2018年11月28日水曜日
花だより キチジョウソウ さわやかに・さりげなく・さいごまで
“3つの「さ」を大切に”
~ さわやかに・さりげなく・さいごまで ~
土曜日、学校に来ると駐車場に高級車が停まっています。土曜警備(土曜日の午前中勤務)の〇〇さんの車です。退職後、魚釣りや菜園づくりなど自由気ままに悠々自適な生活をしていたそうですが、シルバー人材センターから、「学校警備の仕事をしてみませんか?」と誘われ、子どもたちのために何か役に立ててればと思って引き受けたと言っていました。
休みの日、中庭の草取りをしていると、「校長さんが、休みなのに出てきて草取りをするんですか?私がやっておきますから…。」職員室前の観葉植物の水やりをしていると、「校長さん、この“金のなる木”は、剪定しないとダメだね。任せてもらえるのならやっておきますよ!」と言ってくれました。
秋になると中庭は、桜、カエデ、イチョウの落ち葉でいっぱいになりますが、土曜日毎に〇〇さんがきれいに掃除をしてくれています。
高く伸びたサボテンが、冬を越して元気がなくなり、茶色になって枯れてきたので、捨てようか?と思っていたら、「校長さん、いやいやまだ大丈夫だ!」と言って、家から立派な鉢を持ってきて、支柱を立て、肥料を足して甦らせてくれました。
夏休みのことでした。校長室に天井まで届きそうな青年の木(ユッカ)がありました。大きくなりすぎてバランスが悪く、倒れそうになるので切ろうとしたら、「校長さん、植物には『生きる力』があって、切ってもちゃんと世話をしたら、新しい芽が出てくるかもしれない。」と言われて、ハウスの中に入れて、水をやっていましたが、一向に新芽は出てきません。それでも辛抱強く水やりを続けていました。すると9月の末になって新芽が出てきました。10月も末になり、気温が下がってくると、ハウスから校舎の中(日当たりの良い、暖かい場所)に移しました。それから芽がぐんぐん伸び出しました。植物の『生きる力』は大したものです。
全校朝会でこの話をしました。「みんなが大きく成長するためには、何が大事ですか?」と問うと「栄養のあるモノを食べることです。」と答えた子がいました。「その通りです。それと、植物と違って人が大きく成長するために必要なのは、ご飯を食べるだけでなく、学校で勉強することです。」と話しました。
〇〇さんは、学校が休みの土曜日の勤務です。ほとんどの人は〇〇さんのことを知りません。ボランティアで大切なことは、人の為に尽くす、報酬を求めない、継続して行う、(さわやかに、さりげなく、さいごまで)と言われています。〇〇さんを見ていると、この通りの人だなあ!と思います。皆さんの知らないところで、北小を支えてくれている人がいます。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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