《シリーズ「イキイキ子育て」》
「心の強い子」は成績も伸びる 多胡 輝著
~わがままとがまん力~
甘ったれとは、どんな甘えでも親が満たしてくれるのを知っている子です。甘えと同時に厳しさを学ばなかった子は、人間関係でもわがままいっぱいにふるまう傾向があります。人を人とは思わないというより、まだ自分と他人の区別がつきにくいのです。
家では誰もが自分の言うとおりにしてくれる。だから周りもきっとそうだと思ってしまいます。これでは本当の意味の人間関係を築けないし、本当の友だちもできません。人は自分とは違うんだということを理解することで、その子の中に社会性が育っていくのです。それが育たなければ人間関係において、わがまま放題にふるまうので本当の友だちができにくいということにもなります。
楽しいことがあれば一緒に笑い、悲しんでくれるのが友だちです。その人が本当にいい人生を送っているかどうかは、よき友だちの多さを見ればわかります。友だちというのは利用し合う関係ではありません。困ったときには心底応援してくれ、喜怒哀楽をともにでき、人生の節目節目で、お互いの成功を喜び合える関係です。
他人を他人と思えず、誰もが自分とは違った人格を持っていることに気づかないわがままな子は、本当の友だちを得ることができません。それはその子の人生にとって大きなマイナスになります。他人には甘えが通用しないということ。そういうことも親は子どもに教えていってほしいと思います。
そのためには自己主張ばかりせず、いつも友だちと50対50(フイフティフイフティ)の関係を構築することです。砂場でシャベルの取り合いをしていたら、親が平等に使うことを教えることです。そういうことで子どもは他人と自分とは違うということに気づきます。わがままが通らないことを学びます。そこにもがまん力と心の強さを育てるきっかけがあるのです。
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