2024年7月31日水曜日

花だより 教えることをおろそかにしない トキソウ ノゲシ

 



  2024年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表された。問題の難易度は年によって変わるので単純に比較はできないが、「読む」が大幅に低下した。「読む」は、基本中の基本である。「思考力・表現力・判断力」を重視するあまりに、基本的なことを教えていないのではないか?
 学力危機 私の提言 教えることを積極的に
    東京大学教育学部長 市川 伸一氏(文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会臨時委員)
 市川氏は、2010年度から実施された国の新学習指導要領の策定で、倫理的支柱の役割を果たした。「教える考えさせる授業」を提唱し、全国を行脚している。道教育委員会が始めた「学力向上総合実践事業」のアドバイザーになっている。「詰め込み、教え込みの反動で、教えずに考えさせる授業が広まった。大事なことは教えるのが当たり前なのに、教えることがタブーになった」「授業の主役は子どもだが、シナリオライターや監督まで子どもにしてしまった。」全国学力・学習状況調査の成績が芳しくない自治体では、そうした傾向が強いという。
《教えること》をおろそかにして「問題解決型」と呼ばれる授業に熱心に取り組み、結果的に基礎的な学力まで低下させたのではないだろうか。《考えさせる》というと、発展的内容での授業を思い浮かべる人が多いが、重要なのは理解を通じて基礎を習得させる際に考えさせることだと強調する。
 ~具体的な授業例~ 
『平行四辺形の面積の公式を学習する授業』では、「公式発見で終わる授業が多いが、分かったつもりで、底辺や高さの意味を分かっていない子や、公式の使い方を理解していない子が多い。」 
 全国学テでも出題され、正答率が全国的に低く、北海道ではさらに低かった部分だ。「授業では、教科書を読めば分かることに時間を費やすのはなく、書かれていないこと、つかみにくい部分こそやるべきだ。その日の授業で何を学んだかという理解の確認も大事。どう間違いやすいかまで教えることが大切である。そのためには教わる側にも、教科書を読んでおくといった予習が必要になる。それをさらに深めるのが授業の意義だと言う。授業で変えることで学習を変え、学力向上につなげる。そんな発想の転換を、まず学校を訪ねて教師を指導する立場の指導主事に求めている。

2024年7月30日火曜日

花だより 全国国公立幼稚園・こども園教育研究協議会北海道大会終わる 松葉牡丹  アサガオ

 

 

  7月26日・27日 全国国公立幼稚園・こども園教育研究協議会北海道大会の副実行委員長として、札幌に行ってきました。そのため3日間ブログをお休みしました。
 「園長先生、どこ行くの?」
 「勉強しに行くんだよ」
 「園長先生、おじいちゃんのにまだ勉強するの?」
 「『遊び』が『学び』だからね!」
 【研究主題】
「子どもの未来への架け橋となる幼児教育」~今こそ、遊びの重要性の力強い発信~
               札幌に全国から500人が集まる!

「子ども一人ひとりの多様性を受けとめ尊重する保育の追求と発信」
      ~「共生社会の担い手を育む」ことを目指して~
   独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 インクルーシブ教育システム推進センター                              
                        久保山 茂樹先生の記念講演から

 中学校の発達障害学級の先生から聞いた話
 「うちの教室には、遊べない生徒がたくさんいるんです。」
 幼稚園・認定こども園・保育所は、特別支援教育の考え方を実践してきた。
 ~幼児一人一人の特性に応じた特別支援教育は、一人一人の幼児の姿を丁寧に見取り、適当な環境を整え、遊びを通した教育を進める幼稚園教育の考えそのものである。~
                       (函館市立はこだて幼稚園:2015)
 幼稚園教育要領(第1章 総則 第1 幼稚園教育の基本)
 3 幼児の生活経験がそれぞれ異なることなどを考慮して、幼児一人一人の特性に応じ、発達の課題に即した指導を行うようにすること 
幼児教育は特別支援教育そのものなのです。
 尊敬する園長先生のお話から・・・
 子どもたちが安心して乗ることができる手を持ちたいなと思うんです。クラスの子たちがみんな乗れるような。
 手からはみ出ていこうとする子どももいるかもしれないし、指と指の間から落っこちてしまいそうな子どももいるかもしれないでしょ。そんな時は、こう考えるんです。
 自分の手をもっと大きくすることはできないか、そして、すきまがないようにできないかってね。
 子どもたちの自発的な動き(遊び)を止めることはしたくないのです。でも、保育者が、自分の手を大きく、すきまのないものにすればだいじょうぶでしょ。



2024年7月29日月曜日

花だより 落語「道具屋」 ヒマワリ オオマチヨイグサ

 


 ~露店で古い鉄砲を売っている。通りかかった客が道具屋に値段を聞いた。「この鉄砲は何ぼだ?」「一本です。」「いや代はいくらだ?」「台は樫です。」「いや金(かね)は?」「鉄です。」「値をきいているのだ?」「音(ね)はズドン」
 無駄遣いをしたくない客が値段を知りたいのに、会話はいっこうに噛み合わない。落語『道具屋』である。
 東京オリンピックで新国立競技場の工費に無頓着な関係者と、それに苛立つ国民感情の食い違いに似ている。支持率が下がる一方の首相には、現行計画の“値”に不満を募らす世間の声が「音はズドン」、政権の心臓部に命中しかねない一発と聞こえたのだろう。見直しは当然だったが、遅きに失した。今度は、大阪万博で同じようなことが起きている。当時よりさらに支持率は下がっている。今度ズドンとなれば立ち直れない。
 

2024年7月25日木曜日

花だより 夏休みは親子で ナデシコ ヤマユリ

 



 子育てに参加するお父さんが増えていますが、まだまだです。    
 家庭での父親の存在感が薄いことは問題です。母親だけに子育ての責任をゆだねて、父親の理解や協力がないままでは、母親の子育てに対する不安感や負担が増したり、母と子の関係が密着しすぎたりすることにつながります。父親がもっと家庭の中での役割を積極的に担い、夫婦でしつけについてよく話し合っていくことが大切です。
 そのためにも、夫婦はお互いに尊敬し合い(愛し合い)、子どもの前で相手をけなしたり、見下したりすることのないように気をつけることです。
  ~夫婦で共同して子育てをする~
 話せばわかるとは限らないが、話さなければもっとわからない。
 夫婦の間、親子の間での会話を増やすことが、家庭づくりのすべての基礎になります。夫婦でも親子でも何でも話せる仲でありたいものですが、それがなかなかできません。
 日々の会話を増やすには、できるだけ一緒に食事をし、お互いにその日にあったことを話すとか、一緒に家事をしたりスポーツをしたり、また地域のボランティア活動に参加したりする、などの工夫をすることを大切です。
 また思春期になると、男女とも身体が急速に成長し始めます。不安や戸惑いなどが無いよう身体の変化について話してあげることは親の務めです。
 ~会話を増やし、家族の絆を深める~ 夏休みはそのためにあります。 
                                  
   

2024年7月24日水曜日

花だより パリオリンピック開幕 ハス  向日葵

 


 「志が人をつくる」 ~今こそ志を養う教育を~
 二度とない人生をよりよく生きられるかどうかは、一に“志にあり”とは多くの賢人が説き続けてきました。江戸の儒学者佐藤一斎は、その著「信志四録」の中で「著(ちゃく)眼高ければ即ち理を見て岐せず」(大所高所に目をつければ道理が見えてきて迷うことなし)として、志を高く持ち迷わず貫くことの大切さを説きました。人間の真価はこの志の高さで決まるとも言う。
 今の若者は、「いい車に乗ろう」とは思わないそうです。そこそこの価格で使い勝手のいい車を選ぶというのです。洋服はユニクロ、食はファミレスとかファーストフードで十分。バブル以後に育った若者は、そこそこの収入でそこそこ自由な生活ができればいいと思っているのです。
 パリオリンピックが開幕します。メダルをとって歓喜したり、悔し涙を流したりする選手を見ると、志を高く持ち、迷わず貫いている姿に感動します。自由や個性の名のもと、自己を内省し、自分とは何か、自分は一体何をすべきか、人生の使命とは何かを模索する力を育てなければならないと思うのです。今こそ「志を養う」教育を復興させたいものです。
 「オリンピックに出て金メダルを取りたい!」とオリンピックを見て憧れ、晴れの舞台を夢みる子どもたちがまた多く見られるでしょう。「おまえみたいな奴がオリンピック選手になれるわけないだろ!」と言ってしまったらそれでおしまいです。



2024年7月23日火曜日

花だより こども園の先生になりたい  エゾスカシユリ

 



 「こども園の先生になりたい」
   学校の先生の成り手は不足していますが、こども園には、幼児施設で働く夢を持った実習生が毎年やってきます。最近は男子も増えていますが、今も女子の憧れの職業の一つです。
 幼児施設には、保育士(保育所)、幼稚園教諭(幼稚園)、保育教諭(こども園)の3種類あります。共働きが増えた現在、子育て家庭からのニーズ増加によって幼稚園と保育所が一体となった「幼保連携型認定こども園」が増加しています。
  こども園で働く場合は、資格が必要です。しかし「保育教諭」という資格があるわけではなく、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を取得する必要があります。ですから保育教諭は「保育のプロ」といえます。働く場所によって呼び方が違うことから、幼児施設の先生を「保育者」と呼んでいます。
 将来、今の職業のほとんどがロボット(生成AI)に代わると言われていますが、幼児施設で子どもに携わる職業は無くならないでしょう。しかし、憧れだけでできる職業ではありません。大変な職業です。子どもを預かり、子どもの園の生活を通して基本的な生活習慣が身に付くように指導したり、身の回りのお世話をしたりします。その中で、子どもの健康状態や行動に常に気を配ります。安全の確保は重要で施設の安全点検・掃除などの環境整備は日常です。子どもたちが降園すると事務処理作業があります。そして、研修も欠かせません。中にはハードな実態を目にして自信を無くす実習生もいますが、「子育てに休みはない。でも、癒しがあります。やりがいがあります。」実習を通して、「さらに保育者になる夢を強くしました。」という実習生がほとんどです。そんな実習生に必ず贈る言葉があります。
 ~保育者像~
 ・子供に慕われ ・親に敬われ ・同僚に愛され ・園長に信ぜられよ
  これはオリジナルではなく「玉川大学教師訓」のパクリです。

2024年7月22日月曜日

花だより 「責任の取り方」を親が教える 合歓木

 

 ~「責任の取り方」を親が教える~
 幼児は本来わがままなものです。ですから赤ん坊のうちは人のものを取っても謝ろうとしません。それが少しずつ大きくなるにつれ、悪いことをすると謝るようになります。しつけがうまく進んでいくと、子どもが社会性を身に付けていきます。それはやって良いことと悪いことの区別をつけていくということです。ところがしつけがされていないと小学生になっても、わがまま放題で、謝ることを知りません。
 スーパーで5歳くらいの男の子が走り回っていて、お菓子コーナーにぶつかり、山積みになっていたお菓子がバラバラに落ちてしまいました。男の子は呆然として見ているだけです。するとお母さんがやって来て「何してるの。こっちに来なさい。」と子どもを呼んで、どこかへ行ってしまったのです。
 ばらまかれたお菓子を拾ったのは、近くの大人でした。子どもが自分でやったことに責任をとるということを実践で学ばせる大切な機会を逃しただけでなく、まずいことをしたらその場を逃げるという余計なことまで学んでしまったことになります。お母さんがやらなければならなかったことは、お菓子を拾ってくれた人にお礼を言って、子どもに散らばったお菓子を拾わせる。もし、壊れたり、汚れたりしたものがあれば、責任をとって買い上げるということです。親の姿を見て、子どもは学んでいくのです。子どもだってやったことに責任をとるということは大切なことです。
 「今どきの親がこうだから、子どもがきちんと育たない。」と嘆くだけでなく、こうした話を学校だよりや学年通信に載せることです。

2024年7月21日日曜日

花だより 知床の秘湯「越川温泉」 テッポウユリ

 


~身体を清め、心を洗って帰るなら、またのお越しを歓迎します~
              (越川温泉協同組合)
 斜里の町から中標津に抜ける国道244号線沿いに秘湯“越川温泉”があると聞いて、夕方、出かけたことがありました。行けども行けどもそれらしい建物は見当たらず、あきらめて帰ろうとしたら、道端に白いドラム缶を積み上げた門が見えました。すでに辺りはうす暗くなっていて灯りはなく、妻は「こんなところに一人で入るのは恐い。熊が出たらどうするの!」と言い出し、結局その日は入らずに帰ってきました。
 何日か経って、今度は一人で出かけました。
 入り口に「入浴料200円」という貼り紙がありました。休憩所には常連らしい先客が3人いて「その缶の中にお金を入れるんだ。」と教えてくれました。地域の人たちが協同組合をつくって運営している温泉施設です。壁には、「組織図」や「役員名簿」、「掃除当番表」などが貼ってありました。壁際にはそれぞれ形の違った相当使い込んだソファーと真ん中にはテーブルがいくつか並べてあり、天井には懐中電灯が5本吊り下げてありました。電気は通っていないようです。
 更衣室は男女別になっていますので安心ください。浴室はコンクリートむき出し、屋根は半透明の波板、いかにも手作りの建物ですが、窓だけはサッシで大きく駐車場から丸見えです。
 湯船に入ると“熱い!” 太いホースが2本あって、なぜか青いホースからは[温泉水]、赤いホースからは[水]が出ています。大きなバルブを回し水の量を調整しながら、自分にあった温度にして入るらしいのです。ただし“水は川からひいているので飲まないで下さい”と書いてありました。
 湯船の大きさは2m×3m、1人で手足を伸ばして浸かると実に気持ちがいい。無色、透明、ほんの少し硫黄の臭いがして体の芯からポカポカ温まる感じがします。
 あがると「身体を清め、心を洗うならば、またのお越しを歓迎します。ゴミは持ち帰り下さい。皆さんの善意で支えられている温泉です」という貼り紙をありました。

2024年7月20日土曜日

花だより 浴衣を粋に着る エゾノエンティカ ハマオモト

 

 夏祭り、花火大会シーズン 浴衣姿はいいですね!  
 女の子が、髪を結い、ちょっと薄化粧をして、浴衣を着ると涼しげで、夏祭りや盆踊りにはよく似合う。インバウンド客が増え、金髪、大柄の外国人が浴衣を着せているシーンをよく見ます。しかし、きちんと着付けることのできる日本人は少なくなったと思います。
 花火大会で浴衣姿の男女を多く見かけるようになりました。しかし、今は、帯もワンタッチ式で着やすいのでしょうが、残念ながら着方がだらしない。親に着せてもらったとしたら寂しい限りです。特に男の子の浴衣姿は最低!
 母は、着付けの先生ではありませんが、小さい頃から浴衣を着るときは、「ちょっと来なさい。みっともない着方をしないのよ。男の帯は腰で締めるの。」と言いながら着せられたことを覚えています。そんな母は、私が成人したとき着物と浴衣を作ってくれました。必要性は全く感じなかったのですが、それでも小さい頃からの習慣なのか今でもお盆やお祭りになると着ることがあります。帯も自分で締めることができます。
 浴衣を着て、ブランドバックを持って、茶髪、ピアス、ネックレスは、まだ許せても、浴衣を着るならきちんと粋に着て欲しい。足元がスニーカーという子もいます。「そんなこと言うのは、パパが歳をとった証拠だよ。」と娘は言います。 

2024年7月19日金曜日

花だより しつけは、子どもへの大切な贈り物  馬鈴薯

 

  

  しつけは、子どもへの大切な贈り物
 ~スマホ・タブレットは使いよう~
 親の知らないところで子どもが危険にさらされている!
 スマホは、使い方一つで、役に立つ道具にもなれば、子どもの身を危険にさらす道具にもなります。外の世界とすぐに情報がつながることは、見知らぬ危険な世界と子どもが直結することになります。こうした警鐘は、8年前からありました。改善されるどころが、年々エスカレートしています。小学生でもスマホを携帯しています。
 子どもがスマホが欲しいと言ってきたときこそ、話し合いのチャンスです。「なぜ使用したいのか」などについて、親子で話し合い、納得した上で、使う・使わないを決めましょう。使うときは、例えば、フィルタリング(*) 機能を設定する。携帯電話は寝るときは部屋に持ち込まない、夜10時以降は使わないなどの使用場所や使用時間、使って良い目的などについて、それぞれの成長段階に合ったルールを家庭で決めましょう。と学校から、口が酸っぱくなるまで言ってきましたが、あまり効果はないようです。
 特に出会い系サイトの被害は深刻です。性への関心が高まる高学年の時期には、隠しておくのではなく、きちんと危険性を親の方から話すべきです。また、マナーモードの使用などの公共のマナーや知らない人には個人情報は教えない、知らない人とは会わないなど、危険から身を守る方法についても、親がしっかり教えることが必要です。
 SNSによるコミュニケーションでは、顔が見えない相手とのやり取りになるため、ちょっとしたことが原因でトラブルに発展してしまうことがあります。また、今のいじめは、個人が特定されるような書き込みで、悪口が書かれたメールが送られたりする「ネットいじめ」が主流です。顔の見えない者同士のやり取りには危険をともなうことがあったり、そのつもりでなくても相手を傷つけてしまいます。
 子どもにスマホを使わすかどうかは、親の判断です。責任は全て親にあります。


2024年7月18日木曜日

花だより 学ぶことで人の差が出る コバイケソウ

 


 論 語 第十七章 陽貨編一八八 「学ぶことで人の差が出る」
「人の本性は誰でも似たようなものであるが、学ぶことによってそれぞれ違ってくる。」
 問題児○○が校長室にやってきた。態度が悪く、担任から厳しく説教してくれと頼まれた。罰として、論語を暗記させることにした。○○が通う児童館に行くと、若い女性指導員から、「校長先生は、校長室で子どもたちに『論語』を教えているのですか?」と聞かれた。○○から、「“孔子先生が言うには、言葉巧みにおべんちゃらを言ったり、外見の体裁やファッションだけにこだわるような人は、本当の仁(優しさ)とはほど遠い者だ”先生も気を付けなさい。」と言われたそうだ。
 日本の教育は大きく変わろうとしている。しかし、オホーツクの教育は、旧態依然とした課題を抱えたままである。教員に課題意識を持たせ、参画を促す学校経営には、“『論語』に学ぶべし”と思う。

2024年7月17日水曜日

花だより 健康寿命を延ばす 紫陽花

 


                                 

 7月14日、退職校長が集まる研修会が5年ぶり(コロナのため)に開催されました。前回は「終活」をテーマでしたが、今回は「健康寿命を延ばす」をテーマに北見市の保健師を招き行われました。
【健康寿命を延ばすために】
① 趣味や習い事を見つける
② 旅行や外に出る機会をもてる趣味を楽しむ
③ 健康を維持する
④ 人間関係を築く
⑤ 目標を持つ
⑥ 地域やコミュニティに貢献する
 趣味は生きがいにもつながり、精神面の健康を維持するのに役立ちます。また、同じ趣味の友人ができれば、新しい刺激にもなり、認知症予防にもなるでしょう。老後に気軽に始められる趣味には、カメラ、囲碁・将棋、手芸、映画鑑賞、読書などがあります。
 健康を維持するには、無理なく続けられる運動を見つけることが大切です。散歩や軽いジョギング、体操、水中歩行などがあげられます。また、年齢を重ねると嚙む力や飲み込む力が低下するため、食生活にも注意が必要です。エネルギーの源になるたんぱく質や骨の栄養になるカルシウムなどを意識して摂り入れ、主食・主菜・副菜を基本とした栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
 人間関係を築くことも大切です。一緒に食事をしたり、楽しい時間を共有したりできる友だちは、おひとりさまの老後に欠かせない存在です。また、何かあったときにはお互いに助け合ったり、相談に乗ったりすることもできます。SNSがあるので、離れている友達ともコミュニケーションが取りやすくなっています。
 *その通りです。
 「血圧の薬を飲んでいる人?」と質問されて、ほぼ全員手が挙がりました。「ラーメンのスープは、塩分を多く摂取してしまいますから、飲んではいけませんよ。」と注意されると、「美味しいラーメンは、スープで旨いんだよ。ついつい飲んでしまう。」
 旅行に行きたくても、今はインバウンドの増大でホテル代や食事代が高騰していて、年金生活者には手が出ない。運動を続けるのも大事だと分かっていてもついついやり過ぎて、次の日から腰が痛くて動けなくなる。
 退職校長は、つぶしが効かない。また、「元校長先生だから、何でもできますよね」と周囲から言われるので辛いものがあります。
 男性の健康寿命は72.68歳、女性は75.38歳です。平均寿命は、男性が81.41歳で女性は87.45歳です。8~12年は、家庭で介護を受けるか、介護施設または病院生活をすることになります。平均寿命が延びればよいというものではなく、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命をどう延ばすかがこれからの課題です。70歳まで働くことになると、男性なら退職して2年くらいしか健康で過ごすことができないことになります。
 2年間で目標を立て、趣味を持ち、旅行に出かけ、社会貢献をすることは難しい!





2024年7月16日火曜日

花だより 保育人材を育てる ヤグルマソウ

 



 保育人材を共に育てていく 保育養成校×保育施設
 教育実習生とのお別れ会をしました。別れを惜しんで実習生から離れようとしない子がいました。実習生もまた、お別れの言葉に詰まる場面もありました。この職を目指すには、誰もが通る道です。
 「ぜんほきょう」7月号では未来の保育を担う人材を共に育てていくために、教育や実習等の場でどのようなことを意識するべきか、養成校と保育施設の先生4人の座談会が特集されていました。
 実習後の学生に聞き取りを行った調査では、「保育士によって指導内容や言動、保育方法が異なることがあった。」と感じた学生が54.7%と、約半数に上っていました。また「日誌を返却してもらえず振り返りができなかった」と答えた学生は36%ほど、「実習指導による成長を感じることができなかった」と感じた学生は25%ほどでした。そして大変衝撃的だったのが、「学校での学びと保育施設での実践に違いを感じられた」という学生が51%もいたことです。「指針に沿った適切な保育、豊かな保育が行われている園は本当に存在するのですか?」という学生の問を耳にします。冗談のような話ですが、そういった感覚は現実であり、むしろ学校で学んだ保育を実習で体験している学生の方が相対的には少ないのではと思います。
 想像以上に実習生は孤独です。実習にはほぼ一人で行きますし、保育施設では自分だけが学生という立場なので、メンタルな部分での支援の必要性があります。
 また実習現場の先生方は、「毎日指導している」という回答が69%と高く、実習の記録や振り返りの時間を持つために相当な労力を費やしていることが分かります。実際に受け入れを断ったという回答が15%ほどありました。
 養成校と保育施設はどちらも、いかにこの職業に就きたい若者を増やすか、保育で活躍できる人材を育てるかを一緒に考えるべきです。授業でよい成績を取った学生だけが優秀な保育士になれるわけでもありませんし、実習という困難をかいくぐった人だけが保育士になれるものでもありません。若者が挫折してしまうような実習体制、最終関門のような実習の在り方を改善しなくてはありません。(抜粋・要約:牧野)
 北見の保育者養成校(専門学校)の職員が実習の謝礼を持ってきましたが、「これは受け取れません」とお断りしました。後輩を育てるのは、私たちの使命だからです。私たちも実習での経験があって、今があります。実習を経験し、より一層、教職の夢を大きくしたのです。


2024年7月15日月曜日

花だより 自分の好きなように自由に生きていきなさい? エゾスカシユリ アサガオ

 


  ~子どものしつけに「自由」はいらない!~
 人は生まれながらにして自由と平等な権利を持っています。自由と平等を求めて戦った歴史を持つ国もあります。「自由」は確かに素晴らしいのですが、欠点があります。例えば「よいと思うことは一生懸命やりましょう。」とか「悪いことをしてはいけません。」ということを子どもにしつけようとするときに、自由はほとんど役に立ちません。場合によってはそれが妨害することさえあります。
 「よいと思うことは個人によって違うのだから、一律に決めつけることはできません。それぞれがよいと思うことを自由にやればいいじゃないですか?」
 これでは子どものしつけになりません。何かシラケた気持ちになってしまいます。「人に迷惑さえかけなければ個人の自由なんじゃないですか?」こう言われたら、人に迷惑をかけるということはどういうことかということから説明しなければなりません。東京都知事選挙のポスター掲示が正にその例です。こんな考え方が広まってきて「勧善懲悪」(かんぜんちょうあく)という言葉が死語になりかけています。善いことを勧めて悪を懲らしめるという意味です。昔ならかけ値なしにそれはよいことだという土壌がありました。だから昔の映画やマンガは、全て勧善懲悪のストーリーでした。
 家庭で子どもに教える基本は、「よりよく生きなさい」ということです。しつけるとは「仕向ける」ことです。「自分の好きなように自由に生きていきなさい」と言って、方向を示してあげないのは無責任です。

2024年7月14日日曜日

花だより 今こそ論語に学ぶ 昼顔 アガパンサス

 


《論語に学ぶ》
 サイバー攻撃、SNS上での詐欺行為、誹謗中傷などなど、世の中が乱れて住みにくくなると『論語』がもてはやされるという。近い将来、本屋に行くと『論語』の本がずらりと並んでいる光景が見られるかもしれない。(今はネット通販か?)
『論語』というと“儒教の聖典”と呼ばれ、多くの政治家や経営者たちが座右の書としていました。そのため、難しいと思われがちですが、複雑な人間関係の中で、人として何を守るべきなのか、その心構えと実践を説いたものです。「人格を鍛える本」といっても過言ではないでしょう。誰もが一人前の社会人であろうとするならば、常識として備えて置かなければならない「人の道」なのです。
 第一章 学而編十 「学問は自分を磨くためにある」
 「学問は自分自身の教養を深めるためで、人に知られるためにやるわけではないのです。学問が進み人格が備わったことを、人が知るか知るまいが、そんなことはどうでもいいことです。それより他人の真価を見抜けない自分の能力の低いことを憂うべきです。」 
 北海道、特にオホーツク管内は、全国最低レベルの学力に低迷しています。それを行政や学力テストそのものを批判する人がいます。それより現実を真摯に受け止めるべきです。教師自身の能力の低さを憂うべきです。とにかくやるべきことはきちんとやらなければならないのです。
《「教育は人なり」語り尽くされた言葉だが、ここに行き着く》
 特別支援学級の子を見ていて、つくづく思うことがあります。ある先生にはよく懐くが、ソリの合わない先生には、悪態をついて毛嫌いする。障害はあっても本能的なものは逆に研ぎ澄まされているような気がします。
 父子家庭の男子は、先生方がどんなに優しく声をかけても言うことも聞かないが、母親を想起するような女性の支援員さんだけには懐いたのです。その支援員さんは、「あの子、かわいいところあるんですよ。」といつも笑顔で接するのです。「何という悪ガキだ!親の顔を見てみたい?」と思って接すると、彼はそれを察知するのです。
「人格の完成」が教育の目的です。故に、教える教師の人格が問われるのです。

2024年7月13日土曜日

花だより 「北海道教育振興会」創立50周年を節目に解散 カライトソウ

           

  「北海道教育振興会」創立50周年を節目に解散
 昭和49年4月、教育行政と教職員団体との対立による混乱の中で、北海道の学校教育を憂う有志が教育の正常化への結集を全道に呼びかけ「北海道教育振興会」が創設されました。会員数も3,000名を超える規模を誇るまでになり、爾来、全道規模で公正な教育世論の醸成と、家庭・学校・地域を結ぶ教育の活性化に尽力してきました。
 毎月発行される会報『教育振興』では、タイムリーな教育情報が発信されました。会報の巻頭言は、校長会長時代、挨拶文などでよく使わせてもらいました。まさか今、解散するとは思ってもいませんでした。
  過日、届いた解散趣意書の中には、~会員である管理職を含め、教員の研修や諸団体との関わり方がネット環境の充実等に伴い、多方面に、また簡易に行われるようになってきたことが挙げられます。働き方に効率化が求められる現在、情報の交流には「時短」「簡易性」「利便性」が欠かせません。そうした観点から見ると、本会は、優位な発信・交流を目指す教育団体でありながら、時流に合わない側面があると謙虚に受け止めるべきだと考えます。~とありました。
 正に、70歳が間近に迫った私そのものです。いつの間にか時代に乗り遅れているのに気づかないことがあります。50年を節目に発展的に解散する決断をしたことは、称賛されるべきで、これまでの功績は高く評価されてよいでしょう。そして、自分もそろそろかな?と思います。





2024年7月12日金曜日

花だより さよなら諭吉さんの「学問のすすめ」 シモツケソウ

 

 
「学問のすすめ」(福沢諭吉)より
 人間には生れながらにして貴賎貧富の差別はない。天は生まれながらの人に富貴を与えるのでなく、その人の働きに与えるのである。誰でも自らの働きにより富貴が得られる機会において、平等なのである。では、現実社会における賢愚、貧富、身分(地位)の差は何からきているのか。その理由は明白である。「学ぶと学ばざる」とによる差である。学問に励み物事をよく知る者は貴人、富人となり、無学な者は貧人、下人となる。
 福沢諭吉の功績を讃え、1万円札の肖像になり、誰もが知る存在ですが、教育者から日本資本主義の父:渋沢栄一氏に代わっても、忘れてはならない日本の偉人です。
 それでは、勉強ができるようになるためにはどうすれば?
 人の話をきちんと聞ける。そのためには、姿勢が正しくなければなりません。姿勢を正しく保つには、腹筋や背筋(体力)が必要です。体力をつけるには正しい食生活と運動が必要です。「勉強しなさい。」と言う前に、早寝・早起き・朝ごはんの基本的な生活習慣を身に付けることです。当たり前のことが当たり前のようにできること、それが家庭の役割です。

2024年7月11日木曜日

花だより 学校の評価 サクランボ🍒

 

  ~学校の評価~
 「この学校は、お茶がさっと出てきますね。」と学校に出入りする業者さんから言われました。学校の善し悪しは、こんなところでも評価されます。
 ある先輩校長が、「いろいろな学校を回ったが、電話の対応、子どもたちのあいさつ、玄関の様子、先生方の対応、職員室の整理整頓の様子を見るとその学校の教育レベルが分かる。」と言っていました。常に来校者に好印象を持たれるように注意したいものです。
 最近は、人員整理で公務補さんのいない学校が増え、来客のお茶は教頭先生がやるようになりました。ところがある学校に行くと、職員室に居る先生が率先してお茶を入れて持ってきてくれました。こんな学校に行くと心がホットステーションになります。
 来客のお見送りは? 校長室で、玄関で、外まで出て、その対応は、お客の格で決まるといいますが、ある教育長は、どんな人にも外までお見送りします。

2024年7月10日水曜日

花だより 欲しいものは、じいじとばあばに? キボウシ

 

 
 子どもの言うことを何でも聞くことが親のやさしさではありません。子どもに我慢を覚えさせることが大事です。
 安易にモノを買い与え過ぎると、子どもは欲しいモノを手に入れるために努力したり、我慢したり、工夫したりすることができなくなります。そして、やたらとモノを欲しがり、自分の気持ちを抑えられなくなってしまいます。
 ブランド品や携帯電話など、友だちも持っているからなどといった理由で安易に買い与えないことです。欲しいと言ったら、なぜそれが必要なのか親子でよく話し合うことです。
 子どものためを思うのなら、お金より、心や愛情を使い、親子の関係を深めることです。おじいちゃん、おばあちゃんにもよく言っておいてください。「欲しいものがあったら、じじとばあばに言いなさい!」は、もっての外です。

2024年7月9日火曜日

花だより モンスター・ペアレンツ グラジオラス

 


 何でも悪いのは学校と決めつけてクレームをつける「モンスター・ペアレンツ」と呼ばれています。アメリカでは「ヘリコプター・ペアレンツ」という言い方もあるそうです。ヘリコプターに乗って上空から監視するように学校を眺めていて、問題が生じるとサッと降りてきて学校に文句をいい、訴訟にもっていってしまう。
 いずれにしろ子は親を見て育ちます。モンスター・ペアレンツに育てられた子どもが清々しい品格を身に付けるとはとても思えません。マナーを身に付けない、ルールを守れない子ども、わがまま放題で自由をはき違えた子どもが再生産されていくことになります。
 人に対する優しい気持ちや世の中のルールを教えるのは家庭しかありません。それを子どもに身に付けさせるのがしつけなのです。
 学校は、家庭でしっかりとしたしつけがなされているということを前提にして運営されているのです。学校は、こうしたクレームに毅然とした態度で臨むべきです。

訓子府の馬鈴薯畑

2024年7月8日月曜日

花だより 子どもはSOSがうまく言えない ハマヒルガオ

 

 子どもはSOSがうまく言えない
 いじめや不登校につながる悩みなど、子どもが心の問題を抱えたとき、それは、しばしば身体的なサインとなって現れます。腹痛・吐き気・下痢・食欲不振・めまい・頭痛・発熱といった症状や過食・拒食・不眠・ヒステリーといった行動などさまざまサインがあります。  
 サインに気づいたら、病気だと心配するだけでなく、心の問題が背景にないか考えてみることです。「気のせいだ」「わがまま」「ズル休み」というような言葉で片づけず、様子をよく見て、話をよく聞き、理解しようとする姿勢が大事です。
 教育者は5者であれ!
 「役者、芸者、学者、医者、易者」の医者は、症状の原因である心の不安を見つけて取り除くことができる精神科医のようなことです。
    ***子どもの身体や行動に現れるサインを見逃さない***

2024年7月7日日曜日

花だより 知床観光船沈没事故から2年 イワタバコ 紅花

 

 知床観光船沈没事故から2年が経過して、乗客の家族などが運航会社と社長を提訴した。まだ、知床の負のイメージは払拭されていない。
斜里の元午来町長が勇退を記念して出版した自伝「大地の遺産」~知床からのメッセージ~
 この本には、生い立ちから自然保護運動への目覚め、知床の世界自然遺産登録までの道程が詳しく綴られています。10年後、20年後を考える政治家は、そんなに多くない。まして、50年後100年後を考える政治家がこの国に何人いるだろう。午来町長は、100年後、いや1000年後の知床の森のありようを思い描きながら仕事をしてきた。(まえがきから)
 知床の深い森から、人と自然のあり方を思考し、人々と共に行動してきたミスター知床と呼ばれた牛来町長が語りおこす、迷走する「美しい国」への、熱く深くまっすぐなメッセージだ。
 “私は、ウトロの開拓農家に育ち、貧困の中で中学しか出ていないけれど、大切なことは、みんな知床が教えてくれた。大自然と毎日五感でふれあっていたことが、私のものの見方、考え方、そして、生き方を決定づけた。”
 牛来氏は、知床を世界自然遺産に登録したのは、自然を守るためで、観光で人を呼び、金儲けをしたかったわけではないだろう。

2024年7月6日土曜日

花だより 教育実習生に贈る言葉 タチアオイ ヤブカンゾウ  

 


  教育実習生へ
中学生や高校生が職場体験学習でこども園にやってくると子どもたちは大喜びです。教育実習生も毎年受け入れています。なぜか子どもたちは、実習生の言うことはよく聞きます。若いと好かれるのです。68歳のじいさんは論外です。
 新卒の先生も子どもたちには人気で、教育技術は未熟であるはずなのに、なぜかテストをやるとベテランの先生と遜色はありません。一生懸命さと若さだけで子どもを引き付けているのです。教育は「先生のことがまず好き!」というのが大前提なのです。
「銀座のホステスさんと教員は、新人が良い」という言葉があります。「まだ入ったばかりなんです~。」と若くてかわいい子に言われると、おじさんは弱いらしい。ところが若くて可愛いだけでは、№1ホステスさんにはなれない。そのためには接客技術を磨かなければならないのです。巧みな会話、気配り、目配り、心配りができなければなりません。それを身に付けるためには、経験が必要なのです。
 教員も同じで、若さだけで子どもを引き付けられるのは、5年までです。その間に教員としてのスキルを磨かないと一人前の教員にはなれません。
 また、誰もが№1ホステスになれるわけではありません。自分を磨く向上心、先輩や同僚、時にはお客さんから教わる謙虚さが必要です。
 実習生には、1 子どもに慕われ 2 保護者に敬われ 3 同僚に愛され 4 園長に信じられよ という言葉を贈りました。

2024年7月5日金曜日

花だより 児童相談所 エゾカンゾウ ヒメユリ

 


~一人の子どもを粗末にしたとき 教育はその光を失う~
 《特別な支援の必要な子を持つ保護者へ》
 家庭や学校で「コミュニケーションがうまくとれない」、「いつまでも落ち着きがない」、「漢字が覚えられない」、「社会的なルールがわからない」など、年齢にふさわしくない行動や様子が見られる場合、あるいは、学校嫌いや引きこもりの状態がある場合、LD・ADHD・高機能自閉症等の発達障がいがその理由の一つかもしれません。これらは生まれつきのものであり、子育ての仕方に原因があるわけではありません。
 発達や行動について心配があったら、世間体を気にしている場合ではありません。一人で悩まず、できるだけ早く学校や地域の相談施設(*児童相談所)の窓口に相談してみることです。早期発見・早期治療が必要です。専門的なアドバイスを受けて効果的な働きかけをすることによって、その子の困っている状態の改善が期待されます。また、周囲の理解も必要です。特別な目で見ないことです。
 ~誤解されている児童相談所~
 児童相談所は、“問題行動を起こした不良の行くところ”と思っている方がいらっしゃるようですが、そうではありません。子どもに関する様々な問題に対して相談にのってくれるところです。守秘義務があって、相談したことが外部に漏れることはありません。子育ての強い味方になってくれるところです。

2024年7月4日木曜日

花だより 悪いのは相手? エゾキスゲ タチアオイ

 


 「悪いのは相手?」   
 小さい子は、「ぼく(わたし)は悪くないもん」とよく言います。身をかばいたいという気持ちは小さい子どもほどあります。(これは人間の防衛本能です。)こんなとき親が子どもに同調して「はい、あなたは悪くないわよ。」と迎合するようなことは言っていけません。そんなときは、「本当に自分が悪くないかどうか、相手の気持ちになってもう一度よく考えたあとでもう一回話を聞きます。」
 ここで大切なことは、子どもがどんな話をするかではなく、小さい頃から、立ち止まって考える時間を身に付けさせることです。
 品格のあるお母さんは、そう簡単に子どもに迎合したりしないものです。簡単に迎合すると子どもは自分のやることは何でも正しいと思い、単純に悪いのは相手だと思ってしまうのです。
 これは交渉のテクニックのように、相手にすべて責任を押しつけて、悪いのは相手と決めつけて交渉をはじめるやり方です。最後まで自分の落ち度を認めようとしない。こんなことを交渉テクニックだと思って続けていると、自己中心的な人間になってしまいます。そんな人がだんだん増えてきて世の中がギスギスしているような感じもします。
 子どものケンカやトラブルは、よほどのことがない限り100%相手が悪いということはありえません。立ち止まって考える時間を持てばわかるはずです。当たり前のことですが、親が悪いのは、相手と決めつけるような考え方や話し方をしないことです。子どもには立ち止まって考える時間が持てるようにしつけていきましょう。「しつけ」とは仕向けることです。   「母の品格」 多湖 輝著より

2024年7月3日水曜日

花だより 「学級母語」を磨く クチナシ

 


「学級母語」とは聞きなれない言葉ですが、「母語」とは子どもが父母のもとで育つ生活言語体系です。日本語の場合は、日本語が母語であり、国語の前提をなしています。しかし、学級・学校も日常の言語生活の場です。そこには集団生活を円滑にするためのルールや習慣の形成を付加した学級母語があります。
 学級母語は、教師による集団への指示や子どもたちへの言葉がけで形作られます。学級経営の母胎は言語環境です。ですから教師は、自分の言語環境としての言葉かけのチェック・修正に心がけなければなりません。
 ×こう言っていませんか?×
「おまえは、いつもよそ見をしているから聞き逃すんだ。」
「ふざけないで最後まで掃除しなさい。」
「声が小さいよ。それじゃ、みんなに聞こえない。」
「また、おまえか。何度言ったらわかるんだ。」
 ◎言い換えるなら◎
「大事な話には、集中するんだよ。」
「自分の仕事が終わって、友だちを手伝えば120点だね。」
「○○さんの口の形を見ながら聞くと、聞き取れますよ。」
「同じ失敗をしないように、一度立ち止まって考えよう。」
 これはまずいと思っても、ついつい言ってしまうことがあるものです。一度立ち止まって言い方を考えてみましょう。
 教師の「書く」には、「文・文章を書く」「文字を書く」の双方が求められます。1年生の担任になって、ひらがなを改めて書く練習をしたという教師も少なくないはずです。(正しいひらがなを書く先生が少なくなりました。)“かな”の指導だけでなく、板書はすべて子どもの手本になります。また、通知表の所見を読む保護者は、その文字や文章で、教師の人となりの印象を持つものです。少なくとも、伝える相手に、何を伝えたいかが分かる文章を書くことは教師の基本です。子どもの作文に入れる評文が、2年生にも6年生にも同じような言葉づかいで書かれていることもよくあります。
 国語力は、一長一短に身に付くものではありません。教師の国語力(母語)を磨きましょう。

2024年7月2日火曜日

花だより 子育てするお父さんの増加 カンナ ゼラニウム

       

  お父さんへの子育て支援  ~子育てするお父さんの増加~
 家事・育児を夫婦で分担しながら仕事と子育てを両立したいと考える若者が男女ともに増えています。また、主体的に子育てしたいと考える男性も着実に増えています。こども園の送迎や街を歩いていてもベビーカーを押している姿や子どもを抱っこしながらうれしそうに話しかけるお父さんの姿をよく見かけます。
 さて、こうしたお父さんの子育てについて、「子どもがかわいくてたまらな(92.8%)」「子どもと遊ぶのはとてもおもしろい(89.0%)」と感じている人がたくさんいる一方で、「子どもが将来うまく育っていくか心配(66.9%)」「子どもとの接し方に自信が持てない(44.3%)」と思っている人も増えています。(ベネッセ教育総合研究所調べ)
 お母さんと同じような割合で、お父さんの約10%前後が産前産後うつを経験しているとの報告もあり(国立成育医療研究センター2023)由々しき事態です。これまでお父さんにはお母さんの子育てを支える役割が期待されてきましたが、お父さん自身が主体的に子育てにかかわるようになると、仕事と子育ての両立の難しさや子育てする父親モデルの少なさなどから、お父さんの子育て支援も必要になってきます。
 ところがお母さんへの子育て支援に比べて、まだまだ不十分です。しかも、約半数のお父さんは子育てについて相談できる友人がいません。初めての子育てや精神疾患、シングルファーザーや高学歴のお父さんは、特に支援が必要だと言われています。子どもが通う幼児施設(こども園)の保育者には、お父さんも相談しやすいことから個別のニーズに応じた支援が期待されます。これからは父親支援が必要になってきます。

2024年7月1日月曜日

花だより 選挙ポスター マナーとは礼儀 ヒルガオ ハマナス

 

 マナーとは礼儀
 東京都知事選挙の選挙ポスターで想定外の事態、政治や選挙への信頼感はどうなる?
 風俗店のポスターや全裸に近い女性の画像などを載せたポスターが貼られるなどの問題が生じている。ポスター掲示板は、候補者が自身の政見を広め、選挙活動のために使用するポスターを掲示するために設置されるものだが、記載内容を直接制限する規定はない。政治家を志す人が、そんなマナー違反をすることはない。という性善説が前提の公職選挙法なのだ。ところが今回は法律の盲点をつかれた。おそらく法律の改正が行われるだろうが、法律に違反しなければ何をやってもいい?何とも情けない。
 回りの人と心地よく暮らしていくにはマナーが必要です。
 マナーとは礼儀です。マナーを教えられないと、結局その子は不幸になってしまいます。「あの人は礼儀知らずだ」と言われるような大人になったらどうしますか?
 そうならないために子どもには最低限のマナーを身に付けさせておきたいものです。こういうと「そんなこと学校で教えてくれないんですか?」というお母さんがいます。思わず「そんな大切なことを赤の他人の先生に任せられますか?」と聞き返します。
 マナーは、ナイフとフォークの使い方だけではありません。「落書きをしない」「ゴミを捨てない」もマナーです。
 教えるとは、毎日の暮らしの中で実践して見せることです。子どもを世の中に出すための親の努めです。