2021年2月8日月曜日

花だより 高校の位置づけを改めて考える ハコベ

 

 高校の位置づけを改めて考える
 文科省は普通科を「学際融合学科」「地域探求学科」等の新設を認める再編を提示
 「小学校が変わり、中学校も変わった。変わらないのは高校」と言われている中、大学受験との関係の中で、普通科教育の画一化が問題になっている。私学では、生徒の実情や進路に合わせたコース制を導入したり、独自の科目を設けたり、普通科でSSHをやっている高校もあるが、それと今回の再編は何が違うのか。また第3の学科である総合学科との違いは何か、よく分からない。
 普通科というのは、「中学校までで学んできた科目をさらに発展させて勉強する」といった準義務教育的な位置づけになっている。ここを複雑にすればするほど、今度は大学入試が大変になる。
 要は、高校で何か新しい科目を作っても、その子たちを受け入れる先があるかどうか。結局、大学が、理科は物理・化学・生物が必要というのなら意味がない。自分たちが教えるべきもの、教えていきたいものを作って、高等学校としての立ち位置は確立できても、その先につながるかどうかが、大きな問題となる。
 高校は、どういう位置づけで何を目指すか、高校教育をどう考えるかというところが、実は普通科改革に大きくかかわっている。そういう意味で、各学校の存在意義や期待される社会的役割、目指すべき学校像をスクール・ミッションとして再定義することが大切である。 (以上「先端教育」9月号より 牧野要約)
 ***地方の高校の実態***
 定員をはるかに下回る入試倍率の高校(1村1高校)の存続について、当該の首長さんは頭を抱えている。1学年20人に満たない高校の存続をめぐって議論になっている。住民感情として、地元の高校がなくなることに反対するのはよく分かる。道立高校であっても町が、地元の高校存続のため授業料や教科書代、制服、通学手当など保護者や生徒に手厚い援助を行っている。しかし、ほとんどの中学生は通学時間が長くても都市部への進学を選択する。多少お金はかかっても本人の行きたい高校に行かせやりたいと思うのが親として当然だろう。
ある高校では、中学校レベルの勉強どころか、小学校のおさらいをしているという。そんな高校の先生のモチベーションは低い。倍率が0.5の高校に進学するのに一生懸命勉強する中学生はいない。「勉強なんかしなくても高校に入れる!」北海道の学力が低い理由の一つは、ここにある。しかし、都市部の学校に馴染めず地方の高校にやってくる生徒もいる。そうした生徒の受け皿をどうするかという問題もある。また、部活や交友など多感な青春時代を過ごす高校は、ただ勉強するだけに通うところではない。地方の高校の立ち位置を確立して高等教育の役割を果たせるかどうか、残すならどうした高校にするか、客観的で冷静な判断が必要である。


0 件のコメント:

コメントを投稿