人生100年時代と働き方改革
~教員の働き方改革(中教審特別部会)途中経過~
玉川大学教授、教育ジャーナリスト 中西 茂
(「教職研修」11月号より抜粋)
緊急提言を議論している特別部会には、「業務の適正化や役割分担等に関する具体的な論点」という資料が示された。5つの視点から11の業務について、法令などの根拠の有無や諸外国の状況、現状や課題、国内の自治体での取り組み例を分かりやすく並べている。
≪5つの視点≫
①教員が担わなければならない業務 ②教員が担う必要があっても、他の人が関われば教員の業務量が軽減できる業務 ③他にふさわしい人がいれば必ずしも教員が担う必要がない業務 ④学校において教員以外の人が担う業務 ⑤学校以外が担う業務
≪11の業務≫
①登下校の時間の対応 ②放課後、夜間などの見回りや補導時の対応 ③調査・統計への回答 ④学校徴収金の徴収・管理 ⑤地域ボランティアとの連絡調整 ⑥成績処理や教材準備 ⑦課題のある家庭や児童生徒への対応 ⑧給食時の対応 ⑨児童生徒の休み時間の対応 ⑩校内清掃 ⑪部活動
部活動や調査・統計への回答の見直しは当然だろうし、学校徴収金の徴収や管理(給食費の集金、未払い、未納者の対応)の従事率が5割を切るなど、改善が進みつつある。登下校の時間の対応は、地域や保護者に訴えるなどして、とらえ直してみたい。清掃活動も学習指導要領に記述があると言っても見直しの余地はありそうだ。
給食指導は、食物アレルギー対応もあって何らかの形で教員が担わざると得ないだろうが、ランチルームで複数まとめて指導したり、栄養教諭や地域の人が関わったりするなど、活路はある。
特別部会の委員で、文科省の学校改善アドバイザーにもなっているNPO理事で学校マネジメントコンサルタントの妹尾昌俊さんは、「前例や伝統」「子どものため」という考え方から離れ、「教員でなくてもできることは手から放すなり、チームで対応するなりしよう」と提案した。また「専門性」と「命・安全への関わり」という2つの視点に絞って業務を仕分けする資料も提出している。一考に値すると思う。
花のなくなったベランダにツルウメモドキ
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