2019年5月21日火曜日

花だより セキチク うちの子をよろしくお願いします


 「うちの子をよろしくお願いします。」
 何人もの障がいを持つ子の母親から言われました。
 特認校の若松小学校は、入学を希望する保護者との面談があります。
 若い母親でした。校長室に入室するなり、「涙声で若松小学校にうちの子を入れていただけないでしょうか?街中の学校では、うちの子はいじめにあってしまいます。」
 若松小は、特認校で特別支援学級を持つ学校ではありません。と説明してお断りしましたが、とても切ない思いをしました。
 斜里の朝日小では、両親とも高学歴で我が子の障がいを認めようとしませんでした。担任から「お宅のお子さんは…。」と言われたと激怒して校長室にやってきました。さまざまなデーター(行動記録、客観的資料)をそろえ、何度も家庭訪問をし、納得してもらうまで数ヶ月かかりました。
 網走潮見小では、「こんな学校では、うちの子を安心して預けることはできません。」と言われました。母子家庭で精神的に不安定な母親でした。関係機関と協議をし、転校させることにしました。その判断はとても悩みましたが、どちらがよりベターか、時として、こうした判断も必要なんだと自分に言い聞かせました。
 他にも、特別支援に関わり、さまざま相談を受けてきました。しかし、それは校長の役目です。
「うちの子は、他の子と違うんだ。だから、特支学級に入っているんだ。他の子と同じようなことをされても困る。この子にあった教育をしてくれると言うから、入れたんだ。できれば、普通学級に居て欲しいんだ。この子はだれも守ってくれない。親が守るしかない!」と言った親がいました。
「校長先生、毎晩夢を見るんです。この子がある日突然、話し出す夢を見るんです。他の子と一緒に仲よく遊んでいる夢を見るんです。大きく立派に成長している姿を見るんです。でも、それは夢なんです。」
 障がいを抱えた親の苦悩に私たちは、寄り添っていかなければなりません。大事なのは、その子にとって何が一番大事なのかということです。個別の支援計画、個別の指導計画の作成が義務づけられています。子ども一人一人に要する支援内容が異なります。生育歴など、客観的なデータと行動記録、指導記録を積み上げ、冷静に対応しなければなりません。 


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