家庭環境の影響・ゲームの功罪・低下する親の意識
「生活保護を受けて楽に暮らしたい。」
札幌市内の小6の男子が綴った“将来の夢”だ。勉強をするように指導した際に返ってきた言葉も「生活保護をもらうからいいよ。」だった。かつては、勉強が苦手な子どもでも、励ませば元気な言葉が返ってきた。今は淡々とした表情で「勉強しなくても何とかなるから」という子が多い。学ぶことをあきらめている子もいると感じている。(札幌市内の教員)
道内は全国平均よりも雇用状況が厳しい、所得も低く、母子家庭も多い。「複雑な家庭環境の子は、やはり問題を抱えているケースが多い。そして、道内の家庭の複雑さは昔の比ではない。」
「クラスの半分は、自宅でテレビゲームをやりたい放題。ゲームが子守代わりになっている。」
親にはゲームの時間を決めるようにアドバイスしているが、4時間から6時間もゲームに浸る子も少なくない。学校に来なくなった子の自宅に行って驚いた。汚れた部屋の中に立派なパソコンが2台。ここでは親子でゲーム漬けの生活を送っていた。ゲームやテレビを見る時間が多ければ、寝る時間も遅くなり、眠たくて授業に集中できない。当然学力にも影響する。(道央の教員)
授業参観で教室内でも私語をやめない母親たちの姿
「もはや教師は尊敬の対象ではない。」というのが多くの教員の実感だ。学校を見る親たちの目も厳しくなり、放課後の職員室では、教師が校内での子どものけがやトラブルについて保護者への連絡に追われる姿は当たり前になっている。(道東の教員)
教員の権威が無くなり、親から『先生の言うことを聞け』と教えられない子は多い。そういう子が数パーセントいるだけでも、学級経営に支障をきたす。子どもたちが教師の指示を聞かずに授業が成り立たない「学級崩壊」の背景には、こんな教師や学校を軽視する親の意識があるという。
読売新聞で実施した世論調査では、学力低迷の原因を「家庭」とする人は最多の69%に上がっている。
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