2020年5月31日日曜日

花だより 学校再開への心構え サツキツツジ

 
 学校再開への心構え 教師の正念場 
 コロナショックでの長期間の休校は、子どもたちも先生もこれまでにない日常生活となりました。学校が再開してもこれまで通りとはいきません。
 学級担任としては、子どもたちとこれまで以上にコミュニケーションをとることが大切です。先生と子どもたちがいつもつながっていると実感させ、安心感を持たせることが大切です。そのためには、休校で失った時数が例えば50時間だとすると60時間かけて、じっくり丁寧な授業することです。そして、その内容と理由を丁寧に保護者や子どもたちに説明することが大切です。そのために夏休みと冬休みが少なくなったとしても理解してくれるはずです。
 残された期間で、3密を避けながら、どのように授業を進めていくか、カリキュラムの見直しが必須です。検討すべき課題は山積していますが、あれもできない、これはダメだというだけでは、教育のプロとしては情けない。いまは正念場、教師の踏ん張りどころです。
 どんなに厄介な子がいるにしても、子どもたち不在の学校がいかに味気のないものであるか思い知らされたはずです。「教師の仕事は忙しい」、「学校はブラック企業だ」と言われていますが、教育の原点に立ち、子どもたちと向き合ってほしい。


2020年5月30日土曜日

花だより 教師は誇り高い人である タニウツギ


 6月から学校が再開される。課題は山積していて学校の先生は大変だ。前例は通用しない。新しい発想が必要だが、標準時数は確保して、学習内容は全てきちんと来年の3月までに教えなければならない。教師の力量が問われる。
     
 教師は、勇気ある人である
 教師は、努力する人である
 教師は、賢い人である
 教師は、文化人である
 教師は、尊い人である
 教師は、誇り高い人である
 教師は、子供を育てることに生き甲斐を感じる人である
               井上一郎(元文部科学省教科調査官)


  
  

2020年5月29日金曜日

花だより ネットで誹謗中傷 セッコク


 ネットで誹謗中傷する人へ されている人へ
 相手が見えないと好き勝手なことを言いたがる、書きたがる。ネット社会になって、新たな教育が必要かもしれないが、モグラたたきのような対応だけでは、解決するものではない。学校での道徳教育を充実しなければならない。

思考に気をつけなさい それはいつか言葉になるから
言葉に気をつけなさい それはいつか行動になるから
行動に気をつけなさい それはいつか習慣になるから
習慣に気をつけなさい それはいつか性格になるから
性格に気をつけなさい それはいつか運命になるから

ケンカは素手でやる
ケンカは、一対一でやる
ケンカは、どちらかが やめたくなったら やめる
これがケンカのやくそく
ケンカすると 前より 仲良くなる
体の心の絵本 ケンカの気持ち
          柴田愛子

私の目にトゲはないか
私の言葉にトゲはないか
私の心にトゲはないか
   育ての心より 倉橋惣三

時が癒してくれることを関西では、日薬といいます。
日時が薬になって、どんな悲しみも治してくれる。
本当に優しく人の心を癒してくれるのです。
悲しいときは、じっとして 
そのいやなときが過ぎていくのを待って下さい。
          瀬戸内寂聴

2020年5月28日木曜日

花だより 根曲がり竹の人生 アマリリス


  「根曲がり竹の人生」 
 学校評議員の謝花さんが、自叙伝を持って来られました。謝花さんは、沖縄出身で昭和8年生まれ。この本は手作りです。自らワープロで文章を打ち、写真も自分で撮られたものです。 
////////////////////////【まえがき・あとがき】から/////////////////////////////////////////////////////////////////
 戦後開拓地として入植した知床の豊里地区は、昭和55年を最後に全戸が離農した。当時の歴史を体験した者が、正確に後世に伝えておくべきだろうと考えた。
 最も多感な青春時代に「開拓」という渦の中に放り込まれた。毎日、3メートルもある根曲がり竹を1本ずつ刈るのが開拓作業だった。もがき、悩み、苦しんだものの、今となっては、貧しいながらも、素晴らしい環境、人々との付き合い、そして、父との語らいや教えの中で、「義理・人情・信用・常識」などからの言葉の他に『お金や財産より勝もの』として、「当たり前のことを当たり前と考えることが出来る人間」に成長して欲しいとの言葉を頂き、今日の自分を眺めたとき、本当に良かったと思っている。「戦後開拓とは、何であったのだろう」の問いには、衣食住に困り果て、余裕のない生活の中からでも、「根性・常識」が育まれた。決して無駄な時代ではなく、素晴らしい人間性を与えてくれたと思っている。
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  学校で学ぶことは、ほんのわずかであり、人間死ぬまで勉強であること、そして、謝花氏の自然、人、ものから学ぶ姿勢や向上心に感服しました。 

2020年5月27日水曜日

花だより 至誠而不動者未之有也 エビナ シロツメクサ


「至誠而不動者未之有也」
     全連小山口大会への参加をきっかけに見るようになった幕末の長州を舞台にしたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が、最低の視聴率で終了しました。その理由は、主人公である吉田松陰の妹のみわと再婚相手の揖取素彦(初代群馬県令)が有名な歴史上の人物ではなかったからだと言われています。しかし、共感するところが多くありました。みわは生涯にわたり、女子教育の普及に努めました。「新しい日本をつくるためにも、学ぶことは、とても大切なことです。学ぶことで、考えることができるからです。」という言葉が心に残っています。
 表題にある語は、その吉田松陰が揖取素彦におくったものです。
~自ら至誠の限りを尽くして計画し、あるいは実行したにもかかわらず、いずれも失敗に終わったことを振り返ってきたとき、どうしてもこの「未だよくこの一語を解するに能わず」と思わざるを得ない。孟子の語に偽りがあるのか、それとも自分の至誠の不足によるものなのかを考えずにいられない。~(原文解説)
 こうした謙虚さをトップリーダーは持ち続けていなければならない。


2020年5月26日火曜日

花だより 「修学旅行」が危ない? 金魚草


  思い出一番の「修学旅行」が危ない?
 小学校の卒業時に「6年間の一番の思い出は何ですか?」と聞くと一番に上がるのが修学旅行で、他に宿泊学習やキャンプ、登山遠足、運動会や学芸会などの学校行事が上位を占めます。
 ところがコロナショックで、子どもたちにとって楽しみにしている学校行事が中止になりそうです。夏休みや冬休みを短縮、土曜日も登校して勉強、中学生は部活も制限され、一日6時間の詰め込み授業が行われるようです。
 尾木ママは、「これは児童虐待だ!」子どもたちのことを一番に考えるのなら、学校行事などの特別活動の時間を保障するため“9月入学にすべし”と主張しています。子どもたちと直接かかわっている教育者としては、当然の意見のように思われます。しかし現実は、9月入学の課題が多いのも事実で、時間をかけて論議すべしという意見もよくわかります。コロナショックの非常事態だから我慢しなさい。ということなのでしょうが、子どもたちや保護者の立場に立つと、我慢しなければならないのは本当に子どもたちか?と思います。
 今回のコロナ対応で、世界との考え方の違いが明らかになりました。
 何かしようとすると必ず反対意見が湧き起きるのですが、議論して白黒つける諸外国に比べ、玉虫色の着地点を見つけるのが日本式らしい?(中途半端な対応)
 日本政府のコロナ対策には問題があるが、結果的に死亡者数は少ない。Why? 世界から不思議がられています。
その理由の一つは、日本の教育レベルの高さにあるのではないでしょうか?その教育を大事にするのであれば、3ヶ月の遅れをオンライン授業や詰め込みでカバーするのは難しいでしょう。9月入学について、どんな結論を出すのでしょうか?

2020年5月25日月曜日

花だより 常識では通用しない問題が急増 カスミソウ 藤

「あっ!チューリップが咲いてる」
 PTA会長ご夫妻が校長室に来て、「毎回、通信のタイトルを考えるのは大変じゃないですか?特に冬はどうするのですか?」とご心配いただきました。冬もそうですが、花が一斉に咲き出す春のこの時期は、桜、梅、杏子、水芭蕉、スイセン、たんぽぽ、チューリップ、ツツジ、こぶしの花も咲いていてどれにしようか迷ってしまいます。
 今回は、学校前の自治会長さんの庭できれいに咲いているスイセンにしました。花言葉は「思い出、記念」です。冬になってタイトルに困ったら、会長がいいアイディアを出してくれるそうです。若葉の季節を迎えました。
 前向きな親の姿は、きっと子どもに届いている
     これまでの常識では通用しない問題が急増
 ひとり親家庭や共働き家庭では、親が働きながら子育てをするため、ゆっくりと子どもと接する時間が少なくなりがちです。しかし、子を思い、精一杯生きている親の姿は、しっかりと子どもたちの心に響いているはずです。また、さまざまな悩みなどは、ひとりで抱え込まず親類や友人の協力を得たり、地域の相談窓口や子育てサポーターや子育てネットワークといった、子育てに応援してくれるシステムを積極的に活用することです。
  社会の急速な変化や家庭の多様化から、これまでの教育や子育ての経験だけでは解決しない問題が増えています。そういうときは迷わず専門家に相談しましょう。
 スクールカウンセラー・家庭教育相談・教育センター・警察の少年相談窓口・児童相談所・保健福祉センターなどさまざまな相談機関があります。それぞれの特色を知り、相談内容にふさわしい機関を選び勇気を出して相談することです。
  ひとりで悩まず、前向きに子育てをしよう。時には専門家の知恵を借りる。 教育専門相談員をやっていて感じたことです。

2020年5月24日日曜日

花だより 9月入学 教育関係者は反対 オオバナノエンレイソウ 芍薬


  9月入学 全連小(全国連合小学校校長会)反対意見
 9月入学を新型コロナ対応と並行して議論すべきではない。検討にあたっての課題として5事項を整理。社会全体のコンセンサスの必要性、会計年度の考え方の変更といった社会全体の仕組みの変更、学齢の考え方(児童数の増加)、教職員の人事(教員採用の時期)、企業・公務員の採用選考時期の変更など、準備が多方面にわたる課題を指摘した。
 教育課程に関しては、理科や生活科など季節単元の再構成、指導計画や学校行事などの変更、学費増額の問題など、様々な困難さを挙げ、コロナ収束後に十分時間をかけて議論するよう求めた。実質反対を表明したことになる。予想通りである。
 さらにここに来て、元文科省政務次官の前川喜平氏も登場して、文科省の誰一人して9月入学に賛成する者はいない。と言い切っている。
 これで日本の9月入学は、もう無理だろう?
 課題があるのは、十分承知していたはず。コロナをもってしても明治維新や終戦後の改革には至らないということになる。冷静な議論で物事大きく変わったことは、歴史上ない?

2020年5月23日土曜日

花だより 松井秀喜の座右の銘 オオアマドコロ


 心が変われば 行動が変わる 行動が変われば 習慣が変わる
  習慣が変われば 人格が変わる 人格が変われば 運命が変わる
 元はヒンドゥー教の教えで、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームスの言葉とも言われている。松井秀喜選手は、高校の恩師山下智茂氏から授けれらことの言葉を座右の銘としている、
「けがを治すのも修行のうちだと思います。しっかり治して出直します。」とは、左手首を骨折して連続試合出場の記録が途切れたときのインタビューで、とくに気負いや落胆の色もなかった。
「自分がコントロールできないものに気をもむのではなく、できることを精一杯やりたい。」とは、守備機会を与えてくれない監督に言いたいことはないかとの質問を受けたときの答えである。
 淡々としてすべてを受け入れ、いつも同じやわらかな物腰で語る姿には、風格のようなものが漂っている。気取らず、率直な態度で、無理がない。
これぞスーパースター!国民栄誉賞もらうだけのことはある。
 コロナショックは、自分でコントロールできるものではない。今できることを精一杯やるしかない。コロナで行動が変わり、習慣が変わり、運命が変わるかもしれない。

2020年5月22日金曜日

花だより Zoom会議 蜜柑の花

Zoom会議
 オホーツク管内の広さは、全国7番目の岐阜県とほぼ同じ面積10,690㎢あります。
管内の校長が全員集まって会議をするとなると一日かかりです。雄武町から総合振興局のある網走まで車で3時間かかります。時間だけでなく、昼食を用意したり、旅費の支給などお金もかかります。また、金曜日に開催することが多く、一泊する校長もいたりして、夜の繁華街も潤います。
 管内校長会の役員は、会場の準備を一時間前には終了しなければなりません。なぜなら1時間前から校長が集まってくるからです。30分前には全員そろっていて、会場前ではロビー外交が繰り広げられています。会議そのものも大事ですが、情報収集の貴重な時間なのです。
 ところがコロナショックで2月から5月にかけての札幌での全道関係の会議も含めて全て中止になりました。変わって行われているのがテレビ会議です。確かにテレビ会議の方が効率はいい。
最近ある校長先生から、「zoomでやりませんか?」と言われました。
「Zoomて何だ?」 
「まず、オンライン飲み会しましょう?」 
 これもイノベーションなのか?コロナショック後の生活は、こう変わってしまうのか?
 歴史や文化は、人間の本性に基づいている。人と人の付き合い方は、その場の空気感や肌感も大事なのではないだろうか。
今は仕方ないとしてもコロナショック後の会議はすべてこうなるとは思いたくない。

2020年5月21日木曜日

花だより 学校のICT化「案ずるより産むがやすし」 セキチク 


 学校のICT化 「案ずるより産むがやすし」
 休み時間になるとタブレットの取り合いになる。これは特別支援学級の様子
入っているソフトは、算数の計算問題、漢字の書き取り、社会科の地図ゲームなど
操作方法は、特に教師が教えたわけではないという。なぜ子どもたちは、簡単に使いこなし、夢中になるのか、それは家でやっているゲームと同じだから。ハードやソフトの開発者は、さすがだ! 誰でも簡単に使いこなせ、ゲームをやり始めると、次から次へとやりたくなるように工夫されている。例えば、「かけ算九九」のソフトは、軽妙な音楽と正解と誤答のときの音、間違った問題は、繰り返し出てくる。クリアするともらえるポイントなど、ゲーム感覚でやり続ける(止められなくなる?)。これまでの繰り返しドリルやスキル以上の学習効果があるのは間違いない。(特支の3年生が1週間で、日本の全都道府県の名称と位置を覚えた。)
 ICT導入には、「果たして先生が使いこなせるか?」「せっかく購入してもホコリをかぶるようになるのでは?」と否定的な人もいる。しかし、それは大した問題ではないように思う。「案ずるより産むがやすし」である。あとはお金の問題だけ。

2020年5月20日水曜日

花だより 作詞家 星野哲郎 レンギョウ 


右を向いても 左を見ても 君よりえらそうな顔しているが 
ほんとの力はちがっていないさ 
おしてもだめなら ひいてみな
やるぞ みておれ 口には出さず 腹におさめた 一途な夢を 
曲げてなるかよ くじけちゃならぬ どうせ この世は 一本どっこ

ぼろは着てても 心の錦 どんな花よりきれいだぜ 
若いときゃ 二度ない どんとやれ
男なら 人のやらないことをやれ
何はなくとも 根性だけは 俺の自慢の一つだぜ 
春が来りゃ 夢の木に 花が咲く
男なら 行くぜ この道 どこまでも
  若い人は知らないだろが、亡くなった作詞家 星野哲郎の代表作である。
 当時は、歌詞の意味を深く感じなかったが、改めて読み返すと人生の応援歌である。
 「今の時代に合ってない」と言われそうだが、そうだろうか? 
 

2020年5月19日火曜日

花だより 道教委の学力向上対策 ヒナゲシ


 道教委の学力向上対策(解説)           
 道教委は学力テストの点数を上げるために、テスト対策や点数競争をさせようと言っているのではありません。
「生きるために最低限必要な知識が北海道の子どもたちにきちんと身についていないのではないか」、「物事に真摯に取り組もうとする姿勢が育てっていないのではないか」、「こうした生活習慣を引きずったままで、一人前の大人として地域社会を担い、子どもたちを生み育てていけるのだろうか」という危機感を持っているのです。
 「全国平均以上」にするという目標について
 「機会均等」は義務教育の根幹をなす理念です。北海道に生まれたから、北海道のどこで生まれたからということで、本来、子どもたちの学力に大きな差があってはならないものです。こうした問題意識の下で、「学力を全国平均まで上げる」という大きな目標を掲げ、様々な学力向上施策を打ち出しているところです。
 こうした道教委の動きに対して、「平均点さえ上げればいいのか」とか、「点数競争を煽るのか」とか、「過度な競争を助長するのではないか」という意見があるのも事実です。そのように捉えられるのは本意ではありません。平均点を目標に掲げているのは、基礎学力を一人一人の子どもに身につけさせるという問題であり、平均点云々の問題ではなく、平均点に矮小化すべきではありません。
 九九ができないまま、アルファベットが書けないまま、義務教育を卒業していく子どもたちがいます。本道の高校は全入状態です。今、高校では、義務教育段階の学び直しを学校組織を挙げて行っているという状態です。定時制高校については、小学校レベルの基礎に立ち返って学び直しを行うカリキュラムを組まなければならない状況にあります。
 基礎学力の定着や学ぶ意欲が十分ではなく、学習についていけない子どもは、高校を中退しているのです。10%近い「非卒業率」となっています。(40人学級で4人は高校を中退している。)
 道内の多くの企業から、「道教委は高卒者をもっと採用して欲しいというけれども、基礎学力がない、付随して我慢強さや粘り強さが足りないので、きちんと仕事ができない。」と言われています。
 この問題の2つの側面
 一つは、「子どもたち一人一人を自立させることができるかどうか」という問題と「地域の発展」という視点です。
 地元の高校を卒業して、その地域(管内)に残る割合は、2~3割となっています。全道では、高校卒業者の9割が道内に残っています。本道の子どもたちの地域残留率は非常に高い状況です。地域に残る子どもたちが自分の足で立っていけるのかどうか、これは地域経済・地域社会の存続・衰退に直結する問題なのです。あらためて、初等中等教育の教育課程を、実社会との連続線上で捉える視点を教育関係者全員が強く持たないといけません。
 「全国平均点以上を目指す」という目標を立てていますが、平均点は結果に過ぎません。各学校では、正答率のバラツキを分析され、対策を講じているでしょうか。大事なのは、一人一人の子どもに、自立して生きていくために最低限必要な基礎学力をきちんと身につけさせることです。
 これは「競争主義」とか「新自由主義」ではありません。純然たる「教育論」です。一人一人に最低限の学力を身につけさせて社会に送り出す。「基礎学力保障」なのです。そのための取組を着実に行えば、「結果として」平均正答率は全国を上回るはずです。「全国平均を目指す」と掲げたのは、そういう意味であります。
 しかし、学校を取り巻く客観的情勢に目をやれば、経済的に困難な要保護準要保護世帯が増加傾向にあります。また、保護者からのニーズも多様化しています。児童虐待、過疎化に伴う地域の教育力の低下もあります。この目標達成には、先生方や教育行政だけでは確かに困難な課題です。
 しかし、目の前の子どもたちに視点を置いて考えれば、そのことを理由に我々が現実から目をそらしたり、言い訳をすることは許されるものではありません。これは教育を「単なる社会の従属変数(社会変化に無力である)と考えるのか、「教育の力で人を育て、よりよい社会をつくっていこうとするのか」という問題です。
 

2020年5月18日月曜日

花だより 謙虚さと説得力 アヤメ


 謙虚さと説得力
 私のしゃべることのすべては、私が考えついたり、発見したことではなくて、出会った恩師に学び、たくさんの書物を読んだり、国内外の遺跡をたくさん発掘させてもらったり、見せて貰ったりした結果のことで、自分のものはほとんどありません。
            國學院大學名誉教授 考古学者 小林達雄先生の言葉
 テレビのコメンテーターの言葉を簡単に信用してはいけない。
 話の言葉尻だけをとらえて批判するのもどうかも思う?
 1 深く理解していないとわかりやすく説明できない。
 2 謙虚にならないと、物事の本質は見えない。
 3 プライドが高い人は成長しない。
 4 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
 5 「型を崩す」のは型があってこそ
 6 言うべきが、言わざるべきか
 7 その言葉に“愛情”はあるか
 8 悪口は面と向かって言えるレベルで
 9 もう一人の自分を育てる
10 特に責任ある立場にある人は、気を付ける。 

2020年5月17日日曜日

花だより 知床からのメッセージ エゾエンゴサク

世界自然遺産の町で暮らしている実感
 ここは、何もない不便なところだ。何でこんなところが世界遺産なんだ。
 地元の人には、知床の厳しい自然に価値があることを知る由もなかった。
 そんな知床の価値を教えてくれたのは、よそから来た人たちだった。
 当たり前のように毎日を暮らしていると気付かないことがたくさんある。
 
 大地の遺産 ミスター知床 午来 昌 元斜里町長
知床からのメッセージ
大切なことは みんな知床が教えてくれた
大自然と毎日五感で触れ合ったことで
私のものの見方 考え方 そして 生き方を
決定づけた
 「知床」を「子ども」に置き換えると
 子どもたちからのメッセージ
大切なことは 全て子どもたちが教えてくれた
子どもたちと毎日 五感で触れ合ったことで
教師としての ものの見方 考え方 そして 生き方を
決定づけた
 もう一度、目の前にいる子どもたちを見つめてみよう!

2020年5月16日土曜日

花だより 潮見小学校の教育目標 薔薇


  新しくなった潮見小学校の教育目標について 保護者説明会)
輝け!潮見っ子  友だち大好き(徳) 運動大好き(体) 勉強大好き(知)
 潮見小学校の教育目標の特徴は、非常にわかりやすい言葉を使っています。そして、普通は、知・徳・体の「勉強」「体」「心」の順番ですが、「徳」「体」「知」の順番になっていることです。
◎なぜ、徳の「友だち大好き」が一番なのか?というと、勉強は、家で家庭教師に教わればできます。体力も通販で買ったトレーニングマシンを使えば体力向上が図られます。ところが「徳」=心を育てるとか、社会性、コミュニケーション能力というのは、集団の中での人とのかかわりの中で育つものなのです。思いやりとか、優しさ、ルールを守る。といった社会性は、学校の集団でしかできないので一番先に掲げました。
◎強いだけじゃダメ!「運動大好き」(体) 全国体力・運動能力調査の結果が出ました。北海道(網走)の子どもたちは、握力とソフトボール投げは、全国平均を上回りましたが、それ以外は下回る結果となりました。つまり、網走の子どもたちは、体力がない。運動能力が低い。ということです。同時に行われた生活習慣の調査結果から、テレビやゲームをする時間が長い、外遊びをしない。それで夜寝るのが遅く、睡眠時間が短い。朝食をとらない。その結果、身長は平均並みだが、体重が平均以上で、肥満傾向にある。だから、走っても遅いし、運動能力が低い。という結果になっています。(みんながみんなそうだと言っている訳ではありません。)そんな子どもたちに体力をつけるためには、まず、運動が好きになることが大切だと考えました。
 柔道、剣道、相撲道など武道では、「知・徳・体」と似たような言葉で「心・技・体」が大切といいます。柔道、剣道の「道」とは道徳(心)のことです。ですから、強いだけではダメなのです。
◎「勉強大好き」(知) 全国学力・学習状況調査の結果、北海道がどんな位置にあるか皆さんご存知かと思いますが、下から2番目です。その北海道の中で、網走管内は、さらに低い結果となっています。私たち教育関係者は、大変なショックを受け、危機感を持っています。
 ところが学校の学習だけでは限界があります。学力調査の学習習慣調査からも、「家で勉強する時間が、全国平均に比べると少ない。」「基本的な生活習慣が身についていない。」という残念な結果が出ています。また、「基本的な生活習慣が身ついている子は、学力が高い。」という、当たり前のことですが結果が出ています。
◎“心と体と勉強のバランスのとれた子どもを育てる。”これが学校教育のねらいです。
具体的には、基本的な生活習慣が身についていて、きちんとあいさつができる。先生の話がきちんと聞ける。自分のことは自分でできる。人にやさしくできる。学校には、自分で歩いて通う。家に帰れば、外で元気に遊ぶ。そういう子は、“おのずと勉強もできる。”ということです。これには家庭との連携が大切です。もし、「礼儀正しいし、運動もよくするのに、勉強だけできない。」となれば、それはもう学校の責任ですので、校長室に文句を言いにきてください。責任をとります。



2020年5月15日金曜日

花だより イノベーションには勇気がいる ベコニア


  イノベーションには勇気がいる
 20年も前の話です。3学期制から2学期制に移行するとき、それぞれのメリット、デメリットを挙げて先生方や教育委員会と議論しました。
 学校改革は、教室の戸の外まで来ているが、教室の中まではなかなか入り切れていないと言われていた時代に、2学期制に魅力を感じたのは、単に通知表が3回から2回になるのではなく、学期を前期と後期に分けることで、教育課程を大きく変えることができるという期待感からでした。2学期制の導入が学校改革の起爆剤になることを信じていましたが、現実は、学校行事の日程が少しずれたくらいで、大きな改革にはつながらなかったのです。学校現場の保守性?前年度踏襲主義は非常に硬いものがあります。しかし、変わらなくても何とかなるのも学校なのです。
 コロナショックで9月入学が、また脚光を浴びています。しかし、6月に学校が再開すると、土曜授業や長期休業日を短縮すれば、まだ授業時数は確保できることから、大きく9月入学に舵を切ることはないと思われます。教育関係者や学校現場に意見を求めれば、たぶん反対意見が多いことでしょう。
 最近目に留まったCMがあります。今や常識になっていますが、走り高跳びで初めて背面跳びをした選手、100m走で初めて手をついてスタートした選手(クラウチングスタート)の映像を使って、「イノベーションには勇気がいる」と伝えています。
 9月入学に移行するにはトップの「鶴の一声」がなければ実現しないでしょう。

2020年5月14日木曜日

花だより うちの子が一番 シラン

  何でもうちの子が一番と思っていませんか?
 品格のあるお母さんとは、どちらかといえばあふれ出る母性本能をうまくコントロールする人です。
《わが子の自慢》
 「うちの子は、走るのが速いんですよ。私に似て運動神経がいいのかしら。でも、音感はちょっとね。主人に似たのかしら」なんて話を聞くとおかしくなってきます。
わが子の良いところを見つけさせたら、お母さんにかなう人はいません。でも、この気持ちが暴走するとやっかいなことになってしまいます。
 「うちの子が白雪姫ではなくて、魔法使いのおばあさんの役なんですか?」と文句をいうお母さんもいるそうです。
 お母さんの気持ちは、“うちの子は、演技力があるのに悪役の魔法使いじゃかわいそうだ”という、「わが子かわいさ」の気持ちが暴走して、“なんとかしてほしい”と文句を言っているのだと思います。
 しかし、一人がこんな文句を言い出せば、「自分も言わなければ損」「とにかく言ってみるだけ言ってみよう」という殺伐とした雰囲気が生まれてしまいます。そしてやがて「言った者勝ち」という困った風潮が蔓延してしまいます。声の大きな人の意見が通る、そんな品格のないコミュニケーションの中にわが子がいるほうがよほどかわいそうです。
「うちの子、〇〇さんにいじめられているんですけど、〇〇さん家は、どんな育て方しているんですかね?」
 よくよく話を聞くと、どっちもどっちということがよくあります。きっと相手も親も「あそこの家は、どんな教育してるんだ?」と思っているのです。
 そういう親の子に限って、自分を正当化して相手をすぐ攻撃するものです。
“子どもは、言ったとおりには育たない。やったとおりに育つ”のです。子どもは、親の背中を見て育つとはよく言ったものです。最近は、お母さんだけではありません。お父さんがしゃしゃり出てくることもあります。
 こうした親の話もじっくり聞いてあげるのも先生の仕事なのです。

2020年5月13日水曜日

花だより 今こそ教師が頑張る! 菖蒲


 今こそ教師が頑張る!
 教える内容以上に、子どもたちは教師の人間性に「感化」されます。学習内容が理解できればいいというものではありません。子どもの関心を学習に引きつけるには、高い洞察力と専門性が必要です。教師は、誰でも務まる仕事ではありません。誇りを持つと同時に、人間性を高める努力を続けなければなりません。まずは、子どもの前では明るく元気であることです。
 休校が長引き、子どもたちの基本的な生活習慣は乱れ、学習意欲も低下しています。6月の学校再開に向けて、教師の力量が問われます。遅れている学習を取り戻すことに拘ることのないようにしてもらいたいものです。先生方の頑張りに期待します。

2020年5月12日火曜日

花だより 生活・総合をカット? カザグルマ


 授業時数確保で生活・総合をカット?
 長引く休校で、学校再開後の授業時数確保をどうするか、学校現場では、頭を悩ませています。
 土曜授業の実施や長期休業日の短縮を検討する中で、国語や算数・数学を重視するため、生活科や総合の時間のカットを望む声が先生方(校長、教育委員会)から出ています。
 新しい学力観の目玉としてスタートを切った生活・総合ですが、新型コロナ対策では、学校現場で邪魔者扱いされていることが浮き彫りになりました。
すでに定着したと信じていましたが、真っ先にカットを望むということは、生活総合そのものの問題なのか、指導する教師側の問題なのか、こうした現実を研究団体としてどうとらえるか、是非検討していただきたい。
 退職して5年が経ち、生活総合研究会とはすっかりご無沙汰していましたが、過日、管内の事務局からメールが届きました。今年の道の総会や研究大会が中止になったという内容でした。コロナショックは、社会のシステムを変えると言われています。研究団体は、自画自賛の研究大会を開催して満足するのではなく、こうした現実を踏まえる必要があります。

2020年5月11日月曜日

花だより 礼儀 カキツバタ


 ○×△○×△礼儀を教えるのは親×△○×△ 
「みっともないでしょう。はずかしいと思いませんか。行儀良く食べなさい。」「笑われますよ。あなたの食べ方は、礼儀知らずと思われますよ。」これは、日本人のお母さんやお父さんが、あるレストランで子どもに話している言葉です。
「やめなさい。隣の人が、いやな思いをしますから、礼儀正しく待っていなさい。」「他の人に迷惑をかけるようなことは、してはいけません。食事中のマナーを守りなさい。」これはイギリス人の親が子どもに話す言葉です。
 日本人とイギリス人では、注意する言葉が違っています。日本人は、笑われてはいけない。イギリス人は、他の人の心をいやな思いにしてはいけない。ということになります。注意の仕方は違っても、自分の周りの人に不愉快な思いをさせない。ということでは同じです。
 礼儀正しくすることは、教養が高くなり、しつけが行き届いたときにできるものです。約束事ですから、約束した事柄を知らなければなりません。子どもの頃から、一つ一つ約束を覚えて、大人になるまでに全部覚え、それを日常の生活の中で正しく実行するようにしたいものです。
 これまで「あいさつで人を大切に」を子どもたちに語りかけてきました。「朝、子どもたちから『おはようございます』と声をかけてくれます。」と近所の方から言われました。定着しつつあることにうれしく思いました。あいさつも、「あっ、先生だ。あいさつしよう」と頭で考えてから言うのではなく。かけ算九九の「2×2=4」がぱっと出るのと同じように、自然に人と出会ったら「おはようございます」と言えるくらいに体の中に染み込ませることが大切です。
「はじめてのおつかい」(日本テレビ)を見ました。4~5歳の子が、行き交う人みんなにあいさつをしていました。そして、隠れているカメラマンにも「こんにちは」と何度もあいさつしていました。 ~礼儀を身につけるのも大切な学習の一つです~
 子どもの礼儀は、親をお手本にします。

2020年5月10日日曜日

花だより 母の日 カーネーション

「母の日」特集
 人間の教育は、誕生から始まり
母親こそ、人生最初の教師である。
だっこやひざの上から教育が始まる

一番大切なお母さん
お母さんのおっぱいは
太陽みたいにあったかい
はねまくらのように
ふわふわだ
大好き 大好き お母さん

 育ての心
この心情が最も深く動くのは親である
そこには抱くわが子の成長がある
日々に相触る子の生活がある
自ら育とうとする者を前にして
育てずにはいられない心
それが親の最も貴い
育ての心である


2020年5月9日土曜日

花だより 伝える力 桐 ゼラニウム


 《伝える力》
 コロナ対応で、評価が上がったリーダー(知事)いれば、逆に下げた人もいる。その評価は、感染者数ではなく、どうも地域の人々への指導者自らの伝え方にあるのではないか?
 23カ国・地域の人々を対象にそれぞれの指導者の新型コロナウイルス対応の評価を尋ねた国際比較調査で、日本が最下位となった。日本の感染者数、死者数は世界との比較では決して多いわけではないが、リーダーの指導力に対する日本国民の厳しい評価が浮き彫りになった。(ネットから)
  伝える力(池上 彰著)から
 1 わかりやすく説明する
 2 物事の本質を見る
 3 相手の心をつかむ
 4 すぐれた文章を書く
 5 相手の立場で伝える
*相手の立場に立って、分かりやすく説明し、相手の心をつかむことが大切で、そのためには、物事の本質を見抜く力が必要で、相手にわかりやすく伝えるためには、どんなに優れた文章でも、人の書いたものを読んではダメだということ。これは、教師の授業にも通じることです。 
 

2020年5月8日金曜日

花だより 耐える力を身につける ゼラニウム

   耐える力を身につける
 甘やかされ わがままいっぱい育った子は、
 何か思い通りにならないことがあると たちまちパニック状態になる。
 しかし、世の中一歩外に出ると 思い通りにならないのは 当たり前
 豊かな時代だからこそ 我慢することを覚えさせることが大事である。
 そのためにも まず大人が慎む姿勢を示すことである。
 コロナショックの今だからこそ 耐える力が求められている。

2020年5月7日木曜日

花だより 人間関係で悩む新卒さんへ クリンソウ


 人間関係で悩む新卒さんへ
 職場で、学校で、地域社会で、誰もみな他人と関わりながら生きている。人間である以上、なかには気の合わない人、苦手な人もいて、時にはそうした人とともに作業したり、気乗りしない行事やつきあいの場に出なければならないこともある。それは少なからず憂鬱で、面倒なことであろう。それが原因で辞める新卒も多い。
 しかし、どんなにわずらわしくても、他人との関わりに逃げることができない。それが嫌でしかたがないというのは、毎日が苦痛になるばかりである。
 どうせ逃げられないのなら、それをむしろ楽しみに変える、心の切り替えができないものか。いろいろな人と出会い、人間関係を結んで、さまざまに関わりあいつつ日々を送る。これこそ生きている証だと積極的に受け止め、関わっていこう。そうすれば、鬱陶しいと思っていたのが案外そうでもなかったり、意外と面白いことに気づいたりするなど、新たな何かが見えてくるにちがいない。
 一度きりしかない人生、この日、この時である。“嫌だ、厄介だ”と自ら心を暗くしていては、あまりにもったいない。

2020年5月6日水曜日

花だより 有事の時こそ シャクナゲ


 ぶれない中心軸 道徳をもって国民を指導する
 有事の時こそ、リーダーの資質が問われる!
「論語」 為政者が自分の徳を修めて政治を行えば、自然と天下はそこに治まる。それは天の中心軸をなす北極星が常に一定のところに止まることによって、周りの多くの星もそれに倣って動くようなものである。
 政治を行う場合、法律や刑罰で取り締まろうとすれば、国民は法の裏をかくことばかりを考えて、恥ずかしいとは思わなくなる。逆に道徳を持って国民を指導すれば、秩序の元である礼を重んじ、不法な行為を恥ずかしいと思って、正しい道を進むようになる。

2020年5月5日火曜日

花だより ステイホーム 蒲公英

 ステイホーム
 30年前、農家の子のGW 「明日からGW、楽しみですね。」
 子どもたちに何が楽しみか尋ねると、「雨が降ればいい!」と答えた。
 オホーツクの農家はこの時期、タマネギの移植真っ盛り、子どもたちも手伝いをさせられるのだ。
「GWなんか、ちっとも楽しくない。でも、雨が降ったら、畑に出られないから、父さんが、『温泉でも行くか?』とか、『どこか食べに行くか?』と言うかもしれない?それだけが楽しみかな?」
 しかし、今の農家の子は、農繁期は、児童センターに預けられ、農作業の手伝いは一切しない。それに機械化が進み、子どもが傍にいると反って危ないのである。
 今年は、コロナ対応で「どこにも出かけないください!」と知事さんがステイホームを呼びかけているが、昔も今も農家のGWは遊んでいる暇などない。それに広い畑では、3密の心配はない!
 「小1、小6、中3を中心に授業をしてください。」と文科省が言い出した。
「中3は、受験だから分かるけど、小6はどうして?」と質問された。東京(都会)では、小6も私立中学への受験が当たり前のようだが、オホーツクの子どもたちには、関係のない話だ。それでもステイホームを呼びかけられて、ちゃんと守っている。それなのに河川敷でBBQをやっているお兄さんたち、何を考えているのですか?
 
  

2020年5月4日月曜日

花だより 順風満帆のときこそ自戒 花水木

順風満帆のときこそ自戒
 順境が続くと、人はとかく謙虚さを失う。自分が偉く思えてついつい調子に乗り思い上がる。知らず知らずのうちに言動が尊大になり、その結果、周囲の人を軽んじ、傷つけ、敵に回してしまう。「好事魔多し」と言う通り、成功の連続は危ない。追い風の続くときこそ一層の自戒を怠らないという教えがある。
 逆境のときこそ指導者の真価が問われるが、コロナショックで政府の対応の遅れや判断への批判が相次いでいる。長期政権での驕りがあったのだろうか。しかし、今はそんなことを言っていても仕方ない。
 GW中は、人の集まるところには行かないこと、我慢するように必死に呼びかけている。しかし、“今こそ国民一人一人が社会に貢献するとき” そう思っている人が8割いるかどうか疑問? 国民のレベルが問われている? 国民のレベルは、学力テストではわからない教育のレベルでもあるように思う。コロナショック後の日本社会は大きく変わるだろうと言われています。9月入学、PC,タブレットの一人一台、オンライン授業などが進みそうだが、教育の質を高めること忘れないでほしい。

2020年5月3日日曜日

花だより 理論よりも行動 水芭蕉

論語「理論よりも行動」
 ある人を見ていると、師を尊敬するのにまるで美女を好むように接し、父母に仕えてはあらんかぎりの孝行を尽くし、君主に仕えては一身をささげて忠義を尽くし、友だちと交際するときは誠実をモットーとしている。
 この人は自分には学問がないというが、ここまでできる人は学問が完成した人だといってよい。こうしたことができる人は、人に道をつかんでいるからであり、立派な学者以上の人といえる。
 最近のコロナ対応を見ていると「行動よりも理論」、理論というより屁理屈をこねて、行動しない人が多いように思います。
 9月入学説が脚光を浴びています。文科省はこれまで何度も検討したようですが、役人が考えたり、現場に意見を求めたりするとデメリットばかり出てきます。
「大事なことをどさくさに紛れて議論すべきではない。」という意見もありますが、こんなときでないと実現しないかもしれません。まず何を一番に優先すべきかということです。
網走湖畔に水芭蕉の咲くころとなりました。外出自粛期間中ですが、
そっと散策するくらいはいいでしょう?

2020年5月2日土曜日

花だより 新卒の先生へ 撫子 土筆

 

  “健康で長生きすることが人生の目的ではない。しかし、第一の条件である
 先ずは無理をして健康を害さないことです。心と体と頭のバランスが大事です。特に新卒の先生は、慣れない環境で、疲れる日が続いていると思いますが、“よく食べて、よく寝て、よく仕事する、生活のリズムを守る”基本的なことをしっかり守って下さい。
“無理せず”とは、人はつま先立つと、不安定になります。エネルギッシュで、体力も気力も充分あると思いますが、多くの経験や勉強を重ねながら職能が向上することになりますので、“力まず”失敗を恥ずかしがったり、恐れたりしないで前向きにチャレンジして下さい。“向き不向きより、前向きが大切です。” 
“はみ出さない”とは、教育を担う職業を自分自身で選択した以上、教員としての常識やモラル、社会人としてのマナーはしっかり身に付くよう心がけることです。
 教育長さんが、「教育委員会に挨拶に来た職員団体の役員が、コートを脱ぐことなく入室してきた。こういう非常識な先生方に真の意味で子どもの教育を任せられるだろうか、保護者の信頼を得られるかと不安になった。」とおっしゃっていました。
教師は『背広を着た子どもであってはならない』
一教師である前に一社会人でなければ尊敬の念やこの先生に学びたいという気持ちは起きてこないものです。
 教員として、教育に対する情熱、子どもへの愛情、責任感、使命感も当然大事なことですが、人格、品格も大切です。                  


2020年5月1日金曜日

花だより 校長室 鈴蘭


 教師はカリスマ的存在 ~教えるプロとしての指導力向上=カリスマ性の発揮~
 教師は教える人という制度的権威の正当性を有しています。その教師がカリスマ性を失えば、学校と教師は尊敬と憧れという対象ではなくなります。教師がカリスマ性を手放せば集団は混乱し、暴れ回る子ども、引きこもる子どもなど、さらにモンスターペアレンツという怪物が出現します。
◎×△□クールダウンに校長室へ◎×△□
 校長室に興奮状態でやってくる子がいます。穏やかに「どうしたんだ!」と優しく聞くときもあれば、「わがままは絶対許さないからな!」と怒鳴りつけるときもあります。
 不良少年グループがお祭りの露店を歩いていて、怖そうなお兄さんから、「兄ちゃんら、えらいかっこつけて歩いてるな?ちょっとこっちにこいや!」と声をかけられると急に態度が変わって「いや、いや、そんなことありません。」とすごすごと立ち去っていきました。きっと学校の先生が注意してもこうはならなかったでしょう。「校長先生、おかしな奴がいたら、俺等に相談してくれ、真っ当な道を教えてやるからさ!」と言われたことがあります。
◎校長室は立派でなければならない 
 職員玄関から怒鳴り声がして、「校長先生、大変です。見るからに怖そうな人(?)が教頭先生とやり合っています。」事務補さんが校長室にとんで来ました。「校長室にお通ししてください。」と頼みました。するとしぶしぶ校長室にやってきました。
「校長です。何か学校に粗相がありましたでしょうか?」と心臓はバクバクしていましたが、平静を装って切り出しました。すると穏やかになって話し出したのです。
◎校長室は、学校の中で特別な空間(威厳のある)であらねばならない! 
 応接セットは高級感があって、書棚には、いかにも難しそうで重厚な書籍が並べられ、壁には美術品が飾られ、棚には高価(そうみ見える)な調度品が置かれているべきだと思います。もちろん整理整頓、掃除が行き届いていることは最低条件です。
◎一番重要なのは、そこの住人? 
 校長になったとき母が、「いいかい喜充、校長先生になったんだから、安っぽいスーツなんか着るんじゃないよ。靴は運動靴ではなく、校長先生が履く靴を買いなさい。」と言われました。サラリーマン身分で高級なスーツを着ることは出来ませんので、せめてと思い校長先生が履く靴?を購入しようと札幌の三越に行って「校長先生が履く靴はありますか?」と聞くと(何と恥ずかしいこと)「もしかして、ドクターシューズのことですか?」と言われました。今履いている靴は二足目になりますが、4月の新学期前には必ず手入れをして大切に履いています。
「外見より中身だろう!」と言われそうです。校長としての威厳、権威を身に付けたいと思っていますが、一朝一夕にはいきません。まだまだ修養が足りずカリスマ性もありません。
 そこの住人とは別に、校長室は来客の接待室でもあります。お得意様サロンでもあります。校長室を有効に活用して下さい。