2023年3月31日金曜日

花だより 校長最終日 吉田松陰の言葉 チューリップ

 

 
 退職の年、全連小山口大会に参加した。山口市内には、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」のラッピングバスが走っていて大変盛り上がっていたが、残念ながら最低の視聴率で終了した。その理由は、主人公である吉田松陰の妹の美和と再婚相手の揖取素彦(初代群馬県令)が有名な歴史上の人物ではなかったからだという。しかし、自分には共感するところが多くあった。美和は生涯にわたり、女子教育の普及に努めた人物。「新しい日本をつくるためにも、学ぶことは、とても大切なことです。学ぶことで、考えることができるからです。」という言葉が心に残っている。   
 「至誠而不動者未之有也」は、吉田松陰が揖取素彦におくった言葉
~自ら至誠の限りを尽くして計画し、あるいは実行したにもかかわらず、いずれも失敗に終わったことを振り返ってきたとき、どうしてもこの「未だよくこの一語を解するに能わず」と思わざるを得ない。孟子の語に偽りがあるのか、それとも自分の至誠の不足によるものなのかを考えずにいられない。(原文解説)~
 これを自分に置き換えると、退職を間近に控え、我が教員人生を振り返るとき、満足感や達成感など全くない。北海道の子どもたちの学力も体力も最低のままだ。孟子の語に偽りなく、自分の至誠の不足だということは、十分理解している。
 「3月31日夜中12時までは校長としての責任がある。」と言った先輩校長がいました。この春、退職される校長先生は、どんな心境なのでしょうか?
 

2023年3月30日木曜日

花だより「會古通今」 福寿草

 


  「會古通今」
 大学の恩師からの手紙
 大学時代、日本史を専攻していました。担当教官は南部 昇という古代史専門の先生でした。当時先生は28歳、“北大から短期間限定で派遣されてきた足掛けの生意気な先生”というイメージで学生は見ていました。しかし、指導は厳しく、着任早々、日本書紀や続日本紀などの購読会が週に2度有り、その都度レポートの提出を課せられました。おかげで、大学時代が人生の中で一番机に向かっている時間が長かったかもしれません。
 そんな先生は、その後北大に戻って教授になり、校長になったことを知らせると、手紙が来ました。“今、教育者は大変だ。上にも下にも、横にも斜めにも気を遣わなければならない。上だけに気を遣う人は楽だが、牧野はそうゆうタイプじゃないから…”とありました。
  ちょうど様々な課題を抱え悩んでいるときでしたので、この言葉に勇気づけられましたし、反面、下や斜めにもきちんと気を配っていただろうかと反省もしました。いくつになっても先生は先生。教え子のことをよく観ているものだ。と感心させられました。
「會古通今」桑原翆邦先生の書が校長室に掛けてあります。なるほど校長室に掛けてある意味がやっと分かりました。

2023年3月29日水曜日

花だより どこかで春が生まれている ネコヤナギ 福寿草

  


   どこかで「春」が生まれてる  どこかで水がながれ出す どこかで芽の出る音がする      
 どこかで「春」が生まれてる。

 園児が散歩から帰ってくると、手にネコヤナギを持っていました。暖かい空気に包まれて「春」が誕生する光景、生命の伊吹を感じる季節を迎えました。訓子府に来て3年が過ぎようとしています。毎朝、車の窓から季節の移り変わりを強く感じ、こども園に着くと、園児たちから笑顔いっぱいの「園長先生、おはようございます。」と挨拶され、心豊かに過ごしています。
 ねこやなぎ 「園長先生、春を持ってきたよ!」
一日の平均気温が5度を超えると、草木の芽が吹き出すそうです。
暖かい日があったかと思うと、急に寒くなり、玄関前は大変滑りやすくなっています。子どもたちもペンギンのようにヨチヨチ歩きで登園してきます。滑って転んで頭でも打ったら大変です。ビリ砂利をまきましたが、送迎時は、くれぐれも注意して下さい。まだまだ春は先のようです。

 ~もうすぐ入学式~
 娘の「入学式」には、母に行ってもらいました。教員なので、母は「私は行ってあげるけれど、あんたたちは、教員かもしれない。だけどヒロミ(娘)の親なんだよ。親としての小学校の勉強が始まるんだよ。」と言われました。
 入学式だけではありません。参観日もそうです。上に兄姉がいるので経験済みという方もいらっしゃると思いますが、その子にとっては一生に一度の小学校入学や行事なのです。一人一人違います。また、教育書や子育て本なるものが巷にたくさん出回っていますが、自分流の教育観は禁物です。子どもの入学と同時に親としての勉強が始まります。
 この歳になっても、まだあの時のことを後悔しています。



2023年3月28日火曜日

花だより WBCの感動 カタクリ

 



 子どもの頃のヒーローは、プロレスラーのジャイアント馬場だった。日本人プロレスラーは、体格とパワーで勝る外国人の悪役プロレスラーに最初ボコボコにされながら、じっと耐え、最後に起死回生の逆転技で勝利するのがパターンだった。ところが馬場さんは違った。ジャイアントというくらいだから、身長は2m以上あった。得意技は、ジャイアントチョップと16文キックだ。圧倒的なパワーで勝利するのが痛快だった。
 これまで日本のスポーツが世界と戦うには、体格やパワーを補うための技術や精神力、チームワークが求められた。陸上の400mリレーも巧みなバトンリレーでメダルを獲得した。バレーボールは、コンビバレーで外国に対抗した。
 ところが今回のWBCの日本の優勝は違う!
 外国人選手と並んでも体格的に劣らなくなった。吉田選手、近藤選手は背は低いが高い技術力がある。今回は、バントやエンドランなどを多用するスモールベースボールではなく、ホームランで打ち勝った。ピッチングも日本人投手より速い球を投げるメジャーリーグの投手はいなかった。それに村神様が打てないときでも全員で支えたチームワークと「世界一になる」という強い意志が加わった(精神力)のだから、強いはずだ!
 決勝戦でホームランを打った岡本選手が「野球って、こんなに楽しかったんだ。」と感想をもらした。
 野球だけではない。スポーツの楽しさ、世界で戦う凄さをメジャーリーガー、ダルビッシュ、大谷、吉田、ヌートバー選手が教えてくれた。日本に止まらず、夢は大きく、世界に羽ばたく、そんなアスリートがこれから増えてくるに違いない。
 ただし、160キロの速球を打ち返す外国人選手のパワーや技術を侮ってならない。また、プロではない選手がWBCに参加していて、メジャーリーガーを夢見ている。世界を甘く見てはいけない。

2023年3月27日月曜日

花だより 異次元の少子化対策 桜

 


 「異次元の少子化対策」で、こども園の運営は大きく変わる。
 女性が安心して働き、子どもを産み、育てられる社会を目指すということは、これからますます子どもを幼児施設(こども園)に預けるようになるということだ。子育ては、家庭でするものだったが、今は、家庭とこども園との共同作業になった。それが、子育ては社会全体で担うとなると、現実には、何でもこども園任せになり、保育教諭の肩に全てかかってくる。紙パンツの交換、離乳食、絵本の読み聞かせなど、保育教諭がやる割合は、母親よりずっと多い。今でさえ、その職務の範囲、量、責任の重さ等に青色吐息という状況なのに、ますます過度になる。
 異次元の対策とは、予算をかけるだけではない、女性だけが子育てをするのではない、日本人の意識を変えることだという。男性も育児休暇を当たり前にとるようになるということだ。祖父母も孫の言うなりになっているだけではいけない。全体で責任を負うということだ。女性の社会進出に積極的な企業が出てきた(会社内に託児施設を設けたり、育児休業制度の充実など)のは良いことだと思う。
 しかし、うちのこども園で、遅くまで残っているほとんどは役場職員の子どもだ。おまけに土曜日も多くの子どもたちがこども園にやってくる。意識改革は、そう簡単なものではない。
 

2023年3月26日日曜日

花だより 人事評価 フキノトウ 

 

  教員にも人事評価制度が導入された。評価項目が細かく書かれた評価シートでチェックしていくのだが、大きな学校の管理職には、大変な作業だ。
 その目的は、
 1 モチベーションが向上する。
 2 目標と経験・スキルを連動させる。
 3 適材適所の人事配置の根拠となる。
 4 評価者と被評価者のコミュニケーションが活性化する。
 5 組織と職員間でビジョンや目標を共有する。
 6 若手職員の声を聴くチャンスが得られる。
 7 職員のエンゲージメントを可視化できる。
 とある。時間と労力をかけて、効果が上がっているとよいのだが、甚だ疑問だ。
 教師は、子どもを評価するが、同時に自分の指導がどうだったか、自己評価をしている。
 凡庸な校長は、ただしゃべるだけ 良い校長は、説明する 優秀な校長は、範を示す
 偉大な校長は、教員の心に火をつける。
 やっとコロナを落ち着き、送別会が行われました。4月から、校長になって赴任する教頭先生にこの言葉を贈った。人事評価は、管理職評価だと思い、この作業をしなければならない。


2023年3月25日土曜日

花だより 所見を書く(悩ましい用字・用語) ムスカリ フキノトウ

 

 

  “悩ましい用字・用語” 
 通知表や要録の所見を書く時期になりました。毎回表記に悩みます。
「子供」と「子ども」という表現が同じ文章にあったり、「例えば」と「たとえば」が混在している場合は、校正すれば統一することができます。しかし、よくある例として、「持つ」と「もつ」、「言う」と「いう」、「見る」と「みる」、「時」と「とき」が同じ文章の中にあると、文の流れや意味のよって使い分けされます。
 漢字の「持つ」は、手に持つことができる場合は漢字を使い、「夢をもつ」など、手に持てない場合は、ひらがなで表記する場合があります。具体的に目でモノを「見る」場合は、漢字を使い、その他の場合は「みる」とひらがな表記にします。時間の場合は「時」、条件は「とき」で使い分けます。「言う」と「いう」の使い分けは、難しく悩むところですが、迷ったときは、ひらがな表記にするのがいいかもしれません。用字用語の統一は、新聞、雑誌、書籍などによって異なります。学校の場合は、文部科学省や北海道教育委員会の用字用語例が基になっています。例)「取り組み、取組み」(名詞扱い)で「取組」としています。
 こうした知識があって文章を読んだり、書いたりすると文章に深みが出ます。しかし、知識がなくて「これは間違いだ!」といい張る人がいると困ります。

2023年3月24日金曜日

花だより ルフィもとんだ災難にあったもんだ レンギョウ ヒヤシンス

 

 
 ルフィもとんだ災難にあったもんだ。
 ルフィの性格は楽観的で自由奔放。面白そうだと思えばすぐに行動し、冒険のためなら命の危険もいとわない。また、自分一人で公開できないことも自覚しているため、仲間をかけがいのない宝物と思っている。そんな性格だから多くの人をひきつけ、仲間からの信頼も抜群なのだ。だから、〝強盗集団を組織して、ルフィ〟というコードネームを用いた。しかし、仲間からの信頼はなかったに違いない。
 漫画『ONE PIECE』は、なぜ共感を呼ぶのか?
「お前ができねェことはおれがやる。おれにできねェことをお前がやれ」「おれは助けてもらわねェと、生きてはいけねェ自信がある」というセリフがある。この漫画が共感を呼ぶのは、個性豊かな仲間と協力しながら、創造的に物事を解決していく姿が鮮やかに見せつけられるからだ。学校の核心は、周りにいる仲間と共に学校が物事を創造的に解決してくことにある。こんなところを見習ってほしい。








2023年3月22日水曜日

花だより 指導要録の書き方 ソメイヨシノ

 

 指導要録を作成する時期になりました。うちの園でも、先生方は、年度末の忙しい中、要録作成に取り組んでいます。「要録には、いいことだけしか書かないんですよね。」とある先生が言いました。「落ち着きがない。」「友だちとのケンカが絶えない。」などという書き方は、確かによろしくないが、良いことだけしか書いていないと、その結果どうなるか?せっかく時間をかけて書いても、小学校に引き継いだとき、要録を指導の参考としては見ないでしょう。
 指導要録は、校長が作成する表簿です。指導に関することは5年、学籍に関することは20年保管しておかなければなりません。そのため金庫(鍵付き書庫)に保管している学校もあります。児童の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し、その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿としての性格を持つものです。
 要録の記入は「例文集」があって、それを参考に書くことが多いでしょう。大事なことは、子ども一人一人違います。指導してきた際に、重視してきた点を記入する。また、1年間で特に成長がみられた子どもの姿に注目して記入することが大事で、すべての項目に、長々と書く必要はありません。友だちとかかわる様子など、小学校入学後の指導において参考になるような内容を厳選する。小学校から中学校に行く時も同じ、実際に作成するのは担任ですが、学校教育法施行規則に「校長が作成する」とあるので、その書き方、内容については、校長が先生方に指導し、チェックしなければなりません。

2023年3月21日火曜日

花だより 人に対する免疫力は家庭でつくる 枝垂桜

 

 人との関わりがうまく築けない子が増えています。その原因は、家庭にあります。家族が崩壊し、人間関係がどんどん薄くなっているような気がします。これは望ましい姿ではありません。今は、家庭が楽しくないと思ってスマホに逃避している子どもが多くいます。この子たちを家庭に引き戻さなければなりません。一番身近な家族に会話がなくて、どうして他人とコミュニケーションがとれるでしょうか?面と向かって言うことができず、スマホを通してでしか、自分の思いを伝えらなくなっています。
 人に対する免疫力は家庭でつくる
 それには、とにかく家族が一緒に過ごすことです。そのとき、もし子どもがスマホを持っていたら、電源を切らせましょう。もちろん親のスマホもです。映画館やコンサート会場では、スマホの電源を切るようにアナウンスされます。家族が顔を合わせているときも同じです。ふだんあまり子どもと話をしないお父さんは、「話題が見つからない。」と心配するかもしれませんが、続けていれば話題はつぎつぎ出てきます。子どもは未来からの預かりものです。子どもが大人になるころ日本の国は、どうなっているか?どんなに時代は変わっても、家族愛の尊さは変わらないと思います。
 スマホは生活になくてはならないものになりました。それをを否定するものではありません。何が大事か、その使い方は親が範を示すことです。
 

2023年3月20日月曜日

花だより 校長室の威厳 クロッカス 福寿草

 

 

 年度末、もうすぐ終わりだというときに「校長(責任者)を呼べ!」と学校に怒鳴りこんできたご近所の方がいました。それに対応するのが校長で、対応する場所は校長室です。
 学校に否があるときは、丁重に謝罪しますが、冷静になって話し合えば、ほとんどの方は分かってくれます。特に相手が若い女の先生だと舐めてかかってきます。玄関での立ち話だと興奮したままです。そんなときは「校長がお話を聞きますので、校長室へどうぞ!」と案内することです。校長室は、そのためにも整理整頓がなされていなければならないし、威厳を保つためにも校舎の中では、少し豪華に造られています。
「 校長室にどうぞ…」と言ったとたん、「いいよ、このことを伝えに来ただけだから…。」と帰っていきました。校長室には、校長以上の威厳があります。だから歴代の校長の写真が飾ってあるのだと思います。
 福寿草を見つけました。ホーツクに春を告げる花で金色に輝き、新しい門出を祝う縁起のよい花とされています。どこにでも咲く花ですが、種から花を咲かせるまでにちょうど小学校と同じ6年かかります。雪の下でじっと寒さに耐え、雪解けがはじまる早春に芽を出します。寒く厳しい条件ほど、金色の鮮やかさを増す花です。福寿草の花言葉は「永久の幸福」といいます。




 

2023年3月19日日曜日

花だより 新しい校長先生へ スミレ バイモ

 

 
 この春、勇退される校長は、自分が校長時代に支えてくれた教頭先生方です。課題の多い学校運営に加えて、コロナ対応で神経をすり減らす3年間だったでしょう。本当にお疲れさまでした。そして、4月から新しく校長先生になられる方には、コロナが収束に向かっています。学校運営に専念できるようになりました。ご活躍を期待しています。
 望ましい校長像も時代の変化で変わりつつあり、「欧米化」しつつあるかもしれません。参考にしてください。
 《斯かる校長は良い校長なり》 
1 研究心に富む者
2 人格の修養に励み、確固たる信念を有する者
3 公平無私にして性淡白なる者
4 寛弘にして、よく人の意見を容れ、又よく自己の意見を発表すべし者
5 部下職員に対して親切にして且つ其の昇進を計ることを決する者
6 部下職員の美点特徴は之を賞揚発揮せしめ、其の欠点に対しては自ら責任を負う者
7 一定の識見を有し、常識に富むを要する者
   校長五訓(大正5年に示された 校長像)
1 明晰なる判断  
2 豊富な学力  
3 燃ゆるが如き同情 
4 信頼すべき統率の才  
5 確固たる不動の胆力 
  アメリカの望ましい管理職像(アメリカ キャンベラプログラム)
1 個人的資質
 (1)身体の健康 外見、顔つき
 (2)精神の健康 プレッシャーの下での反応 批判に対する敏感性 ストレスの下での判断
 (3)声  質(説得力)
 (4)道徳観念
 (5)勤勉さと熱心さ
 (6)ユーモアのセンス 敗北を愛想よく認める能力 他人の感情を認めること
 (7)判断と常識
 (8)公正さ 口論を仲裁する能力
 2 専門的資質
 (1)専門教養 (2)専門的態度 (3)協働する能力 (4)責任の認容 
(5)指導技術の理解 (6)児童生徒理解 (7)人間関係の能力 (8)渉外関係の能力
  
 

 


2023年3月18日土曜日

花だより 個展開催中 in訓子府

 

 3月11日(土)から3月26日(日)まで、訓子府町公民館ロビーにて、個展を開催しています。これまで描き溜めていた作品50点余りを展示しています。訓子府で開催するため、訓子府の風景も2点昨年制作し、展示しました。すでに多くの方に見ていただいています。これまでの赴任地で行ってきました。これが最後かもしれません。
 亡き母の陶芸作品の中から、一番のお気に入りの梟(ふくろう)も展示しました。生前は、二人展を開催したことがあります。








2023年3月17日金曜日

花だより 春はもうすぐ ネコヤナギ コブシ

 

 

 ~春はもうすぐ~ 
  ねこやなぎの綿毛が大きくなってきました。山からちょっと拝借して家に飾りました。東京では桜の開花宣言が出ましたが、北国オホーツクは、福寿草が春を告げてくれるのを待たなければなりません。でも、確実に春は近づいています。

「喜びの種をまく」
  心遣いが種まき 耳は聞いて喜ぶ   目は見て喜ぶ  口は人をほめて喜ばせ
  手足は 働きによって 傍々を楽にさせて 喜ばす
  喜びの種は 喜びの実となって 我が身に返ってくる
  自分が消極的であれば 逆境を招く 
  自分が明るく積極的であれば 順境は向こうからやってくる

       

2023年3月16日木曜日

花だより 卒業式の式辞から(2) 草木瓜

 

  卒業式の式辞から(2)
 雪解けの隙間の日だまりに福寿草の花が咲くころになりました。
 福寿草は、春一番に咲く花で金色に輝き、新しい門出を祝うめでたい縁起のよい花とされています。雪の下でじっと寒さに耐え、雪解けがはじまる早春に芽を出すのです。寒い厳しい条件だからこそ金色の鮮やかさを増すのです。
 なかなか学校に来られなかった人がいました。その人が書いた作文を紹介します。
~子どもまつりは、何もできなかった。運動会も出ようとしたけど、イヤな気持ちになって逃げ出した。みんなとぜんぜん勉強してないし、追いつけないし、諦めたり、逃げ出したりした。でも、母さんには、迷惑かけたくないし、でも、学校に行くと、イヤでイヤで気持ち悪くなって、あのときは、辛かった。中には「何か言われても気にすんなよ。」と言ってくれる友だちがいた。そんなときは、すごくうれしかった。だから、できるだけ気にしないで中学校に行けたらいいなと思います。小学校でできなかったことややってないことがあっても諦めないでやっていきたいと思っています。~
 学校は、ただ勉強したり、運動したりするところではありません。友だちと共に笑い、喜び、悲しみに涙して、みんなで成長していくところです。だから、〇〇小学校の教育目標の「友だち大好き」「勉強大好き」「運動大好き」です。皆さんは、6年間、友だちと共にいろいろなことを学びました。今日の皆さんは、福寿草のように金色に輝いています。

2023年3月15日水曜日

花だより あなたは、あなたのままでいいのだ! デイジー

 

 網走潮見小学校の卒業式の式辞から
 卒業生が書いた「うさぎとかめ」という作文を紹介します。
~なぜ、違う者同士が競争するのか、私にはそれがどうしてもわかりません。うさぎは走るのが得意。亀は泳ぐのが得意。得意なものが違うものが競争する意味があるのだろうか。人間だって同じだ。得意な者が違う姉と私を比べる意味はないのに比べられる。私は、「うさぎとかめ」は、そういう人間と人間を比べても意味がない。ということを言っている話だと思う。~
 私は、この作文を読んで漫画「天才バカボン」の作者赤塚不二夫さんの言葉を思い出しました。(潮見小学校に来校して漫画を描いてくれた。)
 “これでいいのだ”
 それは、赤塚不二夫さんが、漫画の中で幾度も繰り返してきた言葉
 現実はままならない うまくいかないことばかり 毎日ほとんどは、「これでよくないのだ」の連続だ。
 自分を責めて 誰かを責めて 何かを責めて そして やっぱり自分を責めて
 だけど 確かめてみる価値はある 
 “これでいいのだ” という言葉の力を信じてみる価値はある
 あなたが もうこれ以上どうにもならないと感じているのなら 余計に
 胸を張る必要はないし、立派になんて 別にならなくたっていい
 あなたは あなたのままでいいのだ
 あなた自身がそう思えば 世界は案外 笑いかけてくれる
 人生は うまくいかないことと つらいことと つまらないことと その間に ゆかいなこと楽しいことがはさまってできているから
どうか あなたの人生を大切にしてください。
 本校ゆかりの漫画家赤塚不二夫さんの「あなた自身を大切にしてください」というメッセージが込められています。このメッセージをきちんと受け止めていることを「うさぎとかめ」の作文から分かりました。中学校で、もしつらいことがあったら、思い出してください。社会に出て、うまくいかないことがあったら、思い出してください。
「あなたは、あなたのままでいいのだ!」

2023年3月14日火曜日

花だより 東京VS大阪 ハルリンドウ

 

 「秘密のケンミンショー」という日テレのテレビ番組では、よく東京と大阪を比較する。エスカレーターの乗る位置も右左反対など、とにかく反対なことが多い。道民からすると、同じ日本かと思うくらい違う。
 今回は、「財布の中を見せてください。」と道行く人に聞くとどうなるか?
 東京人は、「何故あなたに見せなければならないの?」と不機嫌になった。ところが大阪では、「ええよ!」と気軽に見せてくれて、詳しく説明までしてくれる。「東京の人は、個人情報だと言って、見せてくれませんよ。」と言うと、「なんでや、何か見られて悪いことあるんかい!」と言う。「誰でも彼でも、見せへんよ。あんたはいい人だと思ったから、見せたんよ!」と最後に言った。
 「マイナンバーカードは、個人情報が漏れるのが心配だから作らない。」とまだそんなことを言う人がいる。普及率が上がらないのは、東京人的考え方が多い証拠だろう。
 東京が日本のスタンダードだとは、大阪人は思っていない。東京には強い競争心を持っている。負けないでほしい。



2023年3月13日月曜日

花だより さすがS先生!先輩から学ぶこと 白梅

 

◇さすがS先生!先輩から学ぶこと
 この春退職を迎えるS先生が、引き継ぎに来た中学校の特別支援担当の先生を校長室に連れて来て紹介してくれました。当たり前のことですが、こういうことが学校現場では、なかなかできていません。
 木目澤教育長さんは、真っ先に職員室に入り、先生方に声をかけてから校長室に来ました。帰りも同じです。必ず職員室に出向き、挨拶をしてから帰られました。出入りの業者さんも、校長室に必ず来て「よろしくお願いします。」と挨拶をします。会社回りをしている外交の方にとっては常識的なことですが、教員が他の学校に行ったときは、どうでしょうか?他の学校の先生が、わざわざ校長室に来て用件を言うのは億劫なものです。そんなとき、その学校の先生が気をきかせて、校長に取り次いでくれたらありがたいと思うはずです。普段から、気配りのできているS先生らしいさりげない心配りに感心しました。若い先生は見習ってほしい。

2023年3月12日日曜日

花だより あれから12年 佳話を語り継ぐ スイセン

 

 東日本大震災 あれから12年 語り継がなければならないこと
~当時の新聞記事から~ 
 震災後間もなく一人のベトナム人記者が取材で被災地に入り、避難所である少年にインタビューしました。少年は津波で両親を亡くし、はげしい寒さと飢えで震えていました。一つのおにぎりを家族で分けて食べるような状況でした。
 記者は見かねて少年に自分のジャンパーを着せました。その時、ポケットから1本のバナナがぽろっとこぼれ落ちたのです。記者が、「バナナほしいか」と問うと、うなずくので手渡しました。ところが少年はそれを食べるのではなく、避難所の片隅に設けられたみんなで共有する食料置き場に持って行き、もとの場所に戻ってきたのです。
 記者はいたく感動しました。帰国すると、〈こういう子どもはベトナムにはいない……〉と報道したのです。
 この記事は大きな反響を呼びました。かつて、ドラマ「おしん」が大人気になったお国柄です。ベトナムからの義援金は、1千万ドル(約8千万円)に上りましたが、このうち「バナナの少年にあげてください」という条件付きが5万ドルもあったというのです。
 この佳話、谷内正太郎元外務次官が〈「東日本大震災の最中、日本外交を考える」〉と題して講演した中で紹介されたものです。谷内氏はこの時、「少年は大変けなげな日本人の美質、DNAをきちんと受け継いでいる。将来の日本を支える若い人たちの中には、こういう子どもは少なくない。上に立つ政治家も心の中に美学を持ってほしい」と訴えています。
(*回転すしで悪ふざけをする若者ばかりではない)
 この話を紹介した岩見隆夫氏(毎日新聞客員 編集委員)は、「悲劇と苦難のもとでも失われない民族的な強靱さを、一少年の小さな行為から教えられた思いだ」「今の日本は一見、いい材料がない。悲観主義が広がり、亡国論がはびこっている。この物語は大きな救いだ。あきらめることはない」と結んでいます。
 大震災の記憶を風化させないために悲惨な出来事を子どもたちに伝えることも大切だと思いますが、こうした心温まる話をたくさん子どもたちに語っていかなければなりません。
 自分は、つい最近の出来事と思っていますが、小学生は知らないのです。
   

2023年3月11日土曜日

花だより 〇〇が得意だから、教えるのも上手だとは限らない ユキヤナギ

 

 「〇〇が得意だから、教えるのも上手だとは限らない」
  体育の先生ですから、逆上がりなんか子どものころ簡単にできたはずです。しかし、得意だから、教えるのも上手だとは限りません。学校の先生になった人は、「かけ
九九」はすぐに覚えられたに違いありません。できる子は、どんな先生が担任してもできるのです。本当に先生が必要なのは、できない子です。できなくてつまずいている子を指導するには、できない子の気持ちを理解しなければならないのです。

 小学校に生活科・総合の教科ができて、「豆腐作り」をする学校が増えました。ところが、小学校から豆腐職人を育てるわけではありません。生活科は「HOW TO」を学ぶ教科ではないのです。その地域、学校でテーマはそれぞれ違いますが、「ねらい」(生活科で育つ力)は同じでなければなりません。生活科のベースは、幼児教育にあります。技術を習得することが目的ではありません。一番は、「興味・関心・意欲」を育むことです。

 「凡庸な教師は、ただしゃべるだけ 良い教師は、説明する 優秀な教師は、範を示す

 偉大な教師は、子どもの心に火をつける。」という言葉があります。

 教師は、いかに子どものモチベーションを上げるか、その力量が問われます。

 

2023年3月9日木曜日

花だより ツッパリ高校生の卒業式 ムラサキハナナ

 


 これまで保育所・幼稚園から高校まで、多くの卒園式・卒業式を見てきました。ある地方の小さな高校の卒業式に参列したときのことです。見た目、ツッパリ風の生徒がいて、名前を呼ばれ登壇するときもいかにも悪ガキそうな歩き方で、「こいつは?」と思って見ていたら、卒業証書を受け取り、校長先生から声をかけられ、振り向いた顔を見て驚きました。泣いているのです。それも号泣です。周りの生徒も保護者も一斉に下を向き、ハンカチを出しました。「高校生活3年間、この生徒にもいろいろなことがあったのだ。」と思いました。卒業式は、小学校6年間、中学・高校では3年間の集大成の場です。
 こども園の卒園は、義務教育への始まりです。その先の学校への進学もあります。夢と希望に満ち溢れています。小学校の卒業証書には、「小学校の課程を修了したことを証する」とありますが、不登校で学校に行かなくても卒業できます。ところが高校はそうはいきません。卒業は、進学か就職か、人生の岐路に立たされます。

2023年3月8日水曜日

花だより 「しつけ」で所得が増える? 紅梅

 


「しつけ」で所得が増える?
  コロンビア大学の有名な実験「非認知能力 マシュマロ・テスト」
 4才児を対象に、マシュマロを食べるのを我慢する自制心を測る調査をしました。
 追跡調査の結果、4歳のときに自制心が働いた子どもは、そうでない子どもと比べて大学適性試験のスコアが高くなるという結果を得たというのです。さらに将来の賃金にも影響するという調査結果があります。
 日本における研究でも、幼少期の家庭環境をサポートし、十分な教育機会を与える政策は効果があるといわれています。「しつけ」がきちんとされていると、生徒指導や児童生徒の将来にまで影響するのです。
 全国の男女約1万6千人を対象にした別の調査では、「うそをついてはいけない」などの基本的なしつけを受けた人は、所得が多くなると言う結果が出ています。
 生徒指導がもっと楽に、もっと楽しく、もっと真摯に取り組めるようにしたいものです。保護者に「きちんとしつけをすると、所得が増えますよ」と伝えてみてください。


2023年3月6日月曜日

花だより ストレスコントロール パンジー

           
  子どものストレス 
 体が疲れてくると、風邪をひきやすくなったり、胃腸がうまく働かなくなったりします。それは「少し休みなさい」というサインです。そういうときは、仕事を早く切り上げて、薬を飲んだり、医者に診てもらって回復を図ります。しかし、心の疲れはどうでしょうか?体のようにすぐサインが現れないので、多少調子が悪くても無理に頑張ってしまいます。大人であればストレス解消に、パチンコをしたり、お酒を飲んだり、釣りに出かけたり、それぞれがストレス解消法を持っています。しかし、子どもはその術を知りません。自分ではどうすることもできず、それが問題行動として現れてきます。
 「みんな なかよし」
 小学校の教室によく掲示してある言葉です。しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。それだけストレスを多く抱えているのです。
 ストレスコントロール
 お酒を飲んだりしてストレスから逃げることではありません。人生をより充実させて生きていくために、ストレスを自分が成長するための糧として主体的に取り入れていく姿勢が大切です。ストレスと上手に向き合い、ストレスへの耐性を強化しながら、さらに上のレベルを目指していくことがストレスコントロールです。ストレス発散で他人に迷惑をかけてはいけません。ストレスで犯罪を犯したり、薬物に手を出すことは許されません。ストレスのない快適な環境をつくる努力をするより、ストレスに耐える心を育てることが大切だと思います。


2023年3月5日日曜日

花だより 1歳児のお楽しみ会 キランソウ

 



 3月3日 1歳児の「お楽しみ会」
 3歳以上は「発表会」といいますが、0~2歳の未満児は「お楽しみ会」と本園ではいっています。なぜ「お楽しみ会」というのか。
 練習風景を見ていると毎日違う? ある日は、舞台に一人もいなくなって、先生方は、脱走者を追いかけるに右往左往。ところが総練習では、嘘のようにきちんとできたりするのです。それでも担任は、「明日は、おうちの人が来るので、どうなるか分からない?」と心配です。お楽しみ会は、「どうなるか、お楽しみ」ということらしいのです。おまけに園の名称は「わくわく園」、わくわく、どきどきのお楽しみ会なのです。
「これで、おしまい」と言ったとたん、女の子は、お母さんの下に走り出しました。総練習とは全く違った光景がそこにありました。お母さんを見つけると泣き出し、舞台から降りて駆け寄る男の子がいました。でも、それは先生の予想の範囲でした。女の子は、それを横目で見ていて、「私も行きたい」と思ったかもしれない。それでも、我慢して、やることはきちんとやって、「おしまい」と言った瞬間、駆け出したのです。お母さんもそれを分かっていて、ぎゅっと抱っこしながら「じょうずだったよ。よく頑張ったね!」と褒めました。そして、「〇〇ちゃん行くよ!」と先生から声をかけられると、素直にお母さんから離れたのです。 
 お母さんは、「今日の朝、『お母さんお仕事休んで見に行くからね。お母さん一人だけど、一番前で、ちゃんと見ているからね。頑張ってやるんだよ!』と話したんです。」と、女の子は、お母さんとの約束を守りました。「お楽しみ会」を楽しませてもらいました。

2023年3月4日土曜日

花だより 日本人のマナーは悪くなったと思いますか? 辛夷(こぶし)


          

日本人のマナーは悪くなったと思いますか? 
 思う=73%  思わない=20%  わからない=7% (読売新聞調べ)
  回転すし店での不衛生な悪ふざけが、社会問題に発展しました。大手回転すしチェーン店は大損害です。やった少年は学校を自主退学しました。SNSにあげて「いいね」を欲しがった?日本人のマナーは、本当に悪くなってしまったのでしょうか?
 《悪くなった理由best8》
1 家庭でのしつけに問題があるから
2 大人がマナーを守らなくなっているから
3 周りの大人が子供に注意しなくなっているから
4 他人の気持ちを考えない人が増えているから
5 他人の振る舞いに無関心な人が増えているから
6 社会の一員としての自覚に欠ける人が増えているから
7 学校での教育に問題があるから
8 羞恥心がなくなっているから
 *「自分に問題はない」が70%(?)
「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」(江戸時代の教育法)
 3歳までに人間としての心の糸をしっかり張る。
 6歳までにしつけを手取り足取りまねさせる。
 9歳までに人前でお世辞の一つも言えるくらいの挨拶が出来るようにする。
12歳には一家の主の代書が出来るようにする。
15歳で森羅万象が実感として理解出来るようにする。 
 子供は大人を見て育ちます。大人がまず手本を示さなければなりません。想像力を働かせ相手を思いやり、実行に移す人が増えれば、潤いのある社会が戻るはずです。


2023年3月3日金曜日

花だより 雛人形のお片づけ 雛人形  桃の花

         

雛人形のお片づけ
「3月3日の雛祭りが終わったら、すぐ雛人形の片づけをするんだって、早くしないとお嫁に行けないんだって…。」
 昔は、今のようなお雛祭りと違って、悪い病気にかからないための行事でした。粗末な紙人形を作り、その人形で体をなでてお祓いをしてから、川へ流してしまうと病気にかからないと考えられていました。これを「ひな流し」といいますが、後になって流されるお雛様のほかに、飾るお雛様を作りお祭りするようになりました。
 今では立派で豪華な雛人形がデパートに並べられています。それをおじいちゃん、おばあちゃんが孫のために買うようになりました。
 小学生の頃、雛人形を買う余裕のない我が家では、3月3日が近づくと妹は母と一緒にハギレを使って、雛人形を作りテレビの上に飾っていました。母は娘に買ってやれなかったので、孫のためにと年金を貯めて狭い家には不釣り合いの雛人形をそろえてくれました。
 節分、桃の節句、端午の節句は、それぞれに自然を讃え、生物を慈しみ、子どもの健やかな成長を願う意味が込められています。高価なものをそろえるというだけでなく、こうした日本人の節目を大切にする風習は、各家庭で大事にして、次の時代を担う子どもたちに受け継ぎたいものです。


2023年3月2日木曜日

花だより 1年生入学と同時に親の勉強が始まる 白梅 桃

 


1年生入学と同時に親の勉強が始まる 
‘’子どもは育ってほしいと思ったようには育たない。育てたように育つ”
「うちの子は、テレビゲームに夢中と思っていたら、最近は、YouTubeやTikTokばかり見ているんです。だれが教えたわけでもないのですがね…。」という親がいます。そういう子は親がそうしているからです。親の背中を見て育つということです。親の言動がそのまま子どもにコピーされるのです。小児科に通う親のほとんどは、待合室でスマホとにらめっこで、子どもに視線はいかないといいます。 
 勉強ができる子、友だちと仲よくできる子は、基本的な生活習慣がきちんと身に付いている子です。あいさつができる子。話がきちんと聞ける子。身の回りの片付けができる子です。それは、親がそうしているということです。
 「ちゃんとあいさつするのよ!」、「先生の話をちゃんと聞くのよ!」と言って聞かせてその通りになるのなら、何の苦労もありません。できるようになるには、親がお手本を示すことです。ドリルを与えて、「勉強しなさい!」ということではありません。「当たり前のことが、当たり前にできる」ようにすることですが、ところがこれがなかなかできないのです。4月から1年生の親となる皆さん、子どもだけでなく、親もまた子育ての勉強が始まるのです。

2023年3月1日水曜日

花だより 車イスの子の卒業式 フクジュソウ キブシ

 

   車イスの子の卒業式
 車椅子の子が卒業を迎え、卒業証書授与をどうするか先生方で話し合いました。先生方からは、校長がその子の順番が来たら、演壇から降りてきて、渡すのがいいという意見でした。しかし、保護者や本人の意見を尊重すべきだと思い、聞くことにしました。保護者は、「いろいろ配慮していただき、ありがとうございます。6年間、他の子と一緒に過ごさせてもらいました。修学旅行も一緒に行くことができました。できるならば、壇上で一緒に卒業証書を受け取らせてやりたいです。最後のわがまま聞いてくれますか。」それでスロープを用意することにしました。障がい者への配慮は、良かれと思ってやったことも、実はそうではないということもあります。特別支援と言いますが、特別扱いされることを嫌がるものなのです。