2018年2月28日水曜日

花だより フリージア 北見の老舗「コヤナギ」閉店 網走道の駅


 書の心 
 心の邪正(じゃせい)気の強弱 筆画之掩(ひつがくこれおお)うこと能(あたわ)ず
 文字の練習だけでは よい作品は生まれない
 大きな緊張に耐える心の修養が欠かせない
 これは書家である以上 いつまでも続くことである
                       高木聖鶴
 大きな緊張とは、硬筆のように消しゴムで消すことはできない一発勝負だからです。
 
 駅前商店街にある北見の老舗「コヤナギ文房堂」が閉店することになり、全商品5割引きということもあり、連日、賑わっている。
 わが家から近いこともあり、掘り出し物はないかと足を運んだ。
 6万円の鼬(イタチ)の毛の筆が半額で買い得だとすすめられた。さらに「定価15万の硯は、3万でいいですよ。記念にいかがですか?」と言われて心が動いた。
 古くから書道用品や油絵などの画材を扱っている店で、昔からの馴染み客が、閉店を惜しんで来店している。
「新学期を迎えるときは、コヤナギさんで、新しいノートや鉛筆などを揃えたものです。子どもも孫もそうでした。どうして止めるのですか?」と馴染みの客が店主に聞いていた。
 建物の老朽化に伴い、取り壊して最近建ったホテルの駐車場にすると答えていたが、郊外の大型店や100円ショップの台頭で、街中の個人経営の文房具屋さんや本屋さんは、対打ちできないのだろう。
 ほとんど品物がなくなったショーケースの上に、『~これまでありがとうございました~○○高校美術部より』の花が飾られていた。


2018年2月26日月曜日

花だより アズマイチゲ がまん力 知床の冬


《シリーズ「イキイキ子育て」》
  「心の強い子」は成績も伸びる 多胡 輝著
 ~わがままとがまん力~
 甘ったれとは、どんな甘えでも親が満たしてくれるのを知っている子です。甘えと同時に厳しさを学ばなかった子は、人間関係でもわがままいっぱいにふるまう傾向があります。人を人とは思わないというより、まだ自分と他人の区別がつきにくいのです。
 家では誰もが自分の言うとおりにしてくれる。だから周りもきっとそうだと思ってしまいます。これでは本当の意味の人間関係を築けないし、本当の友だちもできません。人は自分とは違うんだということを理解することで、その子の中に社会性が育っていくのです。それが育たなければ人間関係において、わがまま放題にふるまうので本当の友だちができにくいということにもなります。
 楽しいことがあれば一緒に笑い、悲しんでくれるのが友だちです。その人が本当にいい人生を送っているかどうかは、よき友だちの多さを見ればわかります。友だちというのは利用し合う関係ではありません。困ったときには心底応援してくれ、喜怒哀楽をともにでき、人生の節目節目で、お互いの成功を喜び合える関係です。
 他人を他人と思えず、誰もが自分とは違った人格を持っていることに気づかないわがままな子は、本当の友だちを得ることができません。それはその子の人生にとって大きなマイナスになります。他人には甘えが通用しないということ。そういうことも親は子どもに教えていってほしいと思います。
 そのためには自己主張ばかりせず、いつも友だちと50対50(フイフティフイフティ)の関係を構築することです。砂場でシャベルの取り合いをしていたら、親が平等に使うことを教えることです。そういうことで子どもは他人と自分とは違うということに気づきます。わがままが通らないことを学びます。そこにもがまん力と心の強さを育てるきっかけがあるのです。


2018年2月25日日曜日

花だより カンヒザクラ 保護者説明会


  一日入学 2月18日(水)
~保護者説明会~ 27年度学級編制・学力・体力について
《現在の新入生の数では、2学級か3学級か微妙なところです。》
 現行制度では40人学級ですが、1・2年生だけは特別に1学級35人学級になっています。
 ~入学生が36人になると2学級になり、1学級18人になります。70人までは2学級で、71人になると3学級(1学級23~24人)になります。~
 1学級の人数が少ないほど目が行き届きますので、学校として何とか3学級にならないかと思っていますが、非常に厳しい状況です。ここ数年同じような傾向にあって、一昨年も80名近くの入学予定者がいて、3学級編制で準備をしていましたが、3月末になり71名を切り、急遽2学級編制にしたことがありました。今年もこのままですと(転入がいないと)2学級になる公算が強いです。これからもこのような微妙な傾向が続くことが予想されます。
《学力について》 北海道(オホーツク管内)は学力が低い?
 今の小6が大学受験するときから大学入試制度が変わります。大学には行かないから関係ないではありません。
大学入試が変わると、小・中・高校の教育内容が大きく変わります。
 これまでの知識量を問うものから、考える力(思考力・判断力・表現力)が重視されます。「そうかたくさん覚えなくていいのか!」ということではありません。北海道の子にはさらに厳しくなるかもしれません。
【考える】よく使う言葉ですが、子どもたちに「『考える』とはどういうこと?」と聞いても明確な答が返ってきません。わかるようでわからない言葉です。
 例えば、Aスーパーでダイコンが100円だった。これは安いか高いか? 判断する場合に何を根拠にしますか?
 新聞チラシでBスーパーは105円だったけれど、Cスーパーは98円。先月は95円で、去年は90円だった。さらに産地を調べたり、鮮度を確かめてみたりして判断するのが賢いやりかたです。つまり知識や情報がたくさんあればあるほど正しい判断ができるということです。
 勉強も同じで、「考える」ためには知識が必要です。さらにただ知識を習得するだけでなく、子ども同士の関わりの中で学ぶことやさまざま体験を通して獲得する生きた知識や情報・技能も大切になってきます。
《体力低下》 学力も体力も低い? 子どもが元気に遊ぶこと
 学力低下と同じく体力がないことも問題になっています。北海道の子どもは、体格はいいので(肥満傾向)握力やソフトボール投げは、全国平均以上だが、その他の50m走や持久走などは苦手で全体的に体力がないという結果が出ました。原因は冬期間が長く運動不足になること、スクールバスや車の送迎などで歩くことが少なくなったこと、家の手伝いをしなくなったことなどがあげられます。テレビやゲームの時間が長いという調査結果もあります。
~体力向上のため、さまざまな対策を講じているところですが、まずは徒歩通学です。~
 校門前の道路は登校時間帯“車両通行止め”になっています。これは児童の登校の安全確保のためにPTAと地域が協力してお願いして実現したものです。やむを得ず車で送ってくる場合は、駐車場に入るか、手前で降ろすかなどしてください。時々、パトカーが回っていますので注意して下さい。
 「学問に王道無し」という言葉がありますが、“学力や体力向上に手っ取り早い方法はない”という意味です。大事なことは、毎日、休まず歩いて学校に来るということです。
 「うちの子と○○ちゃんと同じクラスにしてもらえませんか?」とか「担任の先生は誰ですか?教えてもらえませんか?」とお願いされることがよくありますが、こうした要求にはお答えすることができません。ただし、入学にあたりご心配なことがたくさんあると思います。校長室を「お得意様サロン」として開放していますので、お時間がありましたら是非お越し下さい。また、学校の様子は、ホームページやブログで紹介しています。

2018年2月23日金曜日

花だより 黄梅 ソチ冬季オリンピック観戦記


  ~ソチ冬季オリンピック観戦記~ 
「校長先生、見た?浅田真央選手が…。お母さんが『ああ~!』とため息ついたよ。」
 次の日:「真央ちゃんフリーでやったね。お父さんが『たいしたもんだ。感動した!』て言ってたよ。」
 「校長先生、葛西選手は、日本人なのにどうしてレジェンドって言うの?」
「葛西選手がさ、銀メダルとったよね。団体でも銅メダルとったし、すごいよね。41歳なんだって、お母さんが、『うちのお父さんと同じ歳だ!』と驚いていたよ。でも、日本人なのになぜ、『レジェンド葛西』というのかな?」だってさ。金じゃないから次も、出たいって!すごいよね。」
「スケルトンでこわいよね。でも、ぼくさ、この前ソリでやったよ。気持ちよかったよ。」
「お母さんがね。『オリンピックに出る人たちは、みんな大変な練習をしているんだよ。苦労しているんだよ。メダルはとれなくても、一生懸命がんばったんだからいいよ。』と言っていました。」
 テレビを見て、感動したり、不思議に思ったりしているようです。それがオリンピックの魅力です。
オリンピックは4年に一度です。家族そろって観て、いろんな会話をするといいと思います。見逃した人は、是非総集編をご覧ください。
 

2018年2月22日木曜日

花だより 白寒菊 先生はぼく(私)のこと嫌いなんだ


 「先生はボク(私)のことが嫌いなんだ」
                    山陰心理研究所臨床心理士 蔵 あすか
 ≪はじめに≫
 学級という容れ物は実にさまざまなものが内包している。30人の子どもがいれば、30通りの顔、体格があるように、同じ数の人格や特性、家庭的な背景がある。筆者はSC(スクールカウンセラー)として学校に関わり、教師とのコンサルテーション(教育の専門家である教師と心理の専門家であるSCが共通の課題に関して、お互いの専門性を活かして協議すること)、保護者や子どもとのカウンセリング、授業観察などを通して、そこに居る人たちとやりとりをする。そこで出会った子どもたちの声を取り上げながら、「先生はぼく(私)のことが嫌いなんだ」という思いを抱いている子どもがいたら、教師はどう理解し、どのように関わったらよいかを考えたい。
 ≪本人はそう感じている≫
 教師が意識をしてその子に対して発した言葉ではなくても、その子が敏感に感じてしまうこともある。例えば、宿題をしなかった子が数人いたので教師が学級全体に「宿題は必ずしてきましょう。してくるものです。」と声をかけたとする。その時に宿題をしてきた子が、自分はしてきたにもかかわらずその話をする教師と目が合ったので、「自分に言われている。分かってもらえていない。」「先生から認めてもらえていない。」と感じる。
 あるいは、元気がない時にいつも同じ教師の声かけをきつく感じることもある。あるケースでは、学校に来る前に親から準備に関して「遅い」と注意された子が、学校でも教師から「遅い」ことを指摘されて、「親からも教師からも認めてもらえていない」気持ちを訴えた。
 こういった子から聞こえてくるのは、「自分を見るときの先生の目が冷たい」「みんなの前で恥をかかされた」「自分にばかり厳しい」ので「先生はボク(私)のこと嫌いなんだ」という声である。
 *こんなタイプ(①叱責されることが多い ②あまり構われない ③問題にきちんと対応してもらえないと感じている ④教師にとって苦手なタイプ)の子は、自分が嫌われていると感じている。
 ≪教師ができること≫
① 想像力を働かせる
  学級に30人の子どもがいたらそれぞれ個性がある。教師が発した言葉や振る舞いが学級の子ども全員に同じように映っているわけではないことを前提にする。
  言葉で伝わるメッセージよりも、表情や声のトーン、振る舞いなどの方が教師の本心を表すこともある。言葉で「いいですよ」と言っても声の調子が合っていなければ本心ではないと相手に伝わることがある。子どもはそれを敏感に感じ取る。
② 同じルールで叱る
  子どもは、自分への対応だけでなく、他の子への対応など周囲との比較によっても大人からの注意の向けられ方が好意的なのか、そうでないのか、期待されているか、諦められているかを感じている。特に小学校中学年くらいからは大人の矛盾に厳しくなる。ただし、特別な支援を要する子が学級にいる場合は、ルールの基準が異なる場合がある。
③ 子どもの思いを知る 
「先生はボク(私)のこと、嫌いなんだ。」と直接聞くことはない。親あるいは、養護教諭やSCなどから、聞かされることが多いだろう。SCが出会う子の多くは、「こんなこと言ったら迷惑にならないか」「心配かけてしまう」よけい面倒なことになる」など複雑な思いを抱えている。こういった思いに対しても想像力を働かせてほしい。
*他に④話をよく聴いて整理する。⑤説明し、場合によっては謝ることが大切です。  



2018年2月21日水曜日

花だより ミツマタ 担任の先生が嫌いだ


  「担任の先生が嫌いだ」
              葛飾区教育委員会事務局指導室指導主事 木村 文彦
 ≪はじめに≫
 好き嫌いは、誰にでもある。大人にも子どもにもある。内閣府の『平成25年度 小学生・中学生の意識に関する調査』によると、「先生との関係がうまくいっているか」との問いに否定的に回答している割合は6.5%である。また、文科省の『平成29年度 全国学力・学習状況調査』によると、「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」との問いに否定的に回答している割合は14%である。
 さらに、内閣府が平成13年度に行った『第2回青少年の生活と意識に関する基本調査』によると、「あなたは、今の学校生活で、何か困ったことや嫌なことはありますか」との問いに、「嫌いな先生がいる」と回答している割合は10%という結果が出ている。
 いずれも、先生に対する否定的な意識を持つ子どもが存在しているということを表している。どこかの学級ではなく、すべての学級に当てはまる結果であると受け止めてなければならない。
 ≪子どもが「嫌いな先生」≫
 子どもにとって、先生を嫌いになる理由は様々である。成育歴の中で大人不信になり、先生が嫌いな子どもがいる。叱られたことがきっかけで、先生が嫌いになる子どもがいる。期待していたとおりに先生が反応してくれなかったから、授業が分からないから、厳しすぎるから、えこひいきするから…、子どもたちは自分たちの感じる様々なことを理由に、先生を嫌いになる。
 先生を嫌いになるのは、子どもの一方的な理由かもしれない。しかし、私たちは先生を好きだと感じている子どもも、嫌いだと感じている子どもも、すべての子どもたちを大きく包み込み成長を願い続ける「先生」というやりがいのある仕事をしている。
 ≪まとめ≫
 子どもが先生を好きだろうが、嫌いだろうが、先生の仕事は、子どもの健やかな成長を願い、教え育むことである。
 「育む」の語源は、「羽くくむ」であるという。「くくむ」は「包む」の古語。親鳥が羽でひなを包み込む姿に由来するという。どのような子どもであれ親鳥が羽でひなを包み込むように、先生が子どもを包み込み、安心感の中で、子ども自身が自分の可能性を開いていくことができるようにしていきたい。先生こそが、子どもにとって最大の環境であることを信じ、目の前の状況に翻弄されず、恐れず、子どもたちの未来を開くために努力していきたい。                    (牧野:要約)

2018年2月20日火曜日

花だより ウグイスカグラ 体力テストの結果


【平成26年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
 《体力テストの結果》
・・・オホーツクは最下位というショッキングな結果となりました。・・・ 
 北小の体力テストの結果については、10月10日(21号)の学校だよりでお知らせ(HPにも掲載)していますが、筋力はあるが走るのは苦手という傾向にあり、その要因の一つに、体格はいいがやや肥満傾向にあるということです。あまりよい結果ではないと思っていましたが、まさかオホーツクが道内最下位とは?ショックでした。
 ダイエットするためにフィットネスクラブに通う大人が多いようですが、子どもはそうはいきません。寒い日でも、駅前から学校に向かう高校生の列が続きます。夏の間は、坂道を自転車でこいで上がっていきます。登下校だけでも体力を使う姿を見ると、車通勤はやめようかなと運動不足の我が身を反省します。
 寒い日は、車で送ってやろうか? という親心を分かりますが、まずは歩くことです。
PTAでは、「ノーゲームデー」を設けて外で遊ぶことを奨励しています。勉強した時間と同じ時間だけ、ゲームをしていい!と決めている家庭があるそうです。
 道教委は、学校、家庭、地域、行政が一体となった取組が必要と言っています。

2018年2月19日月曜日

花だより アネモネ お母さんは最高の先生


~お母さんは最高の先生~
 「子育てが楽しくなるちょっとした習慣」(PHP研究所)
                 白百合女子大学 教授 田島 信元
 世の中には子育て情報があふれています。「何を信用すればいいの」と迷っている方も多いと思いますが、「実は子育てはそんなに複雑ではなく、むしろシンプルです。」
近頃、子ども自身が持つ「育つ力」が強調されるようになっています。つまり、子どもは幼いころからもともと「自己学習(発達)力」が備わっています。しかし、この「育つ力」とは、実は「子どもは一人で育つ」という意味ではありません。大人の「育てる力」があってはじめて、もともと備わっている「育つ力」が発揮されるものです。
 ≪その子に合ったピッタリの教育 (日本人には日本の教育を)≫
日本の子育ての常識をアメリカの子どもに当てはめると、子どもはパニックを起こします。逆に、アメリカの子育ての常識を日本の子どもに当てはめると、子どもはとても神経質になってしまうことが分かりました。つまり、日本の社会、アメリカの社会といったそれぞれの文化的な土壌にピッタリ合った子育てを考えることが、子どもの発達に一番いいということなのです。日米の差だけの話ではありません。同じ日本で、他のお宅でスマートな教育をしているからといって、それをそのまま自分の子どもに当てはめてみるのも考えものです。うまくいかないばかりか、非常に危険なことです。このことは同じ家庭のきょうだい間でもいえることです。まさに目の前のお子さんに「ピッタリ」あてはまる子育ては、お母さんがお子さんとやりとりしながら、自らあみ出していくものなのです。
 ≪ピッタリをあみ出すにはどうすればよいのか?
  それは「ことば」と表情を大切にすること≫ 
 お母さんが与えている中で最も重要な刺激は「ことば」であること。その「ことば」を使って子どもはものごとを考えるようになるということです。
 正しいことば、優しいことばで話しかけることで、子どもは頭や体を動かすのです。褒めるのも叱るのも、子どもはお母さんのことばを一番頼りにしているのです。ことばを一番交わすのは、お母さんだからです。そして、お母さんの表情も大事です。子どもは親の表情から本能的に思いを感じるものです。


2018年2月18日日曜日

花だより ジンチョウゲ 責任の取り方 


 《シリーズ「イキイキ子育て」》「母の品格」 多湖 輝著より
 ~子どものできる「責任の取り方」を親がきちんと教える~
 小さな子どもは本来わがままなものです。だから赤ん坊のうちは人のものを取ってもあやまろうとしません。それが少しずつ大きくなるにつれ、いたずらするとあやまるようになります。しつけがうまく進んでいくと、子どもが社会性を身に付けていきます。それはやっていいことと悪いことの区別をつけていくということです。
 スーパーの中で5歳くらいの男の子が走り回っていて、お菓子コーナーにぶつかり、山積みになっていたお菓子がバラバラに落ちてしまいました。男の子は呆然として見ているだけです。するとお母さんがやって来て「何してるの。こっちに来なさい・」と子どもを呼んで、どこかへ行ってしまったのです。
 ばらまかれたお菓子を拾ったのは、近くの大人でした。子どもが自分でやったことに責任をとるということを実践で学ばせる大切な機会を逃しただけでなく、まずいことをしたらその場を逃げるという余計なことを学んでしまったことになります。お母さんがやらなければならなかったことは、お菓子を拾ってくれた人にお礼を言って、子どもに散らばったお菓子を拾わせる。もし、壊れたり、汚れたりしたものがあれば、責任をとって買い上げるということです。子どもでもやったことに責任をとるということは大切なことです。
周りから「敬遠」される大人にはしたくない 「子どもが勝手にやったことです。」などという親は、周りから敬遠されてしまいます。敬って遠ざける、「敬遠」とはおもしろい言葉です。心から敬っているのではなくて、敬うふりをして近づかない。親しくならないということです。
 責任のとれない大人は、陰で笑われる裸の王様です。でも、実をいえば「責任の取り方」などというのは、教育やしつけではないのです。ごくごく当たり前の常識をたくさん身に付けることによって、いわばその集大成として、責任とは何かということがわかってくるのです。ですから、子どものうちからしっかりと常識を身に付けさせることです。
常識とは、突拍子もないものではありません。人に会ったらあいさつをするとか、自分の思い通りにならなくてもがまんするとか、人には親切にするとか。それはみな当たり前の常識なのです。そういう当たり前のことを、親が当たり前のようにやっている姿を見て、子どもの気持ちの中に少しずつ常識が芽生えてきます。
 「やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六)という教えがあります。お母さんが常識と思っていることを子どもに一つずつ伝えていって欲しいと思います。手間暇のかかることですが、手間暇を惜しまないのが愛情でもあります。

2018年2月17日土曜日

花だより フキノトウ 中学生になる子どもを持つ親へ


 《中学生になる子どもを持つ親へ》 
 ~心も身体も大人ではないけれど、全くの子どもでもない~
 思春期とは、身体の成長に心の成長が追いつかず、誰もが不安定な気分になりやすい時期です。「私は何なのか」「私はどう生きたらいいのか」などと自分に直面し、自分を見る「もう一人の自分」が意識されるようになります。小さなことで有頂天になったり、逆にひどく傷ついて落ち込んでしまったりします。異性を意識したり、Hな本やビデオに興味を持ったり、親や先生がうっとうしく感じるようになり、自分だけの秘密を持ち始めます。こうした心の変化に対し、身体は、体型全体の大人化が著しく進みます。女性では月経、男性では射精が始まります。また抑えがたい性衝動が性非行を含むさまざまな問題行動の原因につながることもあります。反抗的になり、特に女の子と父親は、メールでしか会話しなくなったりします。
 しかし、腫れ物に触るように接したり、逃げたりしてはいけません。これまで以上に会話を大切にしてかかわる努力が欠かせません。自分たちも通ってきた道ですから・・・
 思春期の子どもと向き合うことです。 大人へと成長する階段をまた一歩昇ったと思いましょう。
 

2018年2月16日金曜日

花だより レンテンローズ 子どものストレス

《シリーズ「イキイキ子育て」》
 子どものストレス
 体が疲れてくると、風邪をひきやすくなったり、胃腸がうまく働かなくなったりします。それは「少し休みなさい」というサインです。そういうときは、仕事を早く切り上げて、薬を飲んだり、医者に診てもらって回復を図ります。しかし、心の疲れはどうでしょうか?体のようにすぐサインが現れないので、多少調子が悪くても無理に頑張ってしまいます。大人であればストレス解消に、パチンコをしたり、お酒を飲んだり、釣りに出かけたり、それぞれがストレス解消法を持っています。しかし、子どもはそれを知りません。自分ではどうすることもできず、それが問題行動として現れてきます。
 「みんな なかよし」
 小学校の教室によく掲示してある言葉です。しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。
 お利口さんほどストレスが多い 
 高学年になるとお母さんにべったりくっついて甘えることもできない。友だちのいやがることをしてはいけない。先生の言うことは、きちんと聞かなければならない。親の期待に応えなければならない。いつも良い子でなければならない。と思えば思うほど子どもにストレスは、たまってきます。本来子どもは、休み時間汗びっしょりになって遊んだり、家に帰っても暗くなるまで外で遊んで、兄弟げんかをしたりしてストレスを発散するものなのです。
 ストレスコントロール
 ストレスコントロールとは、お酒を飲んだりしてストレスから逃げることではありません。人生をより充実させて生きていくために、ストレスを自分が成長するための糧として主体的に取り入れていく姿勢が大切です。ストレスと上手に向き合い、ストレスへの耐性を強化しながら、さらに上のレベルを目指していくことがストレスコントロールです。ストレス発散で他人に迷惑をかけてはいけません。ストレスで犯罪を犯したり、薬物に手を出すことは許されません。ストレスのない快適な環境をつくる努力をするより、ストレスに耐える心を育てることが大切なのです。

2018年2月15日木曜日

花だより ニオイスミレ 朝ご飯をしっかりとる習慣はなぜ大切なのか?


《シリーズ「イキイキ子育て」》
 ~朝ご飯をしっかりとる習慣はなぜ大切なのか?~
 子どもを自由放任主義で育てないようにしようと思ったら、子どもとの友だちつき合いをやめることと、きちんと食事をとる習慣を身に付けさせることです。
お母さんと友だちがはっきり違っているのは、お母さんは子どもに食事をつくって食べさせることです。食事は子どもの体を育てるだけでなく、心を育てるからです。子どもは、毎日決まった時間に食事をしながら家族と話をします。何気ない話であってもこれが大切なことなのです。この何気ない話の中から、子どもが何を考えているのか、親が何を考えているのかが互いに伝わっていきます。子どもが何を考えているか分からなければ、上手に叱ることができません。
 ホームドラマといえば、家族で食卓を囲む光景が映し出されるのが決まりごとのようになっています。食卓は、一家団欒の象徴になっているということなのです。しかし、保育園に子どもを預ける親の中には、「今朝は寝坊をしてしまって、私も子どもも朝ご飯を食べていません。わたしは我慢しますから、すみませんがこれを子どもに食べさせて下さい。」と途中コンビニで買ってきたおにぎりを先生に預け、あわただしく走っていくのだとか。大切な食事が隅の方に追いやられ、仕事や友だちつき合いなど、もろもろの要素が入り込んでしまっています。お母さんもお父さんも忙しいのはよく分かっています。
 でも、忙しいからこそ、食事を生活の真ん中において時間をやりくりして欲しいのです。せめて20分でも子どもと一緒に落ち着いて食事をするところから1日をスタートさせたいものです。そのためにどうするかを逆算して、起きる時刻を決め、寝る時刻を決めるのです。さらにお父さんの協力も必要です。放っておけば家族団欒からかけ離れた生活を余儀なくされるポジションにいるのがお父さんです。夫婦で話し合ってみてはいかがですか?



2018年2月14日水曜日

花だより サンシュユ 一日入学・保護者の皆様へ


 《1日入学・保護者の皆様へ》         
 孫が、2月11日の祝日、網走の流氷まつりのゲストに来る「スギちゃん」を見に行きたいと言い出して、連れて行く羽目になりました。腰痛も忘れて肩ぐるまをしたり、露店が立ち並んでいると「何かほしいモノはないか?」と、孫にはついつい甘くなっていまいます。その孫が今年の4月、小学校に入学します。
 帰りの車の中では、ぐっすり眠りに入りました。ちょっと前まで、「じいちゃん、ばあちゃん」もはっきり言えなかったのに、お母さんにくっついて離れない甘えん坊だったのに、1年生になって大丈夫だろうか?みんなについていけるだろうか?親以上に心配をしています。皆さんも入学の喜びと同時に不安を抱えているのではないでしょうか?
 さてそこで保護者の皆さんにお願いです。
1年生入学と同時に1年生の親としての勉強が始まります。
“子どもは育ってほしいと思ったようには育たない。育てたように育つ”と言われます。つまり、親の背中を見て育つということです。親の言動がそのまま子どもにコピーされるのです。
 勉強ができる子、友だちと仲よくできる子は、基本的な生活習慣がきちんと身に付いている子です。あいさつができる子。話がきちんと聞ける子。身の回りの片付けができる子です。
 「ちゃんとあいさつするのよ!」、「先生の話をちゃんと聞くのよ!」と言って聞かせてその通りになるのなら、何の苦労もありません。できるようになるには、親がお手本を示すことです。ドリルを与えて、「勉強しなさい!」ということではありません。「当たり前のことが、当たり前にできる」ようにすることですが、ところがこれがなかなかできないのです。4月から保護者の皆さんも1年生の親としての家庭教育の勉強がはじまると覚悟してください。
 残念ながら私はこの3月で定年退職しますが、北小の教職員が一丸となって子どもたちの教育と保護者の皆様のサポートを致しますので、どうか安心して入学してきてください。

2018年2月13日火曜日

花だより キンセンカ 与える前に


 入学・進級するお子さんにスマホやゲーム機を与える前に 
 中学校の校長先生から言われました! 
 北中の2年生と北小の6年生との交流学習が行われ、来校した北中の校長先生に最近の中学校の様子を聞きました。ネットトラブルが生徒指導の最大の問題で、中学校の入学説明会では、まずこのことを保護者に伝えると言っていました。できれば小学校のうちからきちんと指導してもらうと助かるとも言っていました。高栄中の校長先生も同じことを言っていました。
北海道教育委員会の「ネットトラブル未然防止のためのヘルプサイト」をご紹介します。
 《保護者の皆様へ》
 入学や進級に合わせて、「お祝い」や「緊急連絡用」として、スマートフォンや通信機能のあるゲーム機などをお子さんに与える家庭は少なくありませんが、インターネット利用上のトラブルを防ぐためには、「最初の与え方」がとても大切です。
与えてからでは戻りにくい
 子どもにスマートフォン等を与える際には、機能や制限を設定することが鉄則です。しかし、多くの家庭では、「子どもの自主性に任せる」などと考え、なんの制限もせずに使わせ始めてしまいます。
 その後、周囲のトラブルなどを見聞きして、あわてて制限をかけようと思っても、「いったん味わった自由が奪われる」と受け止める子どもに対して、スマートフォン等を取り上げて制限したり、その意義を説明することには多大なエネルギーが必要になります。
 「買い与え」ではなく「貸し与え」る方がいい
 本来、スマートフォン等は、子どもには「買い与え」ず、「貸し与え」る方が、制限に必要なパスワードを、より自然に管理できるなど、利用状況を把握しやすくなります。既に買い与えてしまっている家庭では、次の買い替えの時にぜひ「貸し与え」に切り替えましょう。

2018年2月12日月曜日

花だより アセビ 読書と手書き文化


【平成27年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
 ~感動する本との出会いを大切にする~ 新中央図書館
  いい本に出会うことは、いい人に出会うことに似ている。
 開館して1ヶ月、もう落ち着いて混雑することはないだろうと思い、新しくなった中央図書館にまた行ってきました。ところが相変わらずの混雑ぶりに驚きました。北小の子にも会いました。ただ建物が新しくなったという理由だけではないようです。ハード面だけでなく、ソフトの充実も上げられます。
 読書は、想像力や考える習慣を身に付け、豊かな感性や情操、思いやりの心をはぐくむことができます。「全国学力・学習状況調査」でも、読書する子ほど点数が高いという結果が出ています。学習室では、受験勉強に励む中学、高校生の姿も多くありました。北見市内の児童・生徒の学力UPにつながることを期待します。
 網走からお客さんが来たので中央図書館を案内しました。北見に新名所ができました。
 《手書きの良さを見直す》  
 オホーツク管内小中学生書道展管内書写書道教育研究会主催)パラボ5階で開催中 
 パソコンやワープロの普及で手書きや毛筆で書かれているものが少なくなりました。今後ますますこの傾向は進み、子どもたちが大人になったときは、手書きすることは無くなってしまうかもしれません。これからは、自分で書くというより、ワープロに入っている字体(フォントは100近い種類がある)をその用途によって選ぶ能力が問われるようになるかもしれません。それでも手書きや毛筆の良さはある。そうでなければこの書道展に毎年1万点の作品は集まらない。まだまだ手書き文化を大切にしなければならない。
 そこで書写の時間に、手書きや毛筆の方が良いと思うもの、または身の回りで手書きや毛筆でかかれているものを見つけてみました。
   相撲とか、落語、お寺の看板など、古いものやおすしやさん、そばやさん、和食の店の看板やのれんは毛筆が多いという話から、和風の食べ物の話になって、寿司のネタは、トロやいくら、ウニがいい!とか、丼物では、天丼、牛丼、親子丼がおいしい・・・という話に脱線してしまいました。
「学校の勉強は手書きでなければだめだよね!きれいな字が書けるようになりたい。校長先生、教えて下さい。」と休み時間になると校長室に来て、字の練習をする子がいます。
 週末、特別支援のはげまし展と同時開催しています。是非足を運んで見てください。中央図書館もすぐです。
*書道展ですが、管内書写書道教育研究会の会員数の減少により、今年(平成30年)から開催されなくなりました。長い間この会に携わっていましたので、とても残念です。

 

2018年2月11日日曜日

花だより わかさぎ 葬儀 流氷


  ~葬 儀~ 
 都市部では、葬儀をとり仕切るだけの手伝いが集まらず業者に任せるところが多くなったそうですが、地方では、まだ互いに助け合う自治会活動があります。北見に来てからは葬儀の手伝いはなくなりましたが、地方にいると年に何度かありました。
「どんなに忙しくても葬儀の手伝いに駆けつけるのは、厳しい自然条件の中、互いに助け合って生きてきた開拓農民の気概が受け継がれているからだ。」と語った古老がいました。我々転勤族の新参者は、祭りや葬儀に欠かさず出席しなければならないと思っています。冠婚葬祭を通じて地域の人たちと親しくなり、地域を知ることが、学校の教育にも活かされると思うからです。
 「亡くなったおばあさんは91歳でした。終戦を朝鮮半島でむかえ、38度線をやっとのことで越え、日本への帰国を果たしたそうです。また、戦争を知る人が逝ってしまいました。こうした先人の苦労の上に、今の平和な日本があることを忘れてはなりません。通夜とは、亡くなった方の思い出を語る場なのです。このことが供養になるのです。」とお寺さんはお説教の中で言っていました。若いときは、葬儀の説教など、真剣に聞いたことがありませんでしたが、最近は、良く聞き、言っていることがよく理解できるようになりました。年を取って、それに近づいてきたからでしょうか? 


2018年2月10日土曜日

花だより ホトケノザ 自らの心の子


「息子」は「自らの心の子」と書く 
 娘が小学生の頃、捨て犬を拾ってきたときがありました。「だれが面倒見るの?」と叱ったら、母が「ヨシミツも小さい頃、よく犬や猫を拾ってきて、同じように怒ったことがあった。」と言いました。それを聞いていた祖母が「そういうミツ子(母)も小さい頃、何匹も拾ってきて、叱ったことがあったっけね。」と言いました。たぶん、祖母も、小さい頃そうだったのでしょう。子どもは、親の通った道を歩むものなのです。
 知り合いの息子さんが、東大を出て一流企業に勤めたと聞きました。「我が娘とは違うなあ!」と思ったのですが、子どもの違いではなく親の違いなのです。
 “自らの心の子”
 親として 子どもにかけた期待を裏切られるほど情けなく切ないことはない。
「このできそこないめ!」と子どもを怒鳴る。
できそこないではなく「育てそこなった」のだ。
息子という字は、「自らの心の子」と書く。
なってもらいたいように、自らおこなってみたらどうだろう。
してもらいたくないことは、自らつつしむこと。
子どもは、親の通った道を歩むものなのです。
(ある教育書に書かれてあった言葉です。)
「子どもは親の背中を見て育つ」とも言われます。「率先垂範」(先頭に立って行うこと)という言葉もあります。教え子の子どもを新入生でむかえたことがありました。「お母さん、そっくり!」と言ったら「いやだあ~!」「何が、いやだ~!」なの?と聞いたことがありました。

2018年2月9日金曜日

花だより カンボケ 不審者情報


 子どもの習性?それとも本能?
 除雪してある歩道ではなく、なぜか雪山にのぼり危ないことをしたがります。また、通学途中にある珍しい物にも興味を示し、ただ見るだけでは飽き足らず、叩いたり、蹴飛ばしたりします。ご近所の人から「危ないので注意して下さい!」という電話が学校にかかってきます。やっと学校周辺に排雪が入りましたが、まだ見通しが悪い箇所があります。車との接触事故もありました。幸いケガはありませんでしたが、十分注意して下さい。好奇心を持つことはいいことですが、「それはいけないことだ!」と注意してやらないといけません。危険な行為を見かけたら、遠慮なく注意して下さい。
 不審者情報? 市内のある校長先生が、冬休み中、普段着で、学校前の横断歩道で交通安全指導のため、子どもたちに声をかけていたら、近所の方から学校に、「学校前で子どもに話しかけている不審者がいる。」という通報があって、対応した職員は、「あっ、それは不審者ではありません。うちの校長です」と答えたそうです。その校長先生は、職員から「間違えられないように腕章か交通安全の旗でも持ってやってください。」と注意されたというのです。
 人のことは言えません。朝、学校前の信号機のところに立って、「おはよう!」と声をかけていると、「えっ!校長先生だったの?変な帽子をかぶって、マスクして、めがねに黒いコート、絶対不審者に間違えられるよ!」と言われました。


2018年2月8日木曜日

花だより ハコベ 小中学校の統廃合


  ///小中学校の統廃合問題について(解 説)///
 少子化が進む中、小中学校を道再編するか。自治体にとって避けて通れない問題です。
文部科学省が、公立小中学校の統廃合に関する基準を59年ぶりに見直し、小学校は全校で6学級以下、中学校は3学級以下の場合、統廃合の検討を自治体に促しています。
学級数があまりに少ないと、子どもの人間会計が固定化する。同じ子どもが長期間、いじめに遭う恐れもある。クラス対抗の行事や部活動にも制約が生じる。集団生活で社会性を身に付ける機会が少なくなることが懸念されます。
子どもの良好な教育環境を保つためには、一定の学校規模が必要になるのは間違いありません。
 旧文部省は1956年、望ましい学級数として、小中学校とも1校当たり「12学級以上18学級以下」との基準を示しました。しかし、近年の児童・生徒数の減少により、公立小中学校の約半数が11学級以下になっているのです。地方の過疎化だけでなく、住民の高齢化が進む都市部の団地などでも、こうした状況に直面しています。
 新基準では、スクールバスなど交通機関の利用を想定し、「通学時間は1時間以内」との目安も加わりました。これまでは、徒歩や自転車での通学を前提に、小学校は4㎞以内、中学校は6㎞以内という基準でした。
 通学範囲が広がることで、統合の選択肢が増えることが予想されます。一方で、長時間の通学により子どもたちに角が負担がかからないような配慮が必要になってきます。また、学校が地域コミュニティーの核としての機能を持っていることにも留意する必要があります。学校がなくなることで人口流出に拍車をかけ、地域の衰退を招くような事態は避けなければなりません。
 改正教育行政法が施行される4月から、首長と教育委員会で構成する「総合教育会議」が各自治体に設置されます。自分たちのマチの教育は、自分たちで決めるようになります。学校統廃合は、地域の将来を見据えた、多角的な検討が必要です。
 昭和40年道内には2,100校の小学校(これがピーク)がありましたが、27年度には、1,087校とほぼ半数に減ってしまいました。オホーツク管内でも平成15年の130校から27年には89校となりました。

2018年2月6日火曜日

花だより ゴギョウ 中学校の入学説明会


 ~北中学校 入学説明会 2月12日~
 中学校の入学説明会では、どんな話をするのだろう? 参考のため一番後ろで聞いてきました。
 校長先生からは、「最近気になることとして、規範意識が希薄になっているのではないか?」と心配していました。
 学力・学習調査の結果から、北中では、「学校のきまりを必ず守る」と回答した生徒は全体の約3割、「悪いことをしている友だちに注意することができる」は10%、「いじめは悪いと思う」は66%…。
 もちろん学校でも指導はしているが、学校だけでは限界があるので、学校と家庭、地域が協力することが大切です。と言っていました。
 例えば、スマホ、携帯電話のラインによる問題があります。家庭で自由に使わせていては、学校でいくら指導しても効果がありません。家庭できちんとルールを決めること、そのためには、子どもと話し合うこと。そして、学校に足を運んでください。と話していましたが、内容は小学校とほとんど同じだなと思いました。
 学習指導の先生からは、家庭学習の重要性について、小学校時代にそこそこ優秀だった子は、小学校までの蓄えで中1までは、なんとかなりますが、中2になると家で勉強しないとついていけなくなります。高校受験が3年後にあることを意識して勉強しなければなりません。
 生徒指導の先生は、数年前まで教室での立ち歩きや教室から飛び出す生徒もいましたが、最近はそのようなこともなく落ち着いて学習に取り組むようになりました。でも、危ないきざしを感じています。新入生には、チャイムが鳴ったら席に着くことを徹底します。と言っていましたが、これは小1と同じめあてです。
 最後に警察の生活安全課の方から、携帯電話のフィルタリングの説明がありました。実際に児童生徒が被害に遭っている事例があるそうです。使い勝手が悪くなるので外す人もいるようですが、これは親の責任で絶対してください。と言っていました。小学生の保有率も高くなっています。携帯、スマホなどの使い方は、ご家庭でもきちんと指導してください。
 今は、ネットトラブルが中学校の生徒指導の大きな課題になっています。

2018年2月5日月曜日

花だより セリ 一日入学



1日入学(2月10日)  教育は、学校・家庭・地域の共同作業
   新1年生の保護者の皆様へ (校長挨拶から)
 1年間学校に通っても、学校にいる時間は、全体の20%
           家庭や地域で過ごす時間の方が圧倒的に長い
  高学年の参観日の後、お得意様サロンにいらっしゃったお母さんがいました。
「北海道は、学力も体力も低いと聞きましたが、北小は大丈夫なのでしょうか?」
 “そうやって学力や体力など子どもの教育について関心を持つことが大事です。”とお答えしました。
 全国学力・学習状況調査や体力・運動能力テストと同時に、生活習慣の調査も実施しています。その結果から、規則正しい生活習慣、食生活、家庭環境が影響していることが分かりました。
 北海道の子どもは、“テレビやゲームをする時間が長い。その分家庭で勉強する時間が少ない。体を使って遊ぶことが少ないので、体格はよいが、肥満傾向で走力、持久力、敏捷性が低い”という傾向にあります。
 《学校の教育目標は、知・徳・体のバランスのとれた子どもを育てること》
  ◇勉強ができる=集中力=体力=精神的な安定◇
 体力がない(腹筋や背筋が弱い)と同じ姿勢を保つことができません。集中力も欠けます。学力と体力は密接な関係にあります。しかし、その体力は、学校の体育の時間(週3時間程度)だけでつくものではありません。
 北海道の子どもたちの体力低下の原因は「歩かない」「外で遊ばない」ことです。徒歩で登校する。なるべく車に乗らないなど、普段からの心がけ(生活習慣の改善)が必要です。
 勉強以上に心配なのが「お友だちと仲良くできるだろうか?」いじめや不登校の問題ではないでしょう?
 学力を上げるためだけなら、塾や家庭教師をつけて勉強するのが手っ取り早い方法ですが、学校は、集団で勉強するところです。ルールを守ることの大切さや人とのつきあい方など社会性を学ぶところです。ですから、学校では、わがままな行動は許されません。
***早寝、早起き、朝ごはん運動のねらい 教育の基本は、家庭にあり!***
勉強のできる子は、基本的な生活習慣が身に付いている。
あいさつができて、身なりもきちんとしていている。友だちと仲良くできる。自分のことは自分できちんとできる。そんな子にするためには、どうすればよいのでしょうか?家庭が円満であることです。
「勉強しなさい!」「ちゃんと片付けなさい!」「ゲームばっかりするんじゃない!」と叱ってばかりではいうことは聞きません。
「率先垂範」:「親の背中を見て子は育つ」といいます。「子どもは、親の思うようには育たない。育てたように育つ」ともいいます。子供たちは、4月から小学校の勉強が始まります。保護者の皆さんも小学校の子を持つ親の勉強がはじまると思ってください。教育の第一の責任者は親です。
 お子さんの健やかな成長のために 北小の職員は、精いっぱいがんばりますので、ご協力くださいますようお願いします。
 教え子が今や親になって、「校長先生になったら、ずいぶん厳しいこと言うようになりましたね。校長先生にそんなこと言われなくてもわかっています。でも、それがなかなかできないから困っているのです。」と言われたことがありました。サザエさんの波平(お父さん役)の声優さんが最近亡くなりました。厳しく叱ってくれる日本のお父さん的存在だった。と思っていた人が多かったようです。私も退職間近となりました。波平さんのような優しくて厳しいお父さん役に近づきたいと思っています。

2018年2月4日日曜日

花だより スズシロ(大根の花)働き方改革(2) 知床の冬 


 ≪勤務時間の職業比較≫
 教員の勤務時間は、他の職種に比べても著しく長い。過重労働といわれる医師や自動車運転手をも超えている。これは校内の勤務時間分布から計算した数値で、自宅での授業準備等も含めればもっと悲惨なものになる。「大変なのは教員だけじゃない」という声もあるが、全体構造の中にデータを置いてみると、教員の世界の特異性(異常性)が浮き彫りになる。タイムカードや残業代という概念がないなど一般社会では考えられないことが学校ではまかり通っているが、是正される見通しがようやく立ってきた。
 未来を担う子どもたちを育てる学校において、ブラック労働のモデルを見せてよいはずがない。徹底した「働き方改革」を進めると同時に、教員に対する社会のまなざしを変えることも必要だ。「教師=聖職者」という見方は、時代にそぐわなくなっている。
 ≪働き方改革の審議≫
 中央審議会が検討を始めてから3か月。8月には、「すぐできること」として学校に留守番電話を配備するなどの緊急提言をまとめた。今回の審議で学校現場は変わるのだろうか。
 「本日の業務は終了しました。急ぎの要件は発信音の後に録音してください。」こんな音声が返ってくる学校が現れた。
 審議会では、学校がしなければならないこと、しない方がよいことなど、5段階に分類しようと意見を出し合った。いわば「事業仕分け」の場面となった。
 民間出身の委員からは、学校外、教員外の業務とするべきものとして、集金、清掃指導、プールやエアコンの掃除、提出物のチャックなどを挙げる意見が出た。確かに教員の仕事とは言い難く児童生徒の命や安全に直結する仕事ではない。しかし、専門業者に頼むとお金がかかる。ボランティアの力もそう簡単にはいかない。行政機関の「事業仕分け」は、税金の無駄使いを減らすことが目的だったが、学校の『事業仕分け』は、費用がかさむ事ばかりで簡単に実現する策が編み出せるか?その点、留守番電話は費用が安く済むので、既に導入している学校が多い。
               (9月18日の「日本教育新聞」から 牧野要約)

2018年2月3日土曜日

花だより ナズナ 教員の働き方改革は現場から


   「教員の働き方改革」
 文部科学大臣が、教員の働き方改革を中央教育審議会に諮問しました。「長時間勤務の早急な是正を年末までに緊急対策をまとめる」と平成29年6月9日に閣議決定しましたので、絶対にやるということです。
 5年前に全連小(全国小学校校長会が独自に調査をしています。全国300校抽出 当時北小が当たって、年齢、男女別、校務分掌、既婚、独身に分けて、1週間の超過勤務の実態調査を行って、それをまとめて文科省に改善要求をしてきました。「忖度」で有名になった前文科省政務次官の前川喜平さんも「これはやります」と言っていたんですが、辞めてしまったので、どうなるかと思っていましたが、そう簡単なことではないようです。
 まずやり玉にあがったのが、4%の教職調整額です。これがあることによって超過勤務が青天井になっていると言う指摘があります。
 しかし、たかが4%、されど4%です。4%がなくなれば、手当、退職金まで影響するのです。その分、超過勤務手当が出るかと言えば、その保証はないということです。
 この教職調整額は、昭和41年に実態調査を行い。昭和46年に制定。当時の1週間の平均超過勤務の実態は、1時間45分であったことから4%が適当となった。なぜ調整額が生まれたのかと言えば、教員の業務内容は複雑多岐に渡っていて仕分けが難しい。だから、一律4%にしたということなので、それも一つの考え方だったかと思います。
 ところが勤務実態が把握しにくい曖昧さが、中学校の先生の6割が月80時間を超える時間外労働につながっていると、今指摘を受けている訳です。
 それじゃ、10%くらいに引き上げればいい?調整額をやめてその分の残業手当てを出せばいいとおもうでしょう。時間外80時間と言えば、単純にコンビニの時給900円を換算すると7万2千円です。先生方の時給はコンビニの比ではありませんので、高額になります。
 ~お金を出さない働き方改革~
 学校の先生は、高い使命感を持っていますから、お金の問題ではない。これまであまり文句を言ってこなかったということだと思います。そこで学校現場における業務の適正化に向けて 4つの方策が示され、具現化に向けた体制整備がすでに進められています。
 SC,SSWの配置拡充、事務職員等の定数改善、部活動に関わっては、部活動指導員の法制化が今年の4月から施行されました。
 この改革の一番の課題は、教員の意識改革だと言われています。
 そこで話題になっているのが、夏休みの短縮です。
 静岡県の吉田町では、夏休みを16日程度にする。
その目的は、平日のコマ数を減らして、教員の過酷な勤務実態の改善につなげるというものです。これにはネット上で賛否両論の意見が寄せられていて、反対意見の方が多い。
 何かを変えようとすると必ず反対意見が出ます。吉田町はちょっと極端な例で、良いか悪いかは別にして、考え方を変えない限り、教員の働き方は変わらないと思います。
 長期休業期間は、各市町村の学校管理規則で決まっています。北見市の場合は、24日以内となっていますから、校長の判断で20日間にすることもできるわけですが、インフルエンザや吹雪臨休が続いて、何日間が授業日に当てるということは、これまでやってきました。長期休業期間を短くすることになると、いろいろな方面に影響(給食、児童館など、地域、保護者のコンセンサス)が出て来ますので、学校の判断ではなく、市全体で取り組む問題だと思います。
 次に 読売新聞でも教員の働き方改革
 9月18日の社説では、“教師の雑務を抱え込む慣行をなくすことだ”と言っています。大新聞社が教員の働き方を社説に載せるというのは初めてのことだと思います。教員の意識改革と同時に、保護者や地域住民に教員の実態というものを知ってもらい、理解してもらうことが大事なことです。
 次に超過勤務の実態調査を行ったメンバーの日本女子体育大学の青木先生は、
 ① 部活動をやりたいという先生もいる。広域的な議論が必要
 ② 教員が自らの働き方に関する意識改革をすることが大事
 ③ トップダウンの時間管理だけすればいいと言うものではない。
 ④ 現場からの改革が必要
*残業代が10万円近くになるという話をしましたが、それでは財源がパンクしてしまう。それは現実的に無理なので、以前あった「夏休みにまとめ取り」はどうか?
 最後に 本気で進める「働き方改革」ひき算の発想が必要だと言われています。
 私は退職しましたので、「思い切ってやればいい」と思いますが、現職の先生方には、なかなか難しいと思います。しかし、史上はじめての教員の働き方改革が行われようとしていますので、これまでの発想とは違う現場レベルでの議論が進むことを期待しています。

2018年2月1日木曜日

花だより ハナナ スマホの是非


  【ネットトラブル・スマホの是非に思う】
 最近は、「ライン」の他に「カカオトーク」というアプリが人気だそうです。ラインよりさらに簡単便利なアプリだそうですが、スマホがさらに進化して、5年後どころか来年にも、また新しいアプリが開発されて爆発的に普及するかもしれません。この辺りが先行き不透明な時代と言われる所以です。
 ネットトラブルやスマホ対策の特効薬的な具体策は残念ながらありません。
 一番心配しているのは、スマホと縁の少ない我々世代(年寄)です。スマホ時代の親は、それほど危険視していないということです。
 もう親から子へ教える昔のような「自転車教授法」は通用する時代ではなくなっています。自転車の性能も周りの道路環境も昔とは全く違うからです。
 私たちの時代はテレビでした。当時は「1時間以上テレビを見たらバカになる。」と言われました。テレビゲームやファミコンがブームのときも同じようなことが言われました。
 ただその中で注目したいのは、子どもの中には、そうした流行りを冷静に見て節度ある使い方をしている子どもの方が多いということです。やや楽観的かもしれませんが、子どもを信頼して、スマホの接し方を見守ってはどうかと思います。
 いつの時代も子どもたちは、大人が心配するより冷静なのかもしれません。ただし、どんな子どもたちかと言えば、家庭がしっかりしているという条件です。この辺にヒントがあるように思います。