規模の大きい学校で勉強したいと、2年生のとき滝上中学校へ転校します。「風少年」はこの時代のことを書いた小説です。両親から、中学校を卒業したら家業(当時は農業)を手伝うよう強く言われました。勉強より家業が大事だという時代でした。
 “ぼく”は学校から帰るとすぐ畑仕事にかかります。一週間に一日は学校を休んで手伝え、勉強は怠け者がするものだと親たちは言うのです。滝上中学校までは、片道14キロ、3時間も通学にかかりますが、 めげませんでした。でも冬になると積雪のため、片道5時間もかかるようになりました。さすが両親も見かねて仕方なく、冬の間だけ滝上の親戚に下宿させます。“ぼく”はそこに居る間は労働から開放され、「ゆっくり勉強できるなんて、何と幸せなんだろう」としみじみ思いました。
 高校進学は無理でも、せめて受験だけでもと受けた結果、網走管内40校の受験生中、一番だったと新聞に載ったのです。それで兄たちの援助で就職率の高い高校に進学。1956(昭和31)年苫小牧工業高等学校電気科を卒業することができました。卒業前に北海道新聞社に入社が決まり、入社後は勤務のかたわら小説を書きました。「文学界」「新潮」「すばる」などの文芸誌に作品を次々に発表しました。
 講演内容は、小檜山氏の少年時代を取りまく厳しい自然、労働、そして温かい教師との出会い、貧しい中にも真っすぐに、シャイで逞しく成長していく姿を淡々と話されました。今の時代、勉強することに幸せを感じる子どもが果しているでしょうか。恵まれすぎた今の子供たちの環境を憂い、挫折を味わう大切さを訴えていました。

2018年11月19日月曜日

花だより ムラサキシキブ 潮見小学校と赤塚不二夫


 【潮見小学校と赤塚不二夫】
 皆さんも知っていると思いますが、第3回の「子どもまつり」に赤塚不二夫さんが来て、同じこの場所で1,000人の子どもたちの前でマンガを描いてくれました。それが廊下に貼ってある4枚の漫画です。
 なぜ、日本を代表するすごい漫画家の赤塚不二夫さんが、わざわざ潮見小学校の子どもまつりに来たのでしょうか?
~潮見小学校の子どもまつりは、太鼓をたたいたり、自分たちで作った物を売ったり、音楽を演奏したり、ダンスを踊ったりして、ずいぶん楽しいおまつりのようだ。そして、それを自分たちの力でやっている。~
と聞いて、「それじゃ行って見てみよう。がんばっている子どもたちに漫画のプレゼントをしよう。」とやってきてくれました。残念ながら、その赤塚不二夫さんは、去年の8月に亡くなってしまいました。4枚の絵が見つかったとき、赤塚さんの娘さんが、「学校に行って、子どもたちの前で、こんなに大きな絵を描いたのは、とても珍しいことです。きっと、潮見小学校の子どもまつりがすばらしかったからでしょう。大事にして下さいね。」と言われました。
  赤塚えり子(赤塚不二夫氏の長女) 父の漫画に救われた
 父・赤塚不二夫は生涯を徹して純粋な少年のような人だった。
 赤塚の漫画のギャグは、やりっぱなしでボケっぱなしの爽快感がある。誰も突っ込まないし言い訳をしない。あえて意味を付けない分、とても自由だ。父は満州で戦争を体験し、日本へ引き揚げてから家族がバラバラになったり妹が死んだり、悲しい思いをたくさんした。だからこそ笑うことの大切さを知っている。うちは悲しいこともシリアスなことも何でも笑いに変える家だった。
 昨年夏、母が亡くなり、3日後に父が母を追うように逝った。人生であれほど悲しいことはなかった。どうやって父と母の後を追うか、そればかり考えていたある日、父と母の遺骨がふたつ並んだ祭壇の前で父の漫画を読んでいた。面白くてバカバカしくて、気がついたら声をあげて笑っていた。その時、「あっ、笑うってすごい」って思った。笑う瞬間って、悲しみからバーンと突き放してくれるエネルギーがある。悲しみのどん底で、床を蹴って浮上した。父は、自分の娘を助けたのだ。自分の漫画で。「りえ子、生きろ!」と言われている気がした。「笑う」って生きるエネルギーなんだ。(フジオ・プロダクション代表取締役社長)

2018年11月18日日曜日

花だより ウメバチソウ 子ども創作展

  「子ども創作展」網走エコーセンターで開催
 11月14日(土)市内小中学生の絵画を集めた「子ども創作展」を見に行ってきました。潮見小から1年生の落ち葉を貼り合わせた作品と2年生の「赤かぶ」の絵などが出展されていました。(潮見小からは4人「優秀賞」を受賞しました。)
 家族連れがやって来て、「お父さん、わたしの描いた絵、これだよ。」と自慢げにたくさんの作品の中から自分の絵を指さしました。「うわ~、上手に描けているね。」と褒められると、ニコニコしてうなずいていました。絵の右上には銀色の紙に「優秀賞」と書かれてありました。
 教え子の中に、絵のコンクールの入選をきっかけにデザインの道に進んだ子がいます。賞をもらうと興味・関心を持つきっかけになったり、励みになったりします。また、作品展に行って、上手な絵を見るのも勉強になります。
 「やっぱりね。この子の絵は上手だわ。色がきれいで、ていねいに描いているね。」と賞に入った絵を鑑賞している親子連れがいました。子どもだけでは、作品を鑑賞する力が十分ではありません。「親と一緒に見るのは、いいもんだんなあ。」と思いました。展覧会は、そのために開催されているのだと思います。これも「心の教育」の一環です。2階では、オホーツク陶芸展が開催されていました。文化に触れた一日でした。

美幌の製糖工場(柏ケ丘公園から)

2018年11月17日土曜日

花だより イソギク 全日本剣道選手権(平成22年)


  【全日本剣道選手権】(平成22年)
 毎年11月3日「文化の日」に行われます。過去に連覇を果たした選手は長い歴史の中で2人しかいません。この大会で3人目の連覇に臨んだ選手が決勝で敗れました。礼に始まり礼に終わる剣道では、試合後互いに面をはずして礼をして相手を称えます。1本を取ってガッツポーズをしようものなら、1本は取り消され、逆に反則負けとなります。勝者、敗者ともインタビューに応え「いい試合でした。」と振り返り相手を称えました。
 ホームランの世界記録を持つ王貞治選手もホームランを打って派手な万歳をしたのは、世界記録を達成したときの一度しかなかったといいます。それは相手投手を気遣ってのことでした。
 この根底にあるには、日本の武士道精神です。この武士道精神は、長年、日本人の道徳の中核をなしていました。武士道とは「戦いの掟」で戦場におけるフェアプレイ精神をうたったものです。端的にいえば「卑怯を憎む心」のことです。
 ある国の子どもたちは、「万引きをしないのは、それが法律違反だから」と言います。こういうのは最低の国の最低の子どもたちです。この考えだと法律で禁止されていないことは何でもやるようになります。日本の子どもは万引きをしなかった。それは武士道精神に則った儒教的な家族も絆があったからです。「卑怯を憎む心」があれば「いじめ」も起きないのです。最近子どもたちの会話の中で「卑怯だぞ!」という言葉を聞かなくなりました。「卑怯なことを許さない。」大事にしたい日本の心です。

~美幌の製糖工場フル稼働~

2018年11月16日金曜日

花だより ミセバヤ 先生とジャージ


 先生とジャージ】
 スーツに運動靴姿は、学校の先生か泥棒しかいない。しかし、スーツにハイヒールを履いて授業していた若い女の先生が、先輩から、「教師にあるまじき身なりだ!」と厳しく注意をされたという。また、特別支援学級担当の教師には、ジャージを支給する市町村がある。特支担当の先生のメガネは、折れない特殊なメガネをしていると聞いた。汚されたり、壊されたりが日常茶飯事だという。休み時間には、子どもたちと走って遊んだり、作業をしたりする先生は、スーツ姿ではいられない。
 しかし、ある中学校で、「外部講師の講話をきちんと聴いていた生徒に対して、ジャージ姿の教師が、体育館の後ろで座ったまま居眠りをしていた。学校の先生、しっかりして!」と取材した記者に見られて新聞に書かれた。
 参観日だというのに、Gパンやジャージで授業する先生もいる。家庭訪問もラフな格好で訪問して、顰蹙(ひんしゅく)をかうこともある。
 学校の先生に、服装の決まりなどない?
 母から、「学校の先生なのに、朝からジャージで出勤するの?」と注意されたことがあった。「いい給料もらっているんだから、せめて、もっといいジャージを買いなさい!」「スーツでなくても、ジャージ以外のもっといい服を着なさい。学校の先生なのに、はずかしいでしょ!校長先生から注意されないの?」と言われ、洋品店に連れて行かれたことがあった。
 儀式、行事、研究会等、来客があるときなどTPOに合わせて服装に気を配ることは、当然大事で社会人の常識であるが、特に小学校の先生は、小さい子を相手にしているせいか、服装や身なりに無頓着な人が多い。見られているという感覚に乏しい。新聞で指摘された中学校では、その後、スーツ姿の先生が多くなったという。新聞で叩かれないと気付かないというのは情けない話だ。

2018年11月15日木曜日

花だより ミゾソバ だらしない子への対応


 だらしない子への対応 「学習指導」=「生徒指導」と考える
 整理整頓ができない、身だしなみが悪い、時間が守れない、忘れ物が多いなど、いわゆる“だらしない子”が学級にはいます。こうした子は、学習規律も守れなくて、教師は指導に苦慮します。  
 こうしたときに考えたい視点は、先生が指導に困っているのか、それとも、その子が学校生活を送る上で困っているのかということです。前者だと、だらしない子=手のかかるやっかいな子となります。これは「家庭のしつけ」の問題と片付けてはいけません。
だらしない子には、生徒指導で対応すると思いがちです。もちろんそれも大切ですが、日々の学習指導を適切に行うことが生徒指導であるという大前提を忘れてはなりません。毎時間、問題行動が起こっている学級(落ち着かない)は、学級として機能していません。たとえそんな学級であっても、日々の授業は行われています。ですから、きちんとした学習規律(姿勢、学習用具の使い方、置き場所、発表の仕方など、学習のルールの定着)を確保し、その子も「わかる・できる・楽しい」授業を成立させることが最大の生徒指導だと考えるべきです。学習指導(各教科の授業時間)はあっても、生徒指導の時間は、週に1時間の道徳の時間以外にありません。そして、この学習指導は、全教師が取り組まなければ効果がありません。

天都山から知床連山を臨む

2018年11月14日水曜日

花だより ダルマギク 温泉旅館の浴衣


  温泉旅館の浴衣
 北海道胆振東部地震により打撃を受けた観光地を救うために導入された復興割りで格安で宿泊できると聞いて、近くの温泉地に出かけました。復興割りの効果かシーズンオフにもかかわらず大勢の客で賑わっていました。
 夕食は、お馴染のバイキング料理。ひとっ風呂浴びた浴衣姿の客がほとんどでした。
 お祭りや盆踊りのときも妹と私も腕を広げるだけで、母と祖母が着付けをしてくれました。成人になって、母が着物を作ってくれました。着付けも帯の結い方も母から教わりました。身ごろを合わせて、歩きやすいように内側は、やや上げ気味にして少し折り返す。帯は腰(骨盤の一番広いところ)の位置で締めると着崩れしない。など、浴衣や着物の着付けは、どの家庭も母親や祖母から教わるものだと思っていました。
 ところが時代が変わってしまったのでしょうか。
外国人が浴衣の着方を知らないというのは分かります。百歩譲って若い男性なら、まだ許せますが、前が肌蹴た女性の浴衣姿は見苦しい!着方を知らないのなら洋服のままで居なさいと思ってしまいます。
 「宿泊アンケートにお気づきの点がありましたら、お書きください。」とあったので、「宿泊案内」に「浴衣の正しい着方」を載せたらどうか?と書いてきました。
 日本の「おもてなし」文化に触れたい外国人が急増しているといいます。浴衣や着物の着方ばかりではありません。入浴に仕方も気になります。体も洗わずいきなりさぶんと湯船に入る子どもが居ましたが、それを親は注意しません。それもそのはず、大人もそうだからです。外国人に間違った日本の文化が伝わってしまわないか心配である。もしかすると外国人の方が事前にちゃんと勉強しているかもしれません。中国人のマナーの悪さを批判する資格などありません。

2018年11月12日月曜日

花だより ヤクシソウ 「悪いのは相手」という考え方をしない


 「悪いのは相手」という考え方をしない
 小さい子は、「ぼく(わたし)は悪くないもん」とよく言います。身をかばいたいという気持ちは小さい子供でもあります。こんなとき子供に同調して「はい、あなたは悪くないわよ。」と迎合する親が最近多いように感じます。
 「本当に自分が悪くないかどうか、相手の気持ちになってもう一度よく考えなさい。」小さい頃から、立ち止まって考える時間を身に付けさせることが大切です。
 品格のあるお母さんは、そう簡単に子供に迎合したりしないものです。簡単に迎合すると子供は自分のやることは何でも正しいと思い、単純に悪いのは相手だと思ってしまうのです。
 これは交渉のテクニックのように、相手にすべて責任を押しつけて、悪いのは相手と決めつけて交渉をはじめるやり方です。最後まで自分の落ち度を認めようとしない。こんなことを交渉テクニックだと思って続けていると、自己中心的な人間になってしまいます。そんな人がだんだん増えてきて世の中がぎすぎすしているような感じもします。子供のケンカやトラブルは、よほどのことがない限り100%相手が悪いということはありえません。立ち止まって考える時間をもてばわかるはずです。当たり前のことですが、親が悪いのは相手と決めつけるような考え方や話し方をしないことです。子供には立ち止まって考える時間が持てるようにしつけていきましょう。「しつけ」とは仕向けることです。焦らずにゆっくりでいいのです。
                  「母の品格」 多湖 輝 著より
屈斜路湖(11月11日)

2018年11月11日日曜日

花だより ミズヒキ セブンーイレブンの革新も当初は総スカン


 セブンーイレブンの革新も当初は総スカン
     教育研究家/中教審「学校における働き方改革特別部会」委員 妹尾 昌俊
 今ではすっかりおなじみのコンビニのおにぎり、おでん、ATM。これはすべて鈴木敏文さん(セブン&アイ・ホールディングの元会長)が発案して、進めていったものですが、当初は社内でも周りは反対意見ばかりだったそうです。
 「おにぎり?おでん?家庭で作るものをわざわざコンビニに買いに来るか?売れっこない!」に加えて、店内に臭いが残ることが大きな課題でした。コンビニ内のATMも今となっては、なくてはならないものですが、最初は、手数料収入だけでペイできるわけがないと、メインバンクの頭取が直々に鈴木さんのところに来て、「やめておきなさい。」とアドバイスをしたほどでした。そもそも1973年にコンビニを日本に導入するときからして、周囲は反対の大合唱でした。
 そんな中、これは絶対消費者のためになるから、売れると信念をもって鈴木さんは進めてきました。彼はこう述べています。
~人間は過去の延長線上で考えてしまいがちです。それは、これまでの延長線上で考えた方が、楽だからです。楽な方に流されたときから、市場の変化に取り残されていく。
 「できない理由」をあげる前にもう一度問い直してほしいのは、いま「できない理由」と考えていることは本当に「できない理由」なのかとうことです。~
 「保護者の理解が大切」と言うなら、なぜ話さない?
 働き方改革を考えるときにも、過去の延長線上で考えてしまって、できないと思い込んでいるのではないでしょうか?
 100人の校長先生がいたら、「保護者の理解が不可欠」ということには、ほぼ100人が賛成すると思います。しかし、どうでしょうか。この4月から、保護者に対して何か理解を促す話をしましたか? ひょっとしたら、話をしても分かってくれない保護者多いと、本音では考えていませんか?
 実は、留守番電話の設置は、時間外における仕事の中断を防ぐという効果がメインですが、保護者への「勤務時間を意識しましょうね。」という啓発効果もあります。留守番電話以外にも保護者の理解を促す方法はいくつもあります。「できない理由」と考えていることは本当に「できない理由」なのか、問い直してみてください。

2018年11月10日土曜日

花だより ガマ 清々しさ サツマイモ 


「校長先生、『スカッとジャパン』て見てる?内村が司会でね。イヤミ課長とか出てきて、最後は、神対応でスカッとする番組なんだけど?世の中には困った変な人がいっぱいいるんだね!」
 「清々(すがすが)しさって何ですか?」
 「品格」とは、気取った話し方やすました態度のことをいうのではなくて、稟とした清々しい心のもちようなのだということです。「品格」のない若いお母さんたちをあちこちで見かけるようになりました。スーパーマーケットで売られているぶどうを一粒とって、そのまま口に入れた子どもがいました。その様子を見ていたお母さんがこう言ったそうです。「あっ、ダメ。洗っていないから汚いでしょ!」
 そばにいた店員が見かねて「そんなことされたら困ります。」と注意をすると「食べられて困るなら、きちんとラップして売って下さい。」と食ってかかったといいます。
なんとも殺伐とした光景ですが、最近こんなお母さんがわりとたくさんいるようです。
「自分の子どもは悪くない。悪いのは周りの人たち」という理屈にならない理屈をふりまわして、子どもをかばっているお母さんたちです。
 「ぼく(わたし)悪くないもん」という未熟な精神状態のまま大人になってしまった人たちが、はたしてこの国を支えていけるかと考えると、気持ちが悪くなります。マナーを身に付けない、そして、ルールを守れない子ども、わがまま放題で自由をはき違えた子どもが再生産されていくことになります。
 「品格」のある人間とは、しっかりとしたマナーを身に付け、きちんとルールを守れる人をいいます。人に対する優しい気持ちや世の中のルールを教えられるのは家庭しかありません。それを子どもに身に付けさせるのが「しつけ」なのです。学校は、家庭でしっかりしたしつけがなされていることを前提にして運営されているのです。やっていいことと悪いことの区別を教えられるのは何をおいても家庭なのだということを是非わかっていただきたい。(多湖 輝 著の「母の品格」より)
 中国人観光客の爆買いとかマナーの悪さが言われていますが、ハローウィンの日、渋谷の交差点でバカ騒ぎをしている様子が各局のニュースで取り上げられました。日本人の「品格」は、大丈夫でしょうか?

2018年11月9日金曜日

花だより ミヤマボウキ シメジ 手取り足取り


 手取り足取り】
(細かいところにまで行き届いた世話をするさま。何から何まで丁寧に教えるさま)
 昔の職人さんは、弟子入りをして、「見て覚えろ!技を盗め!」と言われたものです。学校では集団の中での学習効果を期待されます。それは、それで効果はありますが、技術(スキル)を身に付ける最も効果的な方法は、個人レッスンです。現在活躍している野球選手やゴルファー、卓球の選手などのスポーツ選手は、子どもの頃から、親の手取り足取りの個人指導によって、一流になった選手がいます。
 書道の指導では、運筆、筆の入り、止め、はらいなど、口で説明してもなかなかその通りには書けないものです。力の入れ方、筆を運ぶスピードは、手を取って一緒に書くことで感覚的に身に付くのです。ところが、学校で全員にそれをするのは無理です。
 北小では、1つのクラスに複数の先生が入って指導しています。(授業改善推進チーム事業、指導工夫改善加配、退職教員活用事業時間講師、北見市学力向上支援講師など)また、つまずきに応じて少人数に分けて指導したり、場合によっては“個別指導”もしています。10年前までは、クラスを分けて指導するのは、「差別教育だ!」という人がいましたが、今ではそのようなことをいう人はいません。分からないことをそのままにしておく方が問題です。その子に合った指導方法で、全員に確かな学力を身に付けさせたいと思っています。

2018年11月8日木曜日

花だより ダイモンジソウ 母の書き置き


 尾木ママの『叱らない』子育て論
 子育て上手な母親の書き置きは「かならず美しい」 
“下やしきにいます。おやつはかまどのおナベの中、お手伝いに来てください。”
                               母より 
これは、私が子どものころに母が毎日のように私にあてて書いてくれた書き置きのひとつです。
◆食卓の上に乗った小さな黒板に楷書でていねいに書かれた文字。“来”という感じが少しくずしたような文字になっていて、「大人の文字って変なの?」なんてよく思っていたものです。
 私は滋賀県の関ヶ原にほど近い、伊吹山のふもとの農村で生まれました。小学3年生のときに祖母が亡くなってから、勝手口を開けた瞬間に聞こえてくる、祖母の「直樹、おかえり!」の声は聞けなくなったけれど、母の書き置きは、その寂しさをふっと和らげてくれました。
◆ランドセルを放って、すぐにナベのふたを開けると、書き置き通りにふかしたイモが並んでいて、新聞紙で作った袋に包んで、ズックをひっかけて、母が畑で仕事をしている“下やしき”まで、一目散に走っていく。「お母ちゃ~ん!」もんぺ姿の母の姿を見つけてそう叫ぶと、母はクワを持つ手を休めて、笑顔で私を迎えてくれました。子どものころを思い起こすと、あの安心感と、母の美しい文字が懐かしく蘇ってきます。
◆今では、携帯メールで「おかえりなさい。お昼は冷蔵庫に入っているから、レンジでチンして食べて。塾、頑張ってね」こんなやり取りをしています。簡単、確実、便利です。それでも、やっぱり母親の手書きが待っていてくれたら子どもはうれしいんです。メールはあくまでも文字で情報を伝えているだけ。そこに、ひと文字ひと文字に書き手の気持ちは込められないでしょう。
◆携帯電話は、情報伝達という意味では確実だけど、コミュニケーションとしては、不確かなものです。だから子どもを迎える書き置きは、見慣れた母親の文字が安心感を与えます。安心感の中で育った子どもは、必ず伸びていきます。 


2018年11月7日水曜日

花だより シラタマホシクサ 授業研究を見つめ直す


 グッド・プラクティス(GP)に学ぶ 学校の「働き方改革」
  ~授業研究を見つめ直す~
     教育研究科/中教審「学校における働き方改革特別部会」委員  妹尾 昌俊
 GPとは、文科省が2003年度より、大学教育改革の取組が一層促進されるよう各大学から申請されたものの中から優れた取り組みを選定し、重要な財政支援を行うことによって、高等教育の更なる活性化を図る事業
 打ち上げ花火の研究大会でいいのか?
 ≪公開授業妍は準備時間も公開せよ≫
 授業研究では、とびっきりの素晴らしい授業を見せたい、見てもらいたいと考えている人が多いのではないでしょうか。その気持ちは分かります。が、睡眠時間を犠牲にしてまで何時間もかけて準備して公開した授業が本当にモデルになるのでしょうか?
 公開授業などでは「準備にかかった時間も公開せよ」ということです。生産性、あるいは「時間対効果」を大切にするならば、10時間かけて準備した授業よりも、一定の成果があり、かつ30分の準備でできた授業の方が、多くの教員には参考になると思います。ほとんどの人がひとつの授業に10時間も準備するヒマはないと思います。
 附属学校や研究指定校は、このあたりも検討したうえで、真のモデルになってほしいと思います。

2018年11月6日火曜日

花だより ノコンギク AI時代の教師に求められること


 AI時代の「学び」    慶応大学教授 今井むつみ
 ◆AI時代の教師に求められること
 AIは少し過大評価されているように思います。AIは自動ピアノのようなものです。人はなぜ自動ピアノがあるのに、わざわざピアニストの演奏会に行くのでしょうか。それはピアニスト独自の個性があるからです。
 曲にはもちろんそれぞれの弾き方が細かく定められています。ですが、いつも教科書どおりの演奏をしていては、聞いている方はつまらない。ピアニストは、伝統に忠実に演奏するけれども、ホール、時間、観客などに応じてその一瞬の演奏をします。そこが違うのです。
 これと同じようなことが教師にも言えます教科書通りに教えるのか、目の前の子どもたちのその一瞬に合わせて授業するのか。
 子どもが必要とすることは一人一人違います。子どもの興味や反応も一瞬時に変化します。教科書を無視するわけではなくても、その一瞬にしかない場面が教室にはあります。教師が想定しなかった子どもの発言を、無視するか、それともそこから発展させるか。
 そこが、子どもの気持ちに火をつけるかどうかの境目です。子どもが「学びたい」と思えるように、子どもの気持ちに火をつけることが、先生方のこれからの役割になります。

 凡庸な教師は たたしゃべるだけ  
 良い教師は 説明する
 優秀な教師は 範を示す
 偉大な教師は 子どもの心に 火をつける

スキー場のシーズン券が売り出されました。(端野のスキー場)

2018年11月5日月曜日

花だより マリーゴールド 知能検査について


  知能検査について IQ100=SS50(標準)
 「知能指数IQ」の数値は、あくまで知能の発達の早さを意味するものであり、年齢の違う他人と比較して直ちに天才的であるとか頭が悪いとかを断定することはできません。例えば、5歳の児童が、10歳の平均的な児童と同じ知能を示せばIQは200になります。IQ100の11歳児とIQ200の5歳児を比べれば、平均的なIQ100の11歳児の方が、IQ200の5歳児よりも知能は高いことになるのです。
知能は遺伝?:知能は、両親から遺伝するとされていますが、どの程度遺伝するかは諸説があります。教育の機会均等が図られている社会では遺伝率が高く、そうでない社会は、遺伝率が低くなると予想されます。現代の先進国では、知能の遺伝率は子供で50%、成人では70%以上と言われています。
生活環境:IQは、遺伝よりも生活環境によって大きく変わるとされている。外国の研究では、運河船の上で生活している子供や僻地や離島の生活者は情報や刺激が少ないため平均IQは低いとされています。生活環境のみならず、検査時の環境や体調によっても大きく変化します。
知能検査の目的(学力との相関):学習指導の目的から、知能と学力の相関を調べ、教育の達成度合いを見て、学校評価をするために使用します。学力偏差値と知能偏差値を比較し、知能検査の結果に比して学業成績が良い生徒を「オーバーアチーバー」といい、その逆を「アンダーアチーバー」均衡している場合は「バランストアチーバー」といいます。例えば、知能SS55に対し、国語SS60であれば学習効果をあげている。ところが同じ子が算数SS50であれば、算数は学習効果をあげていない。ということになります。また、同じ国語SS60であっても知能SSが65の子であれば、まだがんばりが足りないということがいえます。
 我が子の知能指数を知りたいところですが、特別な理由がないかぎり教えないことになっています。

2018年11月3日土曜日

花だより 菊 ちょ~はりきった学芸会

【文化の日と菊】
 11月3日、ゆめホールのロビーに丹精な大菊が飾られていました。文化の日には、観賞用の大菊がよく似合います。枯れた花びらを一本一本ピンセットで摘んで取り除いていた人がいました。話を聞くと“菊作りは、シーズンになると、温度、水、湿度など我が子以上に、世話がやける”のだそうです。長々と講釈が続きました。古来から、観賞用として栽培されるようになり、「三段仕立て」、「ダルマづくり」「福助づくり」大きく3種類あります。花言葉は「高潔」「清浄」
 厚物 :多数の花弁が中心に向かってこんもりと盛り上がったもの。
 厚走り: 厚物の花弁の下に長い花弁が走るように垂れさがったもの。
 管物 :花弁が管状になり、直線的に放射状にのびる。外側の花弁はしだれて先が丸まっ
    ている。
 中国で品種改良が進み、日本では江戸時代に観賞用の菊作りが盛んになったようです。日本人の繊細さがなせる花作りです。菊作りは、手間と暇と根気が必要です。教育と相通じるものがあるように思います。
 「ちょ~はりきった学芸会」 2年生男子の作文
 「まちがえないぞ!」ぼくは、げきをやる前はきんちょうしてきんちょうしてたまりませんでした。そして、まくがあいて、げきがはじまりました。人がゾロゾロ、ガヤガヤとたくさんいたので、セリフをいうのもきんちょうしてしまいました。でも、あまりにも上手だったみたいなので、パパとお母さんとちがうおきゃくさんたちが、「あの子上手だな~。」とたくさんの人がいってくれました。だからぼくは人気もののようでした。それがあまりにもうれしかったので、ぼくはセリフをちょ~はりきっていいました。だからぼくが、3年生になっても2年生のときのように、ちょ~はりきってセリフをいってたくさんの人からほめられたいです。
 これは、2年生の学級通信に載っていたものです。学芸会の助演男優賞をあげたいくらい上手だった子の作文です。思い出に強く残った、楽しい、うれしい体験をした子は、いい作文を書くことができます。「パパとママ」と書かないで「パパとお母さん」と書いてあるのも、その家族のありようがわかる子どもらしい素直な表現です。演技と同じくらい感動しました。


2018年11月1日木曜日

花だより サクラダテ 子どもの絵を飾る家

≪子どもの絵を飾る家≫
モデルハウスの家には、名画の複製が飾られて一見豪華そうに見えます。新築のお祝いに豪華な額装の絵を贈る人もいます。ところが家庭訪問で訪れた家の玄関に子どもが描いた絵(絵画コンクールで入選した作品)が額に入れられて飾られていました。 
 「玄関に飾ると来るお客さんが、皆さん『あら、○○ちゃん、上手な絵を描くのね。』と褒めてくれるんですよ。そしたらうちの子、すっかりいい気になって絵を描くのが好きになったみたいで…。」と自慢しました。次の年の家庭訪問のときには、北海道知事賞を受賞した「うし」の絵が立派な額に入れて飾ってありました。子どもの作品が飾られている家っていいものです。
 《“読書”好きになる本との出あい》
「中学生のとき「どくとるマンボウ」シリーズを読んだのが、読書好きになるきっかけでした。また、読んでみたい。」と本校の職員が、逝去された作家北杜夫氏を偲んで話していました。
 北杜夫氏は、小学生の頃、こんな俳句を作ったそうだ。~コオロギがコロコロと鳴く秋の夜~ 大歌人だった父は面白半分にそれを見たが何も言わなかった。とご本人は回想しています。亡くなった作家北杜夫さんは、本名斉藤宗吉という。斎藤茂吉の息子が下手な小説など書くのは恥ずかしいという思いでペンネームを使い出しました。松本から仙台と寒い地で学んだから北。トーマス・マンの小説「トニオ・クレーゲル」に心酔して杜二夫(トニオ)、それが杜夫になったのはよく知られています。(朝日新聞「天声人語」より)
 日本の文学はユーモアに乏しい。とかくシリアスに傾き、笑うようなものは格落ちとみる風潮に、マンボウシリーズは、気持ちよく風穴を開けたと評されています。誰にも好きな本、好きな作家がいると思います。北杜夫文学と出合い読書好きになった人が多かったのではないでしょうか。また昭和が一つなくなりました。北見に大型複合書店の「コーチャンフォー」が開店しました。さっそく北杜夫文学を探しに行こうと思います。
斜里岳と製糖工場
阿寒の秋の遊覧船