コロナ禍での成人式
今年 の成人式は、緊急事態宣言下で行われた。中止、実施のいずれにせよ、自治体は難しい判断を迫られたが、実施したところでは、さまざまな工夫が見られた。それだけ成人式は、社会における位置づけは大きく、意義がある行事である。
20年前、「荒れる成人式」が全国的に問題になった。報道で騒がれたのは、ほとんどが都市部の行状である。文科省で「心温まる成人式」の事例を調査すると、圧倒的に地方の事例ばかりだったという。
都会と違い、数少ない新成人を地域社会全体で祝福する趣向が、さまざまに工夫されていた。昔の社会教育の場だった青年団活動の気風が辛うじて残っていて、共に過ごした竹馬の友同志の連帯感、生まれ育った地域への思い、見守ってくれた地域の大人への感謝が、田舎の式典には色濃い。進学や就職で出て行った新成人も、このときは故郷の良さを改めて味わうのだ。
今年の成人式の様子が町の広報に載った。マスクをしているにもかかわらず、うちの職員は、「この子は、〇〇さんちの〇〇ちゃん、この子は、〇〇ちゃんだ。小さいころの面影がある。」と全員言い当てた。
この20年間に、「平成の大合併」を経て過疎化がさらに進み、これから20年後には地方の市町村の多くが「消滅」すると言われている。それを阻止するためには、若い世代の郷土愛が欠かせない。これらの地域での成人式の意味合いは一層重要になってくる。都会と違って地方ではコロナの影響は小さい。リモートなど工夫すれば、来年以降感染が続いても、実施する方法はいくらでもある。是非、行事の存続、充実に力を入れてほしい。
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