2019年2月27日水曜日
花だより クロッカス 拙速な解禁の弊害を直視せよ
2月24日 読売新聞の社説から
学校にスマホ ~拙速な解禁の弊害を直視せよ~
子どもたちのスマートフォンが一層、深刻にならないだろうか?
文科省が、スマホなど携帯端末の学校への持ち込みを視野に、指針を策定する。
現在は「小中学校は持ち込み禁止」「高校は校内で使用禁止」が原則だ。解禁されれば、大きな転換となる。
契機の一つが、昨年6月の大阪北部地震だ。発生が登校時間帯に重なったため、安否確認に苦労した保護者から、学校への持ち込みを求める意見が多数寄せられた。保護者がそう考えるのには、無理からぬ面がある。だが、万一の災害のために、子どもたちに毎日、スマホを持たせる必要があるだろうか。
授業中の使用や盗難などのトラブルをどう防ぐか。SNSを介したいじめを助長しないのか。懸念は尽きない。携帯端末を持っていない子どもへの対処も考える必要があるだろう。拙速な解禁は避けて、慎重に対応すべきだ。
大阪府は国に先行して行ったことに文科省は「さまざまな懸念、問題にも一定の配慮がされている」と評価するが、にわかに肯定はできない。特に問題なのが、具体的運用を現場に委ねたことだ。
学校ごとに対応に差が生じ混乱を招く可能性がある。仮に解禁するとしても、厳格な統一ルールが不可欠である。
学校に持ち込みが解禁されれば、それだけ子どもたちがスマホなどを携行する時間が長くなる。その点を忘れてはならない。真夜中までゲームに熱中するなど、スマホの普及による弊害が問題化している。視力や体力の低下との関連も指摘される。
一日の使用時間を制限する。SNSに潜む危険性をしっかりと教える。スマホとの付き合い方について、まず親と子が向き合って、それぞれの家庭のルールを決めることが大切だ。学校への持ち込みの是非は、その後に論じても遅くない。
*子どもにスマホを持たせるのは、夜の新宿歌舞伎町を一人で歩かせるのと同じ行為だ。と主張する人もいる。親と子にそれだけの勇気があるだろうか?
仮に解禁されることになったとしてもスマホの弊害を保護者に訴えていかなければならない。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月26日火曜日
花だより アズマイチゲ なぜ、日本人は定時に帰りづらいのか?
なぜ、日本人は定時に帰りづらいのか?
心理学から考える「働き方改革」
NPO人間科学研究所代表 榎本 博明
働き方改革の審議の中では、学校の「ブラック」批判に応えるかたちで、教師という仕事の「やりがい」も明記すべきという意見がありました。ところが「やりがい」を強調しすぎると、かえって「働き方」がおかしくなります。
≪仕事の「やりがい」と落とし穴≫
日本には、「お金のため」という考え方に抵抗を感じる人が多いです。「お金のために働く」と言う人はいやらしく感じるし、最初から「お金はいくらいただけるのですか?」と聞きにくい風潮があります。他国でしたら、お金の確認や交渉は当たり前です。仕事は「お金のため」にするのが当然なのです。
そこで日本で強調されるのが、「やりがい」です。「何かのためになること」「自分が役立てること」が示されると、日本人は納得して仕事に打ち込むことができるのです。
学校でも子どもたちに「お金を稼ぐこと」を正面から教える機会はありません。その代わりに教えるのは、使命感を持つことの大事さであり、自分が成長することの尊さです。そのため今の若い人たちは、強い「成長志向」を持っています。
ではその「成長志向」が何に結びついているかというと、若者の離職・転職の多さです。「今の仕事では成長できない。」と感じると、すぐに辞めてしまう。あるいは「自分が成長できる仕事は何か」にこだわるあまり、職に就くこと自体のハードルが上がってしまうのです。仕事が「お金のため」と割り切れれば、就職活動もだいぶ楽になります。
≪なぜ、日本人はお金にこだわらないように見せるのか?≫
日本人は昔からお金よりも名誉を重んじていましたが、人の目も気にします。「みっともないことをしてはいけない」と自己規制しているのです。
≪「間柄の文化」と「自己中心的の文化」≫
欧米文化は、「自己中心の文化」です。自分がどれだけ大きくなれるか、強くなれるか、儲かるか、自分ために生きています。日本人は、小さいときから「人のため」ということを意識しています。「人間」という通り、人と人の間に生きる。これを「間柄の文化」と呼んでいます。
「自己中心の文化」は、思ったことを言えばいいし、したいことをすればいい、人の影響を受けるのは自分が未熟だから、という考えです。「間柄の文化」は反対に、常に人に配慮しなければなりません。相手の立場や気持ちに配慮できないことが未熟とされます。
この「間柄の文化」は日本の長時間労働にも影響を及ぼしています。目の前の子どもが何か課題を抱えているとき、「勤務時間が過ぎました。私の給料はこの時間までなので帰ります。」とは、日本の教師はなかなか言えません。相手の立場や配慮することが優先され、自分の役割を限定できないのです。欧米では、教師も勤務時間がきっちり決まっていて、それ以外の時間に子どもの相手はしません。
*日本人がにわかに欧米諸国のような「自己中心的の文化」を受け入れることはないでしょう。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月25日月曜日
花だより 寒緋桜 卒業を迎え、中学生になる子どもを持つ親へ
卒業を迎え、中学生になる子どもを持つ親へ
心も身体も大人ではないけれど、全くの子どもでもない
思春期とは、身体の成長に心の成長が追いつかず、誰もが不安定な気分になりやすい時期です。「私は何なのか」「私はどう生きたらいいのか」などと自分に直面し、自分を見る「もう一人の自分」が意識されるようになります。小さなことで有頂天になったり、逆にひどく傷ついて落ち込んでしまったりします。異性を意識したり、Hな本やビデオ(今はアダルトサイト)に興味を持ったり、親や先生がうっとうしく感じるようになり、自分だけの秘密を持ち始めます。こうした心の変化に対し、身体は、体型全体の大人化が著しく進みます。女性では月経、男性では射精が始まります。また抑えがたい性衝動が性非行を含むさまざまな問題行動の原因につながることもあります。反抗的になり、特に女の子と父親は、メールでしか会話しなくなったりします。
しかし、腫れ物に触るように接したり、逃げたりしてはいけません。これまで以上に会話を大切にしてかかわる努力が欠かせません。自分も通ってきた道ですから・・・。まずは、子どもとしっかり向き合うことです。大人へと成長する階段をまた一歩昇ったと思いましょう。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月24日日曜日
花だより 白梅 ネットの五か条
【児童生徒に指導するネットの五か条】
(「情報モラルをどう育てるか」 江戸川大学教授 玉田 和恵)
① ながらスマホは命取り
② 世の中の人が見ている、見ることができる可能な仕組みである。
③ 一度出回った情報は絶対に消えない。
*誰が書いたか分かるから、自分が書いたことによって将来不都合が生じないように
気を付ける必要がある。
④ 情報を信じてはいけない。必ず複数の方法で調べる。
⑤ 面と向かって言えないことは、絶対に書かない。
*誤解を受けることがあるということを覚悟して使わなければならない。
以上、ネット上の問題を判断する力が身につけば、使っても構わない。
これは使うなと言っているのと同じ!!
「スマホを持つな!」というのは、もう無理なところまで来てしまいました。
後は、親や学校が子どもたちに、きちんと指導することが大事で、ネットの危険性を耳にタコができるほど、繰り返し言い続けることしかないかもしれません。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月22日金曜日
花だより 白寒菊 愛着障害
シリーズ「いきいき子育て」 ~愛着障害~
親子の間のしつけが成り立つためには、愛着関係が成立していることが必要です。
しつけは、子どもの側からすれば、自由が奪われ、他人や将来の自分を意識して行動することを強制される行為です。わがまま好き放題だった時期から一転して、親は理不尽な課題をどんどん押し付けるようになります。子どもは、「大好きな親から見放されたくない」と、理不尽を受け入れることになります。それだけ愛情を失ってしまうのが怖いのです。
学童期に入ると、親代わりの他人(教師)が、こうしたしつけに介入してきます。親子の愛着がしっかりできている子どもは、他人でも愛着関係に類似した信頼を置くことができます。教師に対する従順な態度は、親のしつけの意味がきちんと理解できている子どもに備わっている資質です。
しかし、幼いころに長期にわたって親から十分な愛情を与えられなかったことで起きる「愛着障害」の子どもが増えています。
いわゆる「勘の強い子」や「執着心の強い子」「神経質な子」な子は特に心配です。
すぐに不満を口にする子は良いのですが、がまん強くて気性の激しい子で、長期間我慢し続けて挙句、突然怒りを爆発させ、後々まで親に対する恨みを引きずることがあります。成人になってから爆発してしまうと、人生の道を誤ってしまうことになります。
そして、やっかいなことに愛着障害には「コミュニケーションがとりにくい」「人とのかかわりを持ちにくい」など、自閉症と似た症状もあるので、専門家でも分かりにくいことです。
自閉症は、親の愛情不足などの環境要因で起こるものではなく、親の接し方を変えても変化があまりありません。しかし、愛着障害の場合は、親の接し方でみるみる変わっていきます。つまり自閉症と違って、親が話をよく聞いてあげたり、丁寧にかかわってあげることで改善されることが多いのです。
子どもに気になる症状がある場合や不登校など、なかなか乗り越えづらい問題がある場合は、まず、親子の対話やスキンシップの時間をしっかり持つことが大切です。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月21日木曜日
花だより ミツマタ 不登校になったとき、親は何をすべきか?
不登校になったとき、親は何をすべきか?
1 子どもの行動や言動を記録する
(1)学校や支援センター、カウンセラーに相談する際、子どもの気になる行動や言動
をきちんと伝えることで、適切なアドバイスを受けられたり、注意して接しても
らえます。
(2)行動には、子ども自身も意識していない不安や不満が出る(言葉で表現できない
ことの方が多い)ので、子どもの気持ちを理解することに役立ちます。
(3)子どもの言動を記録することは、親にとっても子どもの意見をしっかり聴く機会
となります。親の意見を押し付けたり、言葉を補ってしまったら、「子どもの言
動を記録する」ことにはなりません。子ども自身の言動にしっかりと耳を傾けま
しょう。
2 勉強する環境を用意する
(1)不登校になって、まず低下するのが学力です。「学校に戻っても勉強について行
けない」という不安が増し、ますます学校から足が遠のいてしまいます。
(2)学校での勉強という大きな習慣がなくなると、わがまま放題、好き勝手放題、
ゲーム、スマホ三昧の生活に慣れてしまい、昼夜逆転といった生活の乱れが加速
して、悪化の一途を辿ります。
(3)教室には行けないが学校には行ける子には、別室登校を促す。学校には行きたく
ないという子には、学習適応教室やフリースクールへの登校や学習支援サポート
や家庭教師といったサポート機関を利用して、学習を継続できる環境を用意する
ことです。
3 家庭での役割を与える
(1)外に出ることが困難だとしても、社会の中で、子どもが社会性を損なわずに生活
をしていけるよう、些細なことでもいいので子どもにも役割を課しましょう。
(2)食器洗いでも、洗濯物をたたむ、でも何でもいいのです。子どもが興味のあるこ
とがあれば、それを役割として任せましょう。
(3)任せるのと同時に、実際に子どもがやってくれたら「ありがとう、助かったよ」
といった言葉をかけることが重要です。また、子どもができない日があったとし
ても、責めるのではなく「また今度お願いしてもいい?」自分は人の役に立って
いること、失敗してもやり直せばいいことを少しずつ感じられる環境が大切で
す。
4 自立や学歴の重要性を伝え、選択肢を一緒に考える
不登校になると、子どもにもある程度の休息の時間は必要です。しかし、何年も不登
校が続けば、子どもも親も当然年を取ります。年齢順で言えば、親は必ず子どもより先
に死んでしまいます。その前に親が年金生活ともなれば、子どもを養う金銭的余裕がな
くなる可能性も考えられます。
大学を出ても就職するのが大変な時代です。再就職となればさらに大変です。学歴な
しの人間が自立できるだけの収入を得ることは、簡単なことではありません。もちろん
学歴が全てではありませんが、学歴は、有利になることがあっても、邪魔にはなりませ
ん。こういった事実を親は子どもに伝え、どうしたらいいかを一緒に考えることで、子
ども自身も考えるきっかけを得られるでしょう。
なお、家庭の金銭状況や問題についての事実を基に条件を提示すること(「私立に行
くなら奨学金を借りてほしい」「実家にいるなら○○円は、家に入れること」など)は大
切ですが、公立以外はダメ、といった条件を付けることは控えましょう。
「不登校サポートナビより」
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月20日水曜日
花だより ウグイスカズラ 日本人には日本の教育を
~お母さんは最高の先生~「子育てが楽しくなるちょっとした習慣」(PHP研究所)
白百合女子大学 教授 田 島 信 元
世の中には子育て情報があふれています。「何を信用すればいいの」と迷っている方も多いと思いますが、「実は子育てはそんなに複雑ではなく、むしろシンプルです。」
近頃、子ども自身が持つ「育つ力」が強調されるようになっています。つまり、子どもは幼いころからもともと「自己学習(発達)力」が備わっています。しかし、この「育つ力」とは、実は「子どもは一人で育つ」という意味ではありません。大人の「育てる力」があってはじめて、もともと備わっている「育つ力」が発揮されるものです。
≪その子に合ったピッタリの教育 (日本人には日本の教育を)≫
日本の子育ての常識をアメリカの子どもに当てはめると、子どもはパニックを起こします。逆に、アメリカの子育ての常識を日本の子どもに当てはめると、子どもはとても神経質になってしまうことが分かりました。つまり、日本の社会、アメリカの社会といったそれぞれの文化的な土壌にピッタリ合った子育てを考えることが、子どもの発達に一番いいということなのです。日米の差だけの話ではありません。同じ日本で、他のお宅でスマートな教育をしているからといって、それをそのまま自分の子どもに当てはめてみるのも考えものです。うまくいかないばかりか、非常に危険なことです。このことは同じ家庭のきょうだい間でもいえることです。まさに目の前のお子さんに「ピッタリ」あてはまる子育ては、お母さんがお子さんとやりとりしながら、自らあみ出していくものなのです。
≪ピッタリをあみ出すにはどうすればよいのか?それは「ことば」と表情を大切にすること≫
お母さんが与えている中で最も重要な刺激は「ことば」であること。その「ことば」を使って子どもはものごとを考えるようになるということです。
正しいことば、優しいことばで話しかけることで、子どもは頭や体を動かすのです。褒めるのも叱るのも、子どもはお母さんのことばを一番頼りにしているのです。ことばを一番交わすのは、お母さんだからです。そして、お母さんの表情も大事です。子どもは親の表情から本能的に思いを感じるものです。
中華料理の「エビチリ」は、日本人の舌に合わせて作られた日本独特の料理、国民食のカレーも本場のインドカレーとは違う、ナポリタンもイタリアのパスタ料理ではない。日本人が開発したもの。日本人は、日本人に合うようにアレンジするのが上手なのだから、子育てもそうしたらいい。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月19日火曜日
花だより アネモネ 子どものできる「責任の取り方」
シリーズ 「母の品格」 多湖 輝 著
子どものできる「責任の取り方」を親がきちんと教える
小さな子どもは本来わがままなものです。だから赤ん坊のうちは人のものを取ってもあやまろうとしません。それが少しずつ大きくなるにつれ、いたずらするとあやまるようになります。しつけがうまく進んでいくと、子どもが社会性を身に付けていきます。それはやっていいことと悪いことの区別をつけていくということです。
スーパーの中で5歳くらいの男の子が走り回っていて、お菓子コーナーにぶつかり、山積みになっていたお菓子がバラバラに落ちてしまいました。男の子は呆然として見ているだけです。するとお母さんがやって来て「何してるの。こっちに来なさい・」と子どもを呼んで、どこかへ行ってしまったのです。
ばらまかれたお菓子を拾ったのは、近くの大人でした。子どもが自分でやったことに責任をとるということを実践で学ばせる大切な機会を逃しただけでなく、まずいことをしたらその場を逃げるという余計なことを学んでしまったことになります。お母さんがやらなければならなかったことは、お菓子を拾ってくれた人にお礼を言って、子どもに散らばったお菓子を拾わせる。もし、壊れたり、汚れたりしたものがあれば、責任をとって買い上げるということです。子どもでもやったことに責任をとるということは大切なことです。
周りから「敬遠」される大人にはしたくない
「子どもが勝手にやったことです。」などという親は、周りから敬遠されてしまいます。敬って遠ざける、「敬遠」とはおもしろい言葉です。心から敬っているのではなくて、敬うふりをして近づかない。親しくならないということです。
責任のとれない大人は、陰で笑われる裸の王様です。でも、実をいえば「責任の取り方」などというのは、教育やしつけではないのです。ごくごく当たり前の常識をたくさん身に付けることによって、いわばその集大成として、責任とは何かということがわかってくるのです。ですから、子どものうちからしっかりと常識を身に付けさせることです。
常識とは、突拍子もないものではありません。人に会ったらあいさつをするとか、自分の思い通りにならなくてもがまんするとか、人には親切にするとか。それはみな当たり前の常識なのです。そういう当たり前のことを、親が当たり前のようにやっている姿を見て、子どもの気持ちの中に少しずつ常識が芽生えてきます。
「やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六)という教えがあります。お母さんが常識と思っていることを子どもに一つずつ伝えていって欲しいと思います。手間暇のかかることですが、手間暇を惜しまないのが愛情でもあります。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月18日月曜日
花だより ジンチョウゲ 芸人魂 「スギちゃん」
芸人魂 「スギちゃん」
「網走の流氷まつりのゲストにお笑いタレントのスギちゃんが来るので、見に行きたい。」と孫が言い出して、11日の祝日に行ってきました。スギちゃんといえば「ワイルドだぜ!」の有名なセリフに、ノースリーブとハーフパンツ姿で有名ですが、氷点下10度の中でも、同じ格好をしてトークショーを行っていました。見る見る露出している部分が真っ赤になって辛そうでした。終了の予定時刻になってもファンの声援に応えたり、笑顔でサインしたり、一緒に写真を撮ったりとサービス精神旺盛です。
テレビを見ると、昨年の流行語大賞になって、「安心して下さい」のとにかく明るい安村さんも旭川と札幌の雪まつりのゲストとして、あの姿(パンツ一枚)で出演して決めポーズを披露したそうです。呼ぶ方も呼ぶ方だと思いますが、さすが芸人さんだなあ!と感心しました。
さて、孫と言えば、帰りの車の中では、ぐっすり眠りに入りました。ちょっと前まで、「じいちゃん、ばあちゃん」もはっきり言えなかったのに、お母さんにくっついて離れない甘えん坊だったのに、4月からは、1年生です。みんなについていけるだろうか?親以上に心配をしています。皆さんも入学の喜びと同時に不安を抱えているのではないでしょうか?
さてそこで保護者の皆さんにお願いです。
1年生入学と同時に1年生の親としての勉強が始まります。
“子どもは育ってほしいと思ったようには育たない。育てたように育つ”と言われます。つまり、親の背中を見て育つということです。親の言動がそのまま子どもにコピーされるのです。
勉強ができる子、友だちと仲よくできる子は、基本的な生活習慣がきちんと身に付いている子です。あいさつができる子。話がきちんと聞ける子。身の回りの片付けができる子です。
「ちゃんとあいさつするのよ!」、「先生の話をちゃんと聞くのよ!」と言って聞かせてその通りになるのなら、何の苦労もありません。できるようになるには、親がお手本を示すことです。ドリルを与えて、「勉強しなさい!」ということではありません。「当たり前のことが、当たり前にできる」ようにすることですが、ところがこれがなかなかできないのです。4月から保護者の皆さんも1年生の親としての家庭教育の勉強がはじまります。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月17日日曜日
花だより フキノトウ 入学・進級するお子さんに
入学・進級するお子さんにスマホやゲーム機を与える前に
中学校の校長先生から言われました!
北中の2年生と6年生との交流学習が行われ、来校した北中の校長先生に最近の中学校の様子を聞きました。ネットトラブルが生徒指導の最大の問題で、中学校の入学説明会では、まずこのことを保護者に伝えると言っていました。できれば小学校のうちからきちんと指導してもらうと助かるとも言っていました。高栄中の校長先生も同じことを言っていました。
北海道教育委員会の「ネットトラブル未然防止のためのヘルプサイト」をご紹介します。
《保護者の皆様へ》
入学や進級に合わせて、「お祝い」や「緊急連絡用」として、スマートフォンや通信機能のあるゲーム機などをお子さんに与える家庭は少なくありませんが、インターネット利用上のトラブルを防ぐためには、「最初の与え方」がとても大切です。
与えてからでは戻りにくい
子どもにスマートフォン等を与える際には、機能や制限を設定することが鉄則です。しかし、多くの家庭では、「子どもの自主性に任せる」などと考え、なんの制限もせずに使わせ始めてしまいます。
その後、周囲のトラブルなどを見聞きして、あわてて制限をかけようと思っても、「いったん味わった自由が奪われる」と受け止める子どもに対して、スマートフォン等を取り上げて制限したり、その意義を説明することには多大なエネルギーが必要になります。それでは、もう遅い!!
中学校の校長先生から言われました!
北中の2年生と6年生との交流学習が行われ、来校した北中の校長先生に最近の中学校の様子を聞きました。ネットトラブルが生徒指導の最大の問題で、中学校の入学説明会では、まずこのことを保護者に伝えると言っていました。できれば小学校のうちからきちんと指導してもらうと助かるとも言っていました。高栄中の校長先生も同じことを言っていました。
北海道教育委員会の「ネットトラブル未然防止のためのヘルプサイト」をご紹介します。
《保護者の皆様へ》
入学や進級に合わせて、「お祝い」や「緊急連絡用」として、スマートフォンや通信機能のあるゲーム機などをお子さんに与える家庭は少なくありませんが、インターネット利用上のトラブルを防ぐためには、「最初の与え方」がとても大切です。
与えてからでは戻りにくい
子どもにスマートフォン等を与える際には、機能や制限を設定することが鉄則です。しかし、多くの家庭では、「子どもの自主性に任せる」などと考え、なんの制限もせずに使わせ始めてしまいます。
その後、周囲のトラブルなどを見聞きして、あわてて制限をかけようと思っても、「いったん味わった自由が奪われる」と受け止める子どもに対して、スマートフォン等を取り上げて制限したり、その意義を説明することには多大なエネルギーが必要になります。それでは、もう遅い!!
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月16日土曜日
花だより レンテンローズ 工大生
~工大生~
駅前の駐車場で車に乗ろうとしたら、若者が寄ってきて「すみません。工大生ですが、自転車を盗まれてしまって・・・、工大の近くまで乗せてもらえませんか?」と頼まれた。見たところ真面目そうな若者だったので、帰り道ではないが乗せることにした。
茨城出身の1年生で入学式に雪が降ってビックリしたことなど話し出した。「冬はマスクをしないと鼻が凍傷になると聞いたが本当ですか?」と「そんな北見にどうして来たのか?」と尋ねると、受けた大学が全て落ちて仕方なく後期試験で受かった北見工大に来たのだという。「この辺では工大に入るのは難しい。」と言うと“オホーツク管内のレベルは低い”とあっさり言われた。来年他の大学を受け直すため受験勉強をしているのだという。
学力テストの公表でオホーツク管内の学力の低さが明らかになった。分かっているが、本州人から直接言われるとショックである。有名大学に入ることが教育の目的ではないが、確かな学力を身につけさせることは教師としての第一の使命である。学力差は教師力の差と言われても仕方ない。
駅前の駐車場で車に乗ろうとしたら、若者が寄ってきて「すみません。工大生ですが、自転車を盗まれてしまって・・・、工大の近くまで乗せてもらえませんか?」と頼まれた。見たところ真面目そうな若者だったので、帰り道ではないが乗せることにした。
茨城出身の1年生で入学式に雪が降ってビックリしたことなど話し出した。「冬はマスクをしないと鼻が凍傷になると聞いたが本当ですか?」と「そんな北見にどうして来たのか?」と尋ねると、受けた大学が全て落ちて仕方なく後期試験で受かった北見工大に来たのだという。「この辺では工大に入るのは難しい。」と言うと“オホーツク管内のレベルは低い”とあっさり言われた。来年他の大学を受け直すため受験勉強をしているのだという。
学力テストの公表でオホーツク管内の学力の低さが明らかになった。分かっているが、本州人から直接言われるとショックである。有名大学に入ることが教育の目的ではないが、確かな学力を身につけさせることは教師としての第一の使命である。学力差は教師力の差と言われても仕方ない。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月15日金曜日
花だより スミレ 親の悪習慣が子どもをダメにする
《シリーズ「イキイキ子育て」》
子どもに悪影響を与えてしまう親の悪習慣
上野 緑子(幼児教育ガイド)
親の生活習慣は様々な形で子どもに影響を与えます。もちろん、いい影響もありますが、ここでは、悪い影響について考え、自分の生活を振り返ってみましょう。
子どもは親の鏡と言います。ここでは、親が子どもに与える性格や生活習慣への悪影響について考え、自分の生活を振り返ってみましょう。
親の行動がモラルの低下を引き起こす
例えば、スーパーマーケットなどで、子どもが商品を不必要に触ったり、誤って商品を破損した場合、親が見て見ぬふりをしたり、注意をせず黙認してしまったりすることが子どものモラルを低下させています。
親が子どもの手本となる行動をとることは当然のことであり、また、子どもの行動にも責任を持って対処しなければなりません。
両親の喧嘩は子どもを不安に
両親が喧嘩しているのを見ると、子どもは自分のせいではないかと悩んだり、親の大声に怯えたりします。自分は親に捨てられるのではないかと思うこともありますので、子どもの前での喧嘩は避けるべきです。
また、母親は子どもに父親のことを悪く言うのはやめましょう。子どもが父親のことをどう思うかというのは、母親の態度に大きく左右されます。子どもに父親のことを悪く言ったり、夫に対してバカにした態度をとったりすると、子どもも父親のことを悪く思ったり、バカにした態度をとるようになります。
そうではなく、母親は父親のいいところを、父親は母親のいいところを子どもに聞かせてあげてください。そうすることで、父親、母親に対する信頼感は強くなり、いい親子関係を築くことにつながります。
親が干渉しすぎると指示待ちの子どもになる
子どもが1人でやっているのを見ているより手を出した方が早いですし、子どもが気付くまで待つより口を出したほうが楽なので、ついつい干渉してしまう親は多いのではないでしょうか?
でも、その結果、自分では何も決めることができず、親の指示を待つ子どもが増えています。高校生になっても身の回りのことさえできていない子どもも増えています。
子どもが自分で気付くまで待つことは親にとっても忍耐のいることですが、将来のことを考え、子どもが自分の意思で行動できるように導くことが大切です。
その他、子どもに悪影響を与える親の悪習慣は……
・親が朝食を抜いているか簡単な朝食だと、子どもも当然、同じになる
・親が食事に出された食べ物を残す習慣をつけていると、子どもも悪いことだと思わず、食べ残す
・親が時間を決めないでだらだらと間食していると、子どもも当然だらだらと間食し、食事を残すなど悪影響が出てくる
・親がどこに行くにもすぐに車を使っていると、子どもも運動不足になる
・親が部屋を散らかしていると、子どもも部屋を上手に片付けられない
・親の言葉遣いが悪いと、子どもの言葉遣いも悪くなる
このように、親の悪習慣は、子どもの健康面に関する悪影響が多いようですが、社会との関わりや精神面にも悪影響があり、悪影響を与えていると分かっていながらもやってしまっているケースや、気がつかないうちに与えているケースもあるようです。
いずれにしても、親は子どもにとってどういう存在であるかを自覚し、将来ある子どもに悪影響を与えていないか、自分の行動を振り返ってみましょう。
子どもに悪影響を与えてしまう親の悪習慣
上野 緑子(幼児教育ガイド)
親の生活習慣は様々な形で子どもに影響を与えます。もちろん、いい影響もありますが、ここでは、悪い影響について考え、自分の生活を振り返ってみましょう。
子どもは親の鏡と言います。ここでは、親が子どもに与える性格や生活習慣への悪影響について考え、自分の生活を振り返ってみましょう。
親の行動がモラルの低下を引き起こす
例えば、スーパーマーケットなどで、子どもが商品を不必要に触ったり、誤って商品を破損した場合、親が見て見ぬふりをしたり、注意をせず黙認してしまったりすることが子どものモラルを低下させています。
親が子どもの手本となる行動をとることは当然のことであり、また、子どもの行動にも責任を持って対処しなければなりません。
両親の喧嘩は子どもを不安に
両親が喧嘩しているのを見ると、子どもは自分のせいではないかと悩んだり、親の大声に怯えたりします。自分は親に捨てられるのではないかと思うこともありますので、子どもの前での喧嘩は避けるべきです。
また、母親は子どもに父親のことを悪く言うのはやめましょう。子どもが父親のことをどう思うかというのは、母親の態度に大きく左右されます。子どもに父親のことを悪く言ったり、夫に対してバカにした態度をとったりすると、子どもも父親のことを悪く思ったり、バカにした態度をとるようになります。
そうではなく、母親は父親のいいところを、父親は母親のいいところを子どもに聞かせてあげてください。そうすることで、父親、母親に対する信頼感は強くなり、いい親子関係を築くことにつながります。
親が干渉しすぎると指示待ちの子どもになる
子どもが1人でやっているのを見ているより手を出した方が早いですし、子どもが気付くまで待つより口を出したほうが楽なので、ついつい干渉してしまう親は多いのではないでしょうか?
でも、その結果、自分では何も決めることができず、親の指示を待つ子どもが増えています。高校生になっても身の回りのことさえできていない子どもも増えています。
子どもが自分で気付くまで待つことは親にとっても忍耐のいることですが、将来のことを考え、子どもが自分の意思で行動できるように導くことが大切です。
その他、子どもに悪影響を与える親の悪習慣は……
・親が朝食を抜いているか簡単な朝食だと、子どもも当然、同じになる
・親が食事に出された食べ物を残す習慣をつけていると、子どもも悪いことだと思わず、食べ残す
・親が時間を決めないでだらだらと間食していると、子どもも当然だらだらと間食し、食事を残すなど悪影響が出てくる
・親がどこに行くにもすぐに車を使っていると、子どもも運動不足になる
・親が部屋を散らかしていると、子どもも部屋を上手に片付けられない
・親の言葉遣いが悪いと、子どもの言葉遣いも悪くなる
このように、親の悪習慣は、子どもの健康面に関する悪影響が多いようですが、社会との関わりや精神面にも悪影響があり、悪影響を与えていると分かっていながらもやってしまっているケースや、気がつかないうちに与えているケースもあるようです。
いずれにしても、親は子どもにとってどういう存在であるかを自覚し、将来ある子どもに悪影響を与えていないか、自分の行動を振り返ってみましょう。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月14日木曜日
花だより サンシュユ 嫁姑戦争は昔の話
嫁姑戦争は昔の話
核家族化が進み、姑と一緒に暮らお嫁さんは少ないどころか、今の姑の年代もそうした経験がなくなっています。孫のために何でも言うこと聞くスポンサーです。
炊事、洗濯、掃除、育児を好き好んで進んでやるお嫁さんはいないでしょう。しかし、昔は、手を抜こうものなら、姑から叱責、嫌味を言われ、仕方なくやっていたに違いありません。だから家事を覚えたし、親は、嫁に行っても恥ずかしくないように育てたのです。
今の時代、お嫁さんにとっては、非常に楽な家庭生活になりました。食事はチンしてできるし、掃除はお掃除ロボットに任せて、洗濯は全自動で乾燥までしてくれる。優しい旦那は家事を分担してくれる。
それでは「育児」は、どうでしょうか? 0歳から保育所に預け、年ごろになったら、〇〇教室や習い事、学習塾に通わせる。自分の時間を持ちたい。仕事を続けたい。女性活躍時代には、これが当たり前となりました。ところが子どもをどう育てたらいいか悩んでいる母親が多いといいます。子育てについて、誰からも教わっていないからです。そうした母親は、「子育て教室」に通うそうです。それでも教室に通う母親は、まだいい方で、 放っておかれる子どもは堪ったものではない。
乱れた食生活
子どもは親が出したものを食べるので、食生活は、親の習慣がそのまま子どもに影響する最たるものです。
ファストフードやコンビニ、インスタント食品など高カロリーの食事が食卓に並ぶことが多かったり、脂肪分や塩分を摂り過ぎてしまうスナック菓子を袋ごと与えたり、また、子どもに言われるがまま炭酸飲料などのジュース類を与えることは小児肥満の他、高血圧、高脂血症、糖尿病、心肺機能の低下など、さまざまな合併症を引き起こす原因にもなります。しかし、インスタント食品やファストフードなどを全く食べないというのも難しい話です。子どものことを考えてできるだけ食べる回数を減らす努力をしたり、お菓子も内容を吟味して購入するなど意識することが必要だと思います。
乱れた食生活(添加物)は身体だけでなく、心もむしばむ
添加物は身体だけでなく、心にも悪影響を与えるといわれています。たとえば、無気力、無関心、無感動になったり、同じ過ちを繰り返す、キレる、多動などの問題行動にも影響があるとも言われています。食生活は、特に親の影響が大きいので、乱れた食生活が子どもにも引き継がれないよう、気を付けなければなりません。
核家族化が進み、姑と一緒に暮らお嫁さんは少ないどころか、今の姑の年代もそうした経験がなくなっています。孫のために何でも言うこと聞くスポンサーです。
炊事、洗濯、掃除、育児を好き好んで進んでやるお嫁さんはいないでしょう。しかし、昔は、手を抜こうものなら、姑から叱責、嫌味を言われ、仕方なくやっていたに違いありません。だから家事を覚えたし、親は、嫁に行っても恥ずかしくないように育てたのです。
今の時代、お嫁さんにとっては、非常に楽な家庭生活になりました。食事はチンしてできるし、掃除はお掃除ロボットに任せて、洗濯は全自動で乾燥までしてくれる。優しい旦那は家事を分担してくれる。
それでは「育児」は、どうでしょうか? 0歳から保育所に預け、年ごろになったら、〇〇教室や習い事、学習塾に通わせる。自分の時間を持ちたい。仕事を続けたい。女性活躍時代には、これが当たり前となりました。ところが子どもをどう育てたらいいか悩んでいる母親が多いといいます。子育てについて、誰からも教わっていないからです。そうした母親は、「子育て教室」に通うそうです。それでも教室に通う母親は、まだいい方で、 放っておかれる子どもは堪ったものではない。
乱れた食生活
子どもは親が出したものを食べるので、食生活は、親の習慣がそのまま子どもに影響する最たるものです。
ファストフードやコンビニ、インスタント食品など高カロリーの食事が食卓に並ぶことが多かったり、脂肪分や塩分を摂り過ぎてしまうスナック菓子を袋ごと与えたり、また、子どもに言われるがまま炭酸飲料などのジュース類を与えることは小児肥満の他、高血圧、高脂血症、糖尿病、心肺機能の低下など、さまざまな合併症を引き起こす原因にもなります。しかし、インスタント食品やファストフードなどを全く食べないというのも難しい話です。子どものことを考えてできるだけ食べる回数を減らす努力をしたり、お菓子も内容を吟味して購入するなど意識することが必要だと思います。
乱れた食生活(添加物)は身体だけでなく、心もむしばむ
添加物は身体だけでなく、心にも悪影響を与えるといわれています。たとえば、無気力、無関心、無感動になったり、同じ過ちを繰り返す、キレる、多動などの問題行動にも影響があるとも言われています。食生活は、特に親の影響が大きいので、乱れた食生活が子どもにも引き継がれないよう、気を付けなければなりません。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月13日水曜日
花だより キンセンカ プログラミング教育について
プログラミング教育について
小学校に外国語教育が導入されたときは、子ども向け英会話教室が流行したように、今は、プログラミング教室に子どもたちが殺到しているそうです。少子化を迎え、教育費を惜しまない保護者が増えたことで、そこを狙ったAIやIoTに強いベンチャー企業が、次々と教育の分野に進出してきています。
反面、新しい学習指導要領でプログラミング教育が必修化になって、学校の先生は、何をどう教えたらいいの?と戸惑っています。
学習指導要領は10年に一度の改訂です。この機を逃すと10年先延ばしになってしまいます。それでなくても最先端技術で日本は世界から遅れをとっていることを危惧しているので、今回無理くり入れたのではないかと思っています。
プログラミング教室と学校でのプログラミング教育の違いをきちんと理解しておく必要があります。
~必修化の3大勘違い~
1 必修化されたからといって、新しい教科になったり、時間が増えたりすることはない。教科書もなければ、評価もしない。どの学年、どの教科・単元でどれくらいの時間数で扱うかは、各学校の判断
2 プログラミング言語をCPに打ち込んでいく、プログラマーを育成するものではない。「プログラミング的思考」という資質・能力を育成するのが目的
*「プログラミング的思考」とは、物事には手順があり手順を踏むこと、物事をうまく解決できるといった、論理的に考えていく力のこと
3 毎回、PCやタブレットを使って勉強するのではない。
「アンプラグドプログラミング」つまり、PCやタブレットを使わず、紙と鉛筆を使ったり、体を動かしたりして「プログラミング的思考」を学ぶ。
*アンプラグドとは、電気を使わないこと
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月12日火曜日
花だより アセビ 夜更かし
隣の部屋から、子どもの声とお母さんと思われる賑やかな声が聞こえる。店の人に聞くと「最近流行りの子連れの女子会」だという。9時になり、我々の宴会はお開きになったが、隣はまだ盛り上がっていて、帰るそぶりはない。見ると小学校低学年のようだ。これから帰っても寝るのは10時過ぎだろう?と心配になった。若いお母さんだもの、時には羽目を外したいときもあるだろう。そんなときは、子どもを旦那か祖父母に預けた方が、ゆっくり楽しめるだろうと思うのだが…。不登校の原因に、昼夜逆転の生活がある。9時を過ぎると「もう遅いから、寝なさい!」と注意する親は、少なくなったのだろうか?
子どもに悪影響を与えてしまう親の悪習慣
上野 緑子(幼児教育ガイド)
《夜更かしは子どもの身体や脳の成長を妨げる》
親が夜更かししていると、ついつい寝る時間が遅くなってしまう子どもが多いようです。幼児期の子どもの身体や脳の成長を考えれば、睡眠時間が足りていれば良いというものではなく、睡眠の時間帯が重要となってきます。
それは、成長ホルモンの分泌と大きな関わりがあるからです。成長ホルモンは、寝ている間にしか分泌されず、しかも就寝後2~3時間後に最も多く分泌されます。また、午後10時~午前2時にかけて最も多く分泌されるので、成長ホルモンを効果的に出すには、午後8時~10時くらいに寝るのが一番良いのです。
また、子どもがイライラしやすい、キレやすいという話をよく耳にしますが、これも睡眠の時間帯や睡眠不足の影響があると言われています。
就寝時刻が遅くなったり、不規則になってしまう理由のひとつに、父親の帰宅によって、寝るタイミングを逸したり、また、父親と夜遅くまで遊んでしまうことがあるようです。親子のふれあいはとても大切なことですが、子どもの成長を考えると父親とのスキンシップは夜ではなく、朝にそういう時間が持てるようにしていきたいですね。
さらに、夜更かしはテレビを見る時間が増加し運動不足になり、スナック菓子などのおやつの摂取が増えるので、肥満になりやすいとも言われています。
~流氷~ 春節で中国人観光客が網走にも押し寄せています。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月11日月曜日
花だより ワカサギ 未納の給食費22億円
学校給食 未納の給食費は総額約22億3000万円?!
未納者のうち60%について、学校側は「保護者の責任感や規範意識の問題」と認識、「経済的な問題」とみているは30%
文科省は、「経済的問題がないのに納付しない保護者も多いようだ。教職員が督促に労力を割かなくてもいいよう納付義務についての周知徹底が重要」と指摘している。
未納者がいた小学校は40%、中学校は51%で、過去数年で未納が「増えたと思う」は49%だった。都道府県別に見ると、北海道がワースト1
払わない親の意見「給食の時間は学校が決めたんだから、学校が払えばいい」とか、「義務教育なんだから、給食費は払わなくてもいい…。」
これを聞いた善良の保護者は、「何身勝手なこと言っているんだ!本当に腹が立つ! 学校の給食費の未納が22億円もあるなんて考えられない。払っていない人の分は、誰が補填しているの? 」
こんな現状に支払うように督促する役は、ほとんどの学校では教頭先生です。とても嫌な思いをします。ある学校では、何度も何度も督促して、やっと給食費を持ってきた母親が「とりあえず」と言って高級バッグ(ビトン?)から1ヶ月分の給食費を出しました。
教育問題の矛先が全て学校に向けられていますが、安部首相も「教育再生は、家庭と地域(社会)・学校が一緒になって取り組む課題である。」と言っています。
極寒-30℃の美幌峠
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月10日日曜日
花だより ホトケノザ 恩師
「恩師」は問われたら、木目澤一三 氏先生(前網走教育委員会教育長)を真っ先に挙げるでしょう。
~教育は百年の大計と言われてきたものの、その根底となる憲法や教育基本法の議論や教育の在り方そのものに対する認識が大きく変わりそうな勢いです。
「間違った道は、行けば行くほど目的地から遠ざかる」と言われますが、教育の今後の方向性を誤らないために、これまで以上に議論を重ね家庭・地域・学校が一層信頼関係を築き、新しい時代を担う子どもたちが夢と希望に満ちて生きぬく力を育成していかなければなりません。
「教師の命は授業である」「教師の命は研修である」「授業は教師の芸術である」「教師の前に人間であれ」「教師は人なり」言い古された言葉ですが、教師には古くて新しい課題として肝に銘じて研鑚することが肝要である。
「凡庸な教師はただしゃべるだけ。よい教師は説明する。優れた教師は範を示す。偉大な教師は子どもの心に火をつける」(アメリカの聖職者 ウィリアム・アーサー)
「人は木の花や葉、枝ぶりの美しさに心を奪われる。これはこれでいいが、木には見えない根があることを忘れてはいけない」(水上 勉)
教師としての人間性、社会性はもとより指導力、研修欲など、教師としての心の玉をたゆまず磨き続けてほしいと期待しています。~
改めて今、木目澤先生の言葉を思い出します。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月9日土曜日
花だより カンボケ 自己責任
《シリーズ「イキイキ子育て」》 ~自己責任~
おとなたちは子どもを危険からできるだけ遠ざけようとする。落ちたらいけないと池に柵を巡らせたり、けがをするからと遊具器具を撤去したり・・・。
“転ばぬ先の杖”はもちろん大切だが、あれもこれも危ないと、事前に危険の芽を摘むことが、危険を察知して回避する能力や注意力を鈍らせ、逆に事故を招いていることもあるのではないだろうか?
世の中にはいたるところに危険が潜んでいる。その全てを事前に取り除くことは不可能である。とすれば、おとながなすべきことは、危険の芽を摘むことではなく、世の中の現実の姿を教えこむことであろう。
自らの安全は、自らの責任で守るもの。そんな当たり前のことをおとなか子どもまで誰もが忘れてしまい、安閑と日を過ごしている。そして、事故が起こると、他に責任を転嫁する。そうした姿がいたるところで最近見られるようになった。“自己責任”この言葉を改めて心に刻みたい。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月8日金曜日
花だより ハコベ 新説!所JAPAN
「新説!所JAPAN」 2月4日の放送を見て
所ジョージが日本にまつわる身近な謎に迫る知的バラエティー!
今回のテーマは「きれいな文字」
日本人は、手書きの文字がその人の印象を左右すると考えるが、欧米人は、字の「上手」「下手」にはこだわらない、文字は読めれば十分と思っている。そこで「きれいな文字」と日本人の深い関係に迫った。
街角で調査すると、字のきれいな人には、なぜか埼玉出身の人が多い結果に、その理由を探るために埼玉県へ取材に向かった。
埼玉の小学校では、5B以上の柔らかいえんぴつを使うなど、埼玉県独自の「書道教育」にあることが分かった。
手書きは少なくなったが、履歴書など、自筆で書かなければならないときはある。字にその人の性格が現れるとよく言われる。内容よりも字で評価されるときがある。
江戸時代の変体仮名を読める日本人は少なくなった。字はその時代時代で変化していくものだが、最近は、子どもっぽい字を書く大人が増えている。その原因は、印刷文字にあるという。手書きの文字を見る機会が少なくなり、一番見慣れている印刷文字やスマホやPCのフォントが影響していると書道の専門家青山浩之氏は言う。
番組では、主演者に「む」と「み」を実際に書かせ、間違いを指摘し、美文字の書き方を指南した。手書きで正しくひらがなを書ける日本人は少なくなった。しかし、活字万能ではない、手書き文字はなくならない。現代では、居酒屋のメニューやドンキホーテのポップなどは、あえて手書きにしているという。「手書きの力」は侮れない。手書きと活字では、売り上げに大きな差があるという。
最近、所さんが出演する番組は、情報番組が多い。なるほどと感心させられる内容で、どれも楽しみに観ている。
~書 写~
ワープロの普及で手書きや毛筆が書かれているものが少なくなってきました。今後ますますこの傾向は進み、子どもたちが大人になったときは、手書きすることは無くなってしまうかもしれません。これからは、自分で書くというより、ワープロに入っている字体(フォントは100近い種類がある)をその用途によって選ぶ能力が問われるようになるかもしれません。それでも手書きや毛筆の良さはあります。
そこで書写の時間に、手書きや毛筆の方が良いと思うもの、または身の回りで手書きや毛筆でかかれているものを見つけてみました。
寿司屋さん、そばやさん、うどんやさんの看板やのれんは毛筆が多いという話から、和風の食べ物の話になって、寿司のネタは、トロやいくら、ウニがいいとか、丼物では、天丼、牛丼、親子丼がおいしい・・・とか話が脱線してしまいました。でも、最後は「学校の勉強は手書きでなければだめ!」という発言があってホッとしました。
所ジョージが日本にまつわる身近な謎に迫る知的バラエティー!
今回のテーマは「きれいな文字」
日本人は、手書きの文字がその人の印象を左右すると考えるが、欧米人は、字の「上手」「下手」にはこだわらない、文字は読めれば十分と思っている。そこで「きれいな文字」と日本人の深い関係に迫った。
街角で調査すると、字のきれいな人には、なぜか埼玉出身の人が多い結果に、その理由を探るために埼玉県へ取材に向かった。
埼玉の小学校では、5B以上の柔らかいえんぴつを使うなど、埼玉県独自の「書道教育」にあることが分かった。
手書きは少なくなったが、履歴書など、自筆で書かなければならないときはある。字にその人の性格が現れるとよく言われる。内容よりも字で評価されるときがある。
江戸時代の変体仮名を読める日本人は少なくなった。字はその時代時代で変化していくものだが、最近は、子どもっぽい字を書く大人が増えている。その原因は、印刷文字にあるという。手書きの文字を見る機会が少なくなり、一番見慣れている印刷文字やスマホやPCのフォントが影響していると書道の専門家青山浩之氏は言う。
番組では、主演者に「む」と「み」を実際に書かせ、間違いを指摘し、美文字の書き方を指南した。手書きで正しくひらがなを書ける日本人は少なくなった。しかし、活字万能ではない、手書き文字はなくならない。現代では、居酒屋のメニューやドンキホーテのポップなどは、あえて手書きにしているという。「手書きの力」は侮れない。手書きと活字では、売り上げに大きな差があるという。
最近、所さんが出演する番組は、情報番組が多い。なるほどと感心させられる内容で、どれも楽しみに観ている。
~書 写~
ワープロの普及で手書きや毛筆が書かれているものが少なくなってきました。今後ますますこの傾向は進み、子どもたちが大人になったときは、手書きすることは無くなってしまうかもしれません。これからは、自分で書くというより、ワープロに入っている字体(フォントは100近い種類がある)をその用途によって選ぶ能力が問われるようになるかもしれません。それでも手書きや毛筆の良さはあります。
そこで書写の時間に、手書きや毛筆の方が良いと思うもの、または身の回りで手書きや毛筆でかかれているものを見つけてみました。
寿司屋さん、そばやさん、うどんやさんの看板やのれんは毛筆が多いという話から、和風の食べ物の話になって、寿司のネタは、トロやいくら、ウニがいいとか、丼物では、天丼、牛丼、親子丼がおいしい・・・とか話が脱線してしまいました。でも、最後は「学校の勉強は手書きでなければだめ!」という発言があってホッとしました。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月6日水曜日
花だより ハハコグサ 終活と葬儀
~終活と葬儀~
高齢化が進み「終活」が流行語になる時代です。「やわらぎに相談しますか?」というCMも登場するようになりました。
都市部では、葬儀を取り仕切るだけの手伝いが集まらず業者に任せるところが多くなったそうですが、地方では、まだ互いに助け合う自治会活動があります。
「どんなに忙しくても葬儀の手伝いに駆けつけるのは、厳しい自然条件の中、互いに助け合って生きてきた開拓農民の気概が受け継がれているからだ。」と語った古老がいました。教員のような転勤族の新参者は、冠婚葬祭を通じて地域の人たちと親しくなり、地域を知ることが、学校の教育にも活かされると思うからです。
「亡くなったおばあさんは91歳でした。終戦を朝鮮半島でむかえ、38度線をやっとのことで越え、日本への帰国を果たしたそうです。また、戦争を知る人が逝ってしまいました。こうした先人の苦労の上に、今の平和な日本があることを忘れてはなりません。通夜とは、亡くなった方の思い出を語る場なのです。このことが供養になるのです。」とお寺さんはお説教の中で言っていました。若いときは、葬儀の説教など、真剣に聞いたことがありませんでしたが、最近は、良く聞き、言っていることがよく理解できるようになりました。「終活」を考える年齢になりました。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月5日火曜日
花だより セリ 北見新中央図書館
~感動する本との出会いを大切にする~ 北見新中央図書館
いい本に出会うことは、いい人に出会うことに似ている。
開館して1ヶ月、もう落ち着いて混雑することはないだろうと思い、新しくなった中央図書館にまた行ってきました。ところが相変わらずの混雑ぶりに驚きました。玄関ホールを入ると大きなオリーブの木が出迎えてくれました。高い吹き抜けの天井を見上げるスクリーンになっていて、オホーツクの四季の景色が映し出されています。椅子も各コーナーごとに工夫が凝られていて、児童図書コーナーの椅子は、動物のお尻?しっぽがついていいました。北小の子に会いました。「校長先生も来たの?この椅子に座って写メ撮ったらいいよ。」と言われました。この人気は、ただ建物が新しくなったという理由だけではないようです。ハード面だけでなく、ソフトの充実も上げられます。北見に新名所ができました。
読書は、想像力や考える習慣を身に付け、豊かな感性や情操、思いやりの心をはぐくむことができます。「全国学力・学習状況調査」でも、読書する子ほど点数が高いという結果が出ています。学習室では、受験勉強に励む中学、高校生の姿も多くありました。北見市内の児童・生徒の学力UPにつながることを期待します。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月4日月曜日
花だより スズシロ 「当たり前」て、どんなこと?
学力向上には「当たり前のことを当たり前」にすること
ところで「当たり前」て、どんなこと?
1年生でやっていることを上の学年でも続けることです。さらに具体的にいえば、教師の愛読書「教育技術」1年生(4月号)掲載されている内容です。
《子どもへの指導》
1 授業が始まる前に教科書やノートなど、学習用具を準備する。
2 授業の始めと終わりのあいさつがきちんとできる。
3 授業中に教科書やノート、筆記用具の位置が定まっている。など
《教師の実践》
4 板書では、定規を使って線を引くこと
5 学習月日や本時の学習課題を書くこと
6 文字は丁寧に書くこと(「上手に書きなさい」ではなく「丁寧に書きなさい」)など
こんなことをわざわざ学校の重点課題として、先生方に示すのは失礼なことだと思いましたが、授業を効率的に進めるためには、学習規律の徹底が第一の条件です。
六花(雪の結晶) 北小の校章は、雪の結晶をモチーフにしています。校歌の中にも「北小学校おごりなく 六花の誇り、負って行く」とあります。春が待ち遠しいです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月3日日曜日
花だより ナズナ 義務教育の現状
「義務教育の現状」
山崎 正和氏 (大阪大学教授、東亜大学学長、中央教育審議会会長)
首相が「1億総活躍社会」を目指し、人材育成への期待が高まっている昨今だが、人づくりの基礎となる義務教育の現場が、今危機に直面している事実は意外なほど知られていない。
経済格差の拡大、家族関係の歪みなどによって、学齢以前の子どもの基礎教育が疎かになっていることが原因である。
貧困家庭や父子・母子家庭の増加に伴い、いわゆる要保護児童・生徒とそれに準ずる子どもの数は、2012年には6人に1人に達している。
そういう家庭では親子の接触の時間が減り、しつけを中心とする家庭教育は不十分にならざるをえない。これは確実に学校現場に影響を与え、関係者の間では、教員は新入生に学科を教える前に、まず教室で静かに着席させるために苦心するありさまだという。
統計的に見ても、親の所得と学齢を合成したSES(社会経済的背景)という指数があるが、これが子どもの学力と強く相関していることは、文部科学省の資料から明らかである。貧困家庭は次の世代をも貧しくすると言われるが、その前にこれを防ごうとする学校教育を難しくし、教員の負担を重くしているのが現実である。
また現代では注意欠陥・多動性障害の場合も通常の学級に在籍するなど障害児童・生徒も通常の学校で教える傾向が強まっている。その数も1993年度の1万人余りから2014年度には8倍に増え、これを症状ごとに個別に教える苦労は尋常ではない。
元来、日本の教員は忙しかったが、こうした社会変化はその多忙を加速し、労働時間の過酷な延長をももたらしている。こうした困難な学校を支援するために、かねて教員には「加配定数」という制度があって、法定の定数外に若干の増員が認められていた。だが、財務省は子どもの減少を理由に、教職員全体を大量に削減する中で、この加配定数の大幅縮小を主張したのである。
論拠は「費用対効果」だが、教育の効果は道路整備のように目に見えるものではない。現に学校現場が苦境の中で完全に荒廃していないのは、それ自体が加配定数の効果だと見ることは十分できる。
義務教育の本質をさらに深く見直せば、現在の小中学校の実態は、ただ現状を守るという姿勢では終われないことは明らかである。責任は文教行政だけでなく、社会全体に及ぶことだが、現代日本の「高学歴・低学力化」には目を覆うものがあり、分数のたし算ができない大学生がいるという事実も広く知られている。その遠因は明白に義務教育にある。
義務教育の内容は相当に高く、習得すれば社会人の教養として不足はないのに、それを国民の義務として習得させる制度がない。学制のどこにも落第の関門がなく、質を問わなければ全生徒を受け入れるだけの高校、大学がある。義務教育の充実は国の義務であり、それを習得するのは国民の義務である。両者の義務を果たすためには、ぜひここで制度の不備を正し、学校教育の強制力を強める必要があろう。(要約:牧野)
「教育は人なり」言い尽くされた言葉ですが、「教育は金なり」という言葉の方が当てはまるのではないかと思います。
TTが導入されるとき、「1+1=2ではなく、1+1=1にする。」と言った学者がいました。「本来一人の教員がやるべきことができなくなり、チームでそれを補うのがTTの考えだ。」というのです。また、「総合的な学習の時間」ができたときは、「教科書のある教科指導すら満足にできない教師に、一からカリキュラムづくりをする高度なことが今の教師にできるはずがない。また、そんな時間などない。」と言った人もいました。なんと教師は低く見られたものだと反感を持ちましたが、現状は「1+1+1=1」になるくらい深刻です。
「教育は人なり」と教師の尻を叩くだけで今日の課題は解決しません。国が教育に力を入れるとは、予算をつけることですが、総枠はあまり変わらないので、どこか増えるとどこかが減らされるということなのです。
そして、問われるのが費用対効果です。例えば「加配によって、学力は上がったのですか?」いやいや、道路整備のように目に見えるものではないのです。
山崎 正和氏 (大阪大学教授、東亜大学学長、中央教育審議会会長)
首相が「1億総活躍社会」を目指し、人材育成への期待が高まっている昨今だが、人づくりの基礎となる義務教育の現場が、今危機に直面している事実は意外なほど知られていない。
経済格差の拡大、家族関係の歪みなどによって、学齢以前の子どもの基礎教育が疎かになっていることが原因である。
貧困家庭や父子・母子家庭の増加に伴い、いわゆる要保護児童・生徒とそれに準ずる子どもの数は、2012年には6人に1人に達している。
そういう家庭では親子の接触の時間が減り、しつけを中心とする家庭教育は不十分にならざるをえない。これは確実に学校現場に影響を与え、関係者の間では、教員は新入生に学科を教える前に、まず教室で静かに着席させるために苦心するありさまだという。
統計的に見ても、親の所得と学齢を合成したSES(社会経済的背景)という指数があるが、これが子どもの学力と強く相関していることは、文部科学省の資料から明らかである。貧困家庭は次の世代をも貧しくすると言われるが、その前にこれを防ごうとする学校教育を難しくし、教員の負担を重くしているのが現実である。
また現代では注意欠陥・多動性障害の場合も通常の学級に在籍するなど障害児童・生徒も通常の学校で教える傾向が強まっている。その数も1993年度の1万人余りから2014年度には8倍に増え、これを症状ごとに個別に教える苦労は尋常ではない。
元来、日本の教員は忙しかったが、こうした社会変化はその多忙を加速し、労働時間の過酷な延長をももたらしている。こうした困難な学校を支援するために、かねて教員には「加配定数」という制度があって、法定の定数外に若干の増員が認められていた。だが、財務省は子どもの減少を理由に、教職員全体を大量に削減する中で、この加配定数の大幅縮小を主張したのである。
論拠は「費用対効果」だが、教育の効果は道路整備のように目に見えるものではない。現に学校現場が苦境の中で完全に荒廃していないのは、それ自体が加配定数の効果だと見ることは十分できる。
義務教育の本質をさらに深く見直せば、現在の小中学校の実態は、ただ現状を守るという姿勢では終われないことは明らかである。責任は文教行政だけでなく、社会全体に及ぶことだが、現代日本の「高学歴・低学力化」には目を覆うものがあり、分数のたし算ができない大学生がいるという事実も広く知られている。その遠因は明白に義務教育にある。
義務教育の内容は相当に高く、習得すれば社会人の教養として不足はないのに、それを国民の義務として習得させる制度がない。学制のどこにも落第の関門がなく、質を問わなければ全生徒を受け入れるだけの高校、大学がある。義務教育の充実は国の義務であり、それを習得するのは国民の義務である。両者の義務を果たすためには、ぜひここで制度の不備を正し、学校教育の強制力を強める必要があろう。(要約:牧野)
「教育は人なり」言い尽くされた言葉ですが、「教育は金なり」という言葉の方が当てはまるのではないかと思います。
TTが導入されるとき、「1+1=2ではなく、1+1=1にする。」と言った学者がいました。「本来一人の教員がやるべきことができなくなり、チームでそれを補うのがTTの考えだ。」というのです。また、「総合的な学習の時間」ができたときは、「教科書のある教科指導すら満足にできない教師に、一からカリキュラムづくりをする高度なことが今の教師にできるはずがない。また、そんな時間などない。」と言った人もいました。なんと教師は低く見られたものだと反感を持ちましたが、現状は「1+1+1=1」になるくらい深刻です。
「教育は人なり」と教師の尻を叩くだけで今日の課題は解決しません。国が教育に力を入れるとは、予算をつけることですが、総枠はあまり変わらないので、どこか増えるとどこかが減らされるということなのです。
そして、問われるのが費用対効果です。例えば「加配によって、学力は上がったのですか?」いやいや、道路整備のように目に見えるものではないのです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月2日土曜日
花だより セツブンソウ 「耐える力 「我慢」を教えよ」
《シリーズ「イキイキ子育て」》
◇◇◇「耐える力 「我慢」を教えよ」◇◇◇
甘やかされ、わがままいっぱいに育った子どもは、何か思い通りにならないことがあると、たちまちパニック状態になります。しかし、世の中は一歩家の外に出ると、むしろ思い通りにならないのが当たり前です。
誰しも学校、地域、職場と、世間の仕組みや周囲の人々と折り合いをつけながら人間的に成長していくものです。
家庭は子どもを育み、守ると共に、社会に適応できるように準備する場でもあります。そして、そのために欠かせないのが、耐える力をつけてやることです。
豊かな時代だからこそ、我慢することを覚えさせる必要があります。それが自分をコントロールする第一歩です。そのためにも、まず大人が慎む姿勢を示さなければなりません。
毎日の生活に追われ、大事なことを忘れがちです。自分のことしか考えられなくなり、相手のことを推しはかる奥ゆかしさとか謙虚さを思い出させてくれる言葉があります。言われるとなるほどと思うことがたくさんあります。こんないい言葉に出会うと“心がホッとステーション”です。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年2月1日金曜日
花だより ハナナ いじめ重大事故対応の裏側で
いじめ重大事故対応の裏側で
いじめによって命を絶つ子どもが後を絶ちません。遺族の心中を察するに余りあります。また、第三者委員会の報告に遺族が不服を申し立て、文科省の指導で新たな委員会が設けられ、報告内容が覆ったりするなど、「いじめ重大事故対応」は社会問題になっています。
そんな中で、別な視点からこの問題をとらえている福田まゆみ氏の意見を紹介します。
「いじめられた」と言えば、「いじめ」でよいのか
ノンフィクション作家 福田 ますみ
(平成29年「月刊教職研修」6月号)
1 過剰な被害者意識が教師を追い詰める
福田氏は、学校を舞台にしたノンフィクションを2冊出版(『でっちあげ福岡「殺人教師」事件の真相』『モンスターマザー長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』)している。両方ともいわゆるモンスターペアレントが、「我が子がいじめられている」と学校や教師に猛抗議して被害をでっちあげた事件だ。
二つの事件はマスコミで大々的に報じられ、加害者とされた教師や児童生徒たちは猛烈なバッシングにさらされた。ところが、いじめや体罰は無実無根だったのである。母親らは,常人では考えられない虚言を弄してマスコミや世間をだまし、教師たちを追い詰めたのだ。
ここまでひどくなくとも、似たような事件はあちこちの学校で起きている。保護者からの恫喝や脅しによって、いじめ・体罰教師に仕立てあげられてしまった中学校教師のケース。「いじめられた側がいじめだと言えばいじめだ」という片方の主張だけで、わけの分からないままいじめの加害者にされてしまった、助けてくださいと手紙で訴えてきたケースなど。拙著が出版された直後から、学校関係者からの相談が相次いでいる。被害妄想に取りつかれた保護者が、存在しないいじめを執拗に訴え、その過剰な被害者意識が学校運営の妨げになっている。
2 曖昧ないじめの定義が仇をなすことも
悪質ないじめがなくならないのは問題である。しかし一方で、こうしたトラブルも続発している。この事実を考えると、文科省が策定したいじめの定義が昨今どんどん曖昧になっていることに不安を覚える。
同法が、11年に滋賀県大津市の中学校で起きたいじめ自殺事件をきっかけに成立したことは周知の事実である。被害者・加害者が頻繁に入れ替わり、陰湿化・巧妙化するいじめから児童生徒を守るために定義の基準を緩めたことは分かる。
しかし反面、これではいくらでも拡大解釈が可能だ。「ぼくはあいつにいじめられている」と誰かを名指しすれば、その児童生徒があっという間に「いじめっ子」にされかねない。文科省は、被害者に寄り沿おうとするあまり、こうした二次被害をまったく想定していない。そもそも「いじめられた側がいじめだと言えばいじめ」「子どもが体罰だといえば体罰」などといった主張は、あまりにも一方的で言ったもの勝ちだ。
3 公平中立に立つ勇気
被害者の立場に立つことは当然である。だが、いじめの事実をめぐって争いが起きた場合、調査する者が「いじめられた側がいじめだと言えば~」という思い込みにとらわれ過ぎると、かえって真実究明の妨げになり、新たな被害者をつくってしまうのではないだろうか。重要なことは、むしろ予断を排して公平中立に、いじめられた側・いじめた側の言い分をよく聞くことだと思う。
保護者や子どもがいじめを訴えてくる場合、真偽の判断がむずかしいケースが存在する。そのとき、いじめられた側の被害者を尊重する対応を教師は求められる。しかし、それに過度に縛られると逆に真実を見誤り、無辜の児童生徒にあらぬ疑いをかける危険が生じることを肝に銘じておいてほしい。
「国家の品格」著者の藤原正彦氏は、「いじめ問題」に対してこう述べています。
「卑怯」を教えよ いじめに対して何をなすべきか。カウンセラーを置く。などという
対処療法より、武士道精神にのっとって「卑怯」を教えないといけない。「いじめが多いからカウンセラーを置きましょう」という単純な論理に比べ「いじめが多いから卑怯を教えましょうは論理的でないから、国民に受けません。しかし、いじめを本当に減らしたいなら、「大勢で一人をやっつけることは文句なし卑怯である」ということを叩き込まないといけない。たとえ、いじめている側の子どもたちが清く正しく美しくて、いじめられている側の性格がひん曲がって大嘘つきだとしても、です。「そんな奴なら大勢で制裁してもいいじゃないか」というのは論理の話。「卑怯」というのはそういう論理を超越して、とにかく「ダメなものはダメ」だということです。この世の中には、論理に乗らないが大切なことがある。それを徹底的に叩き込むしかありません。いじめをするような卑怯ものは生きる価値すらない、ということをとことん叩き込むのです。
道の駅「流氷街道オホーツク」 流氷観光船「オーロラ」運航開始
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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