2023年2月28日火曜日

花だより 子供部屋を与える? 寒緋桜 福寿草

 

 子供部屋を与える?
 子供部屋の問題がいろいろ出てきました。スマホの携帯率が上がったことで、子供が部屋に閉じこもると、親の注意が行き届かなくなり、親との会話が減る。また、子供部屋が犯罪の場になるのではないかと心配になります。
 子供部屋を子供の成長に役立つようにするには、スマホと同じでルールが必要です。居間に顔を出してから部屋に入る。子供部屋に鍵をかけない。友人が来たら部屋に入る前に親に紹介する。親はその責任として必要なときに子供の部屋に入るなど、子供の様子をしっかり把握できるように各家庭で子供部屋をルールづくりをすることが必要です。
 ところが小学生特に低学年は、居間で勉強したがります。お母さんが近くにいると安心なのです。お母さんにとっても安心です。友だちが来ても居間で遊ぶ。ゲームも居間でさせることがベストです。
 モデルハウス 
 アパート暮らしの家族が、子どもが小学校に入るのをきっかけにマイホームを考えるようです。マイホームに関心はなくても「モデルハウス公開中」のノボリに誘われ、興味本位でおしゃれな玄関ドアを開けてみました。
 広々としたリビングには、豪華な応接セットと50インチの4Kテレビ、セントラル暖房で全室に温風が送られて家中がポッカポカ。子ども部屋は、壁紙が可愛い。IHヒーターと食洗機付のシステムキッチン、こんなキッチンなら料理のし甲斐もあるもの。バスルームも手足をゆっくり伸ばして入れる。きれいなトイレは自動でふたが開く。これは電気代がかかるぞ?「参考までにお値段は?」と聞く「土地の値段も含めて4千万円です。近々お考えですか?」と聞かれたので「いいえ、失礼しました。」と一時リッチな気分を味わって帰ってきました。
 立派な家で素敵な子ども部屋があっても勉強は、食卓テーブルがいい!


2023年2月27日月曜日

花だより 常識と敬遠 黄梅 タチツボスミレ

 

 
 「敬遠」される大人にしない 
 「子どもが勝手にやったことです。」という親は、周りから敬遠されてしまいます。~敬って遠ざける「敬遠」~とはおもしろい言葉です。心から敬っているのではなくて、敬うふりをして近づかない。親しくならないということです。
 責任のとれない大人は、陰で笑われるのです。「責任の取り方」などというのは、教育やしつけではないのです。ごくごく当たり前の常識をたくさん身に付けることによって、その集大成として、責任とは何かということがわかってくるものだということです。ですから、子どものうちからしっかりと常識を身に付けさせることです。
 「常識」とは、突拍子もないものではありません。人に会ったらあいさつをする、自分の思い通りにならなくてもがまんする、人には親切にする。これはみな当たり前の常識です。そういう当たり前のことを、親が当たり前のようにやっている姿を見て、子どもの気持ちの中に少しずつ常識が芽生えてきます。
 「やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六訓)があります。お母さんが常識と思っていることを子どもに一つずつ伝えていって欲しいと思います。手間暇のかかることですが、手間暇を惜しまないのが愛情です。



2023年2月26日日曜日

花だより 親分の存在 フリージア ムラサキケマン

 


 高校時代、歳の市で〆飾り売りのバイトをしたことがある。黒いベンツが止まって、恰幅のいい紳士がお供を連れて店にやってきて「この店で一番高い〆飾りをくれ!」と言った。「中央奥に飾ってある〆飾りが2万8千円です。」と言うと、店主が「お代は結構です。」と言ったが、3万円出して「釣りはいらない!」と気前よく、次の店へ行った。聞くと、この歳の市を取り仕切る親方(そっち筋の親分)だという。
 露天商の売り上げは、場所で決まる。どの場所に店を出すかで売り上げが決まるのでよく喧嘩になるのだという。そうならないようにするのが親方なのだ。
 ウクライナにロシアが侵攻して1年が経った。終結するどころか、戦況は悪化し、長期戦の構えだ。2月23日のプライムニュース(BSフジ)『ロ軍事侵攻明日で1年 歴史に見る終戦の行方 五百旗頭×先崎が討論」を見た。第2次世界大戦の反省から、国連ができたが、残念ながら、拒否権を持つ国が戦争をしているのだから、小国が集まって反対しても親分の役目は果たせない。朝鮮戦争は3年、ベトナム戦争は10年かかって終結した。ウクライナもそう簡単に終わらないというのが専門家の見通しのようだ。仲介できる国もないという。
 親分の国となるためには、まず核兵器を持っていること、経済的に優位であること、領土が広いこと、資源に恵まれているなどがあげられるが、親分の要件として、まず人望がなくてはならない。インドの政治学者は、「国は、倫理観ではなく、国益で動く」と言った。また、先崎氏は、「岸田首相が、G7で核兵器根絶を訴えたら、鼻で笑われるだろう。」と語った。
 子どもが喧嘩をしたら、親や教師が「止めなさい。」と言えば済むが、国際社会とは、難しいものだ。
 

2023年2月25日土曜日

花だより 後藤田内閣官房長官訓 アズマイチゲ クロッカス

 

 
  新型コロナウイルスの対応が変わり、3月13日から、マスク着用は個人の判断に委ねることになります。卒業式もマスクを外して行うように通知が来ました。ところが3年間のマスク生活で、「マスクは外さない」という生徒が多数いて、現場は右往左往しています。
 思い出すのは、田中角栄が惚れ込み、中曽根康弘が頼った「カミソリ後藤田」と呼ばれた最高の補佐官後藤田正晴元内閣官房長官です。
  『後藤田訓』
1 省益を忘れ 国益を思え
2 悪い本当の事実を報告せよ
3 勇気を以て意見具申せよ
4 自分の仕事ではないと言う勿れ
5 決定が下ったら従い 命令を実行せよ
 今、このことが改めて必要なのではないでしょうか?
 これを学校に当てはめれば
・子どものことを第一に考える
・これを言うと誰かが傷つくとか躊躇しないで、事実だけ報告せよ
・自分の仕事(校務分掌・学級)のことではないと言い逃れをしない
・議論は十分するが、決定したら一丸となって実行する




2023年2月24日金曜日

花だより 愛着関係を築く アネモネ ハハコグサ

 


 ~愛着関係を成立させる~
 親子の間のしつけが成り立つためには、愛着関係が成立していることが必要です。
しつけは、子どもの側からすれば、自由が奪われ、他人や将来の自分を意識して行動することを強制される行為です。わがまま好き放題だった時期から一転して、親は理不尽な課題をどんどん押し付けるようになります。子どもは、「大好きな親から見放されたくない」と、理不尽を受け入れることになります。それだけ愛情を失ってしまうのが怖いのです。
 他人でも愛着関係に類似した信頼を置くことができます。教師に対する従順な態度は、親のしつけの意味がきちんと理解できている子どもに備わっている資質です。
 しかし、幼いころに長期にわたって親から十分な愛情を与えられなかったことで起きる「愛着障害」の子どもが増えています。
 「勘の強い子」や「執着心の強い子」「神経質な子」な子は特に心配です。すぐに不満を口にする子は良いのですが、がまん強くて気性の激しい子で、長期間我慢し続けて挙句、突然怒りを爆発させ、後々まで親に対する恨みを引きずることがあります。成人になってから爆発してしまうと、人生の道を誤ってしまうことになります。
 そして、やっかいなことに愛着障害には「コミュニケーションがとりにくい」「人とのかかわりを持ちにくい」など、自閉症と似た症状もあるので、専門家でも分かりにくいことです。
 自閉症は、親の愛情不足などの環境要因で起こるものではなく、親の接し方を変えても変化があまりありません。しかし、愛着障害の場合は、親の接し方でみるみる変わっていきます。つまり自閉症と違って、親が話をよく聞いてあげたり、丁寧にかかわってあげることで改善されることが多いのです。
 子どもに気になる症状がある場合や不登校など、なかなか乗り越えづらい問題がある場合は、まず、親子の対話やスキンシップの時間をしっかり持つことが幼少期には大切です。  

2023年2月22日水曜日

花だより “ちやほやされると教員の質は落ち”” 白寒菊 フキノトウ

 

“ちやほやされると俳優の芸は落ちる” 
 劇作家の菊田一夫に戒めの小唄があります。「役者殺すにゃ刃物は要らぬ、ものの三度もほめりゃいい」ちやほやされた人には自衛のために何をすればいいか。芸能と別の世界では、ある天才が対処法を語っています。物理学者のアインシュタインは、「称讃による堕落から逃れる方法はただ一つ。仕事を続けることである。地道に仕事をせよ。」「ノーベル賞は、私にとって過去になった。純金製のメダルは大切に保管し、もう見ることはないと思う。」また、山中教授は「これからは一科学者としてすべきことを粛々とやりたい。」と語っています。
“実るほど頭が下がる稲穂かな”という言葉があります。偉くなると勘違いする人がいますが、本当に偉い人は、自分を戒めることを知っています。
 保護者アンケート(学校評価)では、概ね良好な評価でしたが、中には、担任の指導に批判的な記述がありました。“保護者の目は厳しい”と感じることが必要です。
 「きれいな花が咲きました。見えない根っこのおかげです」
 お寺の掲示板に書かれてあった言葉です。普段、車で通るので掲示板があることすら知りませんでした。遠足で歩いて初めて知りました。「見えない根っこ」とは、辛い厳しい練習や普段の行いのことを言うのかと思いました。遠足の次の日、足が張って痛いのは、車ばかり乗って、学校では校長室でパソコンに向かい、運動していないせいです。「きれいな花が咲きました。見えない根っこのおかげです」の意味がよ~く分かりました。


2023年2月21日火曜日

花だより 不登校になったら ウグイスカズラ タチツボスミレ

 

 不登校になったとき、親は何をすべきか?
  ならないために親は何をすべきか?
1 勉強する環境を整える
 (1)不登校になって、まず低下するのが学力です。「学校に戻っても勉強について行
    けない」という不安が増し、ますます学校から足が遠のいてしまいます。
 (2)学校での勉強という大きな習慣がなくなると、わがまま放題、好き勝手放題、
    ゲーム、スマホ三昧の生活に慣れてしまい、昼夜逆転といった生活の乱れが加速
    して、悪化の一途を辿ります。
 (3)教室には行けないが学校には行ける子には、別室登校を促す。学校には行きたく
    ないという子には、学習適応教室やフリースクールへの登校や学習支援サポート
    や家庭教師といったサポート機関を利用して、学習を継続できる環境を用意する
    ことです。
2 家庭での役割を与える
 (1)外に出ることが困難だとしても、社会の中で、子どもが社会性を損なわずに生活
    をしていけるよう、些細なことでもいいので子どもにも役割を課しましょう。
 (2)食器洗いでも、洗濯物をたたむ、でも何でもいいのです。子どもが興味のあるこ
    とがあれば、それを役割として任せましょう。
 (3)任せるのと同時に、実際に子どもがやってくれたら「ありがとう、助かったよ」
    といった言葉をかけることが重要です。また、子どもができない日があったとし
    ても、責めるのではなく「また今度お願いしてもいい?」自分は人の役に立って
    いること、失敗してもやり直せばいいことを少しずつ感じられる環境が大切で
    す。
3 自立や学歴の重要性を伝え、選択肢を一緒に考える
  大学を出ても就職するのが大変な時代です。再就職となればさらに大変です。学歴な
 しの人間が自立できるだけの収入を得ることは、簡単なことではありません。もちろん
 学歴が全てではありませんが、学歴は、有利になることがあっても、邪魔にはなりませ
 ん。こういった事実を親は子どもに伝え、どうしたらいいかを一緒に考えることで、子
 ども自身も考えるきっかけを得られるでしょう。
  なお、家庭の金銭状況や問題についての事実を基に条件を提示すること(「私立に行
 くなら奨学金を借りてほしい」「実家にいるなら〇〇円は、家に入れること」など)は大
 切ですが、公立以外はダメ、といった条件を付けることは控えましょう。
                        「不登校サポートナビより」
*不登校になる理由はさまざまです。一概には言えませんが、不登校になったら、こうするのではなく、普段からこうしておくと不登校にはならないでしょう。

2023年2月20日月曜日

花だより 「ポツンと一軒家」  ジンチョウゲ

 


  資源保護のため網走湖の今シーズンのワカサギ釣りが終了しました。
 
「ポツンと一軒家」(朝日放送テレビ)所ジョージさんと林修先生がMCの人気番組。人里華離れた山奥に、なぜだかポツンと存在する一軒家を衛星写真を手掛かりに、その地へと赴く。今回はどんな人がどんな生活をしているのか、日曜夜の楽しみになっている。
 そこで暮らす人は、ほとんどが80過ぎの老夫婦か、一人暮らしをしている年寄りばかりだ。驚くのは、皆元気で働き者、家も古い、車がないときは、山道を何キロの歩いて、学校や買い物に行った。今は便利になった、何も不便は感じないという。
 オホーツク管内には、へき地複式校が多くあったが、今は、ほとんどが統廃合され、街から離れたところに住む子どもたちは、スクールバスで通うようになった。農家の子も家の手伝いはしなくなり、そのため都会の子より地方の子どもたちの体力は低下した。
 お相撲さんにボディービルで鍛えた筋肉自慢の芸人が挑戦する番組があったが、全く歯が立たなかった。「見せる筋肉だけでは、強くなれない。毎日の稽古の積み重ねが大事」と横綱は言った。そういえば北海道から、ここしばらく横綱どころか、幕内力士も出ていない。
 便利さばかりを追求してきた現代社会だが、人間らしい生き方とは何か?「ポツンと一軒家」が教えてくれている。ただ、今さら山奥で一人暮らしはできない。

2023年2月19日日曜日

花だより スマホ普及で長文離れ レンテンローズ 桃

 


 スマホ普及で長文読まず 
 動画は2倍速で見て、スマホのLINEやTikTokのチェックに一日4時間以上かける。返信は『了解』も『り』で済ませる。さらに見るだけから自らYouTubeにUPするようになった。スマホに没頭しているのは、若者だけではない。ビジネスマンからシニアまで、レストランでも駅や電車の中、道ばた、休み時間はもちろんのこと、暇さえあれば、スマホと睨めっこ状態である。小学生も(大統領も)例外ではない。自分もそうなった。確かに便利ではあるが、弊害はないのだろうか?
 SNSは、いずれも瞬時に短いメッセージを発信できる利点はあるが、長文のやりとりには適さない。 
 2016年に公表された国際学力調査の結果では、日本の15歳の読解力は4位から8位に低下。文科省が原因の一つに、スマホの普及に伴う長文を読む機会の減少を挙げた。
 平日にスマホを2時間以上利用する高校生の割合は、66.8%、5時間以上は、12.5%となっている。これに対して読書量は、年々減少傾向が続いている。全国学力学習状況調査でも、小中学生のネット利用は増えた。GIGAスクール構想で一人一台の端末が普及すれば当然の流れだろう。
 スマホゲームにはまる子どもが目立ち、学力が落ちる傾向にある。また、スマホが側にあるだけで、「メールが来ないか」などと気を取られ、注意力が低下する。さらにスマホ操作中の脳の血流量を測定したところ、論理的な思考を行う大脳の前頭前野が眠っている状態になっていたという。脳が発達する18歳くらいまでは、スマホの使用を制限し、しっかりした文章を読む環境を作るべき!と訴えている教育専門家がいるが、「長文離れ」この流れを止めることはできないだろう。

2023年2月18日土曜日

花だより ネット社会に‘’卑怯な真似はせん!‘’ ニオイスミレ

 

 スマホ、タブレット、それにネットにつながるゲーム機器、これらを持たせないということはもうできない。生活には欠かせないものになってしまった。これからさらに便利なモノに進化していくだろう。反面、これらによる犯罪、誹謗中傷、フェイクニュースなどによる被害が後を絶たない。
 スマホを持たせるなら、きちんとルールを決める。使い方をしっかり指導することだ。学校ごとに対応に差が生じ混乱を招く可能性がある。仮に解禁するとしても、厳格な統一ルールが不可欠である。学校に持ち込みが解禁されれば、それだけ子どもたちがスマホを携行する時間が長くなる。真夜中までゲームに熱中するなど、スマホの普及による弊害が問題化する。加えて、視力や体力の低下を招く。
 一日の使用時間を制限する。SNSに潜む危険性をしっかりと教える。スマホとの付き合い方について、まず親と子が向き合って、それぞれの家庭のルールを決めることが大切だ。「子どもにスマホを持たせるのは、夜の新宿歌舞伎町を一人で歩かせるのと同じ行為だ。」と主張する人もいる。親と子にそれだけの勇気があるだろうか?仮に解禁されることになったとしてもスマホの弊害を保護者に訴えていかなければならない。
 回転すし店での迷惑行為が、最近問題になった。親子で謝罪したというが、悪ふざけでは済まない社会問題になって、当人は厳しい社会的制裁を受けている。こうした事件が起きると、また学校に対応が迫られる。ただし、公徳心、公共心などの倫理観や道徳心が備わっていなければ、「モグラたたき」の指導になって、根本的な解決にはならない。
「国家の品格」の著者藤原正彦氏は、今の日本に必要なのは、「民主主義」より「武士道精神」だと訴えている。‘’卑怯な真似はせん!‘’を教えることだ。「いじめ」「詐欺」「迷惑行為」もこの言葉に尽きる!

2023年2月17日金曜日

花だより 教員採用試験 寒木瓜(カンボケ)金盞花(キンセンカ)

 


 終活で年賀状の数を減らしているが、毎年年賀状をくれる先生がいる。
 短大を出て5年目の臨採だった先生だ。今と違って当時は、なかなか採用が厳しい時代だった。臨採だったが、指導力が買われ6年生の担任になった。
 10月、1週間学校を休んだ。体調が悪いと連絡がきたが、理由は分かっていた。また、不合格通知がきたのだ。「心の整理が出来たら、出て来いよ。」と電話をした。
 涙声で、「私は、子どもたちに目標に向かって努力することの大切さを伝えてきた。『やれば、できる!』と言い続けてきた。そんな私がこの様(ざま)…、子どもたちに合わす顔がない…。」すごく落ち込んでいた。
 この先生は、いい先生になると確信した。次の年、仕事を一時辞め、専門学校に通い採用試験に専念したことで見事合格、晴れて教員になった。それから毎年、近況報告の年賀状が来るようになった。
 初任者研修では、いつもこの話をした。教員を志望する若者が減ってきているという、待遇改善だけで本当に志望者がふえるのだろうか? 数だけ確保して、不適格教員が増えたら、現場は困る。

2023年2月16日木曜日

花だより ショック!国産小型ジェット旅客機「SJ」開発凍結 ミツマタ

 

 小型ジェット旅客機「スペースジェット」(SJ、旧MRJ)事業開発を凍結することになった。もう10年近く前になる。全連小(全国小学校長会)の理事会に出席したとき、MRJ開発担当者の講演を聞いた。なぜ教育に「グローバル化」が求められるのか?MRJ開発と教育との関連は、とても興味深い話だった。その後もテレ東の日経スペシャル「ガイヤの夜明け」でも何度か取り上げられ、窮地に陥っていることは知っていたが、今回のニュースは、とても残念でならない。
 三菱重工がスペースジェットの開発に着手したのは2008年。経済産業省が音頭をとり、官民で「日の丸ジェット」(日本人による、日本のためのジェット旅客機)を実現しようと立ち上げた。「国内市場が縮小、若者の車離れが進む中、自動車一本足の産業構造だと日本のものづくりはおぼつかない。自動車1台に使う部品数は2万~3万。航空機になるとその数は2桁増える。産業の裾野の広さは車とは比べものにならない。雇用確保にも大いに貢献する。」という内容だった。
 そんな大きな期待を持ってスタートした日の丸ジェット開発だった。しかし、民間ジェット機の開発は1962年の「YS11」以来のこと。YS11は1973年に生産を終えていた。当初から、技術的なブランクへの心配があった。残念なことにその不安が的中してしまった。
 これまで累計1兆円の開発費を投じながら空回りが続いた。そこには技術への過信があった。自前主義にこだわり傷を深くしてしまった。三菱重工だけの問題ではない。日本の製造業に重い教訓を投げかけることになった。
 開発の足を引っ張った「変に高いプライド」
 SJだけではない、中国、韓国勢に追い上げられ、青息吐息だった造船業の復権を狙って立ち上げた大型豪華客船事業でも三菱重工は2400億円もの損失を計上している。特に豪華客船は「海に浮かぶホテル」とも呼ばれ、内装など凝った設計が要求される。軍艦や大型タンカーを造っていた感覚では、大型豪華客船は造れなかった。赤字を垂れ流したまま客船事業からの撤退を余儀なくされた。
 講演では、「国際社会で活躍する人材育成が課題である。英語が話せるのは当たり前で、ただ英語が話せるだけでなく、英語で考えられることが大事だ。つまり、国際感覚を持った人材育成がこれからの教育の課題である。」と開発担当者は言っていたが、そう簡単に人材は育たない。
 そこで相次ぐ開発の延期に自前主義を捨て、打開を目指すべく着手した。カナダの航空機大手などから外国人の技術者を多数集めた。しかし、それでもうまくいかなかった。
 半導体、スマホ、家電用品、電気自動車、そして、薬の開発を含めた医療体制にしても日本の国際競争力や技術力は、日本人が思っているほどではないということが露呈した。GDPもまだ辛うじて世界第3位だが、これからインド、ドイツに抜かれると言われている。
 技術力の高さは、日本人の勤勉さにあった。それを支えていたのが高い教育力であった。その勤勉さも揺らいできている。戦後の焼け野原からV字回復した当時のポテンシャルが今あるかどうか甚だ疑問だ。

2023年2月14日火曜日

花だより 働き方改革と日本人気質 サンシュユ フキノトウ

 
  外国の人は、仕事は「お金のため」にするもので、お金の確認や交渉は当たり前です。ところが日本人は、「お金のため」という考え方に抵抗を感じる人が多い。「お金のために働く」と言う人はいやらしく感じるし、最初から「お金はいくらいただけるのですか?」と聞きにくい風潮があります。
 そこで強調されるのが、「やりがい」です。「何かのためになること」「自分が役立てること」が示されると、日本人は納得して仕事に打ち込むことができる。
 学校でも子どもたちに「お金を稼ぐこと」を正面から教えることはありません。その代わりに教えるのは、使命感を持つことの大事さであり、自分が成長することの尊さです。そのため今の若い人たちは、強い「成長志向」を持っています。
「成長志向」が何に結びついているかというと、若者の離職・転職の多さです。「今の仕事では成長できない。」と感じると、すぐに辞めてしまう。あるいは「自分が成長できる仕事は何か」にこだわるあまり、職に就くこと自体のハードルが上がってしまうのです。仕事が「お金のため」と割り切れれば、就職活動もだいぶ楽になります。
 ≪なぜ、日本人はお金にこだわらないように見せるのか?≫
 日本人は昔からお金よりも名誉を重んじていましたが、人の目も気にします。「みっともないことをしてはいけない」と自己規制しているのです。
 ≪「間柄の文化」と「自己中心的の文化」≫
 欧米文化は、「自己中心の文化」です。自分がどれだけ大きくなれるか、強くなれるか、儲かるか、自分ために生きています。日本人は、小さいときから「人のため」ということを意識しています。「人間」という通り、人と人の間に生きる。これを「間柄の文化」と呼んでいます。
 「自己中心の文化」は、思ったことを言えばいいし、したいことをすればいい、人の影響を受けるのは自分が未熟だから、という考えです。「間柄の文化」は反対に、常に人に配慮しなければなりません。相手の立場や気持ちに配慮できないことが未熟とされます。
 この「間柄の文化」は日本の長時間労働にも影響を及ぼしています。目の前の子どもが何か課題を抱えているとき、「勤務時間が過ぎました。私の給料はこの時間までなので帰ります。」とは、日本の教師はなかなか言えません。相手の立場や配慮することが優先され、自分の役割を限定できないのです。欧米では、教師も勤務時間がきっちり決まっていて、それ以外の時間に子どもの相手はしません。
*日本人がにわかに欧米諸国のような「自己中心的の文化」を受け入れることはないでしょう。

2023年2月12日日曜日

花だより 通知表の見方「関心・意欲・態度」 セリ スズシロ

 


  ‘やる気満々で関心・意欲が強い、先生、見て見て!自己主張が強い。明るく素直で元気です。集団行動も身に付いています。‘’幼小連携会議での小学校1年生担任の言葉です。これを聞いて、子ども園の先生はほっと一安心でした。
 ~通知表の見方~
 各教科、観点別評価になっています。一番上には「関心・意欲・態度」という項目があります。これが勉強するうえで一番大切だということです。こども園(幼児教育)で最も大切にしているのと同じです。これが身に付いていると小学校からの学習が成立するのです。スタートカリキュラム、アプローチプログラムが大事だといいますが、集団生活でのさまざまな活動(遊び)の中で経験したり、体験したりすることで、身に付くものです。新しい環境に適応することも大事な能力です。スムーズな移行に手取り足取り、過保護すぎるのもどうかと思います。問題は、関心・意欲・態度があると思っているのに、北海道の学力が低い、オホーツクはさらに低い。ということです。何に、どこに原因があるか、しっかり理解することです。原因は、はっきりしています。
 通知表の観点別評価は、「技能」「知識・理解」「思考・判断・表現」と続きます。

2023年2月11日土曜日

花だより  お母さんといっしょ?  繁縷(ハコベ) 馬酔木(アセビ)

 



     “お母さんといっしょ?”
 朝、子ども一緒に来たお母さんが、「いってらっしゃい!」と女の子に声をかけました。ところがお母さんは、ずっと手を振って帰ろうとしません。女の子が、何度も何度も振り返って、お母さんの姿を確認しているからです。
 その日は月曜日でした。土日、きっとお母さんと楽しい時間を過ごしたのでしょうか?大人だって、月曜日は、仕事に行くのが嫌なときがあります。「行きたくない。」と思う気持ちはよく分かります。
「何を甘えたこと言ってるの!さっさと支度して行きなさい!」こんな会話が毎朝あるのではないでしょうか? ところが、このお母さんは「途中まで、一緒に行ってあげるからね。」と言ったのでしょう。そして、子どもが安心できるように、ずっと見ていたのです。
これがベストかと言えばそうでないかもしれません。お母さんにお仕事があれば無理ですし、高学年になれば「何、甘えているの!」と突き放すことも必要です。
 でも、この子は、この日、心の中に何かが起こったのでしょう? お母さんは、それを察知したに違いありません。この子はきっと優しい子になります。

2023年2月10日金曜日

花だより どんなに時代は変わっても「教育は人なり」 ゴギョウ 仏の座

      


*○○先生が担任になってくれたら、いいのにね。
*○○先生でよかった。
*○○先生が言うのだから、だいじょうぶ・・・ 
*○○先生は、厳しかったけれども、いつも私たちのことを考えてくれていた
*○○先生にあこがれて、うちの子は学校の先生になりました。
 “こう言われると教師冥利に尽きるというものです。こうしたやりがいを感じ、教師の道を志すものなのですが、いつから変わってしまったのでしょうか?
 今、求められている“魅力ある教師”とは、教育に対する情熱と子どもへの深い愛情を持ち、子ども一人一人にも寄り添うことができる教師です。そして、子どもや家庭・地域から信頼される教師です。どんなに時代は変わっても「教育は人なり」といって教師個人の資質によるところが大きいものです。
  子どもだけでなく、保護者と教師との信頼関係が大切なことは言うまでもありません。信頼関係を築くためには、まずコミュニケーションが大切です。互いのことを知らないと信頼関係は築けません。ところが、一番負担に感じているのは、保護者対応だといいます。
 家庭訪問もない、参観日の個人懇談にも参加しない保護者とどうコミュニケーションをとればいいのか?
 ある先生は、きつく叱った子の親に、「お子さん、何か言っていませんでしたか?今日、〇○なことがあったので、少しきつく叱ったんですよね。」と必ず電話して伝えるのです。
 中には、こうしたことが教員の過重労働につながるという人もいるらしいのですが、働き方改革で、雑務を減らして、こうしたことを大事にすべきだと思います。

2023年2月9日木曜日

花だより やる気スイッチ 蕪・菘

 

 プロ野球のキャンプが開始されました。小さいころから野球を始め、神童と呼ばれた子ばかりの集団です。ドラフト会議で指名され、晴れてプロとなったものの、みんながみんな一軍で活躍するとは限らない厳しい世界です。プロになっても毎日バットを振り、ノックを受け続けます。どのスポーツや芸能なども同じです。練習や稽古を怠ってはならないのです。
 「やる気スイッチ」 ~こども園教育で大切なこと~
×「やらない」⇒「できない」⇒「できない」と「どうして、やらないの!」と叱られる⇒叱られると「イヤな気持になって、やる気がなくなる。」⇒「やる気が出ないから、また、やらない」⇒やらないから、またできない⇒すると「何回言ったらわかるの!」と叱られる⇒イヤになる。これが負のスパイラルです。
「やる」⇒「できる」⇒「褒められる」⇒「うれしい」⇒「やる気が出る」⇒「前よりもできる」⇒「また、褒められる」⇒「うれしくなり、やる気が増す」⇒「もっとできるようになる」⇒「楽しくなる」これが正のスパイラルです。
 親や先生は、子どものやる気スイッチをうまくONにすることです。このやる気スイッチは、その子によって違います。幸いなことにスパイラルなので、どこからでも回転方向を変えることが可能です。
 良かれと思った指導でも、逆スイッチになっている場合があります。そこが教育の難しいところです。どんな優秀なAIでも人を育てる最善手を見つけることは困難でしょう。長年の経験と教育的センスが必要です。「教育は人なり」と言われる所以です。「偉大な教師は、子どもの心に火をつける」と言います。

2023年2月8日水曜日

花だより 好きだろうが、嫌いだろうが スズシロ

 

           

  好き嫌いは、誰にでもある。大人にも子どもにもある。
「先生との関係がうまくいっているか」との問いに否定的に回答している割合は6.5%です。また、文科省の『平成29年度 全国学力・学習状況調査』によると、「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」との問いに否定的に回答している割合は14%でした。さらに、内閣府が平成13年度に行った『第2回青少年の生活と意識に関する基本調査』によると、「あなたは、今の学校生活で、何か困ったことや嫌なことはありますか」との問いに、「嫌いな先生がいる」と回答している割合は10%という結果が出ています。いずれも、先生に対する否定的な意識を持つ子どもが存在しているということを表しています。どこかの学級ではなく、すべての学級に当てはまる結果であると受け止めてなければなりません。そういう子が、もう親になっています。根っこには、先生不信、学校不信があるので、わが子が、「学校に行きたくない。」と言うとすぐ先生や学校のせいにします。
 子どもにとって、先生を嫌いになる理由は様々です。成育歴の中で大人不信になり、先生が嫌いな子どもがいる。叱られたことがきっかけで、先生が嫌いになる子どもがいる。期待していたとおりに先生が反応してくれなかったから、授業が分からないから、厳しすぎるから、えこひいきするから…、子どもたちは自分たちの感じる様々なことを理由に、先生を嫌いになるのです。
 先生を嫌いになるのは、子どもの一方的な理由かもしれません。しかし、私たちは先生を好きだと感じている子どもも、嫌いだと感じている子どもも、すべての子どもたちを大きく包み込み成長を願い続ける「先生」というやりがいのある仕事をしています。子どもが先生を好きだろうが、嫌いだろうが、先生の仕事は、子どもの健やかな成長を願い、指導することです。
 「育む」の語源は「羽くくむ」
「くくむ」は「包む」の古語。親鳥が羽でひなを包み込む姿に由来するという。どのような子どもであれ親鳥が羽でひなを包み込むように、先生が子どもを包み込み、安心感の中で、子ども自身が自分の可能性を開いていくことができるようにしていきたい。先生こそが、子どもにとって最大の環境であることを信じ、目の前の状況に翻弄されず、恐れず、子どもたちの未来を開くために努力していきたいものです。教師とは、つくづく難しい職業だと思います。それだけやりがいのある職業だとも言えます。


2023年2月7日火曜日

花だより 鉢の大きさと教育論 フクジュソウ みかん

 


 鉢は大きければいいというものではない 
「鉢が大きければ、根を張ろうとして葉や茎を大きくしようとしない。すると花も咲かない。今は冬で植物も休んでいる時期、水は2週間に一度くらいで十分。過保護にするのは良くないですよ。」と花やさんに言われました。水さえやっていれば元気に育つと思っていたら大間違いです。植物の種類によっても育て方が違います。
 高慢な教育論より、規則正しい生活の徹底
 子どもの学力低下が懸念されていますが、基本となる規則正しい日常生活が送れなければ、どんな優秀な教師がいかに素晴らしい授業を行っても、真の学力向上など望むべくもありません。今必要なのは「高慢な教育論」ではなく「早寝、早起き、三食しっかり食べて、しっかり遊ぶ」このことの徹底です。しかし、学校だけでは限界があります。あらゆる機会を通して、社会全体で進めなければならなりません。まずは子ども園が率先すべきだと思っています。園児には園児にふさわしい鉢の大きさがあります。






2023年2月5日日曜日

花だより 読解力のある・ない ハナナ 流氷観光船「オーロラ」

 


 読解力のある人とない人の差が広がっている
 最近は、文章をスマホの画面で読むようになり、簡潔にまとめることが求められています。園からのお便りもそうなっています。しかし、世の中には読みやすい文章ばかりではありません。役所の手続きの文章やマニュアルも読めないと社会生活に困ります。読解力向上には、語彙力と文章の構造を理解しながら読むことが必要です。そうした能力が低下しているように思います。
 登場人物の心情を考えさせる国語の授業があります。これは文章に書かれていないことも含め、想像を豊かにして読む必要があります。説明文を読み取る手法とは異なります。説明文は単語や文節、段落の関係性を図を描くように丁寧に読まないといけません。学校現場でそうした指導が十分に行われているのか疑問です。学校ではまず実用的な国語力を育成することが必要です。
 書く指導も重要です。読書感想文は、ただ書けと言われても書けるものではありません。内容を要約し、自分の考えを論理的に伝えるスキルをきちんと教えるべきです。論理的に書くことで、論理的な読み方ができるようになるからです。
 読解力を育てる活動は学校が担うべきものです。それを意識した授業が必要で、教員の指導力が問われます。
「三かく」 ・文をかく ・恥をかく ・汗をかく 
「書かなければ、書けなくなる」言葉のままである。
  文章を書くのは本当に難しい。しみじみ思う。書かないと向上しないし、維持もできない。書くために、書き続けなければならない。
 テレ東「日経スペシャル:カンブリア宮殿」、番組最後に「村上 龍は思った」とナレーションが入り、手書きの編集後記が流れる。あれが好きだ!作家さんだから、当然上手!あんなふうに書けたらいいなあ!と毎回思う。

2023年2月4日土曜日

花だより 「わがまま」には「がまん力」を教える ナズナ 温州みかん

 


 ~わがままとがまん力~
 甘ったれとは、どんな甘えでも親が満たしてくれるのを知っている子です。甘えと同時に厳しさを学ばなかった子は、人間関係でもわがままいっぱいにふるまう傾向にあります。3~4歳は、まだそうですが、大きくなっても、まだ自分と他人の区別がつかない子が多いように思います。
 家では誰もが自分の言うとおりにしてくれる。そうすると周りもきっとそうだと思ってしまいます。これでは本当の意味の人間関係を築けないし、本当の友だちもできません。人は自分とは違うんだということを理解することで、その子の中に社会性が育っていくのです。それが育たなければ人間関係において、わがまま放題にふるまうので本当の友だちができにくいということにもなります。
 ところがこども園に来ると集団生活なので、わがまま、甘えは許されません。甘ったれの子には、居心地の良いところではありません。
 楽しいことがあれば一緒に笑い、悲しんでくれるのが友だちです。その人が本当にいい人生を送っているかどうかは、よき友だちの多さを見ればわかります。友だちというのは利用し合う関係ではありません。困ったときには心底応援してくれ、喜怒哀楽をともにでき、人生の節目節目で、お互いの成功を喜び合える関係です。
 他人を他人と思えず、誰もが自分とは違った人格を持っていることに気づかないわがままな子は、本当の友だちを得ることができません。それはその子の人生にとって大きなマイナスになります。他人には甘えが通用しないということ。そういうことも教えなければなりません。
 そのためには自己主張ばかりせず、いつも友だちと50対50(フィフティ・フィフティ)の関係を構築することです。おもちゃの取り合いをしていたら、先生は平等に使うことを教えるます。そういうことで子どもは他人と自分とは違うということに気づきます。わがままが通らないことを学びます。そこにもがまん力と心の強さを育てるきっかけがあるのです。
 本来親が教えなければならないことを、こども園では教えていること、家庭でも同じように教えるべきだということを、知らせることがこれから必要になってきます。

2023年2月3日金曜日

花だより 節分と恵方巻 エンドウ豆 ねこやなぎ

 


   節分になぜ太巻き(恵方巻)寿司を食べるのか? 
 自分が子ども頃には、「恵方巻」なるものはありませんでした。誕生日、クリスマスには「ケーキ」を食べる。お正月は「お節料理」、バレンタインは「チョコレート」、ひな祭りは「雛あられ」「ひし餅」それに「チラシ寿司」、端午の節句は「ちまき」や「柏餅」があります。ところが節分は「豆」だけ? これでは商売にはならないので、コンビニを中心に全国展開されたのが「恵方巻」です。まんまと商業ベースに乗せられたのです。
  恵方巻きを食べると、商売繁盛、無病息災、願い事が叶う、その年必ず幸運が訪れる、厄落とし等の意味を持つ。「恵方寿司」とも呼ばれている。と「恵方巻き」の包装紙に由来や食べ方が書いてありました。 
 七福神に因んで、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶ、エビの七種類の具を入れて、福を食べるという意味合いがあります。「福を巻き込む」という説や、また、福やご縁を巻き込み、1年の幸せや願いが叶うように食べるため、縁が切れたり、福が途切れたりしないように、包丁で切らずに丸ごと食べる。
 恵方は、その年の歳神様の居る方角で、西南西、南南東、北北西、東北東の4つしかありません。西暦の下一桁が1・3・6・8だと南南東になります。正確には南南東微南だそうです。
 今は、家族が一堂に揃うことが少なくなり、誰かが留守だと「豆まき」ができません。黙って美味しい寿司を食べる方が、コロナ禍の黙食にかなっています。それに鬼と言えば、「鬼滅の刃」上弦の鬼を思い出す子が多いでしょう。あの強い鬼を豆をぶつけたくらいでは退治できないと思っています。今日は、こども園でも「豆まき」が行われます。園児は、鬼滅隊になり、鬼を追い払う!そして、夜は「恵方巻」を頬張る!

 








2023年2月2日木曜日

花だより 先生はボク(ワタシ)のこと、嫌いなんだ! セツブンソウ

 

「先生はボク(ワタシ)のこと、嫌いなんだ!」教師がやらなければならないこと
① 想像力を働かせる
 学級に30人の子どもがいたらそれぞれ個性がある。教師が発した言葉や振る舞いが学級の子ども全員に同じように映っているわけではないことを前提にする。
 言葉で伝わるメッセージよりも、表情や声のトーン、振る舞いなどの方が教師の本心を表すこともある。言葉で「いいですよ」と言っても声の調子が合っていなければ本心ではないと相手に伝わることがある。子どもはそれを敏感に感じ取るのです。
② 同じルールで叱る
 子どもは、自分への対応だけでなく、他の子への対応など周囲との比較によっても大人からの注意の向けられ方が好意的なのか、そうでないのか、期待されているか、諦められているかを感じている。成長するにつれて大人の矛盾に厳しくなる。ただし、特別な支援を要する子が学級にいる場合は、ルールの基準が異なる場合があるので注意しましょう。
③ 子どもの思いを知る 
「先生はボク(私)のこと、嫌いなんだ。」と直接聞くことはあまりありません。親あるいは、養護教諭や他の先生、SC(スクールカウンセラー)、こども園のときの先生などから、聞かされることが多いです。SCが出会う子の多くは、「こんなこと言ったら迷惑にならないか」「心配をかけてしまう」「よけい面倒なことになる」など複雑な思いを抱えているのです。こういった思いに対しても想像力を働かせることが大事です。
*他に④話をよく聴いて整理する。⑤説明し、場合によっては謝ることが大切です。 
ときどき自分の指導を振り返ってみることが大事です。 

2023年2月1日水曜日

花だより 教員志望減少問題と教職調整額4% ワカサギ 冬の知床半島

 


 教員志望減少問題と教職調整額4% 
 教職調整額4%、これがあることによって超過勤務が青天井になっていると言う指摘があります。しかし、たかが4%、されど4%です。4%がなくなれば、手当、退職金まで影響するのです。だから世間から、「学校の先生は恵まれている」と言われていたのです。ところが状況は変わってきました。この教職調整額は、昭和41年に実態調査を行い。昭和46年に制定。当時の1週間の平均超過勤務の実態は、1時間45分であったことから4%が適当となった。なぜ調整額が生まれたのかと言えば、教員の業務内容は複雑多岐に渡っていて仕分けが難しい。だから、一律4%にしたということなので、それも一つの考え方だったかと思います。
 ところが勤務実態が把握しにくい曖昧さが、今では、中学校の先生の6割が月80時間を超える時間外労働につながっていると指摘を受けている訳です。超過勤務手当が、教職調整額と同じくらい出るかと言えば、その保証はありません。
 調整額を10%くらいに引き上げればいいし、調整額をやめてその分の残業手当てを出せばいいと思うでしょう。ところが時間外80時間を単純にコンビニの時給を約1000円として換算すると月8万円になります。先生方の時給はコンビニの比ではありませんので、さらに高額になります。一人一人を勤務評価して、その分を国は払うと思いますか? 給与だけではないということで働き方改革が生まれたのです。
 教員志望者を増やすために、給料を上げて、うさぎは飼わない。面倒な保護者対応もしなくていいようにして、そして採用された教員が、果たしていい先生なのか疑問です。