2017年10月22日日曜日

花だより アキチョウジ 教員の「働き方改革」


 本気で進める「働き方改革」
       教育研究家・学校業務改善アドバイザー(文科省委嘱)/
       中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員 妹尾 昌俊
       (「教職研修」10月号 特集 教員の「働き方改革」より)抜粋
 ≪“たし算”から“ひき算”の発想≫
 はじめにはっきり申し上げる。学校の働き方改革は待ったなしである。
 現に過労死や過労自殺で亡くなっている教師が後を絶たないし、精神疾患等になる人も増えている。授業準備をする時間がないという教員は9割、生活にゆとりがないという教員も7割という調査もある。これでは、いくら新学習指導要領で高い理念や21世紀に通用する資質や能力の育成を掲げたところで足元がおぼつかない。
 これまで文部科学省は、“〇〇教育”や“〇〇指導”を増やしてきた。この背景には社会のニーズも強い。学校教育にあれもこれも求める“たし算”思考である。
 いま中教審の特別部会で検討しているのは、おそらく史上初めてかもしれない“ひき算”の発想だ。
 具体的に教員の負担軽減として、何を行うべきか、個人的な提案として3点である。
(1)環境と勤務条件の整備 
 ・定数の増加、一人当たりの授業時数の削減
(2)教員以外のスタッフとの連携 
 ・月に1~2回しか来ない専門職や週に2~3回の外部指導者では、調整等で逆に負担   
 が増える。頻度を高くするか、教頭、教員の業務の一部を代替えするアシスタントを付 
 ける。
(3)教員が軽くしてもよい仕事の明示
 ・教育委員会からの調査依頼、文書作成依頼、活用されていない研修レポートの作成等   
 を一度中止する。学校外の問題行動は、家庭や警察が対応するように啓発する。


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