《シリーズ「イキイキ子育て」》
シリーズ3回目「こころの強い子」は成績も伸びる
多胡 輝 著(心理学者)
「いいこと」「悪いこと」がはっきりわかる子に育てる
ガムを買って、紙包みをそのまま捨ててしまう子がいました。包み紙を捨ててしまうのですから、ガムを捨てるときもそのままプッとはき出してしまうのでしょう。
これはマナー違反です。ゴミを捨ててはいけないという社会のルールを無視しています。こういう行為をする子は、捨てたいから捨てるだけだと思っているのです。捨てたいという自分の欲望とか気分をコントロールできないのです。近くにゴミ箱があっても、そこまで行くがまんができないのです。自分の欲望や気分のままに生きるのはこころの弱さの現れです。
こころの強い子は、そこでがまんします。周囲を見て、近くにゴミ箱があればそこに捨てに行きます。
マナーやルールを守って、自分を抑制することを知っている子はこころが強い子です。こういうことは日頃から父母がしつけることで身に付きます。
人間は気分とか情緒で善悪を判断するのは難しいのです。今日は気分が悪いから捨ててやれ。今日は気分が良いから守ろうか。そんな曖昧なことでは世の中のルールとかマナーは守れません。
では、守るのには何が大切なのでしょうか?
こころの中にあらかじめ決まりごとを持つということです。ゴミはいついかなるときも捨ててはいけないという規範(モノサシ)をこころの中に持てば、気分が良かろうが悪かろうか、人がいようがいまいが、こころの中のモノサシに照らして行動できます。子どものこころにモノサシを持たせるのは両親の役割になります。ぜひ「いいこと」「悪いこと」を区別できるモノサシを子どものこころにプレゼントしてください。
たいした理由もなく「今日は、学校に行きたくない。」と言う子がいます。すぐ「面倒くさい!」という子がいます。子どもに限らず、楽な方に流れがちですが、子どもを持つ親は、「率先垂範」が大切です。親自身が心の強く持つことです。
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