2018年9月27日木曜日

花だより ベンケイソウ ハギ これからの生活科・「総合」を考える


《 これからの生活科・「総合」を考える》
 「願いを持ってやり遂げる」
 今、生活科で体験が手段になっている印象を受ける。「これで気づかせました」という教師の声を聞くと、気づきの質を上げることが目的になってしまっている。大切なのは、子どもたちが願いを持って自らやり遂げること。その過程で様々な気づきが生じ、その中で意味のあることを理解し、学んでいくことが重要である。
 多くの教師は、4月に子どもたちと初めて顔を合わせる。こうした実態を踏まえると、カリキュラムを柔軟に考え「総合」に取り組むのも一つの手である。
 夏休みに地域で出かけ、十分に教材研究をした後、思い出に残るような「総合」を年に一つつくり上げて欲しい。
 「カリキュラム踏襲を避けよ」
 「子どもたちに必要だから」という姿勢で授業に臨んで欲しい。学力と相関関係があるという理由から、毎年同じカリキュラムを踏襲するような事態は避けたい。
 何故その単元に取り組むか。もう一度立ち止まり、目の前の子どもたちの姿を見て考えて欲しい。授業の充実させるために、各教科。領域などと合科・関連指導もできる。既に多くの教材や単元が開発され、「何もないからやってみよう」という感覚を失いがちである。教師は常に新鮮な自分で居続けることが重要である。
 「理念に基づいた提案を」
 これからの生活科や「総合」を踏まえると、体験や課題解決の方策も大切だが、その根底になる理念に基づいた提案も必要である。
 生活科と「総合」を学んだ子どもからは、「自ら工夫して学ぶこと」や「共に考えること」に対して喜びを感じたなどの声を聞く。そこには、「自分づくり」の理念を受け、生活科と「総合」が生涯の学びの基礎になっているのである。いろいろな人がさまざまな考えを持っている。人と関わることで、自分のことが詳しく見える。こうした「人間観」を踏まえた授業を考えていくことは大切である。 
 生活科と「総合」は、「探究」と「協同的な学び」を実現している教科である。それを他教科などにも広がるように体験の質を高まる必要がある。それは体験を繰り返すだけでなく、表現活動を取り入れながら学習意欲を高めることが重要である。友だちと互いの意見を交換し、新たな考えに出合うことで思考力なども高まっていくのである。
 子どもたちが本気になり、物事を真剣に追求しようとする。こうした姿をめざす上で、質の高い指導力は欠かせない。それは国が求める課題解決型イノベーションな教師像であり、生活科や「総合」に熱心に取り組む先進的な教師たちが今必要である。


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