2021年2月28日日曜日

花だより デジタル教科書(普及よりも課題の検証が先だ) クロッカス

 

 デジタル教科書(普及よりも課題の検証が先だ)
 文科省の有識者会議が、2020年夏から、学者や学校、デジタル業界の関係者らが普及に向けて議論してきたデジタル教科書の活用に関する中間まとめ案を策定した。2024年度の本格導入の契機と位置づけ、学校教育の質を高めるために、積極活用が必要だと指摘した。デジタル化を掲げている菅首相の方針を受け、早期にわかりやすい成果が必要なのだろうが、結論ありきの感は否めない。
 子どもの視力低下や通信環境の確保に加え、書く時間の減少など、現場は不安を抱えている。なぜデジタル化が必要なのか、どのような教育効果があるのか、教員や保護者への説明が不可欠だ。
 文科省は新年度から、デジタル教科書を無制限に使えるようにする方針だ。全国の小中学校で実証事業を行うというが、積極活用を促した後で効果を検証するというのでは、順序が逆ではないか。
 米国の神経科学者メリアン・ウルフ氏の研究によると、デジタル機器より紙媒体で読む方が理解度が高かったという。「教育では、ゆっくり考え、共感力や批判的な分析力を身に着けさせる必要がある。」と述べ、脳の発達には紙媒体での学習が望ましいと指摘する。
 著書「スマホ脳」で知らせれる精神科医アンデシュ・ハンセン氏もデジタル化には慎重で、「やみくもに取り入れた自国スウェーデンでは学習効果が落ちた。新しいというだけで優れていると思わない方がいい。」と警告している。
 紙とデジタルには、それぞれ良さがある。デジタルを補助教材として生かすことも選択肢に加え、学年や教科、子どもの個性に応じた活用方法を模索すべきだ。
 指導法やトラブル対応など教員研修の充実も重要だ。本格導入の前に、やるべきことは多い。(2月25日 読売新聞の社説から 牧野要約)
 😜生活科が誕生するとき、猛反発が起きた。教育界は特に保守的である。反対勢力は必ずいる。前にも書いたが、日本の得意芸であるハイブリッドがいい。「やるなら今でしょ!」

2021年2月27日土曜日

花だより カーネルおじさんの「不撓不屈精神」 アズマイチゲ

 

 ~カーネルおじさんの「不撓不屈精神」~
 ケンタッキーフライドチキン店の店先には必ず白いスーツ姿の白ヒゲのおじさんのオブジェが立っていますが、あの人が世界初の「フライチャイズ」のビジネスモデルを考案したカーネル・サンダースさんです。
 10歳のころから農場に働きに出るようになり、14歳の時に学校をやめ、農場での労働のほか、市電の車掌としても働いていました。16歳で軍隊に入り、その後、機関車修理工、保険の外交員、セールスマンなどの職を経て、30歳後半にガソリンスタンドの経営を始めます。その一角に小さなレストラン「サンダース・カフェ」をオープンして繁盛していました。ところが65歳の時、近くにハイウェイが通ることになって、閉店を余儀なくされ、ほとんどの資産を失ってしまいます。
 しかし、彼はここから再起を図り、自分の持っているものの中で、世の中の役に立ちそうなものを考えました。そして、自分のレストランで好評だったチキンのレシピを売ることを思いつきます。カーネルおじさんは、町のレストランを行き、そのアイディアを説明して回りました。ところが店の人は、「じいさん、とっとと帰りな!」、でも、カーネルおじさんはあきらめませんでした。1009回断られ、1010軒目でようやくOKがもらえたのです。そして、世界中でフライドチキンが食べられるようになったのです。まさに挑戦だらけの人生でした。いつかきっと努力が実を結ぶときがくるはずです。
 若者が就職先を選ぶときの条件として、休みが取れる。仕事とプライベートを分ける。自由な雰囲気のある職場がいい。そんな若者にカーネルおじさんの話をしても心に響くかどうか???
🤦‍♂️私はコロナワクチンを優先的に接種できる65歳を迎えました。最近は、辛いことはなるべく避けることばかり考えています。


2021年2月26日金曜日

花だより 用務員さんからの一言 カンヒザクラ

 

・・・用務員さんからの一言・・・
 用務員さんから、放課後の教室の窓の開閉や消灯など担当箇所の管理についての話がありました。「〇〇先生の教室は、いつも窓が開けっぱなし、電気がつけっぱなしなんです。ときどきなら私も仕方ないかなと思うのですが、毎日だと・・・。私からは、先生に注意することはちょっとねえ~。校長先生から言ってくれませんか?」
子どもを指導する教師の姿勢が問われています。用務員さんは、こうも言っていました。「子どもの頃、学校の先生は偉い!何でもできる。何でも知っていると思っていました。」」
 古くから「教育は人なり」と言われているように、他のいかなる教育条件にもまして、教師としての人間性が子どもたちに強い影響を与え、教育の効果に大きくかかわることは、誰もが認めるところです。しかし、教師の人間性をより豊かにしていくために必要な専門職としての資質や指導力は、一朝一夕に身に付くものではありません。多くの経験と不断の研修の積み重ねによって徐々に磨かれていくものです。したがって、教師にとって研修は欠くことのできないものです。「研修」とは、「研究」と「修養」です。特に若い先生には、公教育に携わる者として教職の重要性を十分認識し、自ら進んで研修に励む姿勢を常に持ち続けなければなりません。教育は、教師と子どもの信頼関係を抜きにしては考えられず、その信頼関係は日々の教育活動の積み重ねの中で生まれるものです。それが教育の楽しみでもあり、また教師の生き甲斐でもあります。「尊敬する人からしか学ぼうとしない」のです。


2021年2月25日木曜日

花だより オンライン授業は「ばんそうこう」 白梅

 


 オンライン授業は「ばんそうこう」  日本大学教授 佐藤晴雄
 「オンライン授業は、『ばんそうこう』のようなものだ。」と言う人がいる。教育は、やはり教場でのリアルな体験が不可欠だから、コロナ禍のオンライン授業は、傷を一時的に癒す、ばんそうこうの役割を果たすに過ぎないと言うのである。うまい比喩である。
 あるアイドルグループの大規模ライブでは、最後部だと、アイドルの顔もほとんど見えないのではないかと思うのだが、アイドルファンによると、「同じ時間に同じ場所にいて同じ空気を感じられるのがいい。」という。なるほど、授業もライブも参加者が同じ空間で同じアクターを見ながら音声を聞き、同じ雰囲気を体感できることに大きな意味があると改めて理解した。
 教室で座ったままで意欲的な反応を示さない子を「お客さま」と称することがある。たとえ「お客さま」でも、教師や他の児童生徒と雰囲気を体感できることには大きな教育的意味がある。
 ICT活用が重視される今日、オンラインやタブレットによる授業が浸透してきている。そうした授業も重要だが、知育に有効な副次的手段にすぎないだろう。体感で受け止めるリアルな授業が中心になるべきである。しかし、コロナ禍を契機に、リアルな授業が母屋を取られはしないか心配である。
 オンラインやタブレットは、あくまでもリアル授業のばんそうこうや補助具にとどまってほしい。コロナ禍でアナログ感覚に浸りつつ、思ったことである。
                      (「内外教育」2月23日から 牧野要約)


2021年2月24日水曜日

花だより 学校は苦しくても行かなければならない? 黄梅

 

 「学校は苦しくても行かなければならない」という固定観念
 フリースクールなど学校以外の学びの重要性を認めた「教育機会確保法」の成立から間もなく4年になります。しかし、その中身が理解されているとは言い難い。基本方針で「登校のみを目標にするのではない」と示され、休養の必要性も明記されている。「不登校だと、大人になったときに社会の中でやっていけるのか」と心配する声もあるが、フリースクールの多くの卒業生は進学し、自分の好きなことに取り組んでいる。保護者は、その子にしかない価値を認めてあげ、生きる楽しさを子どもが感じられるように寄り添ってほしい。
 人間らしく生きるための生活基盤の喪失
 「叩くのは嫌いだ」「蹴るのも本当は嫌いだ。だけどやっちゃう。止められない。僕が僕を止められない。」
 これは日常的に暴力行為を繰り返す男子児童が教師に泣きながら語った言葉である。教師はここで初めて、この児童が、父親による母親への家庭内暴力によって心を傷付けられてきただけでなく、離婚後も元気がない姿に悩み苦しんでいることを知ったと報告している。また、荒れる子どもたちの多くが両親の離婚や別居、家族のリストラなど家族の問題を抱えており、子どもの問題に経済的、社会的なことが絡んでいることを実感している。
 このような問題は、子どもたちの問題行動だけでなく、彼らの成長・発達に深刻な影響を及ぼしていることが明らかにされてきている。
 このような状況の中で、子どもたちは、多種多様な他者からの十分な存在承認を受ける機会を奪われ、乳幼児期の恒常的不信・自尊剥奪という傷つき、学童期の他者からの阻害や孤立・能力剥奪という傷つき、青年期の社会的排除と無力感という傷つきがケアされないまま、重層的に重なった状態に置かれている。
 子どもたちは、自分が今置かれていること、自分が今生きていること、これから生きていくことを支えてくれる関係や社会的な支援の不足の中で、自分が幸せに生きることへの希望を奪われ、さまざまな傷付きを抱え込まされている。そして、それらを行動化されたヘルプとして我々に訴えているのです。 (フリースクール 理事長 奥野圭子)


2021年2月23日火曜日

花だより スクールロイヤー 保護者対応は「法的観点」で問題解決 白寒菊

 

 ~スクールロイヤー~保護者対応は「法的観点」で問題解決
【スクールロイヤーとは】
 「法律の専門家(弁護士)として」「裁判になってからではなくトラブルが予測される段階からかかわり」「学校(長)や教育委員会では迷う事案について」「子どもの最善の利益の観点から」「法律に基づく対応の助言を行う」存在である。
 文科省は、スクールロイヤーを全国に約300人配置する方針を示した。具体的には各都道府県の教育事務所に各1名、政令指定都市と本庁直轄自治体に各2~3名の弁護士を配置する。
【学校のニーズ】
 これまで「学校」「教員」は権威そのものであり、学校現場における「紛争」や「学校生活上のトラブル」などは「教育的指導」によって、大半が学校内で解決されてきた。
 しかし、社会情勢の変化、保護者、児童生徒および住民等の意識変化により、学校内トラブルの解決には「教育的観点」のみならず「法的観点」が必須になってきた。働き方改革で、一番に上げられるのが保護者対応である。
 たとえば「児童AとBのケンカで、Bがからかったことが原因だったため、教員がBを叱ったところ、Bの保護者が『何の証拠があって悪いと判断したのか説明せよ』と乗り込んできた。」、中には弁護士を立てて、抗議してくるケースもある。
 教員は「教育の専門家」であるが「法律の専門家」ではない。また、法的観点からの考え方はなく、教育的配慮から、説明したら理解してもらえるはずと思っていたが、今はそうでもなくなった。現場で問題の対処にあたる先生方が最も敏感に感じていると思うが、このような時代変化に対応するため、「すぐに」「ちょっとした」相談ができるスクールロイヤーが求められている。
【スクールロイヤーの実際】
 弁護士が、自治体の学校設置者(教育委員会)の要請により、年間契約(月額定額制)で引き受ける。相談したい案件があると校長が「相談概要カード」に記入し、直接弁護士事務所に電話連絡して、相談日を設定し、学校長が相談する。(1件1時間程度。一度で解決しない場合は継続相談)相談概要カードは、事前または事後に教育委員会に提出する。
 事案としては、教員による不適切行為の処分の程度、保護者からの担任教員に対する不当要求に対する対処法、児童間事故について学校が法的責任を負う場面かどうかの判断、など多岐にわたる。
 対応が後手に回ると解決が困難になることが多い、迷った事案があれば、抱え込まずに積極的にスクールロイヤーを利用することです。弁護士が出てくると思ったら、保護者の理不尽な要求も減るかもしれません。
 



2021年2月22日月曜日

花だより 学校評価(保護者アンケート) ミツマタ

 

 ◇学校評価(保護者アンケート)
 「学校のことは、学校の先生が全て決めるものと思って諦めていましたが、こうして保護者の意見を聞いてくれるのは、ありがたいことです。」という意見が寄せられたことを覚えています。
 中には辛辣なことを書いてくる親もいますが、逆に励ましの言葉も多く寄せられます。教育は、学校だけで行うものではありません。家庭・地域と連携した取り組みが大切です。学校は、その中心的な役割を担わなければなりません。そのためには信頼される学校でなければなりません。信頼されるためには、開かれた学校でなければなりません。
 学校が取り組んでいること、先生方が日々一生懸命子どもたちと向き合って指導していること、子どもたちが頑張っている様子を伝えること、保護者に対して真摯に向き合うことで、理解が深まります。
 今年は、コロナ対応と休校になったことでの学習の遅れが保護者の一番の関心でした。学校からは、お便り等で学校の取り組みを知らせましたが、今は紙に書かれた文章を読んでもらえないという悩みを抱えています。
 👀ある学校では、学校評価(保護者アンケート)をSNSでやったところ集計が楽になったばかりか回答率も大幅にUPしたそうです。保護者への伝え方も変えなければならない時代になりました。


2021年2月21日日曜日

花だより 「ばか」「てめえ」など乱暴な言葉を言われたら? ウグイスカズラ

 

 「ばか」「てめえ」など乱暴な言葉を言われたら? 
 😢かわいい我が子がこんな言葉を口にするとびっくりします。
「いつ覚えたの?」と、親の気持ちは穏やかではいられません。つい子どもに、「どこでそんなこと覚えてきたの?」「またそんなこと言って!」 などと言ってしまいます。
 しかし、そう言われたときの子どもの顔をよく見てください。何だか、”かまってもらえて、ちょっとうれしい”ような顔をしていませんか?
 全てそうとは限りませんが、子どもは「なんだ」「かんだ」と言って、親の気を引きたいものなのです。ですから、この様な乱暴な言葉も、「子どもが親との関わりを求めるサインなんだ・・・。」と理解して、決して否定的に反応せず、肯定的に受けとめることが大切です。子どもは過剰に反応してくれない親を見ているうちに、知らず知らずに乱暴な言葉を使わなくなっていきます。
👀「『言っちゃダメ!』って言ったでしょう!」「そんな言葉は遣っちゃダメ!」などと言ったり、口をつねったり、たたいたりしないようにすることです。普通は、しばらくすれば飽きてやめていきます。周囲は正しい言葉遣いをすることが大切です。
 それよりも子どもは親の言葉遣いをそっくりそのまま真似します。
🤷‍♂️「ぜんぜん、いいじゃん!」「ちょ~、よくない?」言語環境を整える
 日本の言葉は、永い歴史の中で脈々と受け継がれ我が国の文化の基礎を形成しています。平明で,的確で,美しく,豊かである日本語をさらに次代へと伝えていかなければなりません。しかし、現在はそのような理想的な姿が十分に実現されているとは言い難く、特に若者言葉、敬語の使い方は、「言葉の乱れ」の中で深刻な問題です。「えっ!どんな意味?そんな日本語あった?」と首を傾げることがよくあります。
😒「ぜんぜん、よくない」「まじっすか、ぼくてきには、いいんすけど・・・」??? 
“日本語は難しい?”だから使いこなす日本人は、知性や感受性が豊かだと言われています。


2021年2月20日土曜日

花だより シャンプーボトルのギザギザ(思いやりの心を育てる) アネモネ

 

 ~お客様は、神様~
 人気のインスタント焼きそばは、メーカーによってつくり方が違う。
 あるメーカーの焼きそばは、毎年のようにソースや麺に改良を加えて、その人気を保っている。別のメーカーは、味を変えないことで消費者の支持を得ているという。全く違う考え方だが、ベースにあるのは、消費者のことを考えているというだ。
 シャンプーボトルの側面にギザギザ《刻み》が付いているのは何のため?
 目の不自由な方が、手で触ってシャンプーとリンスを識別できるように、このような工夫がされている。この刻みが付けられたきっかけは、目の不自由な妹さんをもつ消費者の方が、ボトルに輪ゴムを付けるなどして、シャンプーとリンスを区別していると聞いた大手メーカーの「花王」が、触っただけで識別できるボトルはできないかと考え、新しい金型を作り、シャンプーのボトルに〈刻み〉をつけた。さらにこれを業界全体の財産にしようと各社に呼びかけ、現在では、ほとんどのメーカーがシャンプーに〈刻み〉をつけている。
 シャンプーの〈刻み〉誕生の背景には、このような多くの人の願いや苦労や工夫があった。目が不自由な妹さんをもつ方からの手紙。それに応えようとした「花王」の企業姿勢。そして、それを業界の共有財産とした各メーカー。どれを取り上げても、心温まるエピソードである。一流の企業は、ただ金儲けだけを考えているのではなく、社会貢献を果たしている。最近をテレビを見ているとこうした企業の努力を紹介する番組が多い。
 今の子どもたちは、自己中心的な考え方が強い。思いやりのある優しい子どもに育ってほしい。


2021年2月19日金曜日

花だより 平成の教育・令和の教育 ジンチョウゲ

 

  平成の教育・令和の教育   菱村 幸彦(国立教育政策研究所名誉所員)
 平成の教育は「新しい教育観」でスタートした。しかし、これは文科省が言い出した言葉ではない。専門家会議で「新しい学習指導要領が目指す学力観に立った教育の実践に役立つ評価」という方針を掲げた。この方針について評価の専門家が「新しい学力観」と称してさまざまに理論づけしたことから、キーワードとして広まった。「新しい学力観」は、ブームが終われば「古い学力観」になる。
 平成10年の改訂
 学校5日制の完全実施に対応して、授業時数の削減と指導内容の削減が図られた。このとき「ゆとり教育」をキャッチワードに学力低下批判が「炎上」した。
 「分数のできない」大学生が増えていることを指摘されると、その原因が「ゆとり教育」にあると批判した。さらに平成15年と18年のPISAで日本の成績が連続して下がり「ゆとり教育」批判に油を注いだ。
 平成20年の改訂
 「ゆとり教育」批判に応える形で学習指導要領の改訂が行われた。このときのキーワードは「確かな学力」である。
 学校教育法が改訂され、学力の定義として、①基礎的な知識・技能 ②思考力・判断力・表現力等の能力 ③主体的に学習に取り組む態度の3要素である。
 学力の定義を法律で定めるとは、思い切ったことをしたと驚いた。
 平成の教育を一言で総括すれば「自分の頭で考える力」を重視した教育だった。
 平成が終わり令和となった(平成29年と30年の改訂)
 キーワードは、「主体的・対話的で深い学び」やカリキュラム・マネジメントが流行っているが、重要なのは「これから育成すべき資質・能力」として、①知識・技能の習得、②思考力・判断力・表現力等の育成、③学びに向かう力・人間性等の涵養を揚げている。これは過去との断絶ではなく、昭和の時代、平成の時代から積み上げてきたものである。
 平成と令和の時代を一貫して変わらないキーワードは「生きる力」である。「生きる力」は、①確かな学力、②豊かな人間性 ③健康・体力をバランスよく育むことである。知・徳・体は古今に通じる教育の不易である。(牧野要約)


2021年2月17日水曜日

花だより コロナ禍での成人式 蕗の薹

 


 コロナ禍での成人式
今年 の成人式は、緊急事態宣言下で行われた。中止、実施のいずれにせよ、自治体は難しい判断を迫られたが、実施したところでは、さまざまな工夫が見られた。それだけ成人式は、社会における位置づけは大きく、意義がある行事である。
 20年前、「荒れる成人式」が全国的に問題になった。報道で騒がれたのは、ほとんどが都市部の行状である。文科省で「心温まる成人式」の事例を調査すると、圧倒的に地方の事例ばかりだったという。
 都会と違い、数少ない新成人を地域社会全体で祝福する趣向が、さまざまに工夫されていた。昔の社会教育の場だった青年団活動の気風が辛うじて残っていて、共に過ごした竹馬の友同志の連帯感、生まれ育った地域への思い、見守ってくれた地域の大人への感謝が、田舎の式典には色濃い。進学や就職で出て行った新成人も、このときは故郷の良さを改めて味わうのだ。
 今年の成人式の様子が町の広報に載った。マスクをしているにもかかわらず、うちの職員は、「この子は、〇〇さんちの〇〇ちゃん、この子は、〇〇ちゃんだ。小さいころの面影がある。」と全員言い当てた。
 この20年間に、「平成の大合併」を経て過疎化がさらに進み、これから20年後には地方の市町村の多くが「消滅」すると言われている。それを阻止するためには、若い世代の郷土愛が欠かせない。これらの地域での成人式の意味合いは一層重要になってくる。都会と違って地方ではコロナの影響は小さい。リモートなど工夫すれば、来年以降感染が続いても、実施する方法はいくらでもある。是非、行事の存続、充実に力を入れてほしい。


2021年2月16日火曜日

花だより 「絶対安全」の壁 レンテンローズ

 

「絶対安全」の壁
 新型コロナウイルス禍は、子どもたちの生活に多くの影響を与えた。
 例えば、一斉休校が始まると地域の公立図書館も休館となった。家庭での予習や復習にも限りがある。テレワークなど雲の上の話で、仕事に行かなければならなく、子どもの面倒など見ていられない。ゲームにも飽きて時間を持て余した子どもは、街に出る。それに比べたら図書館で本を借りる手続きが、危険だとは思えない。家にいる時だからこそ、読書に親しむ機会ではないのか。
 夏休みも短くなり、1日で最も暑くなる時間帯に小学生が下校する。舗装道路は熱く、コロナどころか熱中症が怖い。エアコンも急遽整備された。下校時刻を遅くできないか。午前中一緒に勉強しているのだから、午後に授業をしても感染リスクが高くなるとは思えない。
 ほんの一例だが、これは保護者の率直な意見だ。
 しかし、そう簡単には踏み切れないのは、「もし感染者が出たら」、この言葉を聞いただけで世論の非難が集中する。感染源ではないなどといくら説明したところで、現実的には効果がない。その時は、「黙って責任を負う」という覚悟が教育長や校長には必要となるが、保護者の要望で対応策を変えたために不測の事態を招いたらどうなるか、その重圧は想像を絶する。「絶対安全の壁」を要望が越えられないのも無理はない。


2021年2月15日月曜日

花だより あいさつ”とは ニオイスミレ

 

 “あいさつ”とは、あ~明るく い~いつも さ~さきに(さわやかに、さりげなく) つ~つづけて
 「校長先生、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」と6年生の女子から丁寧に挨拶され恐縮しました。中学校の体育館では、部活中の生徒が、全員練習を止めて、「こんにちは」と大きな声で挨拶され、恐縮しました。 
 接遇とは、接客の場面だけではなく、企業・組織内や、近所付き合い、友人関係、夫婦関係など、全ての人々の人間関係において重要な役割を果たします。そのスキルを身に付けることによって、全ての対人関係をスムーズに進めることができるのです。「挨拶の基本」、「お辞儀の仕方」、「名刺交換の仕方」、「言葉遣い」、「電話対応」など、一般の会社に入社すると新人研修でまず学ぶことですが、教員は社会人としての基本的なマナーが備わっているでしょうか?
 雪が降った翌朝は、雪かきで大変 
 団地の玄関前の駐車場は、除雪車が入らないので、それぞれで雪かきをしなければなりません。まん中の人だけが除雪をしても端の人がしなければ車を出すことできません。それで皆さん一斉に出てきて、「おはようございます。いや~、降りましたねえ。」とあいさつを交わしながら、雪かきが始まります。
「接遇」とか「マナー」は難しいことではなく、他人に迷惑をかけずに生活することが基本です。
若松スキー場


2021年2月14日日曜日

花だより 人事 山茱萸

 

人 事 人事異動の時期を迎えました。
 先輩の校長から、「子どもたちのために何年も働いてくれた先生の異動先について、その先生の希望をできるだけ叶えてあげるように努力しなさい。」と言われたことがありました。先生方の中には、校長に言えば人事は何とかなると思っている人がいるようですが、それは間違いです。校長には、具申権(校長の考えや異動者の希望を委員会や局に詳細に申し述べることはできるが)はあっても人事権はありません。そうは言っても人事は、校長の最も大事な仕事です。最大限の努力しなければなりません。
《校長の腕の見せどころ》(北小学校の場合)
 教員数の確保(加配の確保)=働き方改革=全ては「子どもたちのために」
 ・少人数加配 ・特別支援学級~9学級11定員の確保 
 ・授業改善チーム推進事業 ・地域連携主体校 ・指導方法工夫改善 
 ・初任者研修拠点校 ・退職教員活用事業 ・学力向上時間講師
 ・主幹教諭配置
 加配を付けてもらうためには、プレゼン能力(学校経営のビジョン)が必要です。私が仕えたある校長は、毎日のように教育委員会に行っていました。人事の時期だけのお願いだけでは、聞いてくれません。
 希望した加配がすべて付いたので、職員室の机が足りなくなり、職員室にあった校長用の机がなくなったことがありました。
 
 
 


2021年2月13日土曜日

花だより アフターコロナの社会 この目で確かめたい! キンセンカ

 

 アフターコロナの社会 この目で確かめたい!
「今、小学生の将来の就職先の65%は、現在はない職業である。」(アメリカ、キャシー・デビットソン) アメリカで発表された論文です。信じがたい数値のように見えます。しかし、これは5年も前の話です。アフターコロナは、さらに社会を一変させることになりそうです。
 アフターコロナの世界はどうなっているのか?
 様々な専門家がアフターコロナの未来を予想しています。しかし、どうなるか分かるはずがありません。今のコロナの状況を言い当てた専門家が居たでしょうか?「10年後の社会は、間違いなく変わっている。」それくらいは私でもわかります。
😜テレワークでオフィスから人が消える? 地方に住んでいるとテレワークをしている人は見かけない。
😜キャッシュレスが進み、財布を持ち歩かなくなる? セルフレジは増えたが、まだ現金を投入しているので、長蛇の列!
😜マイナンバーカードを作ったが、まだ一度も使ったことはない?
😜排ガスを一切出さない、ハンドル操作もしなくてもよい電気自動車が走る? マイカーは、まだハイブリッドですらない。
😜GIGAで教室から黒板、ノート、教科書さえも消える? 紙の教科書とデジタル教科書のハイブリッドくらいにはなるだろう? 一番保守的な教育界が10年で本当に変わるのか?
😁10年後、本当にそうなるのか?この目で確かめたい。そのためには75歳まで元気いなければならない。まずは老人優先のワクチン接種で健康のことを考える。
 網走の流氷観光船「オーロラⅡ」今年は中国からの観光客がいないので空いています。


2021年2月12日金曜日

花だより 「自助・共助・公助」 アセビ

 

 コロナの弊害とコロナで変わったこと
 🤦‍♂️新型コロナウイルスの感染対策の徹底と情報開示を強く求める一方で、「不要不急の外出を避けるように言われ、子どものストレスは溜まっている。放課後の子どもの居場所を確保して、楽しいイベントをしてほしい。」と要望するする人がいます。患者さんを受け入れている病院の関係者の皆さんは、大変な苦労をされています。子どもたちを預かっている施設の職員もクラスターを出さないように細心の注意をしています。
 🤣不要不急の外出を避けるように要請されていて、お父さん方は、飲み会を我慢しています。子どもを集めて面倒をみることになると、3密を避ける対策と逆行します。
 😊しかし中には、「コロナ過で家族と一緒に過ごすことが増え、これまでできなかった家族団らんの時間を過ごしています。久しぶりにみんなでトランプをしました。」と、ポジティブに考えている人もいます。
 🤷‍♂️菅首相は、就任時に「自助、共助、公助、まず自分でできることは自分でやってみる。」と言いました。支持率は下がっていますが、私は期待しています。頑張ってほしいです。

 


2021年2月11日木曜日

花だより 手を出さないで、やらせてください 蕗の薹

 

  手を出さないで、やらせてください。
 一人暮らしをすることになったとき、母はもちろんだが、妹までが「お兄ちゃん、一人暮らしできるの?」と心配した。
 母はよく言っていた。「喜充は、朝起きてくると裸んぼうで、突っ立っているだけ、パンツも靴下もばあちゃんに履かせてもらっていた。」
 ところが「技術・家庭科」の成績は良かった。理由は、裁縫は祖母と母が、木工工作は、祖父がやってくれていたからだ。ちなみに絵と習字は、父の担当だったので、夏・冬休みの作品は、完璧な仕上がりだった。先生からは、「牧野君は、器用ねえ。」と言われていた。全て、家族の世話になっていたのだから、妹が心配するのも分かる。
 🤷‍♀️いざ一人暮らしが始まると妹が母の命を受けて様子を伺いにやってきた。「何だ、ちゃんとしてるじゃない!」と驚いた。
 😁「見よう見まね」という言葉がある。祖父は、「のこぎりは、こうやって切る。カンナは、こうしたら、うまく削れる。」と教えてくれた。祖母からは、ほころびの直し方、母からは、アイロンの掛け方、洗濯物のたたみ方など、やっているのを見て覚えた。
 🤦‍♂️先日、スキー学習のサポートをした。小学3年生だとスキーを滑る以前に、用具の着脱に時間がかかる。見かねて、手助けをしていたら、担任から、「一人でやらせてください。」と注意された。「なるほど、甘やかすといつまでたってもできない。自立の芽を摘み取るか?」と反省した。👀でも、「できないことは、やって見せないとダメだろう!」


2021年2月10日水曜日

花だより 親ばなれのとき ホトケノザ

 


~親ばなれのとき~ 
 思春期(小学校高学年から)になると自分の考えで行動し始めます。いろいろなことをやってみたくなるときです。
😉《思春期の行動や言動》
 行動範囲は広くなり、言動も大人っぽくなります。目配り、心配りをしっかりして見守ることが大切です。親は善悪に基づいて、正しく行動することを意識し、行動と言動を一致させることです。子どもは、親の言うこと、やることをちゃんと見ています。
😁《親が生活を正す》
 思春期は大人になりかけているときです。親が少しでも強く注意すると嫌がり、話を聞かなくなります。子どもは親が育てたとおりに育ちます。子どもを正しく育てたいのなら、親が生活を正していくことです。親がだらしなく生活しているのに、子どもの態度や行動をガミガミ注意するばかりでは、子どもの反発心しか育ちません。
😊《子どもは親のコピー》 
 どうしてこんな子になったんだろう。ほしい物は与えているのに?児期に関わった程度が、思春期に結果(答え)となって、ブーメランのように戻ってきます。偉い人に聞いても答えは出ません。親の心の中に答えがあります。
😃《立派な大人を育てるために》
 親の言うこと、することが、生きるための基本になります。「三つ子の魂百まで」と言います。小さいときに教えられたことがそのまま、思春期に結果となって現れます。どんなに世の中が進歩しても生活の基本は不変です。気づいたときがチャンスです。今からでも十分間に合います。
😘《親が育てたように子どもは育つ》
 子どもは親の芸術品です。どのような結果が出ているのでしょうか。
 ☆気が弱く、人の言うなりになっている子 ☆自己主張が強く、わがままな子 ☆思いやりの心を持ち、誰とでも仲良くなれる子 ☆人の話をよく聞き、自分の考えをきちんと伝えることができる子といろいろです。
 子どもは勝手にそうなったのではないのです。子どもは親が育てように育つのです。
 (家庭教育カウンセラー 内田玲子の家庭教育カレンダーより)


2021年2月9日火曜日

花だより ぴかぴか!2年生のランドセル カンボケ

 



 《ぴかぴか!2年生のランドセル》
 小2の今頃になると1年生の時に付けていた黄色の交通安全カバーをはずされ色とりどりのランドセルが顔を出します。同じ色でもデザインも少しずつ違い、使いやすいようにいろいろ工夫されています。これを買うとき、色やデザイン(値段?)で悩んだに違いない。「すごいねえ~。6年生まで背負うんだよね!」と聞くと、隣にいた4年生が「いいや、3年生くらいまでだよ。」と言うので、「どうして?」と聞くと「みんなそうだし、けっこう重いんだよね。」と答えました。重いランドセルを低学年が背負って、体力のある高学年が軽いリュックを背負うとは?
 中学生になるとランドセル型の大きなスポーツバックを皆背負っている。軽そうに見えるが、材質は皮や合皮ではなく、丈夫そうには見えない。
 黄色いカバーを付けていると、「あっ、1年生だ!」と遠くからでもすぐ分かります。色とりどりのピカピカのランドセルは2年生です。5年生で1/3、6年生では1/4がランドセルを背負っています。まだ輝きを失っていません。いいものは長く使えます。
😉毎年、この時期になるとピカピカのランドセルをプレゼントしてくれる全国のタイガーマスク(伊達直人)さんがいます。高価なものです。大切に長く使ってほしいと思います。購入資金を出した祖父の気持ちになってのお願いです。
 


2021年2月8日月曜日

花だより 高校の位置づけを改めて考える ハコベ

 

 高校の位置づけを改めて考える
 文科省は普通科を「学際融合学科」「地域探求学科」等の新設を認める再編を提示
 「小学校が変わり、中学校も変わった。変わらないのは高校」と言われている中、大学受験との関係の中で、普通科教育の画一化が問題になっている。私学では、生徒の実情や進路に合わせたコース制を導入したり、独自の科目を設けたり、普通科でSSHをやっている高校もあるが、それと今回の再編は何が違うのか。また第3の学科である総合学科との違いは何か、よく分からない。
 普通科というのは、「中学校までで学んできた科目をさらに発展させて勉強する」といった準義務教育的な位置づけになっている。ここを複雑にすればするほど、今度は大学入試が大変になる。
 要は、高校で何か新しい科目を作っても、その子たちを受け入れる先があるかどうか。結局、大学が、理科は物理・化学・生物が必要というのなら意味がない。自分たちが教えるべきもの、教えていきたいものを作って、高等学校としての立ち位置は確立できても、その先につながるかどうかが、大きな問題となる。
 高校は、どういう位置づけで何を目指すか、高校教育をどう考えるかというところが、実は普通科改革に大きくかかわっている。そういう意味で、各学校の存在意義や期待される社会的役割、目指すべき学校像をスクール・ミッションとして再定義することが大切である。 (以上「先端教育」9月号より 牧野要約)
 ***地方の高校の実態***
 定員をはるかに下回る入試倍率の高校(1村1高校)の存続について、当該の首長さんは頭を抱えている。1学年20人に満たない高校の存続をめぐって議論になっている。住民感情として、地元の高校がなくなることに反対するのはよく分かる。道立高校であっても町が、地元の高校存続のため授業料や教科書代、制服、通学手当など保護者や生徒に手厚い援助を行っている。しかし、ほとんどの中学生は通学時間が長くても都市部への進学を選択する。多少お金はかかっても本人の行きたい高校に行かせやりたいと思うのが親として当然だろう。
ある高校では、中学校レベルの勉強どころか、小学校のおさらいをしているという。そんな高校の先生のモチベーションは低い。倍率が0.5の高校に進学するのに一生懸命勉強する中学生はいない。「勉強なんかしなくても高校に入れる!」北海道の学力が低い理由の一つは、ここにある。しかし、都市部の学校に馴染めず地方の高校にやってくる生徒もいる。そうした生徒の受け皿をどうするかという問題もある。また、部活や交友など多感な青春時代を過ごす高校は、ただ勉強するだけに通うところではない。地方の高校の立ち位置を確立して高等教育の役割を果たせるかどうか、残すならどうした高校にするか、客観的で冷静な判断が必要である。


2021年2月7日日曜日

花だより 「責任の取り方」を親がきちんと教える カブ・スズナ

 


  「責任の取り方」を親がきちんと教える

 小さな子どもは本来わがままなものです。だから赤ん坊のうちは人のものを取っても謝ろうとしません。それが少しずつ大きくなるにつれ、悪いことをすると謝るようになります。しつけがうまく進んでいくと、子どもが社会性を身に付けていきます。それはやっていいことと悪いことの区別をつけていくということです。
 同じ1年生でもずいぶん違うもの。その違いはどこにあるのか?
 男の子が遊んでいたブロックを片付けずに次の遊びを始めたので、支援員から注意された。しぶしぶ戻ると、きれいに片付けられていた。隣にいた女の子が、やってくれていたのだ。「『ありがとう』とお礼を言いなさい。」と言われても、なかなか言わない。児童センターでは、よくあることだ。
 スーパーの中で低学年くらいの男の子が走り回っていて、お菓子コーナーにぶつかり、山積みになっていたお菓子が落ちてしまった。男の子は呆然として見ているだけ。するとお母さんがやって来て「何してるの。こっちに来なさい。」と子どもを呼んで、どこかへ行ってしまった。
 親の責任を果たす ばらまかれたお菓子を拾ったのは、近くの大人だった。子どもが自分でやったことに責任をとるということを学ばせる大切な機会を逃しただけでなく、まずいことをしたらその場を逃げるという余計なことを学んでしまった。お母さんがやらなければならなかったことは、お菓子を拾ってくれた人にお礼を言って、子どもに散らばったお菓子を拾わせる。もし、壊れたり、汚れたりしたものがあれば、責任をとって買い上げるべきだ。「責任の取り方」というのは、教育やしつけではない。ごくごく当たり前の常識をたくさん身に付けることによって、いわばその集大成として、責任とは何かということがわかってくるのです。子どものうちからしっかりと常識を身に付けさせること。
 常識とは、何も難しいことではない。人に会ったらあいさつをするとか、自分の思い通りにならなくてもがまんするとか、人には親切にするとか。当たり前のことを、親が当たり前のようにやっている姿を見て、子どもの気持ちの中に少しずつ常識が芽生えるのです。
「やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六)という教えがあります。社会の常識を子どもに一つずつ伝えていくこと。手間暇のかかることを手間暇を惜しまないのが愛情で、親のつとめです。
 🤷‍♂️ところが親が働いていて、幼児期のときから、こども園や児童センターに長時間預けている家庭では、手間暇かける時間がありません。わがまま放題の子が増えないように、こども園や児童センターで、親に代わって「しつけ」をしなければならない時代になりました。


2021年2月5日金曜日

花だより 2021サラリーマン川柳 100選から セリ

 



 2021サラリーマン川柳 100選から

 第一生命主催のサラリーマン川柳100選が発表になった。この後発表される優秀作品は、必ずしも自分が「いいなあ」と思った10選とは一致しないことの方が多い。普段の生活から、「なるほど、そうだなあ~。」と唸ってしまう川柳に出会うのを毎年楽しみにしている。選んだものから、自分が置かれている立場がわかってしまいそうだ。

 ~勝手に選ぶベスト10~

自粛中 見えた夫の 定年後

会社へは 来るなと上司 行けと妻

耳痛い 常時マスクと 妻の愚痴

定年後 昔悠々 今窮々

リモートの 上司の指示は 現場見ろ

脱ハンコ 進めるために 判が要る

倍返し 言えぬ上司に 「はい」返し

十万円 見ることもなく 妻のもの

我が部署は 次世代おらず 5爺(G)

世は鬼滅 給与滅で 俺自滅

ちなみに2020年のサラリーマン川柳  

10% バブルは金利 いま税金

ポイントが 私の大事な お小遣い

紙減らせ その指示が 紙で来る

若手呼ぶと 連れてきたのは 50代

定年や 辞めるに辞めれぬ 2000万

還暦は ゴールじゃなくて 通過点

できる人 むかし残業 いま休暇

登録が ストレスだらけの キャッシュレス

🤷‍♂️毎年同じような川柳を選んでしまっているのが分かる。

2021年2月4日木曜日

花だより 「自らの心の子」と書いて「息子」 スズシロ

 


 「自らの心の子」と書いて「息子」 
🤷‍♂️娘が小学生のとき、捨て犬を拾ってきた。「だれが面倒見るの?」と叱ったら、母が「ヨシミツも小さい頃、よく犬や猫を拾ってきて、同じように怒ったことがあった。」と言いました。それを聞いていた祖母が「そういうミツ子(母)も小さい頃、何匹も拾ってきて、叱ったことがあったっけねぇ~。」と言いました。たぶん、祖母も、小さい頃そうだったのでしょう。
  子どもは、親の通った道を歩むもの
 「このできそこないめ!」と子どもを怒鳴る。
 できそこないではなく「育てそこなった」のだ。
 息子という字は、「自らの心の子」と書く。
 なってもらいたいように、自ら行ってみたらどうだろう。
 してもらいたくないことは、自ら慎むこと。
 子どもは、親の通った道を歩むものなのです。 
 親として 子どもにかけた期待を裏切られるほど情けなく切ないことはないのですが、「子どもは親の背中を見て育つ」とも言われます。「率先垂範」という言葉もあります。
😁こんな話をしたら、「うちの子は、息子じゃなくて、娘だから大丈夫!」


2021年2月3日水曜日

花だより お母さんの表情と言葉が大事 ナズナ 流氷観光船「オーロラ」

 


 ~お母さんの表情と言葉が大事~
 世の中には子育て情報があふれています。「何を信用すればいいの」と迷っている方も多いと思いますが、実は子育てはそんなに複雑ではなく、むしろシンプルです。
 子どもには、自身が持つ「育つ力」が備わっている。子どもは幼いころからもともと「自己学習(発達)力」があります。しかし、この「育つ力」とは「子どもは一人で育つ」という意味ではありません。大人の「育てる力」があってはじめて、もともと備わっている「育つ力」が発揮されるものです。
 ≪その子に合った教育≫
 日本の子育ての常識をアメリカの子どもに当てはめると、子どもはパニックを起こします。逆に、アメリカの子育ての常識を日本の子どもに当てはめると、子どもはとても神経質になってしまうことが分かりました。つまり、日本の社会、アメリカの社会といったそれぞれの文化的な土壌にピッタリ合った子育てを考えることが、子どもの発達に一番いいということなのです。日米の差だけの話ではありません。同じ日本で、他のお宅でスマートな教育をしているからといって、それをそのまま自分の子どもに当てはめてみてもうまくいかないばかりか、非常に危険なことです。このことは同じ家庭のきょうだい間でもいえることです。まさに目の前のお子さんに「ピッタリ」あてはまる子育ては、お母さんがお子さんとやりとりしながら、自らあみ出していくものなのです。
 ≪ことば」と表情を大切にすること≫ 
 お母さんが与えている中で最も重要な刺激は「ことば」であること。その「ことば」を使って子どもはものごとを考えるようになるということです。正しいことば、優しいことばで話しかけることで、子どもは頭や体を動かすのです。褒めるのも叱るのも、子どもはお母さんのことばを一番頼りにしているのです。ことばを一番交わすのは、お母さんだからです。そして、お母さんの表情も大事です。子どもは親の表情から本能的に思いを感じるものです。(白百合女子大学 田島信元教授)

オホーツク海が流氷で覆われ、寒さが一段の厳しくなりました。



2021年2月2日火曜日

花だより テレ東:WBS(ワールド・ビジネスライト・サテライト) 節分草

 

 ニュース番組の一番のお気に入りは、WBS(ワールド・ビジネスライト・サテライト
👀夜11時経済情報を中心にテレビ東京の一日の最後を締め括る情報番組である。さすがに床に就く時間帯なので録画して翌朝、朝食をとりながら見るのが日課である。
 芸能ニュースやスポーツニュースはない。おかしなコメンテーターもいない。経済中心で偏った報道がないのがいい。一番の理由は、メインキャスターの大江麻理子ファンだということだ。4月の番組再編で夜10時スタートになって、新しく佐々木明子さんが加わるらしい。一番残念なのは、視聴率が3~4%だということだ。視聴率が番組の評価につながらないというが、もう少し高くてもいいのではないかと思ったのだが、夜11時のニュース番組でこの数値は大健闘らしい。
🤦‍♂️番組中に企業名や名前を間違って訂正することがよくある。1時間早まって、準備が間に合うか心配である。




2021年2月1日月曜日

花だより 巣ごもりには読書のすすめ ハナナ

 

 ~感動する本との出会い コロナ禍の今だから読書を~
「いい本に出会うことは、いい人に出会うことと同じ」
 最近の図書館は、古いインクの臭いのする暗いイメージはない。北見の中央図書館は、椅子や机もお洒落で、書棚の分類もわかりやすく、明るく、快適でゆっくり本が読める空間になっています。それに図書館では、話声はほとんどありません。コロナ感染対策には良い場所です。巣ごもりには、読書は最適です。
 読書は、想像力や考える習慣を身に付け、豊かな感性や情操、思いやりの心をはぐくむことができます。「全国学力・学習状況調査」でも、読書する子ほど点数が高いという結果が出ています。学習室には、受験勉強に励む中学、高校生の姿も多くあります。児童・生徒の学力UPにつながることを期待します。
 街の小さな本屋さんが、次々と店を閉めています。本離れが進んでいるかと思いきや、郊外の書籍と文具、雑貨、CDを揃えている大型店には、コロナ禍だというのに客で混雑していました。「『鬼滅の刃』全巻持っているよ!」と自慢する子がいました。
今年は、例年より早く流氷がやってきました。