読書が育む 推論力・語彙力 今井 むつ 慶応大学名誉教授
「14人の子どもが列に並んでいます。Aさんの前に7人います。Aさんの後ろには何人いますか?」 小1の算数の問題だが、3年生の正答率は28%、4年生で50%、5年生でも25%は間違えた。14-7=7の答えが多い。数字を使って計算式を作り、間違いなく計算はできても、A本人を表す数字「1」を計算式に入れることを思いつかない。文章が何を聞いているのかを理解して、書かれていない数字を自分で補うことができない。
読解力とは何か? 文章には直接書かれていないことも自分の知識の枠組みを使って補足しながら、何を言おうとしているのか推論していくこと。推論は文脈によって変わる言葉の意味を考える場合などにも必要である。良い推論のできることは、良い読解につながる。
「今の子どもは読解力がない」と言われるが、読解力には段階がある。
◎第1段階~文のレベルで情報を正しく解釈できる。
◎第2段階~自分の知識を使って直接書かれていないことを補い、文章全体を正しく読み
取れる。
◎第3段階~文章全体のメッセージを自分の知識に関連付け、新たな思想を生み出せる。
最初の段階につまずいていないか留意する。そこで手助けをしていけば、あとは自分の力で次の段階に行ける。人間は推論能力の塊だから、読みたいという意欲があれば、自分でどんどん読んでいく。
読売新聞 3月20日 「読解力フォーラム」より


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