「改革」は、過去の全てを破壊してもいけないし、
また、過去の大部分を温存してもいけない。
「教育は“未完のプロジェクト”完成することのないプロジェクトである。どのような制度をつくっても、それでよくなるというものではない。豊かな教育が保証されるというものはない。しかし、絶えず改善を積み重ね、誠実に努力を積み重ね、支え続けてこそ、それなりの成功を確かなものにすることができる。教育とはそういう営みである。」(東大教授 藤田英典先生 著書「義務教育を問い直す」より)若松小学校時代に事務職員の名達さんの紹介でお会いした先生の言葉です。
教育改革の必要性は、30年前から叫ばれていましたが、「教育改革は、学校の廊下までは来ているが、なかなか教室まで入ることができない。」と言われています。
政権交代で「官僚主導」から「政治主導」へ、「コンクリート」から「人」への変革を訴えて政権交代を果たした民主党に大きな期待をしましたが、結局、国民の心をつなぎ止めておくことができずに選挙で敗北してしまいました。時代は変わり、かつて世界のシェアーを独占していた大手家電メーカーも経営危機に陥っています。古い体質のままだと生き延びることができないのです。
世界のTOYOTAも、一時経営不振に陥りましたが、いち早くハイブリッド車の開発に成功し、経営戦略を変え、販売を伸ばしています。そして、電気や水素自動車の開発を進めようとしています。今、政治家や企業家に求められているのは、先見性かもしれません。
「いやいややらされている人は、不平や不満を口にするが、自ら改革の必要性を感じている人は、積極的に取り組む」これはトヨタの社長の言葉です。
無駄をなくし、効率を上げることが改革のように言われますが、「行き過ぎたリストラで職場の和がなくなり、企業が活力を失っている面がある」と今の企業経営者は反省しています。
学校でも、完全学校週5日制の影響として、5日間に仕事が圧縮され、1日の勤務時間が増加し帰宅時間が遅くなった。またそれだけでは間に合わず、土日の出勤が増えた。「夏休み中くらい…。」と思い、30分早く帰ったら処分された。会議を開く時間が無く、会話をする時間も少なくなり共通理解が図りにくくなった。などなど・・・批判的な反応が多いのも確かです。その対応として、休み時間が短縮されたり、学校行事が削られたりしました。また、職員朝会をなくした学校もあると聞きます。諸会議も減らされることが多く、結果的に精選され、合理化が図られたように見えます。 しかし、言い訳的に取りつくろったような取組を設定し、教科だけを重点的に指導したり、各領域での活動をバラバラに行っても、子どもたちの意欲と自信は形成されません。また、成果が上がらなかった原因を子どもの能力、家庭の背景、地域の実情や制度に押しつけようとするならば、学校としての無能さを露呈することになります。もしかすると学校ほど古い体質のままのところはないのかもしれません。過去の全てを否定したり、過去の大部分を温存することなく、当たり前のことを当たり前にすることです。
学校はラインではなく、スタッフで構成される組織です。情緒的な要素(共感、協調、思いやりなど)も大切にしなければ、組織の活性化を図ることはできません。「全ては、子どもたちのために」です。一方的にやらされるのではなく、自ら改革の必要性を感じることが一番大切だと思います。それが家庭、地域から信頼されることに繋がると思うのです。学校評価、自己評価、年度末反省を見ての感想です。
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