2017年3月31日金曜日

花だより 福寿草 新年度を迎えるにあたって


【平成22年度 網走市立潮見小学校 校長室花だよりから】
 《新年度を迎えるにあたって》
 福寿草は、春一番に咲く花で金色に輝き、新しい門出を祝う縁起のよい花とされています。どこにでも咲く花ですが、種から花を咲かせるまでにちょうど小学校と同じ6年かかります。雪の下でじっと寒さに耐え、雪解けがはじまる早春に芽を出します。寒く厳しい条件ほど、金色の鮮やかさを増す花です。福寿草の花言葉は「永久の幸福」といいます。
◇新しい潮見小学校の創造
 潮見小学校は、新しい教育課程の編成に大きく舵を切ろうとしています。それを支えるのは教師です。教師の「教師力」が今問われています。結局のところ、義務教育の在り方を支えているのは教師であり、「教師こそ原動力」なのです。しかし、現実には「何でも学校主義」は、教師の肩に全てかかり、その職務の範囲、量、責任の重さ等に青色吐息という状況です。確かに、新しい時代の義務教育の未来を背負っていくには、その質の向上は不可欠であり、教師自身が努力しなければならないことです。また他方で、この教師の現状、暗雲をどう取り払うかにもう一つの大きな課題があると思うのです。その課題解決のために英断を下しました。
 「教育は人なり」と言われるように、どんなに時代は変わっても、教師の人間性が子どもに強い影響力を与え、教育効果に大きくかかわることは、誰もが認めるところです。従って、私たちの責任とは、教育に携わる者として教職の重要性を十分認識し、自ら進んで研究と修養に励むことです。
◇校長室とクレーム処理
 「校長(責任者)を呼べ!」と学校に怒鳴りこんでくるのはよくあることです。それに対応するのが校長で、対応する場所は校長室です。
 学校に否があるときは、謝罪しますが、冷静になって話し合えば、ほとんどの方は分かってくれます。相手が若い先生(特に女性)だと舐めてかかってきます。玄関での立ち話だと興奮したままです。そんなときは「校長がお話を聞きますので、校長室へどうぞ!」と言ってください。校長室は、そのためにも整理整頓がなされていなければならないし、威厳を保つためにも校舎の中では少し豪華に造られています。 

2017年3月30日木曜日

花だより ねこやなぎ(2) 先輩から学ぶ


【平成21年度 網走市立潮見小学校 校長室花だよりから】
「校長先生、春を持ってきたよ!校長室に飾っておいてね。」と2年生の女子が“ねこやなぎ”を持ってきました。一日の平均気温が5度を超えると、草木の芽が吹き出すそうです。
  この時期は、暖かい日があったかと思うと、急に寒くなったりします。先生方体調に気をつけてください。
◇さすがS先生!先輩から学ぶこと
S先生が、引き継ぎに来た三中の特別支援担当の先生を校長室に連れて来て紹介してくれました。当たり前のことですが、こういうことが学校現場では、なかなかできていません。
 木目澤教育長は、真っ先に職員室に入り、先生方に声をかけてから校長室に来ます。帰りも同じです。必ず職員室に出向き、挨拶をしてから帰られます。玄関がオートロックになっている時代です。出入りの業者さんも、校長室に来て必ず「よろしくお願いします。」と挨拶をします。学校だけでなく、会社回りをしている外交の方にとっては常識的なことですが、教員が他の学校に行ったときは、どうでしょうか?
 他の学校の先生が、わざわざ校長室に来て用件を言うのは億劫なものです。そんなとき、その学校の先生が気をきかせて、校長に取り次いでくれたらありがたいと思うはずです。普段から、気配りのできているS先生らしいさりげない心配りに感心しました。皆さんも見習ってください。S先生は来春退職されます。


2017年3月29日水曜日

花だより カタクリ 喜びの種

~平成12年の作品~

【平成17年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》 ◇最近出合ったいい言葉◇  
 「喜びの種をまく」
  心遣いが種まき 耳は聞いて喜ぶ   目は見て喜ぶ  口は人をほめて喜ばせ
  手足は 働きによって 傍々を楽にさせて 喜ばす
  喜びの種は 喜びの実となって 我が身に返ってくる
  自分が消極的であれば 逆境を招く 
  自分が明るく積極的であれば 順境は向こうからやってくる
 
 ~春はもうすぐ~ ねこやなぎの綿毛が大きくなってきました。山からちょっと拝借して家に飾りました。東京では桜の開花宣言が出たようですが、北国オホーツクは、福寿草が春を告げてくれるのを待たなければなりません。

2017年3月28日火曜日

花だより ソメイヨシノ 耳順


【平成21年度 網走市立潮見小学校 校長室花だよりから】
 耳 順 講 話 会 (退職校長の講話)がありました。
耳順(じじゅん)とは、[論語為政「六十而耳順」](修養ますます進み、聞く所、理にかなえば何らの障害なく理解しうる意) 60歳の異称です。(恥ずかしながら、私は知りませんでした。)
 人生の区切りとなるような年齢の呼び名にはいろいろありますが、論語為政篇から生まれたこの耳順もその一つです。この言葉は、孔子が自分の人生を振り返って、区切りとなった年齢での進境を語った言葉から出たものです。為政篇のこの言葉は、

  吾十有五にして学に志し (志学 しがく)
  三十にして立つ (而立 じりつ)
  四十にして惑はず (不惑 ふわく)
  五十にして天命を知る (知命 ちめい)
  六十にして耳順ひ (耳順 じじゅん)
  七十にして心の欲する所に従ひて矩(のり)を踰(こ)えず(従心 じゅうしん)

 というもので、後ろに書いた( )の中の言葉が耳順同様、年齢の異称として今も使われています。
 耳順は「六十歳では、人の言うことを逆らわず素直に聴けるようになった」と言う意味です。
 人の言葉は助言にせよ諌言にせよ、なかなか素直に聞けないものです。その理由は相手との人間関係であったり、自ら恃(たの)むところが強過ぎるためだったりといろいろありますが、人の言葉を言葉の意味のままに理解するのは意外に難しいものです。孔子にして60歳になってようやく、その境地に到達したと語っています。
 現在は当時に比べて寿命も延びています。耳にする情報の量も当時と比べてはるかに多くなってきていますから、耳順の心境に到達するのは60歳よりもっと遅くなっている気はします。60歳で耳順の境地になれなくとも、60歳にして耳順の境地を目指そうと決意するくらいでも充分かもしれません。
 今年網走市内で退職される校長先生は、二中の小田校長先生と呼人小中の杉山校長先生です。お二人とも中学校の先生です。教員時代は、中学校が荒れていたときで、夜中まで生徒指導対応に追われたときのことを話されていました。そんな経験から「夢と希望を子どもに語るのが教師です。その教師が下を向いてどうする!」と、さすがお二人とも耳順の歳です。私も耳順の境地を目指そうと決意しました。

2017年3月27日月曜日

花だより ヒヤシンス 特別支援教育(信頼と共感) 


【平成19年度 斜里町立朝日小学校 校長室花だよりから】
 《特別支援教育について》  ~信頼と教育 母親の思いを受け止める~
 教頭で赴任したときの最初の仕事は、特学の開設準備でした。母親は、「うちの子は、少し言葉が出るのが遅いだけです。」と言いましたが、かなり重度の障がいを抱える児童でした。就学指導委員会は、施設の整った大きな学校の特学入級を勧めましたが、保護者は強く地元の普通学級への入学を希望したのです。それから何度も話し合いを重ね、地元の学校に特学を新設することになりました。
 4月からの学習は、担任とその子との闘いでした。そして、半年が過ぎた頃から、少しずつ言葉が話せるようになりました。1年経った参観日、母親が目にいっぱい涙を浮かべながら語りました。
 “農家の嫁の辛さ、嫁と姑の関係、農作業と家事と育児の毎日、「こんな子を産んだあんたが悪い!」と言われ、この子を連れて実家に戻ろうと何度思ったことか、そして、見る夢はいつも同じ。この子が笑顔で、私に『お母さん、あのね・・・』と話しかけてくれる。他の子と一緒に楽しそうに遊んでいる姿。何度も何度も見ましたが、それが少しずつ現実になろうとしています。これまで誰にも話すことができなかったんです。先生、ありがとうございました。”
 やっと心を開き、学校との信頼関係を築いた瞬間でした。
 「うちの子を若松小学校に入れて下さい。」
 校長として最初に赴任した北見の若松小学校は特認校です。特認校を特別支援の学校だと思い、年に何人かは入学相談に来ました。
 「うちの子は、○○の障がいをかかえています。街の大きな学校に通うときっといじめに合います。若松小学校は、少人数で一人一人を大切にした教育をしてくれると聞きました。校長先生、どうかお願いです。うちの子を入れて下さい。」と泣かれて頼まれると、私も胸が熱くなり、「そうですか・・・。」と言ってしまいそうになります。ところが一校長が決められることではありません。特認校の趣旨が変わってしまうからです。こちらも声を詰まらせながら、特認校の趣旨を説明してお断りしました。
 逆に、我が子の障がいを認めようとしないケースもあります。そうした親を説得することが管理職になってからの私の大きな仕事でした。
 私は、教育実習で大学で「養護学校2種」の免許を取るために2週間の実習経験があります。重度の障がいを持つ児童が通う学校でした。実習の最終日に「ああ~、これで終わった。大変だったけど、いい勉強になった。」と実習生同士で話していると、指導教官が「君たちは、今日で終わりだけれど、親は一生この子たちと共に生きていくんだ。この子たちが、この教室にいるときだけが、親がホッとする時間なんだ。君たちには、そんな親の気持ち、特に母親の気持ちは、分からないだろうなあ。」と話されたのです。この言葉は、30年以上経った今でも覚えています。
 子どもはどの子も敏感です。自分が担任の先生から好かれていないと思っていたら、そこに教育は成り立ちません。子どもは、好きな人や尊敬する人からしか学ぼうとしないからです。つまり、“信頼されている”“よさを認めてくれている”“自分の存在を見ていてくれる”という心がなければ教育は成立しないのです。それは親も同じです。特別支援教育も同じです。特別支援教育が始まり、私たち教師には、正しい認識とスキルアップ(適切な指導法を身に付ける)が臨まれていますが、根底にある「信頼関係づくり」をまず大切にしなければならないと改めて感じています。「信頼」は、「共感」することから始まります。

2017年3月26日日曜日

花だより チューリップ 一日入学(小学校入学準備)

~平成12年の作品~

【平成21年度 網走市立潮見小学校 学校だよりから】
 《一日入学》  
 潮見小のインフルエンザは落ち着きましたが、市内の小中学校(幼稚園でも)では、まだ、学級閉鎖になっているところがあります。何人かはインフルエンザで楽しみにしていた一日入学に参加できなく残念がっているお子さんもいました。新入学は不安がいっぱいです。学校の様子を見たい方は、いつでも構いませんのでご連絡下さい。 *新年度の入学予定者は92名(3学級)です。
~一日入学の挨拶から~ 
 娘の「一日入学」には、母に行ってもらいました。教員なので、「どこの学校も言うことは同じだし、分かっている。」と思ったからです。母は「母さんは行ってあげるけれど、あんたたちは、教員かもしれない。だけどヒロミ(娘)の親なんだよ。親としての小学校の勉強が始まるんだよ。」と言われたことを「一日入学」がある度に思い出します。上に兄弟がいるので経験済みという方もいらっしゃると思いますが、その子にとっては一生に一度の小学校入学です。一人一人違います。また、教育書や子育て本なるものが巷にたくさん出回っていますが、自分流の教育観は禁物です。子どもの入学と同時に親としての勉強が始まります。
 私の母と年齢の近い家庭教育カウンセラー 内田玲子氏の本「これで安心おかあさん ガンバレ新1年生!」に共感しましたのでご紹介します。
 ~すべてのエネルギーを使い果たして、必死の思いで産んだ我が子。猫の鳴き声のような産声に命の不思議さと神秘を感じて抱きしめた赤ちゃん。昼も夜も関係なく、おっぱいをねだり、おしっこをし、ただ泣き続ける赤ちゃんをだっこしてオロオロしたあのとき。つたない言葉を発し、はじけるような笑顔で笑ったあの日。そんな子どもが成長して、もう小学校に入学するのです。
 小さい体にランドセルを背負って歩く姿、学校の机に座って本を読む姿。それらを想像するだけで、胸がキュンと痛むような心躍るときです。そして、ちょっぴり不安もよぎります。あんな幼い、心もとない子が、いい人ばかりでない、たくさんの人の「社会」に身を投げ出すのですから。
先生の話をちゃんと聞けるだろうか、いじめにあわないだろうか、事故に遭わないだろうか…。考え始めたら心配や不安ばかりがよぎります。
 1年生に入学する子は、まだ無力に見えますが、6才までのその真っ白な心に、親の生活の姿を吸収してきたことをそのまま正直に学校生活に出すのです。親の癖が子どもの習慣となり、1年生の人格そのものになります。親の姿をそのまま子どもが映しています。
 小学校に入学すると子どもに対して出過ぎたところ、引っ込んでいるところが見えてきます。何より、親自身の心のデコボコに気づくことが大事です。子どもが学校という新しい社会に出るこのとき、気づかせてくれようとしています。今こそ、あなたの心を平らに整える最高のチャンスなのです。世の中の変化のスピードは速く、環境はアッという間に変わってしまいますが、人間の心は変わらないことを知って下さい。~ 

2017年3月25日土曜日

花だより 福寿草 どこかで春が


【平成18年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
 ~最終号 心がホッとステーション~
  どこかで「春」が生まれてる    どこかで水がながれ出す
    どこかで芽の出る音がする      どこかで「春」が生まれてる。
 暖かい空気に包まれて「春」が誕生する光景、生命の伊吹を感じる季節を迎えました。若松に来て3年が過ぎようとしています。豊かな自然に囲まれて、これほど季節の移り変わりを強く感じ、心豊かに過ごしたことはありません。
 道端の福寿草に足を止めた春に始まり、フラワーパラダイスが彩る季節から、赤や黄色に染まる野山を駆け回り、真っ白な草原に、山にスキーを滑らし、自然の中にどっぷり浸かって活動する子どもたち。この貴重な経験と体力づくりがリコーダーの豊かな表現力につながっていると思っています。四季の移ろいの微妙な変化を繊細に捉える感受性を持ち続けてほしいと願っています
  校長室だよりもそうした願いから、「花だより」と名付けました。
 子どもたちの一生懸命な頑張りに胸が熱くなったり、人の優しさに触れ感動したこと、教職員のチームワークのよさなど、書くことがたくさんありましたが、それをどこまで伝えられたか・・・。
 若松のよさは、1年だけではまだわからない。「どこかで春が」の歌詞のようによ~く観ると、今まで気づかなかったところが、まだまだたくさんあるのでは、と思いながら3年が経ちました。
 今年は、若松開基100年開校95周年記念祝賀会が行われました。特認指定校から10年経ちました。十年一昔と言います。10年前とはまた違った課題も出てきました。これまでの積み上げを大切にしながら、また新たな特認若松小の姿を皆さんと一緒に創造していきたいと思っています。
 

2017年3月24日金曜日

花だより レンギョウ 卒業式前


【平成17年度 北見市立若松小学校学校便りから】
《心がホッとステーション》
 雪解けの隙間の日だまりに福寿草の花が咲く頃となりました。
 福寿草は、春一番に咲く花で金色に輝き、新しい門出を祝うめでたい縁起のよい花とされています。そんな福寿草も鉢に移し暖かい家の中に入れると、どんどんのびてもやしのようになり、花びらもくすんだ黄色になってしまいます。どこにでも咲いているように思う花ですが、種から花を咲かせるまでにちょうど小学校と同じ6年かかります。雪の下でじっと寒さに耐え、雪解けがはじまる早春に芽を出すのです。寒い厳しい条件だからこそ金色の鮮やかさを増すのです。身の丈わずか数センチの福寿草ですが、温室育ちにはない「強さ」=「美しさ」があります。どこか若松小学校の子どもたちと似たところがあります。
 文集「ふきのとう」ができあがりました。6年生の作文には、楽しかった思い出や辛かったリコーダーやクロカンの練習のことが綴られていました。福寿草のように6年間がんばった6年生4人が24日巣立っていきます。卒業式の総練習では、6年生のお礼の言葉の練習はありませんでした。秘密だそうです。どんな言葉で最後を飾るか明日の卒業式がとても楽しみです。

  

2017年3月23日木曜日

花だより ムスカリ 卒業式前日



【平成19年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
 《心がホッとステーション》  
 ~~~卒業式前日~~~
 職員室では、6年生担任のY先生が、卒業式に着る着物と袴の準備や普段しない化粧をどうするか?同僚の先生に相談しています。
「せっかくきれいに化粧しても、涙でぐちゃぐちゃになってしまうだろ!」と言われると
「今から、泣いていて、卒業式当日はもう涙は枯れているかもしれない。」と言っていました。
 6年生が校長室に来て言いました。
「俺さ、卒業証書もらいときわらっちゃうかもしれない。」
「だって、ずっと緊張して歩いてきて、校長先生の顔見たら、おもしろいこと(給食を一緒に食べたときのこと)思い出して、ふき出しそうになるんだよね。」
「そんなときはさ、Y先生の方見ればいいんだよ。きっと泣いているから・・・」
「ふだん化粧してないから、泣いたとき化粧が取れてぐちゃぐちゃになっていたら、笑うよね!」
「Y先生、『泣かない』って言っていたけど、絶対泣くよね。」
  卒業式当日は、確かにぐちゃぐちゃになっていました。
 

2017年3月22日水曜日

花だより バイモ 卒業式


【平成21年度 網走市立潮見小学校 学校便りから】
  卒業式の式辞から 
 はじめに、卒業生が書いた「うさぎとかめ」という作文を紹介します。
~なぜ、違う者同士が競争するのか、私にはそれがどうしてもわかりません。うさぎは走るのが得意。亀は泳ぐのが得意。得意なものが違うものが競争する意味があるのだろうか。人間だって同じだ。得意な者が違う姉妹を比べる意味はないのに比べられる。私は、「うさぎとかめ」は、そういう人間と人間を比べても意味がない。ということを言っている話だと思う。~
 私は、この作文を読んで赤塚不二夫さんを思い出しました。
 “これでいいのだ”
 それは、赤塚不二夫さんが、漫画の中で幾度も繰り返してきた言葉
 現実はままならない うまくいかないことばかり 毎日ほとんどは、「これでよくないのだ」の連続だ。
 自分を責めて 誰かを責めて 何かを責めて そして やっぱり自分を責めて
 だけど 確かめてみる価値はある 
 “これでいいのだ” という言葉の力を信じてみる価値はある
 あなたが もうこれ以上どうにもならないと感じているのなら 余計に
 胸を張る必要はないし、立派になんて 別にならなくたっていい
 あなたは あなたのままでいいのだ
 あなた自身がそう思えば 世界は案外 笑いかけてくれる
 人生は うまくいかないことと つらいことと つまらないことと その間に ゆかいなこと楽しいことがはさまってできているから
どうか あなたの人生を大切にしてください。
 26年前、赤塚さんは潮見小学校に来て4枚の漫画を描いてくれました。この漫画には、赤塚さん の「あなた自身を大切にしてください。」というメッセージが込められています。
皆さんは、このメッセージをきちんと受け止めていることを「うさぎとかめ」の作文から分かりました。中学校で、もしつらいことがあったら、思い出してください。社会に出て、うまくいかないことがあったら、思い出してください。「あなたは、あなたのままでいいのだ。」
赤塚不二夫さんの漫画のある潮見小学校を卒業したことをどうか誇りに思ってください。
次に保護者の皆様にお祝いを申し上げます。
 ただ今、128名に卒業証書を渡しました。保護者の皆様には、この6年間のいろいろなことを思い出しながら、お子様の晴の舞台を見ていたことと思います。
 いよいよ中学生になり、難しい時期を迎えます。もし、間違った道を歩もうとしたときは、「これでいいのだ。」とは言わないでください。これまで以上に心の触れ合いを大切にしていただきたいと思います。お子様の健やかな成長を願って止みません。

                                 平成22年 3月19日

2017年3月21日火曜日

花だより 蕗の薹 書くこと

~平成12年の作品~

【平成20年度 網走市立潮見小学校 学校便りから】
 ~文集「潮見っ子」 発刊にあたって~
   《巻頭言》 「書くことについて」  
 今、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」(日曜夜8時)にはまっています。司馬遼太郎が十年の歳月をかけ、明治という時代に立ち向かった青春群像を渾身の力で書き上げた壮大な物語です。多くの日本人の心を動かした司馬遼太郎の代表作でもあります。主演は「おくりびと」の本木雅弘、正岡子規役を香川照之が演じています。
 正岡子規といえば、~柿食えば 鐘がなるなり 法隆寺~の俳句が有名です。写生俳句、写生文を提唱し、近代文学に大きな影響を及ぼしましたが心半ばで病没。享年34才でした。ドラマでは結核を患い、「俺には時間がない。」と夢中になって俳句や短歌を書きつづる姿が印象的でした。
ところで「文を書くのが好きだ。」という人はどれだけいるでしょうか?私も作文嫌いな一人ですが「筆無精は、一生の損」ということわざがあるように、私もこの歳になって、そのことを痛感しています。
 子どもを作文ぎらいにしてしまうのは大人です。子どもは、自分の書いた作文を見せるのをいやがります。「へたくそ」と、骨を折って、せっかく書いた作文にケチをつけられたら、だれだって作文嫌いになってしまいます。子どもは、自分の作文の「愛読者」を発見すると作文好きになります。その「愛読者」は最低三人です。お父さん、お母さん、そして、先生と。もう一人、それは作者本人です。自分の作文をもっとも愛読するのは、作者自身だからです。ただし、褒めてやらなければ、自分の作品を大事にしません。作文好きにさせるのは、先生よりも寛大なお父さんとお母さんです。この文集「潮見っ子」を読んで、まず褒めてください。一行でもいいです。「ここよく書けたね」と、その褒め方一つで子どもの作文嫌いがなおります。           

2017年3月19日日曜日

花だより しだれ桜 パステルカラーのランドセル


【平成21年度 網走市立潮見小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》
  パステルカラーのランドセル
 入学シーズンを迎え、店頭にカラフルなランドセルが並んでいますが、購入時期は、お盆あたりからだそうです。男子は黒、女子は赤と決まっていましたが、今は、パステルカラーが流行りのようです。
~登校途中、1年生女子との会話から~
「○○さんは、ピンクのランドセルなんだね。」と言うと「ピンクでもいろいろあるんだよ。」「誰に買ってもらったの?」
「おばあちゃんだよ。机はおじいちゃんで、お洋服は、もう一人のおばあちゃんで、お母さんも洋服買ってもらったよ。」
「入学ってお金かかるんだね。何年生までランドセル背負うの?」
「う~ん、3年生くらいまでかな?その後は、リュックを買ってもらうんだ!」
「せっかくおばあちゃんが素敵なランドセルを買ってくれたんだから、6年生まで使ったらいいんじゃないの?」 「それは、無理!」
 5年生以上になるとランドセルを背負っている子はほとんどいなくなってしまいます。スポンサーのおじいちゃんとしては、もっと長く使ってもらいたいものです。教科書や文房具を痛めることなく収納でき、動きやすいランドセルは機能的で小学生にはぴったりです。
「校長先生、安してして。古くなったランドセルは、海外で使われているんだって。テレビでやってたよ。これも国際貢献だよ!」(リュックを背負った5年生女子) 「???」

2017年3月18日土曜日

花だより クロッカス 子どもは未来からの預かりもの


【平成19年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
《シリーズ「いきいき子育て」》  「母の品格」 多湖 輝 著より
 ~子どもは未来からの預かりものです。~
 家族が崩壊し、人間関係がどんどん薄くなっていくような気がします。これは望ましい姿ではありません。今は、家庭が楽しくないと思って携帯メールに逃避している子どもが多くいます。この子たちを家庭に引き戻さなければなりません。
 人に対する免疫力を家庭で作って欲しい! それには、とにかく家族が一緒に時間を過ごすことから始めてみましょう。そのとき、もし子どもが携帯電話を持っていたら、電源を切らせましょう。もちろん親の携帯電話もです。映画館やコンサート会場では、携帯電話の電源を切るようにアナウンスされます。家族が顔を合わせているときも同じです。ふだんあまり子どもと話をしないお父さんは、「話題が見つからない。」と心配するかもしれませんが、続けていれば話題はつぎつぎ出てきます。子どもは未来からの預かりものです。子どもが大人になるころ日本の国は、どのようになっているかを思い描きながら、家族でいろいろ話し合ってみて下さい。
 “わが子を心の真ん中に置いて よその子も同じように見る。これぞ 「品格あるお母さん」”です。

2017年3月16日木曜日

花だより クサボケ メンタルヘルス

~平成12年の作品~

【平成18年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
  《ストレスコントロール(ストレスを生かす)》    医学博士 中 島 一 憲 氏
 ストレスコントロールとは、お酒を飲んだりしてストレスから逃げることではありません。人生をより充実させて生きていくために、ストレスを自分が成長するための糧として主体的に取り入れていく姿勢が大切です。ストレスと上手に向き合い、ストレスへの耐性を強化しながら、さらに上のレベルを目指していくことがストレスコントロールです。苦労を乗り越えた収穫ほど、人間的に成長させ、深みを増していきます。ストレス発散で他人に迷惑をかけてはいけない。ストレスのない快適な環境をつくる努力をするより、ストレスに耐える心を育てることが大切です。
 メンタルヘルス 心の健康 子どもは遊ぶことが大切  
 体が疲れてくると、風邪をひきやすくなったり、胃腸がうまく働かなくなったりします。それは「少し休みなさい」というサインです。そういうときは、仕事を早く切り上げて、薬を飲んだり、医者に診てもらって回復を図ります。しかし、心の疲れはどうでしょうか?体のようにすぐサインが現れないので、多少調子が悪くても無理に頑張ってしまいます。大人であればストレス解消に、パチンコをしたり、お酒を飲んだり、釣りに出かけたり、それぞれがストレス解消法を持っています。しかし、子どもはそれを知りません。自分ではどうすることもできず、それが問題行動として現れてきます。

 「みんな なかよし」小学校の教室によく掲示してある言葉
 しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。
 お利口さんほどストレスが多い 高学年になるとお母さんにべったりくっついて甘えることもできない。友だちのいやがることをしてはいけない。先生の言うことは、きちんと聞かなければならない。親の期待に応えなければならない。いつも良い子でなければならない。と思えば思うほど子どもにストレスは、たまってきます。本来子どもは、休み時間汗びっしょりになって遊んだり、家に帰っても暗くなるまで外で遊んで、兄弟げんかをしたりしてストレスを発散するものなのです。


2017年3月15日水曜日

花だより ハルリンドウ 不登校の理解と対応


【平成17年度 北見市立若松小学校 校長室便り(校内研修資料)から】
  スクーリング・サポート・ネットワーク研修会 《参加報告》
 「不登校の理解と対応について」~精神医学的視点から考える~
           講師 北見赤十字病院 精神神経科 医師 塚 本  壇 氏
◇そもそも、なぜ、学校に行かねばならないのか?
 学校に行く理由を、子どもが納得するレベルで明確に答えることは非常に難しい。
●能力や関心も異なる子どもを、大集団にして同じ進み具合で同じ内容を教え込むことに、そもそも不可能性を抱えている。
●近代化を達成した豊かな社会にあって、学校で勉強したところで輝かしい未来が保障されるわけではないと分かれば、そうした無理のある場所に我慢して毎日通う理由が失われる。
●子どもが学校に行く力ではなく、学校の吸引力自体が衰弱している。
●子どもたちを学校につなげ止める力を失いつつある。
  *本来学校は、子どもたちにとって楽しくてしょうがないところであるはずなのです。
 登校拒否は、どの子にも起こりえる問題です。その原因は多様化し、様々な要因が複雑に絡み合っています。残念ながら、明確な対処法はありません。
   ~若松小から不登校児を出さないために今できること~
《応援者(親や教師)の基本姿勢》
①姿勢・態度 ○向き合う ○ともに悩み、考える ○寄り添う
  それは決して、子どもの言うことを鵜呑みにして、子どもと同じ目線、子どもと同レベルではなく、大人として客観的に判断し、サポート(支援)することです。
②最終的な決定権(拒否権)を保障する。
  ○決めたことについては途中で投げ出さす、最後まで自分で請け負っていく、そのためのサポートをする。
《応援者としての心得》
①「認める」 ○応援者としてできることはそう多くないことを認める。
  ○解決するのではなく、解決に寄り添う。 ○凛として対応し、細かな出来事に振り回されない。
②「信じる」 ○本人の持っている力を信じる、回復を信じる。 ○目に見える形での成果をあまり 早急に求めない。
③「任せる」 ○ある程度時間に任せる。ただし、何もしないで放任すると悪化の一途をたどる。
《応援者として具体的にできること》
①困っている人の話を聞く。
  ただし、自分の負担にならない程度に、「わかってやれるのは、自分だけだ」とは思わないこと
②中立的な立場を守る。
③情報を共有する。 家庭・学校・その他医療機関などとの報告・連絡・相談の共有化を図る。

花だより 水仙 子どものストレス


【平成18年度 北見市立若松小学校 校長室便りから】
 《メンタルヘルス 心の健康 遊ぶことが大切》  
 体が疲れてくると、風邪をひきやすくなったり、胃腸がうまく働かなくなったりします。それは「少し休みなさい」というサインです。そういうときは、仕事を早く切り上げて、薬を飲んだり、医者に診てもらって回復を図ります。しかし、心の疲れはどうでしょうか?体のようにすぐサインが現れないので、多少調子が悪くても無理に頑張ってしまいます。大人であればストレス解消に、パチンコをしたり、お酒を飲んだり、釣りに出かけたり、それぞれがストレス解消法を持っています。しかし、子どもはそれを知りません。自分ではどうすることもできず、それが問題行動として現れてきます。
 「みんな なかよし」小学校の教室によく掲示してある言葉
 しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。
 お利口さんほどストレスが多い 
 高学年になるとお母さんにべったりくっついて甘えることもできない。友だちのいやがることをしてはいけない。先生の言うことは、きちんと聞かなければならない。親の期待に応えなければならない。いつも良い子でなければならない。と思えば思うほど子どもにストレスは、たまってきます。本来子どもは、休み時間汗びっしょりになって遊んだり、家に帰っても暗くなるまで外で遊んで、兄弟げんかをしたりしてストレスを発散するものなのです。

2017年3月14日火曜日

花だより ムラサキハナナ しあわせ七変化


【平成17年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》
 校長先生!『いい言葉』ありますよ!(Aさんのお母さんから)
 この言葉の意味を調べてみました。
    しあわせ七変化
  自分が変われば 相手が変わる 相手が変われば 心が変わる
  心が変われば 言葉が変わる  言葉が変われば 態度が変わる
  態度が変われば 習慣が変わる 習慣が変われば 運が変わる
  運が変われば 人生が変わる 今、幸せな人は、そのまんまでいいのです
 ◇◇◇心の向きを変えてみる◇◇◇
 どんなに文明が進歩しても、病気をはじめ、家庭の不和、仕事上のトラブル・・・と、悩みの種はつきません。そうした状態になったとき、とかく私たちは不運を嘆き、相手を責め、周囲を恨んだりしがちなものです。しかし、何かのせいにしている間は、本当の意味で問題が解決することはありません。むしろ自分の心の向きを変えてみることで、解決へと動き出すことを知るべきです。
 これまでの心遣いを振り返り、切り替えることで、困難を却って運命を開くチャンスにすることだってできます。
 その第一歩は、自分中心の見方をしてこなかったかと反省することから始まります。
 ◇◇◇耐える力を身につける◇◇◇
 甘やかされ、わがままいっぱいに育った子どもは、何か思い通りにならないことがあると、たちまちパニック状態になります。しかし、世の中は一歩家の外に出ると、むしろ思い通りにならないのが当たり前です。
 誰しも学校、地域、職場と、世間の仕組みや周囲の人々と折り合いをつけながら人間的に成長していくものでしょう。
 家庭は子どもを育み、守ると共に、社会に適応できるように準備する場でもあります。そして、そのために欠かせないのが、耐える力をつけてやることです。
 豊かな時代だからこそ、我慢することを覚えさせる必要があります。それが自分をコントロールする第一歩です。
 子どもに言う前に、まず大人が慎む姿勢を示さなければなりません。    
  毎日の生活に追われ、大事なことを忘れがちです。自分のことしか考えられなくなり、相手のことを推しはかる奥ゆかしさとか謙虚さを思い出させてくれる言葉です。言われるとなるほどと思うことがたくさんあります。こんないい言葉に出会うと“心がホッとステーション”になります
 

2017年3月13日月曜日

花だより ゆきやなぎ 進級応援


【平成19年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
《シリーズ「生き生き子育て」》 高学年は家庭で伸びる 
 進級応援 BOOK ~ベネッセの学び応援より~
 進級後は、生活面はもちろん、学習面でも子どもが「自分からやること」が求められる場面が増えていきます。
実はそんな新学年での「やる気」を引き出すヒケツは、家庭での「進級前の準備」にあります。
◇春休みから見直してみませんか?
 高学年からの「やる気」を伸ばし、「自ら学ぶ姿勢」を育む 声かけ&ほめかたのコツ
 最近、子どもをほめても「あまり伝わっていない」と感じることはありませんか?
 高学年の「自分から学ぶ姿勢」を育むほめかたは、低学年とは違います。
 思春期や反抗期を迎える今からの時期は、子どもが大きく成長するときです。家庭での子どもの様子や反応を見ながら、保護者のかたのほめかたや声かけも見直していくことが、高学年の子どもの「やる気」を引き出すうえで、とても大切です。
これが大切!◎もしかしてテストの点数など「結果」だけ見て、ほめていませんか?
 高学年では、子どもの努力や行動に着目しましょう。
 結果だけで判断すると「よく見ていない」「できたからほめられた、できないとダメだ」と感じることも。テストでは、見直しができるようになったことをほめるなど、子どもの成長や変化に着目して声かけしましょう。
◎もしかして「やればできる」と上から目線でほめていませんか?
 子どもの気持ちに共感し、喜びの感想を伝えましょう。
 子どもに対して、つい「上から目線」な言い方になっていませんか?こうした言い方に反発しやすいのが高学年、子どもの「できた」「うれしい!」という気持ちに共感し、率直な感想を伝えてあげましょう。
◎もしかして何度もほめたり、同じことをしつこく言っていませんか?
 一度伝えるだけでOK。子どもの「やる気」を大切に
 同じことを何度もほめられたり、注意されたりすると、「うっとおしい」などと感じることもあります。理解力が伸びてきている今からの時期は、子どもの「やる気」を信じて、自主性に任せることも大切です。

2017年3月12日日曜日

花だより デイジー 卒業式3・11


【平成22年度 網走市立潮見小学校 学校便りから】
 ~平成22年度 卒業証書授与式 校長式辞~
 卒業式の1週間前に、東日本・太平洋沖地震が起きました。
 千年に一度という地震と津波は、未曾有の大災害となりました。被災地では肉親や家を失い、悲しみの中で避難生活を強いられています。「お母さんどこにいるの?」と叫ぶ子どもの声に胸が締め付けられます。日本に住む限り、誰もが被災者になり得るのです。千年に一度は明日かも知れないのです。
 ニュースに耳をすますたびに、何百人単位で犠牲者が増えています。被災地では、被災者が力を合わせて懸命に生きています。全国から自衛隊や警察、消防の皆さん、そして、海外からも救援隊が来て、救助活動をしています。そうした人たちの勇気と善意、使命感にすがる思いです。
自然の猛威は、人類の知恵と想像力を遥かに越えていました。想定外の地震や津波は、英知を結集した原子力発電所の安全神話をも崩壊させました。10mの防波堤も耐震を強化した建物も、天変地異の驚異には、為す術がありませんでした。
日本は65年前、戦後の焼け跡から奇跡的な復興を成し遂げ、平和な国を築きました。今回の震災はこれに匹敵する国難です。眼前の現実を学ばなければ、平穏な生活を断たれた人が浮かばれません。菅総理は国民に向けて「日本人は、必ずやこの国難から立ち上がるはずです」と力強く訴えました。自然の驚異から日本を守るには、これまで以上の日本人の知恵と想像力と努力が必要です。
 打ちのめされた人たちの心の絆を失ってはなりません。こんなときこそ、つなぐための手が、私たちの心にあると信じています。私たちはテレビを見ているだけで何も手助けできないもどかしさを感じています。しかし、被災者のことを思い、節電や節約などできるだけのことをしなければなりません。わがままな行動は自粛することです。我慢することです。そして、しっかり勉強して、人の痛みが分かる大人になることです。
 完全に復興するためには何十年もかかるでしょう。日本の将来の安全で安心な国づくりの担い手は、先生やお父さん・お母さん方ではなく、皆さん方なのです。そのことを肝に銘じてほしいのです。                                         ~以上 式辞から抜粋~
 「福寿草が咲く季節になりました。黄金に輝き、春を告げる縁起よい花です。…」という式辞を書いた直後に震災が起きました。テレビでは連日報道特番が流れ、各種イベントの中止も相次ぎました。子どもたちに最後、何を語るべきなのかと考え、式辞を読み返し、書き直すことにしました。
 被災地で行われた卒業式の様子がテレビで紹介されました。体育館が避難所になっているため家庭科室で、校長先生が作業着のまま卒業生に卒業証書を渡していました。被災地の学校のことを思うと立派な卒業式ができたことを改めて感謝したいと思います。

2017年3月11日土曜日

花だより 梅 3・11

~平成12年の作品~

【平成22年度 網走市立潮見小学校 学校便りから】
 《東北地方太平洋沖地震》  *テレビに釘付け* 3月11日(金) 
 校長室に来客中、揺れを感じましたが、そんな大きな地震とは思わずに話し続けていました。話が終わって職員室に行くと、大型テレビが持ち込まれていて、先生方が食い入るように見ていました。そこにはリアルタイムで、がれきと海水の混じり合った津波が、濁流のように家を、畑を、道路をのみ込んでいく映像が映し出されていました。明治以来の観測史上国内最大の地震とそれによる津波が三陸地区を襲い、その被害は日を追うことごとに広がっています。自然の猛威、天変地異の脅威に私たちは何ができるのか?子どもの中には「テレビは地震のことばっかりで、つまらなかった。」と言う子がいましたが、この現実を直視して欲しいと思います。被災者の皆さんとつなぐための手が、私たちの心にはあると信じたいです。
 《戦後最大の国難》  
 日本に住む限り、誰もが被害者になり得る。千年に一度は、明日かもしれない。11日(金)は、卒業式の式辞を書いていました。土日、テレビをずっと見ていました。被害の状況が少しずつ分かってくると、卒業式の1週間前に起きた今回の歴史的未曾有な出来事を卒業生にもきちんと理解し、考えてもらいたいと思いました。しかし、卒業式は時間的制約もあり、あれもこれも入れることはできませんので、全て書き直すことにしました。
~眼前の現実に学ばねば、平穏を絶たれた人は浮かばれません。~

2017年3月10日金曜日

花だより 雪解け 幼小連絡協議会

~若松の雪解け~

【平成18年度 北見市立若松小学校 校長室便りから】
“基本的な生活習慣”の大切さ 人の振り見て我が振り直せ
 長い教員生活で、あいさつはできない。人の話は聞けない。姿勢も悪い。服装は乱れている。だけど勉強はできる。そんな子を見たことがありません。 
  ~お便り帳の返事は、絵文字と顔文字?~ 
    幼小連絡協議会の幼稚園・保育所の先生との交流から
・登園が遅い。10時、11時になって登園してくる。朝食も取ってこない。デザート類を食べている園児が目立つ。じっと座っていられなく、かみついたり、パンチをしたり、乱暴な言葉が目 立つが、その母親も子どもを叱るときにはひどい口調である。
・早寝・早起きや道路を安全に歩くなど、指導には家庭との連携が必要だが、それが難しい。友だ ちとのトラブルでも加減が分からず、ケガを負わせてしまうことが多い。また、謝れば済むと思っている。相手を思いやる気持ちが薄い。「最初に戻せばいいんでしょ。」という言葉が気になる。ゲームでリセットすればいいという現代の風潮を反映しているのではないか。
・夜型が多く、遅くまでテレビを見ている。早寝・早起きができない母親は、「自分も食べられない から」といって朝食を用意しない。
・カバン(子供の持ち物)をチェックしない親、プリントも読まない親が増えている。保育園からのプリント(お知らせ)を読まない親は、学校へ行ったらプリントの量も増えるので、ますます読まないのではないか。
・堅い文章は読まない母親は、絵文字や顔文字で返事を書いてくる。
・プリントを読まないので、アドレスを登録してもらい、持ち物などの連絡は、メール送信をしている。園だよりも文字数を少なくシンプルな内容にしている。
・最近は、欠席の連絡が担任の携帯にメールで来るようになった。
・友だちとのコミュニケーション力の低下で、すぐ泣く、攻撃するなどの行動が目立つ。横のつながりが薄く、友だちが困っていても助けない。最近は、自己主張の激しい子と何も言えない子に分かれているような感じがする。
***************************************
 教師に対して不信感を持っている保護者もいるでしょう。反面、教師が〝家庭のしつけまで学校任せにしている〟と親を批判していては、お互いの信頼関係を築くどころか、溝は深まるばかりです。
 今年度の学校の重点課題として、「基本的な生活習慣を身につける」をあげました。学習の基盤は、生活習慣にあります。しつけのきちんとできている子は、勉強もできます。子どもの教育は、家庭と学校が共に手を取り合って行うものです。


2017年3月9日木曜日

花だより こぶし② よく考えなさい


【平成19年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
《シリーズいきいき子育て》    「よく考えなさい」よく使う言葉ですが
   ~子どもの発達段階を踏まえて~
 「そんなこと考えたらわかるしょ!」
 「えっ!わからないの?頭悪いんじゃないの?」
 よく見る光景ですが、「考える」という意味を子供たちは本当に理解しているでしょうか?
 考えるとは、分からないことに出合ったとき、どうしたらよいか?自分の過去の経験から、似たようなことはなかったか思い出す。また、全く反対のことをなかったか思い出す。それと照らし合わせて判断するのです。考えられるか、考えられないかは、頭の善し悪しではなく、その人の経験の度合い、知識の量で決まります。
 ですから昔は、村で何か困ったことは起きたときは長老に聞きに言ったものなのです。
 親の役目は、子どもにさまざまな経験をさせたり、知識を教えたり、本をたくさん読ませることです。そうすればよく考える子どもになります。
 「子どもの自主性を尊重する」とよく言いますが、子どもの自立を助けるのが親であり教師です。
 自主性は育てるもので、はじめから備わっているものではありません。そのところを勘違いして自主性の尊重と言いながら、放任している親が多い。
  さまざまな経験や勉強は、学校だけでするものではありません。学校に来るのは、年間205日です。(1日の24時間のうち学校にいるのは約6時間です。)残り160日は、家庭や地域で過ごします。
 ~人間の教育は、誕生から始まり、母親こそ人生最初の教師である。だっこやひざの上から教育は始まる~
 

2017年3月8日水曜日

花だより 辛夷(コブシ) 関わり


 5年ぶりの潮見小学校での勤務(時間講師)も3月24日で終わる。
 職員室の片隅にエコールームと呼ばれる小部屋がある。かつては〝喫煙室〟だった。平成21年、潮見小学校に赴任したときに校舎内禁煙となったため、小会議室に変えたのだが、たばこの臭いが染みこんでいて、誰も入ろうとしなかった。しかし今は、臭いも消え、打ち合わせやスキー学習に参加できない子供たちが自習で使うなど有効活用されている。その壁に、転出するときに書いて残した書が今も残っている。
 「関わり」
職場で学校で地域社会で、誰も皆他人と関わりながら生きている。
人間である以上、中には気の合わない人、苦手な人もいて、ときにはそうした人とも
一緒に作業をしたり、気乗りしない行事や付き合う場に出なければならないときもある。
それは少なからず憂鬱で面倒なことであろう。
しかし、どんなに煩わしくても、他人との関わりを避けることはできない。
それは嫌で仕方ないというのでは、毎日が苦痛になるばかりである。
どうせ避けられないのなら、それをむしろ楽しみに変えるように切り替えるべきだろう。
いろいろな人と出会い、人間関係を結んで、さまざまに関わり合いつつ日々を送る。
これこそ生きている証だと、積極的に受け止めて関わっていこう。
そうすれば鬱陶しいと思っていたことが、案外そうでもなくなり、意外と面白いことに気づいたりする。新たに何かが見えてくるに違いない。
一度切りしかない人生、この日、この時である。
「嫌だ、厄介だ。」と自ら心を暗くしていては、あまりにも勿体ない。
 ~平成24年3月24日 本棚の整理中に見つけた~とあったが、本の題名、作者はもう記記憶にない。何か思うところがあって、この文章に目が止まったものだろう。

2017年3月7日火曜日

花だより パンジー 雛人形


【平成18年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》 雛 人 形  
 「日曜日にね、お雛様の片付けしたよ。早くしないとお嫁に行けないんだって?」
 「ひな祭り」、「桃の節句」、「弥生の節句」などとも呼ばれています。これは千年も前の昔、中国から伝わってきたものです。昔は、今のようなおひなまつりと違って、悪い病気にかからないための行事だったそうです。粗末な紙人形を作り、その人形で体をなでておはらいをしてから、川へ流してしまうと病気にかからないと考えられていました。これをひな流しといいますが、後に流されるおひなさまのほかに、飾るおひなさまを作りお祭りするようになったのです。これがひな祭りの始まりです。
 今では立派で豪華な雛人形がデパートに並べられています。(それをおじいちゃん、おばあちゃんが孫のために買うようになった?)
 小学生の頃、雛人形を買う余裕のない我が家では、3月3日が近づくと妹は母と一緒にハギレを使って、雛人形を作りテレビの上に飾っていました。母は娘に買ってやれなかったので、孫のためにと年金を貯めて狭い家には不釣り合いの雛人形をそろえてくれました。
 節分、桃の節句、端午の節句は、それぞれに自然をたたえ、生物をいつくしみ、子どもの健やかな成長を願う意味が込められています。高価なものをそろえるというだけでなく、こうした日本人の節目を大切にする風習は、各家庭で大事にして、次の時代を担う子どもたちに受け継ぎたいものです。

2017年3月6日月曜日

花だより ねこやなぎ  異年齢集団

~平成13年の作品~

【平成19年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
 3月に入り、卒業までのカウントダウンが始まりました
 職員室では、6年生担任のN先生が、卒業式に着る着物と袴の準備や普段しない化粧をどうするか?同僚の先生に相談しています。
「せっかくきれいに化粧しても、涙でぐちゃぐちゃになってしまうだろ!」と言うと「今から、泣いていて、卒業式当日はもう涙は枯れているかもしれない。」と言っていました。
《シリーズ「いきいき子育て」》  ~地域の活動など年の違う集団に参加させる~
 年上・年下の友だちと遊ぶことは、とても大切なこと年の違う集団の中で、子供たちは人間関係についてたくさんのことを学びます。年少の子はルールを守ることや我慢することの大切さなどを身に付け、年長の子は思いやりの心や集団をリードしたりする責任感を養っていきます。
 身近な地域のボランティア・スポーツ・文化活動・青少年団体の活動などは、それぞれ年の違う集団の中で子供たちが切磋琢磨する貴重な機会を提供しています。
 親はその大切さを見直し、子供たちを積極的に参加させましょう。

2017年3月5日日曜日

花だより キブシ 若松小学校開校90周年記念


【平成17年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
  若松小学校開校90周年記念式典
◇校舎改築と特認制度導入に尽力をされた第16代N校長先生からの手紙◇
 実は、私は5年ほど前に、脳梗塞を患い、体調がすぐれず記念式典に欠席することをお許し下さい。また、みみずの這ったような字で誠にすみません。
 私が平成4年校長として若松に赴任したとき、校舎を見てびっくりしました。すがもりや雨漏り、窓にはビニールが張られ、同じ義務教育を受ける子どもたちに、街の子と田舎の子に差別があってはいかんと思ったのです。さっそく教育委員会に行きました。すると「いずれ若松は子どもがいなくなり、廃校になる」という返事でした。
“よ~し、それなら、校舎改築に向けて、みんなで立ち上がろう”当時のPTA会長さんも「できるだけやってみましょう」と賛同してくれました。そして、元市議会議員、道議さんのお力添えをいただきました。当時の連合自治会長さんが中心となって自治会全員、職員全員の署名を持って、当時の久島市長と教育長宛に提出をしました。いろいろ論議はありましたが、最終的に久島市長の決断により、校舎改築が決定したわけです。
  次に児童数を増やすために青年会議所の皆さんからの助言もあって、特認校(地域の環境をを活かした特色ある教育をすることで校区外からも児童を受け入れる特別認可校)が浮上しました。その話を教育長にしましたら、「自然を生かした教育なら、北見市内の学校でも、ちょっと行けば、山や森、自然はいくらでもある。そんな程度ものではだめだ。」と一笑されました。それで平成4年から調査をはじめ、道内の特認校を視察して回りました。札幌の盤渓小学校へは、給食調理員さんや用務員さんも含めて全職員で視察に行きました。
 校長先生からは、「本校は、教育委員会のお膳立てでできたのではなく、地域の力によってできた学校です。でも、先生方は大変なんです。毎日が父母から勤務評定されているのと同じですから 」と言われました。でも、あのときは先生方やPTAも全員燃えていましたから、英知をしぼり、自然を生かした特色ある教育計画をとりまとめ、教育長に提出しました。
 ○一輪車の学習 ○ハッカの栽培活動 ○若松スキー場を利用したスキー学習
 ○本当の意味での遠足(現在の20㎞ 強歩遠足)
 ○南小学校のプールを利用しての水泳学習(現在は、市民プールで行っています)
 ○湧別原野クロスカントリースキー大会への参加  ○オホーツクサイクリングへの参加
 ○登山遠足 これには、父母の絶大なる協力が必要である。
 そして、これが議会で承認され、平成7年度から特認若松がスタートしました。
 それからの若松小の発展は、新聞、テレビ等で拝見し、とてもうれしく思っている次第です。
 校舎改築と特認制度は、学校とPTA、地域が一致協力して実現したものです。校長の力は微力です。“先生方、父母、地域の皆様のがんばりだ”と今でも遠くから眺めながら感謝しています。
  特認校であることを声高々にあげて、誇りを持って、開校100周年に向けて頑張って下さい。

 便せん6枚に渡り、当時のことが熱く綴られていました。不自由なお身体で、相当時間をかけて、書かれたものと推察しました。100周年に向けて、N校長先生をはじめ、先輩諸氏が築き上げたこれまでの伝統を受け継ぎ、さらに現代の教育のニーズに対応した新たな特認若松小学校づくりに、学校・家庭・地域が一体となって努力していかなければならないと思いを新たにした次第です。

2017年3月4日土曜日

花だより 桃の花(2) 6年生と給食

~平成12年の作品~

【平成20年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》  ~6年生と一緒に給食~
 校長室で6年生と一緒(各班5人ずつ6班に分かれて)に給食を食べています。
 話題は「6年間の思い出」 
 一番の思い出はどの子も修学旅行をあげます。2番目に「よさこい」(よさこいソーラン祭りin札幌)です。一番は「よさこい」ではないかと思っていましたが意外でした。
 「修学旅行の何が楽しかったのか?」と聞くとホテルの部屋と言います。「寝食を共にする」と言いますが、どんなことで盛り上がったのかは秘密だそうです。
 いつの時代も学生時代の思い出は「修学旅行」です。何年か経ってこの子たちがクラス会をしたら、たぶん釧路のホテルで過ごした夜の話で盛り上がることでしょう。
 中学生になったら、先生より先輩が恐い!ほとんどの子が部活を頑張りたいと言っています。そこで心配なのが恐い先輩です。「1年生のときは、目立たないでおとなしくしていないといけない。服装とか、礼儀とかちゃんとしないとね。それに斜里小や他の学校の子たちとも仲良くしなければならないし、中学生になったら気を遣うよね。」と言っていました。
3月に入り、いよいよ卒業までのカウントダウンが始まりました

2017年3月3日金曜日

花だより 桃 節句


【平成20年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
 日本の五節句 □□□節目を大切にする日本人の心□□□
◎人日(じんじつ)/陰暦正月7日「七草がゆ」◎上巳(じょうし)/陰暦3月3日「桃の節句」◎端午(たんご)/陰暦5月5日「端午の節句」◎七夕(たなばた)/陰暦7月7日「七夕祭り」◎重陽(ちょうよう) /陰暦9月9日「菊の節句」
 9月9日の重陽の節句はなくなりましたが、他の節句は現代まで伝わる行事です。
  初節句のひな祭りは、身のけがれを祓う災厄除けの行事です。
 ひな祭りは、平安時代に高貴な生まれの女の子の厄除けと健康祈願のお祝いとしての「桃の節句」が、江戸時代になって庶民の間にも定着して行われるようになったお祝いです。ですから単なるお祭りではなく、お七夜やお宮参りと同じく女の赤ちゃんのすこやかな成長を願う行事、いうなればお雛さまは、赤ちゃんに降りかかろうとする災厄を、代わりに引き受けてくれる災厄除けの守り神のようなものです。気持ちの問題ですが、省略せずにきちんとお祝いしてあげたいものです。
《心がホッとステーション》 ~お雛様 桃の節句~
 「お雛様だから、今日はごちそうだよね」とお姉ちゃんに言ったら、「男は関係ないの!」と言われた。「そしたら、5月5日は、女は関係ないんだよね。」と言ったら「バカだね。子供の日だもの、男も女も一緒でしょ」と勝手なことを言っていた。 
『桃の花』言葉は、「気立てがよい」です

2017年3月2日木曜日

花だより タチツボスミレ ホテルの朝食バイキング

~平成12年の作品~

【平成20年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》
△△△ホテルの朝食バイキング△△△
 出張で札幌に行ったときのことです。隣の席に外国人(白人女性)が座りました。見たら箸を上手に使ってごはんにのりを巻いて食べています。おかずは、焼き魚に納豆、漬け物、みそ汁のオーソドックスな和食メニューです。その隣は、日本人のおばさんでしたが、テーブルにはトーストとコーヒーがのっていました。
 日本の食糧自給率は、先進国の中で最低だそうです。その原因の一つに日本人の食生活の変化が上げられています。ところが外国では、健康食である日本食が大変なブームになっているそうです。
 給食センターの栄養士さんは、栄養教諭の資格がなければできなくなりました。それは学校教育の中で「食育」が行われるようになるからです。
『医食同源』という言葉があります。朝食をしっかり食べる子は、「勉強ができる」という結果も出ています。しかし、朝食が、ロールケーキにオレンジジュースという家庭もあります。「子供が好きなものを出す。朝は手の込んだ食事の用意なんかできない。」と言う母親の弁には呆れてしまいます。“子供が「きれる」原因は食生活にある”という評論家もいます。永久歯がなかなか生えてこない子が増えてきているのも食生活の変化が原因だと言われいます。子供の変化は、どうも食生活にあるようです。
 中国産冷凍食品の殺虫剤混入事件から、食の安全がさらにクローズアップされました。
 給食センターでは、輸入食材をなるべく控えた安全で安心な食材を提供し、また、地産地消を取り入れた食材を使用しながら、給食メニューの改善に努力しています。先週、給食のカレーに、しれとこの鹿肉が使われました。斜里町の給食は、地元の食材を使うことに力を入れていますが、地元の小麦粉で作ったパンや麺を使うとコストがかなり高くなってしまいます。しかし、多少値段は高くても口に入る物は、安全が一番です。何もかも値上がりして家計も大変かと思いますが、給食費の値上げは仕方がないのかなあと思います。詳しくは、改めてお知らせします。

2017年3月1日水曜日

花だより ハハコクサ 高校の卒業式


【平成19年度 斜里町立朝日小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》 
3月1日 斜里高校(総合学科)の卒業式に参列 
 控え室から式場に向かう途中、卒業生が廊下に整列している横を通ると来賓に向かって「おはようございます」という元気の良い声が廊下に響きました。今風のブレザー姿と中には奇抜なヘアースタイル、女子高生のミニスカートを見て、自分の高校時代との違いを感じました。
 式が始まると厳かな中、凛とした立派な態度で式の臨む生徒たちに社会人としてスタートを切る心構えが感じられた感動的な卒業式でした。
 式では、卒業証書授与の他に「皆勤賞・精勤賞」の表彰と介護ヘルパーの資格や危険物取り扱い資格、英語検定、漢字能力検定、数学検定、商業簿記検定、情報処理検定、珠算、電卓検定、ワープロ検定、ビジネスマナー検定など各種検定や資格合格者の表彰も行われました。また、総合学科となって2回目の卒業式を迎え、総合学科としての特色ある教育活動の成果が現れてきて進学率も高くなっているそうです。控え室では、校長先生から「もっと多くの子が斜里高校に入学してほしい。勉強しなくても高校に入れると思ったら大間違いです。」と小中学校の校長に話がありました。
 学事報告には、国公立大学、私立大学、短期大学、専門学校、看護学校、各種学校などの進学内定率91%)、就職(町内)、管内、道内、家業、公務員などの就職内定率90% 2月22日現在)が詳細に載っていました。小学校を卒業したら、3年ですぐ高校進学です。今から進路について考えておいた方がいいでしょう。