2018年2月3日土曜日

花だより ナズナ 教員の働き方改革は現場から


   「教員の働き方改革」
 文部科学大臣が、教員の働き方改革を中央教育審議会に諮問しました。「長時間勤務の早急な是正を年末までに緊急対策をまとめる」と平成29年6月9日に閣議決定しましたので、絶対にやるということです。
 5年前に全連小(全国小学校校長会が独自に調査をしています。全国300校抽出 当時北小が当たって、年齢、男女別、校務分掌、既婚、独身に分けて、1週間の超過勤務の実態調査を行って、それをまとめて文科省に改善要求をしてきました。「忖度」で有名になった前文科省政務次官の前川喜平さんも「これはやります」と言っていたんですが、辞めてしまったので、どうなるかと思っていましたが、そう簡単なことではないようです。
 まずやり玉にあがったのが、4%の教職調整額です。これがあることによって超過勤務が青天井になっていると言う指摘があります。
 しかし、たかが4%、されど4%です。4%がなくなれば、手当、退職金まで影響するのです。その分、超過勤務手当が出るかと言えば、その保証はないということです。
 この教職調整額は、昭和41年に実態調査を行い。昭和46年に制定。当時の1週間の平均超過勤務の実態は、1時間45分であったことから4%が適当となった。なぜ調整額が生まれたのかと言えば、教員の業務内容は複雑多岐に渡っていて仕分けが難しい。だから、一律4%にしたということなので、それも一つの考え方だったかと思います。
 ところが勤務実態が把握しにくい曖昧さが、中学校の先生の6割が月80時間を超える時間外労働につながっていると、今指摘を受けている訳です。
 それじゃ、10%くらいに引き上げればいい?調整額をやめてその分の残業手当てを出せばいいとおもうでしょう。時間外80時間と言えば、単純にコンビニの時給900円を換算すると7万2千円です。先生方の時給はコンビニの比ではありませんので、高額になります。
 ~お金を出さない働き方改革~
 学校の先生は、高い使命感を持っていますから、お金の問題ではない。これまであまり文句を言ってこなかったということだと思います。そこで学校現場における業務の適正化に向けて 4つの方策が示され、具現化に向けた体制整備がすでに進められています。
 SC,SSWの配置拡充、事務職員等の定数改善、部活動に関わっては、部活動指導員の法制化が今年の4月から施行されました。
 この改革の一番の課題は、教員の意識改革だと言われています。
 そこで話題になっているのが、夏休みの短縮です。
 静岡県の吉田町では、夏休みを16日程度にする。
その目的は、平日のコマ数を減らして、教員の過酷な勤務実態の改善につなげるというものです。これにはネット上で賛否両論の意見が寄せられていて、反対意見の方が多い。
 何かを変えようとすると必ず反対意見が出ます。吉田町はちょっと極端な例で、良いか悪いかは別にして、考え方を変えない限り、教員の働き方は変わらないと思います。
 長期休業期間は、各市町村の学校管理規則で決まっています。北見市の場合は、24日以内となっていますから、校長の判断で20日間にすることもできるわけですが、インフルエンザや吹雪臨休が続いて、何日間が授業日に当てるということは、これまでやってきました。長期休業期間を短くすることになると、いろいろな方面に影響(給食、児童館など、地域、保護者のコンセンサス)が出て来ますので、学校の判断ではなく、市全体で取り組む問題だと思います。
 次に 読売新聞でも教員の働き方改革
 9月18日の社説では、“教師の雑務を抱え込む慣行をなくすことだ”と言っています。大新聞社が教員の働き方を社説に載せるというのは初めてのことだと思います。教員の意識改革と同時に、保護者や地域住民に教員の実態というものを知ってもらい、理解してもらうことが大事なことです。
 次に超過勤務の実態調査を行ったメンバーの日本女子体育大学の青木先生は、
 ① 部活動をやりたいという先生もいる。広域的な議論が必要
 ② 教員が自らの働き方に関する意識改革をすることが大事
 ③ トップダウンの時間管理だけすればいいと言うものではない。
 ④ 現場からの改革が必要
*残業代が10万円近くになるという話をしましたが、それでは財源がパンクしてしまう。それは現実的に無理なので、以前あった「夏休みにまとめ取り」はどうか?
 最後に 本気で進める「働き方改革」ひき算の発想が必要だと言われています。
 私は退職しましたので、「思い切ってやればいい」と思いますが、現職の先生方には、なかなか難しいと思います。しかし、史上はじめての教員の働き方改革が行われようとしていますので、これまでの発想とは違う現場レベルでの議論が進むことを期待しています。

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