前玉川大学大学院教授 阿久澤 栄氏(全国特別支援学級設置学校長会研究大会の講演から)
《障害?or母子関係の悪さ?》
「発達障害の子どもがいるので見てほしい。」という依頼があり、これまで四百数十人見てきましたが、その中の70%の子どもは、発達障害と同じような問題行動はあるものの発達障害ではない子どもです。発達障害と同じような問題行動をする子どものほとんどは、「母子関係の悪い子ども」です。こういう子は、愛着関係からスタートしていますから、母子関係が問題なのです。
この母子関係の悪さは、非常に難しい問題です。ある子は3歳ですが、荒れに荒れて、落ち着きがなく、自分の意見が通らないと噛みついたりします。その反面、特定の保育士には、ベターっとくっついていきます。いろいろ調べていくと家庭内に問題があることが分かりました。愛情不足の欲求不満ゆえに出てきている問題行動なのです。母子関係の悪い子どもの多くは、ADHDや多動衝動型と同様な行動をとりますが、一つ違うところは、小学校でいえば、授業中はおしゃべりが止まらず教室を勝手に出て行ってしまっても休み時間になると教室に戻り、担任にベターっとくっついているというのが、母子関係の悪い子どもの典型です。
この3歳児の両親は、共働きで夫婦間の会話も少ない上、お母さんいわく「仕事が忙しくて子どもの面倒を見ている暇がない。」という有様です。これでは子どもがうまく育つはずがありません。忙しい中でも、ちょっとでもその子を抱っこしてあげれば違うのです。また、子どもへの声掛けの仕方がわからないという母親もいます。学級の中に指導が難しい子どもがいて7割の子どもは発達障害ではなく、母子関係が悪い子どもだと頭に入れておくことです。そして、決して母親だけを責めることなく話し合うことです。子どもはもちろんですが、母親にも寄り添うことが必要です。
~こども園ではよくあること~



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