~平成12年の作品~
【平成20年度 網走市立潮見小学校 学校便りから】
~文集「潮見っ子」 発刊にあたって~
《巻頭言》 「書くことについて」
今、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」(日曜夜8時)にはまっています。司馬遼太郎が十年の歳月をかけ、明治という時代に立ち向かった青春群像を渾身の力で書き上げた壮大な物語です。多くの日本人の心を動かした司馬遼太郎の代表作でもあります。主演は「おくりびと」の本木雅弘、正岡子規役を香川照之が演じています。
正岡子規といえば、~柿食えば 鐘がなるなり 法隆寺~の俳句が有名です。写生俳句、写生文を提唱し、近代文学に大きな影響を及ぼしましたが心半ばで病没。享年34才でした。ドラマでは結核を患い、「俺には時間がない。」と夢中になって俳句や短歌を書きつづる姿が印象的でした。
ところで「文を書くのが好きだ。」という人はどれだけいるでしょうか?私も作文嫌いな一人ですが「筆無精は、一生の損」ということわざがあるように、私もこの歳になって、そのことを痛感しています。
子どもを作文ぎらいにしてしまうのは大人です。子どもは、自分の書いた作文を見せるのをいやがります。「へたくそ」と、骨を折って、せっかく書いた作文にケチをつけられたら、だれだって作文嫌いになってしまいます。子どもは、自分の作文の「愛読者」を発見すると作文好きになります。その「愛読者」は最低三人です。お父さん、お母さん、そして、先生と。もう一人、それは作者本人です。自分の作文をもっとも愛読するのは、作者自身だからです。ただし、褒めてやらなければ、自分の作品を大事にしません。作文好きにさせるのは、先生よりも寛大なお父さんとお母さんです。この文集「潮見っ子」を読んで、まず褒めてください。一行でもいいです。「ここよく書けたね」と、その褒め方一つで子どもの作文嫌いがなおります。
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