《馬頭観音》 北海道の開拓は、“どさんこ馬”なしには語れない。
北海道の開拓は、春になると東北地方から人々が船でやって来て、森林を伐採し、畑を耕し、海や川では漁をして、冬になる前にそれらを船に積んで戻った。
その時、馬は原野に置き去りにされた。マイナス20度になる原野で馬たちはじっと堪え、人が来る春を待った。どさんこ馬は、体が小さくばんば馬のような馬力はない。サラブレットのように速くも走れない。でもがまん強く厳しい作業にはうってつけの馬だった。
今のようにトラクターもトラックもない時代。馬は大切な家族のようなものだった。だから馬が死ぬとそれを慰霊するために「馬頭観音」を建立し、年に一度必ず部落の人が集まって慰霊祭をするようになった。そんな“どさんこ馬”のように厳しい自然環境に立ち向かった開拓民(道民の先祖)は、多少のことではへこたれないがまん強さがある。しかし、現代の道民は、「どさんこ」とは呼べないのではないだろうか?
今また、山林保護のために馬が見直されている。作業の厳しさから、機械化が進み、山林に大型重機が入るようになった。そのためには、地面を固めて道路を造らなければならない。馬なら、二酸化炭素を出さないし、地面を固め、広い道路を造る必要もない、自然環境に優しい。今流行りのSDGsだ!
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