葬 儀
小学1年生と保育所に通う2人の姉妹を残して、若いお母さんが亡くなりました。
葬儀には、多くの子ども連れの参列があって、斎場は、すすり泣く声に包まれました。そんな中で子どもたちは約1時間、騒ぐことなく緊張した趣でじっと座っていました。「お行儀よくさせたいなら、葬儀に連れて行け」とよく言われます。厳かな雰囲気を感じ取り、大概の子はおとなしくしているものです。突然、母親を失った姉妹は、まだ実感がないのでしょう。友だちの顔を見つけると笑顔さえ浮かべていました。また、その姿がさらに涙を誘いました。
葬儀が終わって数日後、父親と姉妹が学校を訪れました。近くに祖父母が居るそうですが、これからは3人で暮らすと言っていました。「お父さん一人で、2人のお子さんの面倒を見るのは大変ですね。」と声をかけると、「これまでも1週間に一度は、妻が入院していた札幌の病院を行き来して、そして、2人の子を見てきました。これからも頑張っていきます。」と礼儀正しく、真面目なお父さんでした。それだけにこれからの苦労は並大抵ではないことが想像できます。「頑張ってくださいね。」という言葉しかかけることができませんでした。本当の寂しさや悲しさは、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年後にやってくるものです。二人の姉妹から笑顔が消えないことを祈るばかりです。
1年生の教室前に、七夕の短冊が飾ってあります。「ピアノのせんせいになって、みんなにいっぱいおしえてあげたい。」その子が星に願ったことです。お母さんは、ピアノの先生でした。
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