2017年6月4日日曜日

花便り スイレン 名湯秘湯

~平成12年の作品~

【平成20年度 斜里町立朝日小学校 學校だよりから】
《心がホッとステーション》
   身体を清め、心を洗って帰るなら、またのお越しを歓迎します。
                             (越川温泉協同組合)
 遠足で雨に濡れ、体の冷えたみつ子先生が、「今日は越川の温泉に行って温まってくる。校長先生もどうですか?」
 昨年のちょうど今頃、近所の人に斜里には隠れた名湯「越川温泉」があると聞いて、夕方、出かけたことがありました。行けども行けどもそれらしい建物は見当たらず、あきらめて帰ろうとしたら、道端に白いドラム缶を積み上げた門が見えました。到着したころは、すでにうす暗くなっていて灯りはなく、妻は「こんなところに一人で入るのは恐い。熊でも出たらどうするの!」と言い出し、結局その日は入らずに帰ってきました。
 それから1年「みつ子先生が『いい!』と言うなら・・・」と意を決して行ってきました。
 入り口に[入浴料200円]という貼り紙がありました。休憩所には常連らしい先客が3人いて「そのドラム缶の中にお金を入れるんだ。」と教えてくれました。地域の人たちが協同組合をつくって運営しているらしく、壁には、「組織図」や「役員名簿」、「掃除当番表」などが貼ってありました。壁際にはそれぞれ形の違った相当使い込んだソファーと真ん中にはテーブルがいくつか並べてあり、天井には懐中電灯が5本吊り下げてありました。
 更衣室は男女別にちゃんとなっています。浴室はコンクリートむき出し、屋根は半透明の波板、いかにも手作りの建物ですが、窓はサッシで大きく駐車場から丸見えです。
 湯船に入ると“熱い!”太いホースが2本あって、なぜか青いホースからは[温泉水]赤いホースからは[水]が出ています。大きなバルブを回し水の量を調整しながら、自分にあった温度にして入るらしいのです。ただし“水は川からひいているので飲まないで下さい”と書いてありました。
 湯船の大きさは2m×3m、1人で手足を伸ばして浸かると実に気持ちが良い。無色、透明、ほんの少し硫黄の臭いがして体の芯からポカポカ温まる感じがします。
 あがると「身体を清め、心を洗うならば、またのお越しを歓迎します。」という貼り紙を目にしました。“ゴミは持ち帰り下さい。皆さんの善意で支えられている温泉です。”なるほどみつ子先生おすすめの温泉は最高でした。

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