2018年3月21日水曜日

花だより フキノトウ 福寿草 卒業


 網走市立潮見小学校 卒業証書授与式式辞 (平成23年度)
 雪解けの隙間の日だまりに福寿草の花が咲くころになりました。
 福寿草は、春一番に咲く花で金色に輝き、新しい門出を祝うめでたい縁起のよい花とされています。
 そんな福寿草も鉢に移し暖かい家の中に入れると、どんどん伸びてもやしのようになり、花びらもくすんだ黄色になってしまいます。どこにでも咲いているように思う花ですが、種から花を咲かせるまでにちょうど小学校と同じ6年かかります。雪の下でじっと寒さに耐え、雪解けがはじまる早春に芽を出すのです。寒い厳しい条件だからこそ金色の鮮やかさを増すのです。
 なかなか学校に来られなかった人がいました。その人が書いた作文を紹介します。
 子どもまつりは、何もできなかった。運動会も出ようとしたけど、イヤな気持ちになって逃げ出した。みんなとぜんぜん勉強してないし、追いつけないし、諦めたり、逃げ出したりした。でも、母さんには、迷惑かけたくないし、でも、学校に行くと、イヤでイヤで気持ち悪くなって、あんときは、辛かった。中には「何か言われても気にすんなよ。」と言ってくれる友だちがいた。そんときは、すごくうれしかった。だから、できるだけ気にしないで中学校に行けたらいいなと思います。小学校でできなかったことややってないことがあっても諦めないでやっていきたいと思っています。
 学校は、ただ勉強したり、運動したりするところではありません。友だちと共に笑い、喜び、悲しみに涙して、みんなで成長していくところです。だから、潮見小学校の教育目標の一番は「友だち大好き」になっています。皆さんは、6年間、友だちと共にいろいろなことを学びました。今日の皆さんは、福寿草のように金色に輝いています。
 そんな皆さんに、赤塚不二夫さんの言葉を贈ります。
 現実は、ままならない。うまくいかないことばかり、毎日、これでいいのだ!の連続だ。自分を責めて、誰かを責めて、何かを責めて、そして、やっぱり自分を責める。
 人生は、うまくいかないこと つらいこと つまらないことが多いけれど、その間にゆかいなこと、楽しいことが挟まっているから、どうかあなたの人生を大切にしてください。あなたは、あなたのままでいいのだ。
 辛いことがあっても決して逃げないでください。辛いことを乗り越えたとき、また一つ成長するのです。温室育ちの花ではなく、雪の隙間から芽を出し、花を咲かせる福寿草のような人になってください。
次に保護者の皆様にお祝いを申し上げます。ご卒業おめでとうございます。
ただ今、98名に卒業証書を渡しました。保護者の皆様には、この6年間のいろいろなことを思い出しながら、お子様の晴れの舞台を見ていたことと思います。いよいよ中学生になり、難しい時期を迎えます。もし、間違った道を歩もうとしたときには、「これでいいのだ」とは言わないでください。きちんと歩む方向を示してあげて下さい。そして、これまで以上に心の触れ合いを大切にしていただきたいと思います。お子様の健やかな成長を願って止みません。また、保護者の皆様には、6年間、PTA活動並びに本校の教育活動にご理解とご協力を賜りましたことに厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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