2019年5月28日火曜日

花だより シロツメクサ アマリリス 「みんないっしょに」というのは困った風潮


 「みんないっしょに」というのは困った風潮 
   “母の品格” 多湖 輝 著より
 かけっこというのは、おもしろいですね。子供たちが一生懸命走っている姿を見ると、心から「がんばれ」と声援を送りたくなります。見ている者も夢中にさせるのが運動会での徒競走です。
 ところが今の運動会は、子供たちがゴールしても1番や2番を決めるわけではなく、昔のように1等賞、2等賞というような賞をもらうことはしません。
 ゴールには親がビデオカメラや携帯電話のカメラをかまえて待っているので、わが子が何番だったかは、カメラの中に残されているだけというのが多いのです。
 中にはあらかじめ子供たちのタイムを記録しておいて、同じようなタイムの子供を並べて走らせる学校もあるようです。そして、みんな頑張ったからということで、みんなに「健闘賞」を配るところもあるようです。
 なぜこうなったかというと「1等賞がとれなかった子供やビリになった子供がかわいそう」という親の真理が働いているのでしょう。
 今の運動会は、昼のお弁当も親と子は別々の場所で食べるのだそうです。これも「運動会を見に来れなかったお父さんやお母さんがいる子供はかわいそう」という親の心理が働いています。
 子供が「かわいそう」なことはできるだけさせたくないという気持ちは大切です。しかし、それと同じくらい「かわいそう」な状況になったときにどう耐えられるかを子供が学ぶことも大切です。
 今は「かわいそう」という親の気持ちが大きくなって、どんどん子供を過保護にしています。子供を「保護」することと「過保護」にすることは、天と地ほどの大きな差があります。お母さんが子供を「保護」したいというのは理屈ではなく、心の底からにじみ出てくる母性本能でしょう。でも、この気持ちをうまくコントロールしていかないとあふれる母性本能で「過保護」になってしまいます。気持ちがあふれて暴走しないようにコントロールするのが「母の品格」だと思います。


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