「絶対安全」の壁
新型コロナウイルス禍は、子どもたちの生活に多くの影響を与えた。
例えば、一斉休校が始まると地域の公立図書館も休館となった。家庭での予習や復習にも限りがある。テレワークなど雲の上の話で、仕事に行かなければならなく、子どもの面倒など見ていられない。ゲームにも飽きて時間を持て余した子どもは、街に出る。それに比べたら図書館で本を借りる手続きが、危険だとは思えない。家にいる時だからこそ、読書に親しむ機会ではないのか。
夏休みも短くなり、1日で最も暑くなる時間帯に小学生が下校する。舗装道路は熱く、コロナどころか熱中症が怖い。エアコンも急遽整備された。下校時刻を遅くできないか。午前中一緒に勉強しているのだから、午後に授業をしても感染リスクが高くなるとは思えない。
ほんの一例だが、これは保護者の率直な意見だ。
しかし、そう簡単には踏み切れないのは、「もし感染者が出たら」、この言葉を聞いただけで世論の非難が集中する。感染源ではないなどといくら説明したところで、現実的には効果がない。その時は、「黙って責任を負う」という覚悟が教育長や校長には必要となるが、保護者の要望で対応策を変えたために不測の事態を招いたらどうなるか、その重圧は想像を絶する。「絶対安全の壁」を要望が越えられないのも無理はない。
0 件のコメント:
コメントを投稿